総大会
特別に気高い召し
2020年4月総大会


11:25

特別に気高い召し

信仰の女性として,わたしたちは預言者ジョセフの経験から,自らの啓示を受けるための洞察をもたらす真理の原則を見いだすことができます。

今日こうして,回復において女性が果たしていく役割に焦点を当ててお話しできることに感謝しています。天の御父の計画において,歴史を通して女性が特別な位置を占めてきたことは明らかです。ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています。「女性たちが,妻として,母として,祖母として,姉として,妹として,おばとして,また,教師として,指導者として,そして特に,模範を示す者として,敬虔な信仰の擁護者として,家の中のみならず,主の教会の中において及ぼす影響を測り知ることは不可能でしょう。」1

178年前,ノーブーにおける初期の扶助協会で,預言者ジョセフ・スミスは「〔自分たちの〕特権にふさわしく生きる」よう姉妹たちに勧告しました。2わたしたちは今日,この姉妹たちの模範から学ぶことができます。この姉妹たちは一丸となって預言者の声に従い,イエス・キリストを信じる確固とした信仰をもって生き,わたしたちが今立っている土台を築く助けをしました。姉妹の皆さん,今度はわたしたちの番です。わたしたちには主から受けた神聖な用向きがあり,わたしたちの忠実で他に類を見ない貢献がきわめて重要なのです。

スペンサー・W・キンボール大管長は次のように説明しています。「救い主の再臨に先立つ,この地上における最後の時期に義にかなった女性となることは,特別に気高い召しです。今日,義にかなった女性が持つ力と影響力には,もっと平穏であった時代に比べて10倍の威力があります。」3

ネルソン大管長も同様にこう訴えています。「わたしは……教会の姉妹の皆さんに懇願します。前に踏み出してください!これまで以上に,家庭,地域社会,神の王国において皆さんの本来果たすべき役割を果たしてください。」4

最近わたしは,初等協会の子供たちと一緒に,ニューヨーク州パルマイラにある,復元されたスミス家族の家で,ラッセル・M・ネルソン大管長と会う特権にあずかりました。前に踏み出すために子供たちができることについて,わたしたちの愛する預言者が教える様子を御覧ください。

1:55

ジョーンズ姉妹:「みんなはネルソン大管長に尋ねたい質問があるかしら。ここに預言者と一緒に座っているわね。預言者にずっと聞きたいと思っていたことはありますか?はい,パール。」

パール:「預言者でいるのは大変ですか?すごく忙しいのでしょう?」

ネルソン大管長:「もちろん大変だよ。すべてのこと,もっと救い主のようになるために行うことはどんなことも,大変なんだよ。例えば,神がモーセに十戒を与えたいと思われたとき,どこに行くようモーセに言われたと思う?山のてっぺん,シナイ山の頂上だったんだ。そこでモーセは,十戒を手に入れるために,山のてっぺんまでずっと歩いて行かなければならなかった。でも天のお父様は,『モーセ,君はそこから,わたしはここから行くから,中間地点で会おう』と言うこともできたんだ。でも,そうされなかったのは,主は努力することを大切にされるからだ。努力なしには得られないものがあるんだよ。例えば,みんなはピアノのレッスンを受けたことはあるかい?」

子供たち:「はい。」

パール:「バイオリンを習ってるわ。」

ネルソン大管長:「練習はしてるのかな?」

子供たち:「はい。」

ネルソン大管長:「練習しないとどうなると思う?」

パール:「忘れちゃうわ。」

ネルソン大管長:「そうだね,うまくならないだろう?だから,君への答えは『イエス』だよ,パール。努力やたくさんの練習,山ほどの勉強が必要で,終わりはない。でも,それは良いことだ。だって,わたしたちは常に成長していけるからね。来世でも,成長していけるんだよ。」

この貴い子供たちへのネルソン大管長の答えは,わたしたち一人一人にも当てはまります。主は努力を愛され,努力は報いをもたらします。続けて行っていきましょう。わたしたちが主に従う努力をしていく限り,常に成長していけるのです。5主は今日完璧であるよう求めてはおられません。わたしたちは自らのシナイ山に登り続けるのです。過去と同様に,わたしたちの旅にも確かに努力や勤勉さ,学習が必要ですが,成長するという決意が永遠の報いをもたらします。6

預言者ジョセフ・スミスと最初の示現から,努力や勤勉さ,学習について,さらにどのようなことが学べるでしょうか。最初の示現は,わたしたちが果たしていく特別な役割について導きを与えてくれます。信仰の女性として,わたしたちは預言者ジョセフの経験から,自らの啓示を受けるための洞察をもたらす真理の原則を見いだすことができます。例を挙げましょう。

  • 難しい状況の下で努力する。

  • 聖文を調べて,行動する知恵を得る。

  • 神への信仰と信頼を示す。

  • サタンの影響力を阻止してくださるよう,力を尽くして神に助けを請う。

  • 心の願いを神に告げる。

  • 神に頼るときにわたしたちに注がれ,人生の選択への導きを与えてくれる神の光に焦点を合わせる。

  • 神はわたしたち一人一人を名前で御存じであり,わたしたちにはそれぞれ果たすべき役割があることを理解する。7

さらに,ジョセフ・スミスは,わたしたちには神のようになる可能性と永遠の価値があるという知識も回復しました。天の御父とそのような関係にあるからこそ,御父はわたしたちに御自身から啓示を受けるよう期待しておられるのだと思います。

主はエマ・スミスに「聖霊を受け」,多くのことを学び,「この世のものを捨てて,この世に勝る世のものを求め」,神と交わした「聖約を固く守〔る〕」よう教えました。8学習は成長に不可欠です。特に,聖霊を常に伴侶とすると,わたしたち一人一人が捨てる必要のあるもの—つまり,わたしたちの注意をそらしたり,成長を遅らせたりするようなもの—を教えてくれるからです。

ネルソン大管長はこのように述べています。「啓示を受ける霊的な能力を伸ばすように,切にお願いします。」9前に踏み出すための女性の能力についてわたしが深く考えている間,預言者の言葉がずっと心に残っていました。大管長が切に訴えているということは,重要度が高いということです。大管長は,啓示を受けてそれに従って行動することで,罪の蔓延する世界で霊的に生き残る方法をわたしたちに教えました。10そうすることで,すなわち主の戒めを尊び,戒めに従って生きることで,わたしたちはまさにエマ・スミスのように,「義の冠」を受けると約束されているのです。11わたしたちがこの生涯で歩んでいるのは,神が認められた道だと知ることの重要性を,預言者ジョセフは教えています。その知識がなければ,わたしたちは「疲れ果て,気力を失ってしまうでしょう。」12

この大会において,わたしたちは自らの生活を変え,向上させ,清めるように促す真理を聞くことでしょう。個人で啓示を受けることによって,ここを後にする際にすべてを今やろうと強く決意することで起こる,いわゆる「総大会疲れ」と呼ばれる事態を防ぐことができます。女性は幾つもの役割を担っていますが,一度にすべてをこなすのは不可能であり,そうする必要もありません。御霊は,わたしたちが今日どの業に集中すればよいか決められるよう助けてくれます。13

聖霊を通して受ける主の愛に満ちた影響力は,わたしたちの成長のために主が重要視される事柄を知るうえで助けになります。個人的に受けた啓示を心に留めることは,自分個人の成長につながります。14わたしたちは耳を傾け,そして行動するのです。15主はこう言っておられます。「与えられると信じて,信仰をもって,わたしの名によって父に求めなさい。そうすれば,あなたがたは人の子らに必要なすべてのことを示す聖霊を受けるであろう。」16わたしたちが果たしていく役割とは,絶えざる啓示を受けることです。

その能力が高まっていくことにより,教え導き,救いと昇栄の業を達成するため—真に「この世のものを捨てて,この世に勝る世のものを求め〔る〕」17ため—に,個々の役割においてさらに力を授かることができます。そうすればもっと効果的に,若い世代に同じようにするよう促すことができます。

兄弟姉妹の皆さん,わたしたちは皆,各々の生活において神の力を求めています。18今日神の業を成し遂げることにおいて,男女間にはすばらしい一致があります。わたしたちはまずバプテスマの水の中で交わし,次に神聖な神殿内で交わす聖約を通して,神権の力にあずかります。19ネルソン大管長は次のように教えています。「神と聖約を交わしてそれを守るすべての男女と,ふさわしい状態で神権の儀式に参加する男女は皆,神の力に直接あずかることができます。」20

今日告白しますが,わたしは女性として,自らの聖約を通して自分が神権の力にあずかれることを,人生のもっと早い時期に理解していたわけではありませんでした。21姉妹の皆さん,わたしたちが「〔自らの〕聖約を固く守」22り,聖文にある真理を受け入れ,生ける預言者たちの言葉に耳を傾けるにつれ,神権の力を認め,大切にしていけるようにと祈ります。

「キリストを信じる確固とした信仰をもって……,人を救う力を備えておられるこの御方の功徳にひたすら頼〔り〕」23,天の御父と救い主への献身を大胆に宣言しましょう。自らの霊的な潜在能力を最大限まで高めることを目指し,また,愛や奉仕,指導力,思いやりを通して周りの人々が同じようにできるよう手助けをして,喜びをもってこの旅を続けましょう。

ジェームズ・E・タルメージ長老は,「女性と女性の地位を守る世界で最も偉大な擁護者は,イエス・キリストである」ことを優しく思い起こさせてくれています。24結局のところ,女性が,そしてわたしたち全員が回復において果たしていく役割のうち,特に重要なのはどのような役割でしょうか。それは,主に聞き 25,主に従い26,主を信頼し27,主の愛を示す者になる28ことであると証します。主が生きておられることを知っています。29イエス・キリストの聖なる御名により,アーメン。

  1. ラッセル・M・ネルソン「姉妹たちへの懇願『リアホナ』2015年11月号,95-96

  2. Joseph Smith, in “Nauvoo Relief Society Minute Book,” 38, josephsmithpapers.org.

  3. 『歴代大管長の教え—スペンサー・W・キンボール』 217-218

  4. ラッセル・M・ネルソン「姉妹たちへの懇願」97

  5. 教義と聖約58:26-28参照

  6. 教義と聖約6:33参照

  7. ジョセフ・スミス—歴史1:11-17参照

  8. 教義と聖約25:8,10,13

  9. ラッセル・M・ネルソン「教会のための啓示,わたしたちの人生のための啓示『リアホナ』2018年5月号,96

  10. 2ニーファイ9:39参照

  11. 教義と聖約25:15

  12. Lectures on Faith (1985), 68.

  13. 教義と聖約42:61参照

  14. ヘンリー・B・アイリング管長は次のように述べています。

    「では,もし皆さんとわたしが二人きりで話していて(そうできていたらよかったのですが),聞きたいことを何でも自由に尋ねられるとしたら,皆さんはきっとこのようなことを言うのではないでしょうか。『ええ,アイリング兄弟,わたしも兄弟が言われたことを一部,感じたことがあります。聖霊は時々,わたしの心や思いに触れてくださいました。でも,打ち負かされたり,欺かれたりしないようにするには,聖霊が常に必要なのですが,可能でしょうか。もし可能なのであれば,その祝福を受けるために,何が必要なのでしょうか。』

    では,最初の質問から始めましょう。それは,可能です。その確信が必要なとき,わたしにもそのような時がありますが,いつでもわたしは二人の兄弟のことを思い出します。ニーファイとリーハイです。そして二人とともに働いたほかの主の僕たちも,激しい反対に遭いました。彼らはますます邪悪さを増す世界で伝道しており,ひどい欺きに対処しなければなりませんでした。ですから,わたしは,また皆さんも,ヒラマン書の次の一節から勇気を得ることができます。その年に起こったこと全般の記録にその確信を見いだすことができますが,まるで著者にとっては当然のことのように,文の一部にはめ込まれているのです。こうあります。

    『ところが第七十九年に,多くの争いが始まった。しかし,ニーファイとリーハイと,彼らの同僚たちの多くは,教義の真の要点について理解し,日々多くの啓示を受けていたので,人々に教えを説き,その年のうちに争いを鎮めた。』(ヒラマン11:23

    彼らは『日々多くの啓示を受けて』いました。これは皆さんやわたしにとって,最初の質問への答えとなります。そうです。日々多くの啓示を受けられるよう,聖霊を伴侶とすることは可能です。簡単なことではありませんが,可能なのです。何が必要かは人によって異なります。皆人生で独自な経験を重ねてきたため,それぞれ今いる地点から始めるからです。」(“Gifts of the Spirit for Hard Times” [Brigham Young University fireside, Sept. 10, 2006], 3–4, speeches.byu.edu)

  15. 2ニーファイ2:16参照

  16. 教義と聖約18:18

  17. 教義と聖約25:10

  18. 教義と聖約121:26,33,41,45-46参照

  19. 教義と聖約84:19-21参照

  20. ラッセル・M・ネルソン「霊の宝『リアホナ』2019年11月号,77

  21. ラッセル・M・ネルソン「霊の宝」76-79;ダリン・H・オークス「神権の鍵と権能『リアホナ』2014年5月号,49-52;ヘンリー・B・アイリング「女性と家庭における福音学習『リアホナ』2018年11月号,58-60参照

  22. 教義と聖約25:13

  23. 2ニーファイ31:19

  24. James E. Talmage, Jesus the Christ, 3rd ed. (1916), 475.

  25. ジョセフ・スミス—歴史1:17参照

  26. マタイ4:19-20参照

  27. 箴言3:5-6教義と聖約11:12参照

  28. ヨハネ13:34モロナイ7:47参照

  29. 2ニーファイ33:6教義と聖約76:22参照