第25課
2ニーファイ3章
はじめに
2ニーファイ3章には,末の息子ヨセフに与えたリーハイの言葉が記録されている。リーハイは,預言者ジョセフ・スミスの役割,モルモン書の出現,福音の回復に関するエジプトのヨセフの預言について語った。
教え方の提案
2ニーファイ3:1-25
リーハイ,預言者ジョセフ・スミスに関するエジプトのヨセフの預言について語る
クラスが始まる前に,ホワイトボードに以下のような図を書いておく。
この章には4人の人物が登場し,その名が同じであることを教えて,2ニーファイ3章を理解できるように生徒を備える。ホワイトボードに描いた4人の人物の下に書いてある参照聖句を見て,それぞれの人物がだれを表しているのかを判断するよう,生徒に言う。(訳注-英語の“Joseph”は,日本語では「ヨセフ」または「ジョセフ」と翻訳されることがある。)(1番はリーハイの息子のヨセフ,2番はイエス・キリストの生まれるおよそ1,700年前にエジプトに売られた預言者ヨセフ,3番は預言者ジョセフ・スミス,4番はジョセフ・スミス・シニアを表している。)
預言者ジョセフ・スミスの絵-例えば「ジョセフ兄弟」(『福音の視覚資料集』87番)-を見せる。2ニーファイ3章の大部分が預言者ジョセフ・スミスについて述べたエジプトのヨセフの預言であることを生徒に教える。
3人の生徒を選んで,順番に2ニーファイ3:6-8を読んでもらう。クラス全体に,エジプトのヨセフがジョセフ・スミスやその業績について描写するためにどのような表現を使ったか見つけるように言う。(エジプトのヨセフが自分の子孫について「わたしの腰から出た者」と表現していることを説明する必要があるかもしれない。)ホワイトボードのジョセフ・スミスを表す図の下に,生徒が見つけた言葉を書く。「わたしの腰から出た者のためのえり抜きの聖見者」「大いに尊ばれる」「聖約をあなたの腰から出た者に知らせる」「わたしの目にかなった偉大な者としよう」といった表現が指摘できたらよい。
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2ニーファイ3:6-8について研究して,預言者ジョセフ・スミスについてどのようなことが分かりましたか。(生徒が次のことを理解できるように助ける。「主は預言者ジョセフ・スミスを立てて,福音を回復する助けをさせられた。」)
生徒に2ニーファイ3:11-15を黙読してもらう。神が預言者ジョセフ・スミスを通して行おうとしておられることについて書かれているほかの事柄を見つけるように言う。この部分を研究するための十分な時間を与えた後で,見つけたことを尋ねる。ホワイトボードの預言者ジョセフ・スミスの図の下に生徒の答えを書き加える。(「わたしの言葉を伝える」「弱さを強くされる」「その聖見者を滅ぼそうとする者は打ち破られる」「その名は彼の父の名を取って付けられる」などの答えが出るだろう。)
福音の回復において果たした預言者ジョセフ・スミスの役割について生徒が理解を深め,さらに深く考えることができるよう,2ニーファイ3:11を読む。その際,「わたしの言葉を伝える力」という表現に特に強調する。
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ジョセフ・スミスがもたらした神の言葉にはどのようなものがありますか。(答えとしては,モルモン書,教義と聖約,高価な真珠,聖書のジョセフ・スミス訳,預言者自身の説教などが含まれる。)
話し合いの中で,預言者ジョセフ・スミスがモルモン書を世に出すとエジプトのヨセフが預言した事実を明確に指摘する。2ニーファイ3:12で述べられている,2冊の書物について説明する必要があるかもしれない。エジプトのヨセフの子孫によって書かれる書物はモルモン書であり,ユダの子孫によって書かれる書物は聖書を指している。自分の聖典にその説明を書き記しておくように生徒に勧めてもよい。
2ニーファイ3:12の中から,モルモン書と聖書が「一つに合わされる」ことで世界に与える影響について描写した表現を見つけるよう生徒に言う。(「偽りの教義を打ち破り」「争いを鎮め」「平和を確立し」といった表現を見つけるだろう。)
モルモン書が自分の生活にどのような影響を与えてきたかという点について考えてもらうために,次のような質問をする。
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あなたはこれまでどのようなときに,生活の中でモルモン書の持つ力について経験してきたでしょうか。また,友人や家族がモルモン書の影響を受けたのはいつでしたか。
一人の生徒に,2ニーファイ3:15を声に出して読んでもらう。クラス全体に,「わたしの民を救いに至らせる」という表現に特に注目するよう言う。
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モルモン書は,どのように人を救いに導く助けとなりますか。
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モルモン書は,あなたの生活にどのような違いをもたらしましたか。
預言者ジョセフ・スミスの予任された使命について理解し,感謝できるよう,一人の生徒に,ブリガム・ヤング大管長が述べた以下の言葉を読んでもらう。
「地の基が置かれるはるか以前に開かれた永遠の会議において,彼すなわちジョセフ・スミスは,この世界の最後の神権時代に神の言葉を人々にもたらし,神の御子の神権のすべての
2ニーファイ3:16-24を要約するに当たって,エジプトのヨセフがジョセフ・スミスをモーセと比較したということを説明する。生徒に2ニーファイ3:24の中で,預言者ジョセフ・スミスのことを書いたと考えられる言葉を探してもらう。生徒がそのような言葉を見つけ出したら,ホワイトボードのリストにその答えも書き加える。
以下のゴードン・B・ヒンクレー大管長の言葉を読む。預言者ジョセフ・スミスを通じて啓示された真理をよく聞くように生徒に言う。
「わたしたちの教会の教義や礼拝の仕方の中には,ほかのあらゆる教会と明らかに異なるものがたくさんあり,それらはすべて若き預言者〔ジョセフ・スミス〕を通して神から啓示されました。その中の幾つかについて話します。……
神に関する……知識……
モルモン書……
……回復された神権……
……家族が永遠の命を受けるための計画……
幼い子供たちには罪がないということ……
……死者の救いに関する偉大な教義……
人の持つ永遠の性質……
……現代の啓示に関する原則……
……38年半という短い生涯の中で,たぐいまれな知識と
一人の生徒に,ホワイトボードのリストにヒンクレー大管長の挙げた事柄も加えてもらう。
一人の生徒に教義と聖約135:3を読んでもらう。当時十二使徒定員会の一員であったジョン・テーラー長老(後に第3代大管長となる)が,預言者ジョセフ・スミスの亡くなった直後にこの文を書いたことを説明する。生徒に,この節の中からホワイトボードのリストに加えられるような言葉がないかどうか尋ねる。生徒の答えをリストに加える。
生徒にホワイトボード上のリストについて見直す時間を与える。預言者ジョセフ・スミスの役割について学んだことを深く考えるよう,生徒に言う。預言者について知っていること,感じていることについて深く考え,自分の聖典学習帳かクラスノートに,以下の質問の一つを選んでその答えを書くように言う。
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今日 学んだことや感じたことの中で,どのようなことが預言者ジョセフ・スミスに対するあなたの証 を強めましたか。 -
ジョセフ・スミスが行ったり,教えたり,回復したりしたことの中で,あなたにとって「大いに価値あるもの」(2ニーファイ3:7)には,どのようなものがありますか。
生徒を二人一組に分ける。お互いに預言者ジョセフ・スミスに関する証を分かち合うように勧める。時間があれば,数人の生徒を指名してクラス全体に証を述べてもらうとよい。回復をもたらすために神がジョセフ・スミスを立てられたということに関して,あなた自身の証を分かち合う。生徒に預言者ジョセフ・スミスとモルモン書についての証を人と分かち合う,とりわけ友人や家族と分かち合うための方法について,祈りの気持ちで求めるように言う。