ゴング長老,教師が―イエスのように―ほかの人々を「養う」ことのできる方法を教える
提供者: マリアン・ホルマン・プレスコット,チャーチ・ニュース記者
記事のハイライト
- 憐れみから始めて,最後に思いやりを示す。
- 今あるもの,今の状態から始める。
- 組織立て,秩序正しく行う。
- 感謝を述べる。
- 受けること,与えること,教えること,教えられることを学ぶ。
- 全体にも個人にも影響を及ぼす。
- 啓示を求める。
「御霊に満ちた教えは,水の上に投げられたパンのようであり,パンと魚のように,始めたときよりも大きくなって戻って来るのです。」―七十人会長会 ジェリット・W・ ゴング長老
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「救い主の教導の業について理解を深めることによって,わたしたちや家族,生徒〔は〕救い主にもっと近づけ……ます」と,七十人会長会のジェリット・W・ ゴング長老は,2月17日に行われた教会教育システムの年次「中央幹部との夕べ」ディボーショナルで語った。
セミナリーとインスティテュートの教師と職員は,ソルトレーク・シティーのダウンタウンだけでなく,放送を通じて世界各地で,テンプルスクウェアのタバナクルで行われたこのディボーショナルに参加した。このプログラムには,ゴング長老とともに,中央幹部七十人兼教会教育委員長のキム・B・クラーク長老も出席した。ユタ州ソルトレークバレー地域の教会教育システム職員とその配偶者たちから成る聖歌隊がこの会の音楽を提供した。
「いばらとあざみがいっぱいの世にあって,救い主は,マナ,日々のパン,主の聖餐の約束を祝福として与えてくださり,それによってわたしたちは,命と希望,喜びを得ることができ,さらに豊かに得ることができるのです」とゴング長老は語っている。
新約聖書から引用して,ゴング長老は,ほんの少しのパンと魚によって群衆に必要な食物を与えられた「命のパン」についての救い主の経験を描いたビデオを見せた。
「イエスがわたしたち全員を一人ずつ……養われることについて,皆さんは何に気づき,何を感じ,あるいは何を学びましたか」とゴング長老は問いかけている。「そのパンはマナのようで,コエンドロや蜜のように甘かったでしょうか。2匹の小さい魚がわたしたち全員をどのように満たしたのでしょうか。」
ゴング長老は,救い主をさらによく理解し,もっと救い主に近づき,もっと救い主に似た者になるのに助けとなる9つのことを挙げている。
1.救い主は深く憐れまれる。
「救い主の奇跡の多くは,理解と憐れみから始まります」とゴング長老は語っている。「救い主はわたしたちの心と状況を御存じであり,わたしたちの望みや心の傷,願いや必要なものに対する憐れみに満ちておられます。」
ゴング長老は,聖典に見られる救い主の模範を紹介しながら,人々を受け入れ,教え,癒す救い主の能力について語っている。
「救い主は,教導の業を進めるに当たって人々に深い憐れみを示しておられます。重い皮膚病にかかった人に,ある人の悪霊につかれている息子に,一人息子を亡くしたやもめの母親に,憐れみを示されました。救い主は,瀕死の傷を負って放置された人を気の毒に思った良いサマリヤ人のようになりなさいと教えておられます。……救い主はまず深い憐れみから始めて,最後に,恵み深く思いやりを示されます。」
2.救い主は彼らが持っているものから始められる。
ゴング長老はこう語っている。「群衆に食物を与えたいと思われた救い主は,まず,彼らが何を持っているかお尋ねになります。救い主は世界の創造主であり,天地の主ですが,彼らが持っているものと彼らの状態から始められるのです。」
救い主は一人の人が持っているものを手に取り,それをあり余るほどにすることがおできになる御方である。
ゴング長老はこう問いかけている。「皆さんは,自分がどのような教師か,何を,だれに教えるのか確認して,果たして自分の能力でできるのだろうかと疑問に思ったことはありませんか。恐らく,この弟子たちのように,手もとにある少しの小さいパンと魚を見て不安になります。『しかし,こんなに大ぜいの人では,それが何になりましょう。』」
クラスで,教師は生徒たちに,クラスに貢献してもらおうとする。そして,大きな貢献をする生徒もいれば,そうでない生徒もいる。
「学習者また教師として(その両方であるわたしたちは),今あるもの,今の状態から始めます。そうすれば主はわたしたちを大いなる者とし,努力に報いてくださいます」とゴング長老は語っている。
3.救い主は物事を秩序正しく行われる。
ほかの人のことはお構いなしに押し合いへし合いする大勢の人々のようではなく,主は組織立て,すべての人に気配りをされる御方である。
ゴング長老はこう語っている。「教会では開拓者の隊,すなわち組について話します。神殿で礼拝するグループすなわち組について話します。わたしたちにとって『組』とは,高い目標を共有する,秩序ある集団を指します。」
4.救い主は感謝を述べられる。
ゴング長老はこう述べている。「救い主はパンと魚を手に取ると,『天を仰いでそれを祝福してさき〔ました。〕』天地の創造主であり,王の王である御方が,自ら感謝をささげてからパンと魚を裂き,全員が『彼らの望むだけ』食べられるようにそれを増やされました。」
5.救い主は食物を弟子たちに与えてから,群衆に与えるように言われる。
ゴング長老はこう言っている。「これは順序ですが,順序以上のものです。羊飼いたちを強めて,羊飼いたちが羊を強めることができるようにします。教師に教えて,教師が生徒を教えられるようにします。」
それが聖文と教会で広く用いられている神の方法,すなわち,与え,受けるという大いなる御霊の賜物である。
ゴング長老はこう言っている。「後で自分が教えるということが分かっていれば,学ぶ助けになります。学ぶことを教えると,教えることを学びます。」
2017年2月17日金曜日にソルトレーク・シティーにあるテンプルスクウェアのタバナクルで行われた「中央幹部との夕べ」でパンを手にして話す七十人会長会のジェリット・W・ゴング長老。ゴング長老はこう言っている。「救い主はこう言われたのは,万人がパンを理解し,パンに頼っていたからではないでしょうか。『わたしが命のパンである。』」写真/ローラ・サイツ,デゼレトニュース
6.救い主は5,000人に一人ずつ,食物をお与えになる。
奇跡的な方法で,パンと魚は分けて増やされ,全員が食べて満腹した。
「これは,わたしたち教師が求める奇跡です。クラス全体と,クラスの一人一人を教えるのです。そのためには5,000人にも,一人一人にも注意を向けなければなりません。全体的な問題と個人の必要に対処します。そして,バランスの問題を超えて,始めにあったもので足りるという霊的な奇跡が求められます。」
7.救い主は何も失われないようにされる。
人は持っているものに感謝して始めると,終わるときに少しも失われるものはない。
ゴング長老はこう述べている。「天の経済には無駄がありません。最初にすべてが引き出され,何も無駄になることなく終わります。」
啓示のプロセスを踏むこと,すなわち,尋ね,答えを受け,記録し,深く考え,従い,まだ何かあるか尋ねることによって,人は自分が持っているものの上に築き上げ,その後さらに増し加えられるのである。
2017年2月17日金曜日にソルトレーク・シティーにあるテンプルスクウェアのタバナクルで行われた「中央幹部との夕べ」で話す七十人会長会のジェリット・W・ゴング長老。写真/ローラ・サイツ,デゼレトニュース
8.救い主とともにいれば,終わりには始めよりも多くなる。
パンや魚と同じように,「霊的に増し加わるという奇跡は,救い主とともにいれば,始めよりも多くなるということです。終わりには始めたときよりももっと多く愛や学び,霊感,優しさが増します。御霊に満ちた教えは,水の上に投げられたパンのようであり,パンと魚のように,始めたときよりも大きくなって戻って来るのです。」
9.見る目と聞く耳を持つ者に,救い主は聖餐の豊かさを教え,証される。
「救い主の世界はパンと魚の豊かな世界です」とゴング長老は語っている。
救い主が養いを与えられたことに関する聖文中のそのほかの例,すなわち,救い主が御自身のことを「生ける水」と宣言されるのを聞いた,井戸のそばにいた女性や,救い主が御自分のことを「命のパン」と述べられるのを聞いた人々,また救い主から聖餐を受けた弟子たちについて紹介しながら,ゴング長老は,救い主が与えてくださるものにあずかる人々は「決して飢えることも渇くこともなく,満たされるであろう」と述べている。
「兄弟姉妹,霊的な飢えと渇きの世の中で,皆さんがすばらしい学習者であり教師であることに感謝します」とゴング長老は言っている。「パンと魚という霊のごちそうのようなレッスンと,生徒とのやり取りを毎回準備してくださり,ありがとうございます。」
ゴング長老は,多くのセミナリーとインスティテュートの教師に感謝を述べた。世界の133か国において召されている教師と専任職員は合わせておよそ4万9,000人で,毎年2,080万時間以上が福音の業にささげられている。
ゴング長老はこう述べている。「皆さんはあらゆる地域,あらゆる状況の下で,あらゆる事情を抱えた生徒を,大きいクラスや小さいクラスで教え,奉仕しています。」
2017年2月17日金曜日にソルトレーク・シティーにあるテンプルスクウェアのタバナクルで行われた「中央幹部との夕べ」でパンを手にして話す七十人会長会のジェリット・W・ゴング長老。ゴング長老はこう言っている。「救い主はこう言われたのは,万人がパンを理解し,パンに頼っていたからではないでしょうか。『わたしが命のパンである。』」写真/ローラ・サイツ,デゼレトニュース
クラーク長老:マスター教義
同様のディボーショナルで十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老がこれについて発表してから1年後,クラーク長老はこう語っている。「マスター教義は,生涯にわたる深い学習の入り口なのです。」
クラーク長老は,マスター教義の3つの目的,生徒が教義の知識と理解を増し加えるのにそれがどのように助けとなるか,その知識と理解を生活に生かす方法について述べている。
第1に,それは生徒が霊的な知識を得る方法を学ぶのに助けになる。
第2に,それは生徒が救い主の教義を知り,理解するのに助けになる。つまり,真実の教義を思いで知り,また真実の教義を心で理解するということである。
第3に,マスター教義は,生徒が生活でその教義を応用する方法を学ぶのに助けになる。生徒自身がそれに従って生活し,またそれを用いて友人やほかの人々が抱いている疑問に答えることでそれができる。
クラーク長老はこう述べている。「マスター教義は,去年の秋に全世界に発表されました。これが主から啓示によってもたらされたものだということを,皆さんが知り,心で感じられるよう願っています。これは奇跡です。これがもたらされた方法,時期,理由についてしばしば思い返してきました。そして,教会教育のより大きな枠組みにおいて,また地上での主の偉大な業における視点でマスター教義を見るようになりました。」
マスター教義は,学ぶための主の方法を生徒に教えるものである。学ぶことは,次の3つのことをする能力が増すときに深く学んでいると言える。すなわち,知り,理解すること,効果的で義にかなった行いをすること,もっと天の御父のようになることの3つである。
クラーク長老はこう言っている。「深い学習は,主の方法により行わなければなりません。それは,聖霊の力を通し,活発かつ勤勉な学びや教え合いにより,イエス・キリストの恵みにより行います。いかなる知識に関しても,人生のいかなる時期においてもこれは真実です。」
クラーク長老は,主の方法で学ぶ学習法を教えられていると理解するように生徒を助けるようセミナリーとインスティテュートの教師に勧めている。また,セミナリーとインスティテュートを卒業することの価値と,卒業することでもたらされる力を生徒が知ることができるように助けるよう教師に勧めている。
クラーク長老はこう述べている。「生涯にわたって霊的およびこの世的な知識の両方を深く学ぶ必要があることを教えてください。セミナリーを卒業したら終わりではないことが分かるよう助けてください。……皆さんは……主の方法で学ぶ学習法を教えることにより,生涯にわたる深い学習の基礎を作る助けをしています。」