2010–2019
すべての必要なものを得るために備える
2019年4月の総大会


16:27

すべての必要なものを得るために備える

個人の責任,すなわち回復されたイエス・キリストの福音を学んで愛するという責任を全うしようと努力するときに,祝福を受けます。

最近の総大会で発表された一連の変更から明らかなように,末日聖徒イエス・キリスト教会のプログラムと活動は,ますます家庭中心で教会がサポートする形になりつつあります。ラッセル・M・ネルソン大管長はこのように勧告しています。「まだまだ続きます。……ビタミン剤を飲み,休息を取っておいてください。きっとすばらしいことが起きます。」

主の回復された教会で進展しているこうした変更に含まれる,基本的な意味について幾つかともに考えるうえで,聖霊の助けがあるよう,祈り求めます。

家庭中心で教会がサポートする形の福音の学習

最近,ある神権指導者集会にクレーグ・C・クリステンセン長老と一緒に出席したときのことです。長老は二つの簡単な質問を使って,より家庭中心で教会がサポートできるようにするための原則を強調しました。日曜日の教会の集会後に自宅に帰ってから「今日教会で,救い主と主の福音についてどんなことを学んで来たんだい?」と尋ねるのではなく,むしろ教会の集会で「この一週間,家庭で救い主と主の福音について何を学んできましたか?」と尋ねるべきだとクリステンセン長老は言いました。正しく安息日を守ることや新しい教科課程,そして変更された集会スケジュールといったものはすべて,家庭と教会の双方で福音を学ぶ際の助けとなります。

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は各々,主の教えを学び,それに従って生活し,適切な権能により救いと昇栄の儀式を受ける責任を負っています。教会は,献身的な弟子となり最後まで勇敢に堪え忍ぶために,知るべきこと,行うべきことをすべて教え,指示してくれる組織だと期待するべきではありません。むしろ,学ぶべきことを学び,どう生きるべきか知っているとおりに生活し,主が望んでおられるような人物になるのは,わたしたち各々の責任なのです。そして,家庭は,学び,実践し,そのような人物になるための最も重要な場所です。

ジョセフ・スミスは子供のころ,家族から神について学びました。自分に対する神の御心を見いだそうとしたジョセフは,多くの異なるキリスト教の宗派の中で真理を探究し,聖文について熱心に考え,心から神に祈りました。御父と御子が御姿を現された直後に,少年ジョセフ・スミスが聖なる森から自宅に帰って最初に話した相手は母親でした。「暖炉に寄りかかっていると,母がどうしたのかと尋ねた。そこで〔ジョセフ〕は,『何でもありません。 大丈夫です。元気です』と答えた。それから,〔ジョセフ〕は母に,『……自分で分かりました』と言った。」ジョセフの経験は,学ぶことに関してわたしたち一人一人が倣うべき,力強い規範を示しています。わたしたちも自分で知る必要があるのです。

天の御父の計画の重要な目的は,御父の子供たちがさらに主に似た者となることです。したがって,天の御父はわたしたちに,成長し進歩するために不可欠な機会を与えてくださいます。ますます混迷し邪悪がはびこる,「混乱」した世にあって,真理を学び,それに従って生活するというわたしたちの決意は,いよいよ重要性を高めています。単に教会の集会に出席し,プログラムに参加するだけで,あらゆる面で霊的に強められ,守られて,その結果,「悪しき日にあたって,よく抵抗」できるようになるなどと期待することはできません。

「両親には,愛と義をもって子供たちを育て……るという神聖な義務があります。」霊感を受けた教会の指導者や教師,活動は,霊的に成長しようとする個人や家族の取り組みを助けるものです。わたしたちは皆,聖約の道にあって前進するために助けを必要としてはいますが,霊的な強さと耐久力を育む最終的な責任は,わたしたち一人一人にあります。

預言者リーハイの息子ニーファイが,命の木の示現で父親が学んだことを聖霊の力によって自分で見,聞き,知りたいと望んだことを思い出してください。ニーファイは明らかに「善い両親」の模範と教えを必要とし,若いうちにそれらを祝福として受けました。それでも,ジョセフ・スミスと同様に,自分で学び,知りたいと切望したのです。

もしイエス・キリストとその回復された福音について皆さんやわたしの知っていることが,ほかの人が教えてくれたり,語ってくれたりしたことでしかないとしたら,主と主の栄えある末日の業に関するわたしたちの証の土台は砂の上に建てられていることになります。わたしたちは福音の光や知識を全面的にほかの人に依存したり,借りたりすることはできません。たとえ相手が自分の愛し,信頼する人であったとしてもです。

預言者ジョセフ・スミスが,それぞれの末日聖徒は「この世にやって来……ることについての神の計画と目的」を自分で理解する必要があると教えたのは,実に意味深いことでした。

「未来の状態における神や天使たちと人との関係について,アダムの時代から書き記されてきたすべてのものを読み,理解したとしても,ほとんど何も知ることができないでしょう。ほかの人の経験,すなわち彼らに与えられた啓示を読んでも,わたしたちは自分たちの状態や神とのほんとうの関係について,決して包括的な理解を得ることはできないのです。これらの事柄についての知識は,その目的のために定められた神の儀式を通して,経験することによってのみ得られるのです。

個人と家族に関するこの霊的に壮大な目標を達成できるようにすることこそ,時満ちる神権時代の特にこの時期に,末日聖徒イエス・キリスト教会のプログラムと活動が,より家庭中心で教会がサポートする形になりつつある基本的な理由の一つです。

家庭中心で教会がサポートする形の福音の学習が意味するもの

福音の学習はますます家庭中心で教会がサポートする形になりつつあります。その基本的な意味を少し要約したいと思います。

最も重要な宣教師訓練センターは,家庭にあります。それを支える宣教師訓練センターは,プロボやマニラ,メキシコシティーなどにあります。最も有益な日曜学校のクラスは,わたしたちの住まいで行われる個人や家族の学習であるべきです。集会所で開催される日曜学校のクラスは,役立ちますが補助的なクラスです。

今や,家族歴史センターはわたしたちの家庭にあります。家族歴史の探求のための補助的な支援を集会所で得ることもできます。

きわめて重要な神殿準備クラスはわたしたちの家庭で行われます。大切ではあるものの補助としての神殿準備クラスも,定期的に集会所で行うことができます。

「聖なる場所に立〔つ〕」ことができるよう,わたしたちの家庭を聖域とすることは,この末日では欠かせないことです。家庭中心で教会がサポートする形の学習が霊的な力と守りを得るうえで今日とても大切であり,その重要性は将来さらに増すでしょう。

家庭中心で教会がサポートする形の学習と神殿への備え

主の宮において神聖な儀式を受け聖約を交わすための,個人の備えとふさわしさに,「家庭中心で教会がサポートする」原則がどのように当てはまるか考えてみてください。

確かに,最も効果的に神殿に備える場は家庭にあります。しかし,多くの教会員は,神殿の外で神殿内の経験について話すうえで,何が適切な内容で何がそうでないのか,明確なところが分かりません。

エズラ・タフト・ベンソン大管長は,こうした不確かさが存在する理由を,次のように述べています。

「神殿は神聖な場所です。そして神殿の儀式も神聖なものです。その神聖さのゆえに,時としてわたしたちは子や孫に神殿について話すのをはばかることがあります。

その結果,心から神殿に行きたいという望みを育てていかない人が多く,また,たとえ行くにしても,そこで交わす聖約や果たすべき義務について備えるための予備知識をあまり持たないままに参入してしまう人が多くいます。

わたしは,適切な予備知識や理解は,若い人々を神殿参入に備えさせるうえで測り知れない助けになると信じています。その知識は,アブラハムが求めたように,神権の祝福を得たいという望みを彼らの内に育てていく,とわたしは信じています。」

次の二つの指針は,ベンソン大管長が強調した適切な理解に到達する助けとなるものです。

指針その1—わたしたちは主を愛しているので,主の聖なる宮については常に敬虔な思いで話す必要があります。神聖な神殿の儀式で交わす聖約に関連する特別な象徴について,明らかにしたり説明したりすることがあってはなりません。また,口外しないと神殿で特に約束した聖なる情報についても話し合うことはできません。

指針その2—神殿は主の宮です。神殿内のすべてのことは,わたしたちの心を救い主イエス・キリストに向かわせるものです。わたしたちは神殿の儀式と聖約の基本的な目的や,それらに関連する教義と原則については話し合うことができます。

ハワード・W・ハンター大管長は次のように勧告しています。「神殿で味わう霊的な思いを子供たちに伝えてください。より熱心に,またもっとくつろいだ雰囲気の中で,主の宮が建てられる目的について,話しても差し障りのない事柄を子供たちに教えるようにしましょう。」

預言者ジョセフ・スミスの時代からラッセル・M・ネルソン大管長の時代に至るまで,神殿の儀式と聖約にかかわる教義上の目的は教会指導者によって広く教えられてきました。イニシャトリーの儀式やエンダウメント,結婚,その他の結び固めの儀式に関して,わたしたちが学ぶことができるよう,印刷物や音声,動画,そのほかの媒体で膨大な資料が存在します。同じように,従順の律法や犠牲の律法,福音の律法,純潔の律法,奉献の律法を守るという聖約を交わし,それを尊ぶことによって救い主に従うということに関する情報も得ることができます。教会員は皆,temples.ChurchofJesusChrist.orgにある優れた資料に親しむべきです。

temples.churchofjesuschrist.org

ラッセル・M・ネルソン大管長は,教会が公開している神殿に関する正確かつ適切で貴重な情報と,神殿儀式の神聖な性質との重要なバランスについて強調し,こう述べました。「会員は,『聖句ガイド』の神殿に関する項を読むようにしてください。 『油注ぎ』 『聖約(契約)』 『犠牲』 『神殿;主の宮』などです。また,出エジプト記 第26 章から第29 章レビ記第 8 章も読むとよいでしょう。旧約聖書や高価な真珠のモーセ書アブラ ハム書は,神殿活動が昔に行われていたこと,またその儀式が永続するものであることを強調しています。」

神聖な神殿衣の動画

自分の息子や娘からこう尋ねられたとします。「学校の友達から,神殿では変な服を着るって聞いたんだけど,ほんとう?」temples.churchofjesuschrist.orgに,「神聖な神殿衣」という短い動画があります。この優れたリソースでは,古代より男女は神聖な音楽や異なる形の祈り,象徴的な宗教上の衣服,身振り,儀式を用いて,神への献身という内なる思いを表現してきたことが説明されています。このようにして,基本的な教えやこの動画のような優れたリソースを通して,栄えある神殿の祝福のために家庭を中心にして備えることができるよう,教会はサポートしています。多くの役立つ情報がだれでも利用できるようになっています。

わたしたちが主の御霊の柔和な道を歩もうと努めるときに,家庭において,神聖な神殿の儀式と聖約について話すときに,何が適切で何がそうでないのかに関して必要なバランスを理解し,そのバランスをとることができるという祝福にあずかるでしょう。

約束と証

皆さんの中には,自分の福音学習を実際に家庭中心で教会がサポートする形にできるのだろうかといぶかる人がいるかもしれません。家庭で唯一の教会員や,伴侶の協力が得にくい会員,ひとり親,独身で,または離婚して一人で暮らす末日聖徒であるとすれば,これらの原則がどのように自分に当てはまるのだろうかと疑問に思うかもしれません。夫婦で顔を見合わせ,「わたしたちにこれができるだろうか」と思っている人もいるかもしれません。

しかし,必ずできます!可能にするための祝福が皆さんの生活に流れ込み,表れることを約束します。扉が開かれ,光は輝くでしょう。皆さんの能力は増し加えられ,勤勉に,我慢強く忍耐できるようになるでしょう。

わたしたちが個人の責任,すなわち回復されたイエス・キリストの福音を学んで愛するという責任を全うしようと努力するときに,その報いとして祝福を受けることを喜んで証します。確かに「すべての必要なものを得るために備え〔る〕」ことができるのです。主イエス・キリストの神聖な御名によって約束し,証します,アーメン。