はじめに 第三ニーファイ-ニーファイの書
なぜこの書を研究するのか
生徒は,第三ニーファイを研究することによって,ニーファイ人の間で3日間民を教え導かれた救い主の
だれがこの書を書いたのか
モルモンはニーファイの大版から記録を短くまとめて第三ニーファイの書を作成した。この書の名前は,救い主が民に御自身を現わされた時期に務めを果たしたニーファイ(ニーファイの息子)にちなんで名づけられた。イエス・キリストが来られる前のひどい悪事が行われていた時期に,ニーファイは「力と大きな権能をもって教えた。」(3ニーファイ7:17)彼の働きはイエス・キリストの教導の業に備えるものであり,イエス・キリストの御言葉と行いが第三ニーファイの主題となっている。モルモンはまた,ニーファイの記録を短くまとめながら,注釈と証を付け加えている(3ニーファイ5:8-26;26:6-12;29-30章参照)。
だれに向けて,なぜ書かれたか
モルモンは第三ニーファイの記録を二つのグループに向けて書いている。第1に,リーハイの子孫のためにそれを書いてきたと説明している(3ニーファイ26:8参照)。第2に,モルモンは末日の異邦人に語りかけ,主のみもとに来て主の聖約の民に属する者となるようにという主の勧告を記録している(3ニーファイ30章参照)。第三ニーファイでは,イエス・キリストについての力強い証を伴うこの招きが強調されており,また聖約の重要性も強調されている。
いつ,どこで書かれたか
第三ニーファイの書を作成する資料として使われた元の記録は,紀元前1年から紀元35年の間に書かれたものと思われる。モルモンは紀元345年から385年の間のどの時期かにその記録を短くまとめた。モルモンはこの書を編さんしたときにいた場所については記録していない。
この書の特徴は何か
第三ニーファイには,イエス・キリストの降誕,死,ならびに復活に関する預言が記されている(3ニーファイ1,8,11章参照)。ニーファイ人への救い主の訪れに関する記録は,ジェフリー・R・ホランド長老が「モルモン書全体の歴史の中で焦点となるところであり,至高の瞬間」と呼んだ状況を描写している(Christ and the New Covenant: The Messianic Message of the Book of Mormon〔1997年〕,250)。第三ニーファイの全30章のうちの20章に,救い主が直接民に述べられた教えが記されている(3ニーファイ9-28章参照)。
概要
3ニーファイ1-5章 ニーファイは彼の父親から記録を受け取る。キリストの降誕のしるしが示され,信じていた者を滅ぼそうとする陰謀が挫折し,多くの人が改心する。ニーファイ人とレーマン人が結束してガデアントンの強盗と戦う。彼らは罪を悔い改め,ラコーニアスとギドギドーナイの指導の下でついに強盗を打ち負かす。モルモンはキリストの弟子,また記録保管者として自分の役割について述べる。
3ニーファイ6-7章 ニーファイ人は繁栄し,その結果,高慢,悪事,秘密結社が広まる。政府が倒れ,民は部族に分かれる。ニーファイが大きな力をもって民を教え導く。
3ニーファイ8-10章 暴風雨,破壊,
3ニーファイ11-18章 イエス・キリストが神殿で群衆に
3ニーファイ19-26章 12人の弟子は民を教え導き,聖霊が彼らに注がれる。イエス・キリストが再び御姿を現し,イエス・キリストを信じるすべての人のために祈られる。また,聖餐を執り行い,御父がイスラエルとの聖約をどのように果たされるかについて教えられる。救い主はイザヤとすべての預言者の言葉を調べるように民に命じ,またレーマン人サムエルが宣言した預言が成就したことを記録するようにニーファイに指示される。また,御父がマラキに授けられた御言葉を伝え,「世の初めから将来御自分が栄光のうちに来られるときまでのすべてのこと」について説き明かし(3ニーファイ26:3),その後去って行かれる。
3ニーファイ27-28章 イエス・キリストが御姿を現し,教会をイエス・キリストの名によって呼ぶように12人の弟子に指示される。また,福音について説明し,御自分のようになるよう弟子たちに命じられる。イエス・キリストは12人の弟子の望みをかなえられる。
3ニーファイ29-30章 モルモンは,モルモン書の出現が,末日に神がイスラエルを集め始められることの一つのしるしとなることを説明する。主は異邦人に,悔い改めて主の聖約の民に属する者となるように勧告される。