はじめに モロナイ書
なぜこの書を研究するのか
モロナイ書を研究することにより,生徒はモロナイとその父モルモンの力強い模範と教えから力を得ることができる。生徒は,イエス・キリスト教会の基本的な儀式と実践,真心から義にかなった働きをなすことの大切さ,善悪の判断,信仰と希望と慈愛の関係,幼い子供たちの救いについて学ぶことができる。また,生徒は,モロナイが与えた2つの勧告を読む。一つは,自分自身でモルモン書が真実かどうかを知ることができるよう祈るようにという勧告(モロナイ10:3-5参照)であり,もう一つは「キリストのもとに来て,完全なものとなる」(モロナイ10:32)ようにという勧告である。
だれがこの書を書いたのか
この書を書いたのはモロナイである。この書の中には,モロナイ自身の言葉,イエス・キリストがニーファイ人の十二人の弟子たちに語られた言葉(モロナイ2章参照),そして父モルモンの言葉(モロナイ7-9章参照)が含まれる。ニーファイの民が滅ぼされる前,モロナイは民の中で軍の指導者,また教会の指導者として仕えた(モルモン6:12;モロナイ8:1参照)。モルモン書の他の主要な著者や編者と同様に,モロナイは救い主を目にした。モロナイは次のように
だれに向けて,なぜ書かれたか
モロナイは次のように述べている。「将来いつかわたしの
いつ,どこで書かれたか
モロナイはおそらく,紀元401年から紀元421年の間(モルモン8:4-6;モロナイ10:1参照)にモロナイ書を書き,編さんしたと思われる。彼はこれを,どこで,いつ記録したかについては言及しておらず,ただ,命の安全を得られる場所を求めてさまよっていたとだけ記している(モロナイ1:1-3参照)。
この書の特徴は何か
この書には,イエス・キリストがニーファイ人の十二人の弟子たちに聖霊の
概要
モロナイ1-6章 モロナイ,命の安全を得られる場所を求めてさまよいながら,イエス・キリスト教会の儀式と実践について記録する。その中には,聖霊の賜物を授ける
モロナイ7章 モロナイ,モルモンによって語られた説教を記録する。モルモンは,キリストの光,真心から義にかなった行いをすることの大切さ,善悪を識別する方法,善いものをことごとく手にすること,信仰と希望と慈愛の関係について教えた。
モロナイ8-9章 モロナイ,モルモンからの手紙を記録する。モルモンは,幼い子供にバプテスマが必要でない理由について説明し,ニーファイ人とレーマン人の間で邪悪が深まっていく様子を描写する。
モロナイ10章 モロナイ,すべての人にモルモン書を読んでそれが真実かどうかを知るために祈るように,神の力と賜物を否定しないように,またキリストのもとに来てキリストにあって完全になるように勧めている。