はじめに ニーファイ第一書
なぜこの書を研究するのか
ニーファイ第一書を研究すると,生徒は「主の深い
だれがこの書を書いたのか
リーハイの息子ニーファイが,主の命令に従って民の記録を残すためにこの書を書いた。ニーファイはエルサレムか,その近郊で生まれたと思われる。彼は預言者エレミヤが教導の業に携わり,ゼデキヤ王が統治していた時代にエルサレムに住んでいた。父リーハイがエルサレムの滅亡と家族を連れてエルサレムを去る必要性について語ったとき,ニーファイは父の言葉について自分の
だれに向けて,なぜ書かれたか
ニーファイは3種類の読者を想定しながら記録した。それは「自分の父の子孫」「終わりの時代の主の聖約の民」「世のすべての民」である(2ニーファイ33:3,13参照)。ニーファイはすべての人にイエス・キリストのもとに来て救われるように説き勧めるためにこの書を書いた(1ニーファイ6:4参照)。
いつ,どこで書かれたか
ニーファイは,紀元前570年ごろ(ニーファイと家族がエルサレムを出てから30年後)にニーファイ第一書となる記録を書いた(2ニーファイ5:30参照)。この書はニーファイの地で書かれた。
この書の特徴は何か
ニーファイ第一書には,夢,示現,直接の啓示による天からの示しについて記されている。これらの示しによって,神が御自身を求める人々を教え,導き,守られることが表されている。
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リーハイが祈ったときに火の柱が現れる。そのときにリーハイは多くのことを見聞きし,震えおののく(1ニーファイ1:6-7参照)。
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リーハイは示現の中で神を目にし,一冊の書物を読み,エルサレムの滅亡とその民の捕囚が預言されているのを知る(1ニーファイ1:8-14参照)。
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主はリーハイに家族を連れて荒れ野へ出て行くように命じられる(1ニーファイ2:1-2参照)。
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主はリーハイに,息子たちをエルサレムに戻らせて真鍮の版を手に入れるよう指示される(1ニーファイ3:2-4参照)。
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レーマンとレムエルがニーファイとサムを打ちたたいていると,天使が現れてやめさせる(1ニーファイ3:29参照)。
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主はニーファイと兄たちに命じて,エルサレムに戻ってイシマエルとその家族を連れて来させられる(1ニーファイ7:1-2参照)。
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リーハイとニーファイは次のことを含む数々の示現を受ける。「命の木」「イエス・キリストの降誕と教導の業と
贖 罪 」「約束の地の歴史」「福音の回復」「悪魔の軍勢と神の小羊の教会との戦い」(1ニーファイ8章;11-14章参照)。 -
ニーファイは民を約束の地に連れて行く船を造る方法を示される(1ニーファイ18:1参照)。
ニーファイ第一書には,約束の地へ旅した人々の経験が記されている。モルモン書の別の箇所には,約束の地に船で渡った他の二つの民,ミュレクの民(オムナイ1:14-17参照)とヤレド人(エテル6:4-12参照)のことも記されている。
ニーファイ第一書には二つの貴重な品物,ラバンの剣と羅針盤-リアホナと呼ばれた指示器-についても述べられている(1ニーファイ18:12;アルマ37:38参照)。リアホナによって,主は荒れ野と大海でリーハイの家族を導かれた。ラバンの剣はニーファイ人の文明が終わるまで代々受け継がれた。リアホナとラバンの剣は金版とともに埋められ,後にジョセフ・スミスと三人の証人に示された(教義と聖約17:1-2参照)。
概要
1ニーファイ1-7章 リーハイは家族を荒れ野に導く。息子たちは主の命令を心に留め,エルサレムに戻って真鍮版を手に入れる。息子たちは再びエルサレムに戻り,自分たちに合流して荒れ野へ行くようイシマエルと彼の家族を説得する。
1ニーファイ8-15章 リーハイとニーファイはそれぞれ,命の木の示現を見る。ニーファイは,救い主の教導の業と,末日における福音の回復に至る歴史的な出来事についての示現を受け,それについて詳しく述べる。
1ニーファイ16-18章 主は荒れ野と大海を渡って約束の地に向かうリーハイの家族を導かれる。
1ニーファイ19-22章 ニーファイは,イエス・キリスト,ならびにイスラエルの散乱と集合について預言する。