総大会
信仰の祈り
2020年4月総大会


15:43

信仰の祈り

信仰を込めて祈るとき,主が再臨に向けて世界を備えられる際に,わたしたちは重要な役割を果たすことができるでしょう。

総大会のこの最初の部会の冒頭でメインズ長老がささげた開会の祈りは,こたえられつつあります。すばらしいメッセージと美しい音楽を通じてわたしたちは霊感を受けています。今回の大会は記憶に残るものとなるというネルソン大管長の約束は,すでに果たされ始めています。

ネルソン大管長は今年を,「父なる神とその愛子イエス・キリストが示現の中でジョセフ・スミスに御姿を現わされてから200周年を記念する期間」に定め,この歴史的な大会に向けて自分自身を備えるために個人的に計画を立てるよう勧めました。またその記念すべき大会は,「教会歴史における重要な時期であり,皆さんが果たす役割はきわめて重要〔です〕」と述べています。1

皆さんもわたしと同じように,このメッセージを聞き「自分はどのように重要な役割を果たすのだろうか」と考えたかもしれません。回復の出来事について読み,祈ったかもしれません。父なる神が御子イエス・キリストを紹介された驚くべき出来事について,改めて読んだかもしれません。あるいは,救い主がその後天の御父の子供たちに語りかけられた時の話を読んだかもしれません。わたしはこれらすべて,そしてほかにも行いました。

読んでいるときに,神の神権と神権時代の幕開けについての記述を見つけました。そしてこの大会への準備がわたし個人の歴史の重要な転換点であることに気づき,へりくだる思いがしました。わたしは心の変化を感じました。感謝が深まりました。今なお続いている回復をともに祝うよう招かれていると思うと,喜びに満たされました。

念入りな準備により,さらに喜びを感じ,楽観的になり,主が必要とされるあらゆる奉仕を行う決意を強めた人もいるでしょう。

わたしたちが祝うこの並外れた出来事は,預言されていた最後の神権時代の幕開けであり,この時代に主は御自身の教会と主の御名を受ける主の民が,主を受け入れるように備えておられるのです。再臨への備えの一環として,主はわたしたち一人一人を引き上げ,人類史上類を見ない霊的な試練と機会に堪えられるように高めてくださるでしょう。

1840年9月に,預言者ジョセフ・スミスとその顧問は次のように宣言しました。「この終わりの時における主の業は,非常に重要であって,死すべき者の理解をほとんど超えています。 その栄光は筆舌に尽くし難く,その壮大さはあらゆるものをしのいでいます。これこそ,世の創造以来今日に至るまでのすべての世代を通じて,預言者や義人たちが胸を高鳴らせてきたテーマです。今は確かに時満ちる神権時代です。天であれ地上であれ,キリスト・イエスにあるすべてのものが主にあって集められる時であり,世の初めからすべての聖なる預言者たちによって語られてきたように,万物が回復される時です。先祖に与えられた数々の約束が栄光のうちに成就し,いと高き者の大いなる,輝かしい,崇高な力が現されるでしょう。」

そしてこう続けています。「……わたしたちは目標に向かって前進し,完全で栄光に満ちた王国を築き上げ,神権を確立するために力を合わせたいと思います。終わりの時に成し遂げるべき業は非常に重要であって,預言者〔ダニエル〕が述べた栄光と威光を帯びてその業が転がり進むように,聖徒たちは精力と技術と才能と能力を用いることを求められるでしょう〔 ダニエル2:34-35,44-45参照〕。したがって,そのような重要で壮大な業を成し遂げるために,聖徒たちは専心することを求められるでしょう。」2

進行中の回復において,わたしたちが具体的にいつ何を行うかについて,多くはまだ明らかになっていません。しかし,初期の大管長会も,主がわたしたちの前に据えられた御業の広さと深さの幾分かを理解していました。これから起こると分かっている事柄の幾つかを紹介しましょう。

まず,主は聖徒たちを通じて,「あらゆる国民,部族,国語の民,民族」に福音の賜物を示されます。3力と増し続ける信仰によって仕える「人間をとる漁師」とともに,テクノロジーと奇跡は引き続きその一翼を担うでしょう。4

わたしたちは,激化する争いのただ中で,一つの民としてさらに一致するでしょう。わたしたちは福音の光に満ちた集団や家族として,霊的な強さのうちに集合するでしょう。

不信仰なこの世でさえ,末日聖徒イエス・キリスト教会と,そこに注がれる神の力を認めるでしょう。忠実で勇敢な弟子たちは,日々の生活の中で,恐れず,謙遜に,公然と,イエス・キリストの御名を受けるでしょう。

では,わたしたち一人一人はこの偉大で荘厳な業にどのように携わることができるでしょうか。ネルソン大管長は,霊的な力を高める方法についてわたしたちに教えています。イエスがキリストであるという信仰が高まり,悔い改めを喜ばしい機会としてとらえるとき,また天の御父がわたしたちのすべての祈りを聞かれることを理解し,信じるとき,そして戒めに従って生活しようと励むとき,絶えず啓示を受ける力が増します。聖霊を常に伴侶とすることができます。わたしたちを取り巻く世界が暗さを増す時でさえ,絶えず光を感じられます。

ジョセフ・スミスはそのような霊的な力を増すことの模範です。ジョセフは,信仰の祈りこそが神から啓示を受ける鍵であることを示しました。父なる神が祈りにこたえてくださると信じながら,信仰を込めて祈りました。イエス・キリストを通してのみ罪に対する罪悪感から解放されると信じながら,信仰を込めて祈りました。そして,その赦しを得るためにイエス・キリストの教会を見つける必要があると信じながら信仰を込めて祈りました。

預言者としての務めを通じて,ジョセフ・スミスは絶えず啓示を得るために信仰の祈りを用いました。今日の試練や,これから直面する試練に立ち向かうときに,わたしたちも同じ規範に倣う必要があります。ブリガム・ヤング大管長は「末日聖徒にとって,あらゆる瞬間に絶えず神に祈ること以外に,主から導きと指示を授かる方法をわたしは知りません」と言いました。5

聖餐の祈りの「いつも御子を覚え」という言葉が,わたしたちの日常生活を表す言葉となるべきです。「御子」はイエス・キリストを指します。その次の,「御子が与えてくださった戒めを守る」という言葉は,主を覚えることの意味を示唆しています。6イエス・キリストを常に覚えるとき,心の中で「主はわたしに何をするよう望んでおられるだろうか」と祈るかもしれません。

イエス・キリストを信じる信仰をこめてささげられたそのような祈りが,最後の神権時代の扉を開きました。そして,それこそが,この進行中の回復においてわたしたち一人一人が果たすべき中心的な役割です。皆さんと同じようにわたしも,そのようなすばらしい祈りの模範を知っています。

最初は,ジョセフ・スミスです。ジョセフは幼子のような信仰により,主が何を望んでおられるか尋ねました。主の答えは,世界の歴史を変えました。

わたしにとって重要な教訓は,ジョセフがひざまずいて祈ったときのサタンの攻撃に対するジョセフの反応から学びました。

わたしは自分の経験から,サタンとその使いは,祈らないように教えることを知っています。ジョセフ・スミスが全力で神を呼び求め,ジョセフを縛ろうとしていた力から救い出してくださるように願ったとき,助けを求める祈りはこたえられ,天の御父とイエス・キリストが御姿を現されました。

回復が始まるのを妨げようとするサタンの企ては激しいものでした。ジョセフの祈りがきわめて重要だったからです。皆さんとわたしがこの進行中の回復の業において担う役割は,ジョセフよりは小さなものでしょう。それでも,この回復の業の敵はわたしたちが祈るのを阻止しようとします。ジョセフの信仰と確固たる意志の模範は,わたしたちの決意を強めてくれます。わたしが祈りの中で,ジョセフ・スミスについて天の御父に感謝するのを含めるのはそのためです。

進行中の回復の業で自分の役割を果たそうとして,信仰を込めて祈るとき,わたしにとってもう一つの手本は,モルモン書のエノスです。皆さんも,その役割が何であれ,エノスを自分の師と仰ぐことができます。

ジョセフのように,エノスも信仰をもって祈りました。エノスは自身の経験をこのように表現しています。

「すると,わたしの霊は飢えを感じた。それで,わたしは造り主の前にひざまずき,自分自身のために熱烈な祈りと懇願をもって造り主に叫び求めた。わたしは一日中造り主に叫び求めた。また夜になっても,声が天に届くように,まだ大きな声を上げていた。

すると,わたしに声が聞こえた。『エノスよ,あなたの罪は赦された。あなたは祝福を受けるであろう。』

わたしエノスは,神は偽りを言われるはずがないので,わたしの罪がすでにぬぐい去られたのを知った。

それでわたしは,『主よ,それはどうしてですか』と尋ねた。

そこで,主はわたしに言われた。 『あなたが,これまでに声を聞いたことも見たこともないキリストを信じているからである。多くの歳月が過ぎた後,キリストは肉にあって自分自身を現すであろう。 それゆえ,行きなさい。』」7

次の言葉に,わたしに祝福をもたらした教訓が含まれています。「あなたが,これまでに声を聞いたことも見たこともないキリストを信じているからである。」

ジョセフは,キリストへの信仰があったので,森に入り,サタンの力から解放されるよう祈りました。まだ御父と御子を目にしてはいませんでしたが,ジョセフは信仰と熱意を込めて祈りました。

エノスの経験からも,同じ貴重な教訓を学ぶことができます。信仰をもって祈るとき,救い主が御父に対する弁護者となってくださり,自分の祈りが天に届いていると感じます。答えが来ます。祝福がもたらされます。困難なときでも,平安と喜びがあります。

わたしが十二使徒定員会の最も新しい会員であったときに,デビッド・B・ヘイト長老とともにひざまずいて祈ったのを覚えています。ヘイト長老は,今のわたしと同じくらいの年齢で,今のわたしと同じ試練を抱えていました。ヘイト長老が祈ったときの声を覚えています。目を開いて見たわけではありませんが,ヘイト長老がほほえんでいるように聞こえました。喜びの声で天の御父と話していたのです。

「イエス・キリストの御名によって」と言ったときのヘイト長老の喜びの声が脳裏によみがえります。ヘイト長老はそのとき,救い主が祈りの内容を承認しておられるのを感じているようでした。その祈りはきっと,ほほえみとともに受け入れられたはずです。

救い主イエス・キリストと,愛にあふれる天の御父に対する信仰が増すときに,このすばらしい進行中の回復の業に,重要な貢献をする能力が増すでしょう。信仰を込めて祈るとき,主が再臨に向けて世界を備えられる際に,わたしたちは重要な役割を果たすことができるでしょう。主の招きに従い,一人一人がその業を担うときに喜びを見いだせるよう祈ります。

イエス・キリストが生きておられることを証します。この教会は主の教会であり,地上の主の王国です。ジョセフ・スミスは回復の預言者です。ラッセル・M・ネルソン大管長は今日の地上における主の預言者です。ネルソン大管長は末日聖徒イエス・キリスト教会におけるすべての神権の鍵を持っています。イエス・キリストの御名により,アーメン。