はじめに ニーファイ第二書
なぜこの書を研究するのか
ニーファイ第二書を研究すると,アダムとエバの堕落,イエス・キリストの
だれがこの書を書いたのか
リーハイの息子ニーファイがこの書を書いた。ニーファイは預言者であり,ニーファイ人がレーマン人から分かれた後でニーファイ人の最初の指導者となった。ニーファイの記録した言葉から,ニーファイが主の
だれに向けて,なぜ書かれたか
ニーファイは,3つの集団に向けて書いている。すなわち,自分の父の子孫と,終わりの時代の主の聖約の民,それに世のすべての民である(2ニーファイ33:3,13参照)。ニーファイ第二書は,ニーファイの小版に書かれた。この小版には,ニーファイとその子孫の「務めと預言」を記録するようにと主は命じられた(1ニーファイ19:3-5)。ニーファイはこの版に,「〔彼〕自身のことと,
いつ,どこで書かれたか
ニーファイは,紀元前570年ごろ,すなわち彼と家族がエルサレムを出てから30年後にニーファイ第二書となる記録を書き始めた(2ニーファイ8:28-34参照)。書いた場所は,ニーファイの地であった。
この書の特徴は何か
ニーファイ第二書の著者はニーファイであるが,この書には幾つかの出典からの教えが編さんされている。下の表に示されるとおり,この書の多くの章には,ほかの預言者の言葉が引用されている。リーハイ,ヤコブ,イザヤは,イエス・キリストを見たキリストの証人であったので,ニーファイは彼らの教えを引用することによって,イエス・キリストを信じるように読者を説得しようとした。リーハイやヤコブも,別の預言者の言葉を引用しながら教えている。
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リーハイの教えは,2ニーファイ1-4章に記されている。2ニーファイ3:6-21で,リーハイはエジプトのヨセフの言葉を引用している。
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ニーファイの教えは,2ニーファイ4-5章と2ニーファイ11-33章に記されている。ニーファイは,2ニーファイ12-24章と2ニーファイ27章でイザヤの言葉を多く引用している。
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ヤコブの教えは,2ニーファイ6-10章に記されている。2ニーファイ6:6-7および2ニーファイ7-8章で,ヤコブはイザヤの言葉を引用している。
ニーファイ第二書には,リーハイの死について(2ニーファイ4:12参照),また,リーハイの子孫が二つの民(レーマン人とニーファイ人)に分裂したことについても述べられている(2ニーファイ5章参照)。
概要
2ニーファイ1-4章 死期が迫ったリーハイが,子孫に勧告と祝福を与える。
2ニーファイ4-8章 ニーファイが主をほめたたえる。主は御自分に従う者たちを導き出され,彼らはそこをニーファイの地と呼ぶ。ニーファイ,イスラエルの散乱と集合に関するヤコブの教えを記録する。
2ニーファイ9-10章 ヤコブがイエス・キリストの贖罪について教える。ヤコブはまた,ユダヤ人がイエス・キリストを拒み,ユダヤ人と異邦人が将来約束の地に集合することについて預言する。
2ニーファイ11-24章 ニーファイが,イエス・キリストについて証するときの喜びについて語る。ニーファイはイスラエルの散乱と集合,再臨の前に高ぶる者と悪を行う者が低くされること,メシヤの降誕と使命と福千年の統治に関するイザヤの預言を引用する。
2ニーファイ25-27章 ニーファイが,救い主が十字架につけられ,復活し,ニーファイ人を訪れられること,ユダヤ人の散乱と集合,ニーファイ人の滅亡,背教,モルモン書の出現,回復について預言する。
2ニーファイ28-30章 ニーファイが,終わりの日の悪に対して警告し,将来におけるモルモン書の役割を説明し,聖約を交わすことによって人々が集合することについて預言する。
2ニーファイ31-33章 ニーファイ,キリストに従い,キリストの言葉を味わい,最後まで堪え忍ぶように,熱心に勧める。ニーファイが,自分はキリストの言葉を書いたと証する。