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家庭学習レッスン ヤコブ5章-オムナイ(単元10)


家庭学習レッスン

ヤコブ5章オムナイ(単元10)

家庭学習を行う生徒を教えるための準備資料

毎日の家庭学習レッスンの要約

以下は,生徒がヤコブ5章オムナイ(単元10)を研究しながら学んだ教義や原則についての要約である。これはレッスンの一部として教えるよう意図されたものではない。実際に教えるレッスンはこれらの教義や原則の一部に的を絞ったものにする。生徒の必要を考えながら聖なるたまの促しに従うべきである。

第1日(ヤコブ5-6章

ヤコブ5章のオリーブの木の比喩についてのレッスンでは,生徒は,主がわたしたちを愛し,わたしたちの救いにために熱心に働いてくださっているという原則に焦点を当てた。生徒は,自分たちに対する主の愛に関してヤコブ5章から学んだ事柄を記録した。ヤコブ6章では,生徒は,悔い改めて主のあわれみを受けることによって裁きに対する備えを今行うことが賢明であると学んだ。

第2日(ヤコブ7章

生徒は,ヤコブが反キリストのシーレムに出会ったことについて研究し,主に頼るときに信仰に対するチャレンジを克服できるということを学んだ。また,ヤコブの模範から,啓示と真の霊的な経験を基としたあかしがあれば信仰を揺るがされることはないということも学んだ。さらに生徒は,御霊を招くという方法で自分の信仰に対する疑問や批判に対応するとき,ほかの人々を主に立ち返らせる助けができるという原則についての例を見た。生徒は,ヤコブ7:15-23に見いだされる原則を実践する方法について書き留めた。

第3日(エノス)

エノスの模範から,生徒は,イエス・キリストを信じる信仰を働かせるとき,罪のゆるしを受けることができ,また完全になることができるということを学んだ。また,イエス・キリストのしょくざいのもたらす祝福を味わうとき,わたしたちはほかの人々も救いを得られるように助けようと努めるということも学んだ。生徒は,これらの原則を実践できる方法を一つ書き留めた。

第4日(ジェロムとオムナイ)

ジェロム書とオムナイ書を研究することによって,生徒は,次の真理を確認した。-「わたしたちは神の戒めに従うときに栄える。」生徒は,戒めを守ったことに対して主からどのように祝福をいただいたかを記録した。また,ゼラヘムラの地へのニーファイ人の移住について簡単に学び,ゼラヘムラの民と,ヤレド人と,ニーファイの地に戻ったニーファイ人の集団(ゼニフの民)について学んだ。生徒は,次の原則について学んだ。-「キリストのもとに来て最後まで堪え忍ぶならば救われる。」このレッスンの最後に,アマレカイがわたしたちにキリストのもとに来るために勧めた方法の一つに関して,1,2分の話の原稿を書いた。

はじめに

このレッスンでは,生徒は,ヤコブ5章に示されている,自分たちに対する主の愛について考える機会を持つ。時間が許せば,ヤコブ5章から,主のしもべとしての生徒たちの役割について教えてもよい。ヤコブ7章からは,生徒が自分の信仰についてほかの人々から疑問を投げかけられたり,批判されたりするときに役立つ真理について話し合うことができる。また,エノス書から学んだ事柄をどのように応用したか,クラスで話す機会もある。さらに,生徒は,キリストのもとに来るようにという,オムナイ書で述べられている勧めをどのように心に留めることができるかについて話を準備し,発表することができる。あなたが生徒にそうしてもらいたければ,事前に数人の生徒と連絡を取り,クラスでその話をする準備をしてもらうとよい。

教え方の提案

ヤコブ5-6章

ヤコブ,主がわたしたちの救いのために熱心に働いておられることを示すために,オリーブの木の比喩を引用する

オリーブの木の比喩の中で,栽培されたオリーブの木の枝は果樹園の方々に散らされていることを,生徒に思い起こしてもらう。これは,神の聖約の民の散乱,すなわちイスラエルの家の者たちが世界中に散っていることを表している。しかしながら,ついには果樹園の木のすべてがだめになってしまう(ヤコブ5:46参照)。これは大背教の時代を表すことを説明する。

生徒に,ヤコブ5:61-62を黙読し,もう一度その木に良い実を結ばせるために主がその僕(主の預言者)に指示された事柄を探してもらう。その後,次の質問をする。

  • これらの「僕」はだれのことを指していると思いますか。(教会指導者,宣教師,すべての教会員)

  • これらの僕が働くように召される時期は,どのような点で特別でしょうか。

これらの働きがイスラエルの集合を表していることを簡単に説明する。生徒が主の果樹園で働くように召されている僕であることを理解できるように,七十人のディーン・L・ラーセン長老が述べた次の言葉を読む。生徒に,ラーセン長老はだれのことを「果樹園での最後の働き手」と言っているかよく聞くように言う。

「〔今は〕主とその僕たちが,地のすべての国々に真理のおとずれをもたらし,イスラエルの子孫に彼らが何者であるかを悟らせるために最後の大いなる働きをなす時期なのです。……

この偉大な業の基礎が据えられた時に,皆さんは地上にやって来ました。福音はこの末日に回復され,教会は世界のほとんどあらゆる所に建てられています。最後の劇的な場面に備えて舞台は整えられています。皆さんは主役となるでしょう。果樹園での最後の働き手の一人となるのです。……みなさんはこの奉仕の業のために選んでおかれたのです。」(「高貴なる世代」『聖徒の道』1983年7月号,62)

次の質問をする。

  • ラーセン長老は,だれが果樹園で働くように召された僕,すなわち「最後の働き手」であると言っていますか。

  • あなたには主に仕え,ほかの人々が「良い実」を結ぶように助ける,どのような機会がありますか。

クラスの全員で,ヤコブ5:71を読んでもらう。生徒に,主とともに働く人々に主が約束しておられる事柄を見つけてもらう。主に仕えるように努力したために祝福されたと感じたのはいつか,生徒に尋ねる。

ヤコブ7章

ヤコブ,シーレムの問題に直面したときに,主に頼り,主に立ち返るようにニーファイ人を導く

注意-ヤコブ7章で,生徒は,ヤコブがイエス・キリストを信じる彼の信仰に反対する行動を取ったシーレムという名の反キリストの男にどのようにして打ち勝ったかを学んだ。このレッスンではヤコブとシーレムの経験には焦点を当てないが,生徒に,その出来事を要約し,ヤコブの模範から学んだ真理を挙げてもらうとよい。特に,啓示と真の霊的な経験を基とした証があれば,信仰を揺るがされることはないという真理を強調するとよい。

エノス

エノス,罪の赦しを受けた後,ほかの人々のために祈り,彼らの救いのために働く

画像:祈りの図

ホワイトボード,または紙にこの図を描く。生徒に,これがエノスの経験とどのように関連があるか説明してもらう。

生徒を3つのグループに分ける。(生徒の人数が少なければ,一人ずつのグループとする。)最初のグループには,エノス1:4-6を読んで,エノスが自分自身のためにささげた祈りから学べる真理を説明するために準備をしてもらう。第2グループには,エノス1:9-10を読んで,エノスの祈りのその部分から学べる真理を説明するために準備をしてもらう。第3のグループには,エノス1:11-14を読んで,エノスの祈りのその部分から学べる真理を説明するために準備をしてもらう。その後,各グループの一人に,準備したことを発表してもらう。生徒に,聖典学習帳を開いて,第3日の課題9を復習するように言い,また何人かの生徒に,エノス書から学んだ真理を実践するために選んだ方法を発表してもらう。

ジェロムとオムナイ

記録者たち,ニーファイ人が受けた苦難と祝福について述べる

西半球の地に様々な民が移住したことについて疑問のある生徒がいれば,オムナイ1:1-30に関する生徒用学習ガイドの資料(アンソニー・W・アイビンズ管長が述べた言葉を含む)について一緒に話し合うとよい。

生徒に,キリストのもとに来るというテーマで準備した話を見直すように言う(第4日の課題4)。時間が許せば,数人の生徒にクラスでその話をしてもらうとよい。話をするように事前に生徒に頼んでいる場合は,そのための時間を十分に残しておく。

話してくれた生徒に必ず感謝を述べる。天の御父とイエス・キリストが生徒の一人一人を愛しておられることについて証を述べ,また最善を尽くしてキリストのもとに来るならばキリストの王国に救われることを生徒に確信させる。

次の単元(モルモンの言葉モーサヤ6章

次の単元では,生徒は,神の天使がベニヤミン王に現れて教えを授け,民に語るべき事柄を告げたことについて学ぶ(モーサヤ3章参照)。ベニヤミン王は民にこれらの言葉を告げ,民の心の中に大きな変化が生じた。