霊感に導かれて

預言者と使徒は,現代においてこの世を生き抜けるかどうかは聖霊の促しに従う能力にかかっていると教えています。主を信頼して霊感に導かれる人は差し迫って必要としている答えを見いだすでしょう。

トーマス・S・モンソン大管長はすべての教会員に次のことを思い出すよう勧めています。「皆さんはこの教会の会員として確認の儀式を受けたときに,聖霊を伴侶とする権利を得ました。聖霊は正しい選択ができるように皆さんを助けてくださいます。難しい問題や誘惑にぶつかっても,それを自分だけの力で解決しなければならないと考える必要はありません。祈りを通して霊的な力が得られることを忘れないようにしましょう。」

さらに次のことも勧めています。「決断する際にはこう自問しましょう。『それはわたしにどんな問題をもたらすだろう。それはわたしにどんな益をもたらすだろう。』また,行動の基準としては『人はわたしをどう思うだろう』でなく,『自分は自分をどう思うだろう』ということを重視してください。静かな細い声の感化を受けてください。確認の儀式のときに権威ある人が皆さんの頭に手を置いて『聖霊を受けなさい』と告げたことを思い出してください。真理を証するあの特別な声に皆さんの心を,魂を開いてください。」

わたしたちの規範

当時大管長会第二顧問だったヘンリー・B・アイリング管長はこのように述べています。「天の御父は,聖霊を一度だけでなく,日々の混沌の中で絶えず受けるための簡単な規範を与えてくださいました。その規 範は,聖餐の祈りの中で繰り返されています。わたしたちはいつも救い主を覚えると約束します。御子の御名を受けると約束します。戒めを守ると約束します。そして,その約束を守るなら,御子の御霊を受けるという約束を受けます。わたしたちが分を尽くすことで,これらの約束は一体となり,すばらしい方法で証を強め,やがては贖いによってわたしたちの性質を変えていくのです。」

生死に関わる問題

「今日の世の中では,個々人が霊感を受けずに生きていくことはできません。これから先は,ますますそうなることでしょう」と十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長は警告しています。

「聖霊の賜物は男女を問わず,また幼い子供たちにさえ,平等に与えられています。どのような問題についても,霊的な癒しをもたらすのは,この驚くべき賜物と力によるのです」とパッカー会長は教えています。そしてモルモン書から引用しながら次のように語っています。「『さて,神は天使によって,人々に,まことに男ばかりでなく女にも御自分の御言葉を伝えられる。それだけではない。知者や学者を辱める御言葉が,これまで何度も幼い子供に与えられてきた。』(アルマ(32:23)」

パッカー会長はさらにこのように教えています。「恐らく,わたしがモルモン書を読んで学んだ最も重要なことは,御霊の声は音というよりも感じだということです。皆さんもわたしのように,耳で聞くというよりも 心で感じることによってその声を『聴く』ことができるようになるでしょう。」

尋ねることを学ぶ

「一人一人が学ぶ必要のある偉大な教え の一つは,尋ねることです」と十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老は語っています。「主はなぜ,主に祈り,尋ねるよう望んでおられるのでしょうか。なぜなら,それこそが啓示を受ける方法だからです。」

スコット長老はこのように証しています。「常に真理に従っているなら,なすべきことを教える霊感の扉が開き,必要なときには神の力によって人の能力が高められることを,聖文は雄弁に物語っています。聖文にはまた,助けが必要なときに主が困難や疑い,克服し難い試練を乗り越える力をどのように与えてくださるかが描かれています。そのような例について思い巡らすとき,それらの経験は真実であるという静かな確信が,聖なる御霊を通して得られるでしょう。自分にも同じような助けが得られることが分かるようになるでしょう。

自分の経験ではどうしてよいか分からない事柄に出合ったときに,どう対処するべきか心得ている人をわたしは何人も見てきました。彼らは主を信頼し,差し迫って必要な解決策を主が示してくださることを知っていました。」

スコット長老はこう語っています。「ある気持ちや促しが神からのものであるかどうかを知る二つの指標は,心の平安と静かな温かい気持ちが生じるかどうかです。……神の導きに従うにつれて,現世と永遠の世でさらに幸福になり,それに加えて,さらに進歩を遂げ,奉仕する力も増すでしょう。それがどのように起こるのかわたしには完全には分かりませんが,導きを受けるからといって選択の自由が取り去られるわけではありません。皆さんは思いのままに決定を下すことができます。しかし覚えておいてください。正しいことを行う性質は思いと心に平安をもたらします。」

スコット長老は次のことも警告します。「天の御父との交信は,ささいなことではありません。それは神聖な特権であり,永遠不変の原則に基づいています。わたしたちは,信仰と従順に応じて,また選択の自由を適切に使うことの報いとして天の御父から助けを受けます。」