「第15課 クラス準備資料:天の御父の計画とわたしたちの神聖な可能性」『回復の礎 教師用手引き』(2019年)
「第15課 クラス準備資料」『回復の礎 教師用手引き』
第15課 クラス準備資料
天の御父の計画とわたしたちの神聖な可能性
預言者ジョセフ・スミスは,「偉大な救いの計画は,わたしたちが細心の注意を払うべきテーマであり,人類に与えられている天の最善の賜物の一つであると考えなければなりません」と宣言しています(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』208)。ジョセフ・スミスは啓示と示現を通して,神がその子供たちに対して持っておられる計画を理解するようになりましたが,その計画は,全世界の何百万もの人々の人生を変えるようなものでした。本課は,自分がどのような存在なのか,神から与えられた自分の可能性とは何なのかについて,理解を深めるのに役立つことでしょう。
セクション 1
神の救いの計画に関する回復された真理は,わたしの人生にどのような影響を与えているか
ジョセフ・スミスの時代に,回復されたこの教会に自分が改宗したばかりだと仮定してください。天の御父の計画に関するあなたの見方は,不完全なものであったでしょう。キリスト教徒として育てられていたのであれば,次のような信仰を持っていたはずです:(1)神,イエス・キリスト,聖霊は,肉体も肢体も感情も持たない一体の神である,(2)人間はこの世に生まれてくる前には存在せず,神によって無から創造された,(3)神は知ることのできない神秘的な存在である。人間が神の子だという考えは,単なる比喩である。
啓示により,ジョセフ・スミスと初期の聖徒は,天の御父と,その救いの計画の内容を理解するようになります。天の御父の計画について,今のわたしたちが大切にしている回復された真理の幾つかを知って彼らがどう感じたか,想像してください。
ジョセフは,救いの計画に関する知識の大部分を,モルモン書の翻訳や,旧約聖書と新約聖書の霊感訳から得ています。1830年,創世記を翻訳しているときに預言者ジョセフは,モーセが高い山に連れて行かれて神の創造物の壮大さを見せられたことを知ります。この啓示は,現在,高価な真珠のモーセ書1章として知られています。主は,モーセが神の子であることをモーセにお告げになります。神はまた,神の業の目的について,モーセ1章にある重要な真理も教えられました。
十二使徒定員会のロバート・D・へイルズ長老は,不死不滅と永遠の命について,次のように教えています:
永遠の命の賜物は,どんな努力を払ってでも,救いの計画について研究し,学び,実践するだけの価値があります。全人類は復活し,不死不滅の賜物を受けます。しかし,永遠の命に到達するためには,すなわち神と同じような生活を送るためには,心と思いと勢力と力を尽くして救いの計画に沿った生活をする必要があります。(ロバート・D・ヘイルズ「救いの計画―わたしたちを導く神聖な知識の宝」『リアホナ』2015年10月号,33)
ヘイルズ長老が,永遠の命を「御父が送っておられる生活」と定義していることに注目してください。天の御父の業とは,あなたが御父のみもとに帰って不死不滅と永遠の命を得られるようにすることです。これがあなたにとって,どんな意味を持つのか考えてください。
ジョセフ・スミスは,1833年5月6日に与えられた啓示の中で,「人もまた初めに神とともにいた」と記しています(教義と聖約93:29)。ジョセフによるアブラハム書の翻訳は1842年に出版され,わたしたちの前世と死後の生活について,より深い洞察をもたらしています。
セクション 2
神の性質に関するどのような教えを預言者ジョセフ・スミスは回復したのか
1844年,ジョセフ・スミスは,亡くなるわずか数か月前に,最後の大会となる場で説教しています。この直前にジョセフの友人キング・フォレットが事故で命を落とし,遺族が葬儀での説教を依頼したのです。ジョセフは神の特質と,人の持つ神のような者になる可能性について大胆に教えました。後にキング・フォレット説教として知られることになるこの説教の中で,ジョセフは次のように宣言しています:
神の性質を正しく理解している人はこの世にごく少数しかいません。……神の性質を理解しなければ,人は自分自身を理解することができません。……
神御自身,かつては今のわたしたちのようであられました。そして今は昇栄した御方であって,かなたの天で御座に着いておられます。……もし今日皆さんが神を目にしたならば,皆さんは神が人に似た形をしておられること,すなわち,体,形,姿がすべて皆さん自身のようであられることを知るでしょう。……
神の性質を理解し,神のもとに行く方法を知るとき,神はわたしたちに天の事柄を明らかにし,天についてすべてのことを語りだしてくださいます。……
……神は御自身がもろもろの霊たちと栄光の中にいることを御覧になり,英知においてはるかに優れておられたので,ほかの者たちも御自分のように進歩する特権にあずかるように律法を定めることがふさわしいとお考えになりました。神とわたしたちとの関係において,わたしたちは知識を増さなければならない立場にあります。……
これが永遠の命です。すなわち,唯一の,知恵あるまことの神を知ることです。そして皆さんはどのようにして自ら神々となり,王〔および女王〕となり,神に仕える祭司〔および女祭司〕となるかを学ばなければなりません。……低い階級から別の階級へ,小さな能力から大きな能力へ,恵みから恵みへ,高みから高みへと進んで行〔く〕……ようになるのです。(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』39-40,210,221)
注:キング・フォレット説教の全文は,Classics in Mormon Thought: The King Follett Sermon(Ensign, Apr. 1971, 12–17)を参照してください。
十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は次のように教えています:
御父が目的としておられるのは,御父の子供であるわたしたちが御父と永遠に暮らすという究極の喜びを得て,御父のようになることです。(D・トッド・クリストファーソン「すべてわたしの愛している者を,わたしはしかったり,懲らしめたりする」『リアホナ』2011年5月号,97)
セクション 3
どうすれば日の栄えの王国で永遠の命を得ることができるのか
ここでもう一度,自分が,回復されたこの教会の初期の改宗者だと仮定してみてください。あなたは,当時の大多数のキリスト教徒と同様に,死んだ者は天国または地獄に行くと信じていた可能性が高いでしょう。ジョセフ・スミスの時代,多くの人は,組合教会主義者または万人救済論者でした。あなたが「組合教会主義者」の見方をしていたとすると,少数の人のみが天国に行けると信じていたことでしょう。「万人救済論者」の立場をとっていたとすると,あなたは,罪人に対して何らかの懲らしめを受けることを神は求められるものの,最終的にすべての人が天国に行くと信じていた可能性が高いはずです。
1832年の2月,ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンは,死後の世界について理解を深めるうえで有益な示現を受けました。ジョン・ジョンソン宅の2階で新約聖書のジョセフ・スミス訳を進めていた二人は,翻訳の手を止めてヨハネ5:29について考えました。善を行った者の復活と悪を行った者の復活について述べている聖句です。ほかにも何人かいたその部屋で,ジョセフとシドニーの二人は示現を体験し,目にしたものを説明します。教義と聖約76章に記録されているこの示現は,天の御父の計画について理解を深めるうえで有益です。この章に出てくる真理の中で,死後の世界についての理解を深め,御自分のすべての子供たちを祝福するという天の御父の御心を明らかにしているものに印を付けるとよいでしょう。