「第18課 クラス準備資料:末日聖徒の女性と扶助協会」回復の礎 教師用資料
「第18課 クラス準備資料」回復の礎 教師用資料
第18課 クラス用準備資料
末日聖徒の女性と扶助協会
預言者ジョセフ・スミスは扶助協会について話した際に,このように宣言しました。「女性たちがこのように組織されるまでは,教会は決して完全に組織されていませんでした」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』451)。主の教会における女性の立場について,この言葉が世界にどんなメッセージを伝えているのか,考えてください。この資料を学びながら,末日聖徒の女性と扶助協会の働きが,回復されたイエス・キリストの教会においてどれほど重要なのかを,深く考えてください。
セクション 1
末日聖徒の女性たちは,どのようにして神の王国を築くのか
十二使徒定員会のジェームズ・E・タルメージ長老は「女性と女性の地位を守る世界最大の擁護者はイエス・キリストである」と語りました(『わたしの王国の娘』3で引用)。
十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老は,次のように教えています。
姉妹たちは主の業において常に重要であり,その中枢を成してき〔まし〕た〔。〕この世の基が据えられる以前から,忠実な女性たちは真理と義の大義のために雄々しく働いてきました。……わたしたちの神権時代にもヒロインはいます。(M・ラッセル・バラード「義にかなった女性たち」『リアホナ』2002年12月号,38)
預言者ジョセフ・スミスの妻,エマ・スミスは,回復に重要な役割を担った末日聖徒の女性の一例です。ジョセフ・スミスへの啓示の中で,主は,「選ばれた婦人」とエマを表現されました(教義と聖約25:3参照)。この啓示の一部を読んで,主がエマに授けなさった責任と勧告に印を付けましょう。16節で,エマに授けられた主の勧告はわたしたち一人一人にも当てはまると主が宣言されていることにも,着目してください。
エマとジョセフは一緒に生活しながら,大きな試練に立ち向かっていました。それと同時に二人は互いに,多くの慰めと喜びを与え合っていました。エマは神からの召しに忠実であり,ジョセフにとって大いなる癒しとなり,迫害や耐え難い試練の折にはジョセフを励まし慰めました。危険なために身を隠していたジョセフのもとをエマが訪れたときのことを振り返って,預言者はこう書いています。「そして再びエマがここにいる,いかなる試練のただ中にあってもひるむことなく,確固として,揺らぐことなく,変わることのない,愛情深いエマよ」(“Journal, December 1841–December 1842,” 135, josephsmithpapers.org)。
エマは時にはジョセフの筆記者として,モルモン書の翻訳を助けました。人生を通じて,彼女はモルモン書について雄々しく証してきました。亡くなる直前,エマは息子にこう話しました。「モルモン書は確かに神の言葉です。それについては少しの疑いもありません」(Emma Smith, in “Last Testimony of Sister Emma,” Saints’ Herald, Oct. 1, 1879, 290)。主の命令に従順だったエマは,教会の最初の賛美歌も編さんしました。
エマは次のように人々の手本となりました。「ニューヨーク州では,エマは……福音を宣べ伝えるよう召された宣教師たちのために衣類を縫った。……ほかの女性たちと協力して,窮状にあったミズーリ州の聖徒たちにシオンの陣営が届ける毛布や食糧,衣類を集めた。また,カ ートランド神殿の建設作業に携わる人々に食事を用意し,〔衣類〕を作った。さらに,作業に携わった多くの人に宿を提供し, そのために自分とジョセフは床で眠らなければならなかった。ノーブ ーに移ってからしばらくは,自分の時間の大半をささげ,ミシシッピ川の岸辺に野営する大勢のマラリア患者の世話をした。このように,彼女は,当時の多くの姉妹たちにとって奉仕の模範を示したのである(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』450参照)。
セクション 2
扶助協会の設立について独特なのはどんな点か
1842年春,聖徒たちは,ノーブー神殿を建てるために,貧困にあえいでいました。姉妹たちの多くは,助けるために何かをしたいと望んでいました。サラ・キンボールとマーガレット・クックの指導のもとに姉妹たちのグループが集まり,神殿で奉仕する人々のために衣服を縫うために,新たな女性の組織の規定と規約の草案が作られました。預言者ジョセフ・スミスは,相談を受けた際,彼女たちに,彼女たちの規約は「これほどすばらしいものは見たことがない」と言いました(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』449)。「けれども,これは皆さんが望んでいるものではありません。姉妹たちに伝えてください。皆さんのささげ物は主に受け入れられており,主は皆さんに……良いものを備えておられます。……わたしと数名の兄弟が出席して集会を開きますので,……全員集まってください。わたしは女性たちを神権の下に,神権の規範に倣って組織します。」(『わたしの王国の娘』11-12で引用)ジョセフ・スミスは「同じ組織が古代の教会に存在した」と扶助協会の姉妹たちに教えたと,エライザ・R・スノーは語っています(『わたしの王国の娘』7で引用)。
前扶助協会会長のジュリー・B・ベック姉妹は,神権の規範に倣って組織される意味を,次のように教えています。
扶助協会が独特なのは,「神権の規範」 に倣って組織され〔てい〕……るからです。〔Joseph Smith, quoted in Sarah M. Kimball, “Auto-biography”,Woman’s Exponent,Sept. 1, 1883, 51〕。……わたしたちは神権に倣って運営しています。すなわち,啓示を求め,受け,それに従って行動し,評議によって決定し,一人一人を気にかけます。わたしたちの目的は神権の目的と同様に,聖約を交わして守ることによって,永遠の命の祝福に自らを備えることです。そのため,神権を持つ兄弟のように,わたしたちの業は,救いと奉仕の業であり,聖なる民となる業なのです。(ジュリー・B・ベック「扶助協会――神聖な業」『リアホナ』2009年11月号,110-111)
大管長会のダリン・H・オークス管長は,扶助協会の仕事は,神権の権能によって行われることを,さらに強調して,次のように述べています。
扶助協会に向けた話の中で,当時十二使徒定員会会長であったジョセフ・フィールディング・スミス大管長は,次のように述べています。「姉妹たちには神権が〔与えられて〕いないとはいえ,主が姉妹たちに権能を与えておられないという意味ではありません。……皆さんは権能をもって語ることができます。主が皆さんに権能を与えられたからです。」またこうも言っています。扶助協会には「たくさんの事柄を行う力と権能が与えられています。姉妹たちが行う業は神の権能によって行われます。」〔“Relief Society--An Aid to the Priesthood,” Relief Society Magazine, Jan. 1959, 4–5〕 ……
……神権の鍵を持っている人から受ける職や召しにおいて働く人はだれでも,割り当てられた義務を果たす際に神権の権能を行使するのです。(ダリン・H・オークス「神権の鍵と権能」『リアホナ』2014年5月号,50-51)
セクション 3
女性たちと扶助協会は,神や神の教会の目的を達成するのにどう役立っているか
最初の扶助協会の会議は1842年3月17日,イリノイ州ノーブーにあるジョセフ・スミスの赤レンガ造りの店の2階の部屋で行われました。エマが,新しい組織の代表として選ばれ,支持されました。これはエマが「わたしが召した,選ばれた婦人」であるという主の宣言の実現だと(教義と聖約25:3),ジョセフは,説明しました。少ししてから預言者はこう言いました。「この協会は,神が確立された秩序によって,すなわち指導者として任じられた人々を通して指示を受けます。わたしは今,神の名によって皆さんのために鍵を回します。これから後,この協会には喜びがあり,知識と英知が注がれるでしょう」(『わたしの王国の娘』14で引用)。
エマ・スミス姉妹は,教会の女性たちとともに「何か特別なこと」をすると宣言しました(「福音のテーマ」「神権,神殿および女性についてのジョセフ・スミスの教え」の項,topics.ChurchofJesusChrist.org)。以下の言葉を学んで,扶助協会の目的と使命について,印象に残ったことに印を付けましょう。
元中央扶助協会会長ジーナ・D・H・ヤングは,振り返って次のように言っています。
扶助協会が……初めて組織されたのは,貧しい人や困っている人に物質的な祝福を与え,弱い者を励まし,道を踏み誤っている人を引き戻し,思いやりと慈愛の精神を伸ばし働かせて,霊的な強さを身につけ,人類家族の贖いの業においてさらに良いことを成し遂げる力を得る機会にあずかるためでした。(“First General Conference of the Relief Society,” Woman’s Exponent, Apr. 15, 1889, 172)
ベック姉妹は次のように教えています。
ジョセフ・スミスは,この教会の女性たちが組織した目的は,「貧しい人,困窮している人,やもめや孤児を助けることであり,あらゆる慈善を行うこと」であると教え〔in History of the Church,4:567〕,「貧しい者を助けるだけでなく,人の霊を救うためにある」と教えました〔in History of the Church,5:25〕。さらにその扶助の努力についてはジョン・A・ウイッツォー長老が,「貧困,病気,疑い,無知など,女性の喜びと進歩を妨げるすべてのものから解放する」ことであると定義しています〔Evidences and Reconciliations, arr. G. Homer Durham, 3 vols. in 1 (1960), 308〕。
……扶助協会を通して,わたしたちはキリストの弟子となることを実践します。主の望まれることを学び,主の望まれることを行い,主の望まれるような人になるのです。(ジュリー・B・ベック「末日聖徒の女性が秀でている事柄―力強く確固として立つ」『リアホナ』2007年11月号,111,109)
スペンサー・W・キンボール大管長は,男性も女性も扶助協会の目的と力を理解する必要がある理由について,次のように説明しています。
この〔扶助協会の〕組織には,シオンの家庭を強め,神の王国を築くために,まだ十分に行使されていない力があります。姉妹と神権者〔兄弟〕がともに扶助協会のビジョンをよく理解して初めて,その力は完全に発揮されるのです。(スペンサー・W・キンボール『わたしの王国の娘』142;強調付加)