はじめに ヒラマン書
なぜこの書を研究するのか
ヒラマン書の研究を通して,生徒はヒラマンやその息子のニーファイとリーハイ,レーマン人サムエルといった偉大な人々の模範と教えから学ぶことになる。これらの人々は勇敢に主に従い,主について
だれがこの書を書いたのか
ヒラマン書は,ニーファイの大版に収められていた記録をモルモンが編集して短くまとめたものである。この書の名前は,ヒラマンの息子であり,息子アルマの孫であるヒラマンに由来する。ヒラマンはおじのシブロンから記録を受け取り,義にかなった大さばきつかさとしてニーファイ人を治めた。ヒラマンは息子のニーファイとリーハイに,戒めを守るように,そして
だれに向けて,なぜ書かれたか
モルモンは,自分の記録を受けることになる末日の人々のためにヒラマン書を書いた。モルモンがニーファイの大版から短くまとめたほかの記録と同じように,ヒラマン書はイエス・キリストの神性と贖い主としての使命について
いつ,どこで書かれたか
ヒラマン書の原典として用いられた記録は,紀元前52年から紀元前1年までの間に書かれたと思われる。モルモンは紀元345年から紀元385年までの間のどこかでそれらの記録を短くまとめた。モルモンはこの書を編集したときに自分がどこにいたかについては記していない。
この書の特徴は何か
ヒラマン書には,ニーファイ人がその歴史におけるほかのどの時代にも増して頻繁に,義にかなった状態と悪い状態の間で揺れ動く様子が描写されている。不和,戦争,殺人,秘密結社について幾つもの事例が述べられている。また,
概要
ヒラマン1-3章 2人の大さばきつかさ,パホーランとパクメナイが殺される。コリアンタマーに率いられたレーマン人の侵入をモロナイハが撃退する。新たに大さばきつかさに任命されたヒラマンをキシクメンが暗殺しようとするが,キシクメンはその企ての途中で殺される。ガデアントンとその強盗たちが秘密結社を広める一方で,何万もの人々がバプテスマを受けて教会に加わる。ヒラマンの死後,ニーファイが大さばきつかさになる。
ヒラマン4-6章 ニーファイ人の離反者とレーマン人の軍隊が,ゼラヘムラを含むニーファイ人の南の地をすべて占領する。ニーファイ人は自分たちの悪事のために弱くなる。ニーファイはさばきつかさの職をセゾーラムに譲る。ニーファイとリーハイは父ヒラマンの言葉を思い出し,福音を
ヒラマン7-12章 ニーファイが自分の庭にある塔の上で祈り,悔い改めるよう民に警告する。キリストについて預言した多くの人々の証を引用する。また,大さばきつかさのセゾーラムがその兄弟であるセアンタムによって殺されたことを明らかにする。ニーファイは結び固めの力を授かり,悔い改めを説き続ける。ニーファイ人の戦争の代わりに飢饉があるように主に願う。民が悔い改めた後,ニーファイが祈ると雨が降り,飢饉がやむ。つかの間の繁栄と平和の後,争いと悪事が民の間に広がる。モルモン,人の不安定で愚かな行いを嘆く。
ヒラマン13-16章 レーマン人サムエルがニーファイ人に悔い改めるよう警告し,ニーファイ人の悪事の結果生じる滅亡を預言し,イエス・キリストの降誕と死に伴うしるしを予告する。サムエルの言葉を信じた者はバプテスマを受ける。しかし,民の大半はサムエルを拒み,与えられたしるしと不思議を退ける。