ライブラリー
家庭学習レッスン 4ニーファイ1章-モルモン8:11(単元28)


家庭学習レッスン

4ニーファイ1章モルモン8:11(単元28)

家庭学習を行う生徒を教えるための準備資料

毎日の家庭学習レッスンの要約

以下は,生徒が4ニーファイ1章モルモン8:11(単元28)を研究しながら学んだ教義や原則についての要約である。これはレッスンの一部として教えるよう意図されたものではない。実際に教えるレッスンはこれらの教義や原則の一部に的を絞ったものにする。生徒の必要を考えながら聖なるたまの促しに従うべきである。

第1日(4ニーファイ1章

救い主の訪れから約200年間のニーファイ人の状態を研究することによって,生徒は,主に帰依するという目標に向かって民が協力するときに,民は一致し,より大きな幸福を得ることを学んだ。また,高慢は分裂を生じ,さらに大きな悪事をもたらすことを認識した。

第2日(モルモン1-2章

モルモンの義にかなった生活の模範を通して,生徒はまじめで観察が鋭いという特質について学んだ。また,邪悪な社会にあっても義にかなった生活を選ぶことができることを学んだ。ニーファイ人の邪悪な行いを通して,生徒は次の原則を理解できるようになった。悪い行いと不信仰は,主のたまものと聖霊の影響を遠ざける。罪を悲しんで悔い改めに至る人は,へりくだった心をもってキリストのもとに来るようになる。罪の結果のみを悲しむだけの人は,罰(永遠の命に至る進歩の停止)を受ける。

第3日(モルモン3-6章

ニーファイ人に対する主の忍耐について研究したとき,罪を悔い改めることができるように,主は人に十分な機会をお与えになることを,生徒は学んだ。しかし,ニーファイ人は悔い改めることを拒み,レーマン人に報復したいと望んだ。主は報復することを禁じておられるので,モルモンはニーファイ軍の指揮官となることを辞退した。報復を求めたニーファイ人にもたらされた結果を見て,生徒は悪人に神の裁きが下ることを理解した。モルモンは自分の民が完全に滅亡するのを目にし,彼らの堕落を嘆いた。

第4日(モルモン7:1-8:11

モルモンは記録を書き終わるに当たり,レーマン人の子孫に語りかけた。主は主の福音の原則と儀式を受け入れるすべての人をあがなわれることを生徒は学んだ。モルモンは亡くなり,モロナイはニーファイ人が滅亡した後の状態について書き記した。モロナイの模範を通して,たとえ一人でも忠実であり続ける選択をすることができることを生徒は学んだ。

はじめに

このレッスンでは,ニーファイ人の滅亡について検討し,自分の民が「イエスの腕の中にしっかり抱き締められる」ことを望んだモルモンの気持ちについて学ぶ(モルモン5:11)。生徒は自らの生活で主に抱かれるための方法について学ぶ。ニーファイ人が悔い改めることを拒んだことから,生徒は悔い改めないときに人々が被る悲しい結果を理解する。

教え方の提案

4ニーファイ1章モルモン4章

ニーファイ人,義にかなった幸福な状態から邪悪な状態へと堕落する

生徒に,今週研究したニーファイ人の歴史は,何年分の歴史であったか確認するように言う。生徒に章の概要にある年号,または4ニーファイ1章モルモン8章のページの下にある年号を参考にして年数を計算するように勧める。(これらの章は,約400年,すなわちニーファイ人の歴史の3分の1以上の期間にまたがっている。)

クラスの生徒の半分に,聖典と聖典学習帳を使って,4ニーファイ1章に記されているニーファイ人の幸福について学んだことを見直すように言う。残りの半分には,モルモン1-2章と聖典学習帳を使って,モルモンはどのような人物で,どうしてそれほど称賛に値する人物なのかを復習するように言う。各グループに学んだことを要約するように言う。それから両方のグループに要約したことを発表してもらう。

生徒に質問する-これらの章を研究することであなたが学んだ真理を一つ挙げてください。その真理があなたにとって大切なのはなぜでしょうか。

次のことを説明する。モルモンが霊的な面でニーファイ人を戦闘に備えさせようと努力したにもかかわらず,ニーファイ人は悔い改めて主に頼ることを拒んだ。罪悪の結果,ニーファイ人は自分の力に頼るままに放置され,レーマン人から撃退され始めた(モルモン3-4章参照)。

モルモン5:8-24

モルモン,モルモン書はイエス・キリストを信じるよう人々を説得するために書かれたと説明する

誤った選択の結果に耐えなければならない人のために悲しんだことがあるか,生徒に尋ねる。そのような人のために悲しんだあなたの経験を,適切な例を用いて(批判的にならずに)話すとよい。次のことを説明する。終わりの時代の人々はニーファイ人の滅亡について読むときに嘆くであろうとモルモンは書いた。

生徒にモルモン5:10-11を黙読し,ニーファイ人は,もし悔い改めていたらどのような祝福を受けていたと,モルモンが述べているか見つけてもらう。生徒の答えを聞いた後で,次の質問をする。

  • 「イエスの腕の中にしっかり抱き締められ〔る〕」とはどういう意味だと思いますか。(しっかり抱きしめるとは,保護や愛情を表す行為であることを指摘するとよい。)

  • モルモン5:11によれば,どうすればこのような経験をすることができるでしょうか。(「悔い改めを通して,『イエスの腕の中にしっかり抱き締められる』ことができる。」この原則をホワイトボードに書く。)

七十人のケント・F・リチャーズ長老の次の言葉を読むか,一人の生徒に読んでもらう。クラスの生徒に「イエスの腕の中にしっかり抱き締められる」とはどういう意味か,よく聞くように言う。

「みもとに来る人はすべて,『イエスの腕の中にしっかり抱き締められる』でしょう。〔モルモン5:11〕すべての人が主の力によるいやしを得られます。すべての苦痛が和らげられます。主によって『魂に休みが与えられる』でしょう。〔マタイ11:29〕わたしたちの現世の状況はすぐには変わらないかもしれませんが,苦痛や心配,苦難,恐れは,主の平安と癒しの乳香に包み込まれるのです。」(「しょくざいはすべての苦痛を癒す」『リアホナ』2011年5月号,16-17)

生徒に,悔い改めの結果「イエスの腕の中にしっかり抱き締められる」のを感じたときのことについて考えてもらう。また,今,主の腕の中にしっかりと抱き締められるためには何をすればよいか深く考えるように言う。悔い改めることによってもたらされる慰めと守りについてあかしする。

モルモン5章に記されているもう一つの原則を示すために,コルクなど浮かぶ物を水の入った鍋の中に置く。2,3人の生徒にそれを違う方向に吹いてもらう。生徒の行為がコルクの行く先にどの程度の影響を与えるか尋ねる。生徒に,研究を進めながら,このコルクがニーファイ人とどのような点で似ているか考えるように促す。

ホワイトボードに次のように書く。「悔い改めることを拒むならば,_。」それから一人の生徒にモルモン5:2,16-19を読んでもらい,ほかの生徒には悔い改めを拒んだことでニーファイ人が被った結果を見つけてもらう。生徒にこれらの聖句から見つけた言葉を参考にして,ホワイトボードに書かれた文章の空欄を埋めるように言う。生徒が答えを見つけている間に,聖句の言葉を理解できるよう,次の質問のうち幾つかを尋ねるとよい。

  • 16節にある「この世の中でキリストも神もなく生きて〔いる〕」とはどういう意味だと思いますか。(イエス・キリストあるいは天の御父を信じることなく,また,御二方の影響や導きを受けることなく生きるということ。)

  • 「風に吹かれるもみ殻のようにあちらこちらに追いやられている」とはどういう意味だと思いますか。(モルモン5:16)(もみ殻とは,脱穀の際に,風に吹き飛ばされる草や穀物の外皮であることを説明するとよい。)

  • 大海原でいかりのない船に乗り,どちらの方向にかじを取ればいいのか分からないとしたら,どう感じると思いますか。この状況はニーファイ人の状況とどのような点で似ているでしょうか。

モルモン5章は,「悔い改めることを拒むならば,御霊は退き,主の導きを失う」と教えていることを説明する。ホワイドボードの文章の空欄に言葉を書き足して,この原則を書く。自分の生活でどのようなときにこの原則を経験してきたか,深く考えるように生徒に言う。

次の質問をすることで,ホワイトボードに書かれた二つの原則を対比してもらうとよい。ホワイトボードに書かれた原則によれば,悔い改めた結果と,悔い改めることを拒んだ結果では,どのように違うでしょうか。

生徒にモルモン5:22-24を黙読し,当時のニーファイ人のようにならないために,モルモンがわたしたち一人一人に何をするよう勧めているか見つけてもらう。見つけたことに印を付けるよう勧めるとよい。

ホワイトボードに書かれた二つの原則が真実であることを証する。

モルモン6:1-8:11

モルモン,民の最終的な滅亡をの当たりにし,レーマン人の子孫に向けた言葉を書き,モロナイ一人を残して死ぬ

生徒にニーファイ人の滅亡について要約してもらう。必要であれば,モルモン6-8章の章の見出しを活用してもらう。

生徒にモルモン7:10を黙読し,モルモンが死ぬ前に書いた最後の言葉について深く考えてもらう。

次の単元(モルモン8:12エテル3章

モロナイはイエス・キリストと語り,わたしたちの時代を見た。モロナイは何について警告しているでしょうか。ヤレドの兄弟も偉大な信仰を持っていた。ヤレドの兄弟はイエス・キリストと会い,主と顔と顔を合わせて語った。モロナイとヤレドの兄弟が二人ともキリストに会い,主と語ったという知識を持つと,二人の言葉に対する信頼はどのように増すでしょうか。