手引きと召し
33.記録と報告書


「33.記録と報告書」『総合手引き 抜粋』(2023年)

「33.記録と報告書」『総合手引き 抜粋』

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コンピューターを見ている男性

33.

記録と報告書

33.0

はじめに

主の教会において,記録の作成は常に重要視されてきました。以下はその例です。

アダムは「覚えの書」を記しました(モーセ6:5)。

モロナイは,バプテスマを受けてキリストの教会に入った人々の名前が記録されたのは,「彼らが覚えられ,神の善い言葉で養われ……るため」であると教えました(モロナイ6:4)。

ジョセフ・スミスは,「主の御前に正確に記録を残す」ために,各ワードに記録者を召すべきであると指示しました(教義と聖約128:2)。

33.1

教会記録の概要

教会の記録は神聖なものです。記録に含まれている情報は,慎重に扱い,保護すべきものです。教会の記録システムは,召しに基づいて会員情報へのアクセス権を付与します。

記録は,以下の面で指導者の助けになります。

  • 特別な配慮が必要な人を特定する。

  • 救いの儀式に関して,すでに受けている儀式と,必要と思われる儀式を特定する。

  • 会員の所在地を見つける。

教会のユニットには,以下のような記録が保管されています。

  • 会員の参加状況に関する報告書(33.5参照)

  • 会員記録(33.6参照)

  • 歴史記録(33.7参照)

  • 財政記録(第34章参照)

33.2

書記に関する一般的な指示

書記は有効な神殿推薦状を所持しているべきです。

書記は,教会基金を守り,教会の記録を正確に作成するために,現行の方針に注意深く従います。書記は,不正行為はいかなるものでも,直ちに神権指導者に知らせます。不正行為を解決するうえで困難が生じた場合,書記は,教会本部の内密記録事務局に連絡するべきです。

電話:1-801-240-2053または1-800-453-3860(内線:2-2053)

フリーダイヤル(グローバルサービス部電話):855-537-4357

電子メール: ConfidentialRecords@ChurchofJesusChrist.org

書記の奉仕の任期は,書記が自分の義務を学び,業務の継続性を保つのに十分な期間であるべきです。書記は,ステーク会長会やビショップリックの一員ではないため,ステーク会長会やビショップリックが再組織されるときに,解任する必要はありません。

33.4

ワードの記録と報告書

33.4.1

ビショップリック

ビショップは,ワードにおける記録作成を監督します。

33.4.2

ワード書記

すべてのワードには,適正のある有能なワード書記を置くべきです。ワード書記は,ビショップリックが推薦し,ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員が召して任命します。ワード書記は,有効な神殿推薦状を所持しているメルキゼデク神権者であるべきです。また,ワード評議会の一員であり,29.2にあるように,ワードの集会に出席します。

ワード書記は,ビショップリックとステーク書記から指導を受けます。ワード書記を助けるため,ワード書記補佐を召すこともできます。

33.4.2.1

記録作成に関する責任

ワード書記または割り当てを受けた書記補佐は,以下の責任を負っています。

  • ワード指導者会で行われた割り当てや決議事項を記録する。

  • 記録と報告書が正確かつ期日通りに作成されるようにする。

ワード書記は,教会の記録管理ツールに精通するべきです(33.0参照)。また,これらのツールを使って,指導者が以下を特定できるように助けます。

  • 会員や組織が必要としている事柄。

  • 利用できるリソース(財政を含む)。

ワード書記は,会員情報に誤りがあれば報告するよう会員に勧めます。

その他の記録作成業務には,以下が含まれます。

  • 儀式が適切かつ迅速に記録されるようにする。

  • ワード大会のために「役員の支持」フォームを準備する。

  • ワード会員資格評議会に関する情報を記録する。

  • 財政記録を保持する(34.2.2参照)。

33.5

会員の参加状況に関する報告書

会員の参加状況に関する報告書は,指導者が会員の進歩状況と必要としている事柄に焦点を当てる助けとなります。

33.5.1

報告書の種類

33.5.1.1

出席報告書

聖餐会および日曜日の神権会や各組織の集会への出席は,LCRや「会員ツール」を使って電子的に記録します。

聖餐会。聖餐会への出席は,ワード書記またはワード書記補佐が毎週記録します。この人数は,訪問者を含め,集会に直接またはオンラインで出席した人の数です。

日曜日の定員会と各組織の集会。出席状況は,定員会と各組織の書記やアドバイザーが毎週記録します。青少年の指導者も,出席状況の記録を手伝うことができます。この人数は,訪問者を含め,集会に直接またはオンラインで出席した人の数です。ワード内の初等協会で,あるいは青少年の指導者として奉仕している会員も,出席者に含めます。

ワード書記は,どの組織についても,代理で出席状況を記録することができます。

33.5.1.2

ミニスタリング面接報告

21.3を参照してください。

33.5.1.3

四半期報告書

報告書の数字はすべて,個々の必要を抱えた実在の人物を表しています(ヒラマン15:13参照)。

四半期報告書」には,指導者がミニスタリングの取り組みについて霊感を求める際にヒントとなるような有益な情報が含まれています。

ステークやワードの指導者は,個人の進歩状況を確認するために,「四半期報告書」を定期的に参照します。

各ワードは「四半期報告書」を作成し,教会本部に提出します。書記はビショップと一緒にこの報告書を確認し,各四半期の最終月の翌月15日までに提出します。

33.5.2

会員リスト

指導者は教会の記録管理ツールを利用して,会員リストにアクセスすることができます。このリストは,指導者が以下を確認するのに役立ちます。

  • 適格な儀式をまだ受けていない会員。

  • 伝道に出る資格のある若い男性と若い女性。

  • 有効な神殿推薦状を持っていない青少年。

  • ビショップリックの一員との面談予定を立てる必要のある青少年。

定員会指導者と組織の指導者は,各自の定員会または組織に属する会員のリストを入手できます。

33.6

会員記録

会員記録には,会員の名前,連絡先,儀式の詳細,その他の重要な情報が記載されています。

会員記録は,会員が居住する区域のワードで保管するべきです。例外はほとんどありませんが,それには関係するビショップとステーク会長の同意が必要です。例外を申請するには,ステーク会長がLCRを使って大管長会事務局に申請書を提出します。

以下を速やかに行うことが重要です。

  • 儀式の情報を記録する。

  • ワードの転入会員や転出会員の記録を移す。

  • 新会員の記録や,会員の新しい子供の記録を作成する。

  • 会員の死亡を記録する。

  • 結婚や世帯の情報を記録する。

ビショップやステーク会長は,会員と以下の面接を行う前に,本人の会員記録が適切なワードにあることを確認します。

  • 教会の召し。

  • 神殿推薦状。

  • メルキゼデク神権,またはその神権の職への聖任。

また,会員記録に以下が記載されていないことも確認します。

  • 注意書き

  • 結び固めや儀式の制限に関するコメント

  • 公式の会員資格の制限

いかなる事情があろうと,ビショップまたは書記以外の人に会員記録を渡したり,見せたりすることはできません。

会員は,「会員ツール」アプリで,自分の会員情報や,同居中の扶養している子供全員の会員情報を閲覧することができます。また,「個人の儀式概要」を印刷した控えを書記に請求することもできます。誤りに気づいたら,書記は,それが会員記録上で確実に訂正されるようにします。

33.6.1

教会の記録で使用する氏名

会員記録や儀式証明書には,地元の法律や慣習に従って届け出た戸籍上の氏名を用いるべきです。

33.6.2

記録上の会員

以下の人々は記録上の会員であり,会員記録を作成するべきです。

  • バプテスマと確認を受けた人

  • 祝福を受けたが,バプテスマを受けていない9歳未満の人

  • 年齢にかかわらず,知的障害のために責任能力がない人

  • 以下の両方に該当する9歳未満の祝福を受けていない子供

    • 少なくとも一人の親または一人の祖父母が教会員である。

    • 両親から記録を作成する許可を得ている(一方の親だけが子供の親権を持っている場合,その親の許可があれば十分です)。

会員記録が存在していても,バプテスマと確認を受けていない9歳以上の人は,記録上の会員ではありません。しかしながら,その人が居住している区域にあるワードは,その人が18歳になるまで会員記録を保存します。18歳になって,本人がバプテスマを受けないことを選択した場合,ビショップは会員記録を抹消します。その際に,ステーク会長の許可が必要です。

知的障害があるためにバプテスマを受けていない人については,本人または親を含む法定後見人から要請がない限り,記録を抹消することはありません。

33.6.3

ワードの新会員の記録

ワード書記またはワード書記補佐は,新しいワードの会員の会員記録が届いたらすぐに,その会員と連絡を取り,「個人の儀式要約」の記載が正確であることを確認します。

33.6.6

地理的に区分されたワード以外で奉仕している会員の記録

33.6.6.2

専任宣教師の記録

24.6.2.8を参照してください。

33.6.13

両親が離婚している子供の記録

すべての会員記録には,地元の法律や慣習に従って規定された戸籍上の氏名を使用します。これには,両親が離婚している子供も含まれます。

親が離婚している子供は,両親双方のワードの教会の集会に出席することがよくあります。子供の公式会員記録を保持し,更新できるのは一つのユニットだけですが,子供が出席するもう一つのワードに,ユニット外の会員記録を作成することができます。これにより,子供の名前と連絡先がワードのリストやクラス名簿に記載されるようになります。

ユニット外の会員記録を持つ子供は,そのユニットで召しを受けることができます。

33.6.15

会員記録の移動差し止め

公式の会員資格の制限やほかの重大な懸念事項が留保された状態にある会員が転出する場合,ビショップや権限を与えられた書記は,本人の会員記録の移動を差し止めることができます。その処理は,LCRを使って行います。

移動が差し止められた記録は,差し止めを行った神権指導者がその解除を承認するまで,新しいユニットに移されることはありません。

33.6.16

「住所不明」ファイルの会員記録

時折,会員の記録を教会本部の「住所不明ファイル」に入れた後で,その会員が見つかる場合があります。このような場合,ワード書記はLCRを使って記録を要請します。

33.6.17

儀式情報の記録と訂正

第18章を参照してください。

33.6.19

会員記録の監査

ステーク書記やステーク書記補佐は,毎年各ワードの会員記録の監査LCRを使って確実に実施します。監査は毎年6月30日までに完了するべきです。

33.7

歴史記録

33.7.1

ワードおよびステークの歴史

主は,御自身の教会に関する「すべての重要な事柄の歴史」を書き記し,保存するように命じておられます(教義と聖約69:35節アルマ37:2も参照)。

教会の各ユニットは,そのユニットに関するすべての重要な事柄を記録します。

歴史を記録することは,書く人と読む人の信仰を強める霊的な務めです。

ステークおよびワードの神権指導者や組織の指導者は,ChurchofJesusChrist.orgにある「ユニットの歴史」ツールを使ってストーリーを投稿します。ステークおよびワードの書記は,この取り組みをまとめ,調整を行う主要な責任を負っています。その他の説明は,このツールの「クイックスタートガイド」に記載されています。

33.8

記録の内密性

教会の記録は,文書またはデジタルデータを問わず,内密に扱います。これには以下が含まれます。

  • 会員記録。

  • 財政記録。

  • 集会のメモ。

  • 公式のフォームや文書(会員資格評議会の記録を含む)。

指導者は,会員から集める情報に関して,以下を必ず守るようにします。

  • 教会で必要な情報のみを収集する。

  • 教会で承認された目的にのみ用いる。

  • 使用権限のある人にのみ与える。

電子的に保存されている情報は,安全に保管し,適切に保護しなければなりません(33.9.1参照)。

33.9

記録の管理

33.9.1

保護

教会の記録や報告書,データはすべて,不正アクセスや改ざん,破棄,漏えいから守るべきです。このような情報は,安全な場所に保管しておくべきです。

教会所有の機器や記憶媒体の紛失や盗難については,速やかにincidents.ChurchofJesusChrist.orgに報告するべきです。また,教会の情報が不正に使用された場合にも報告するべきです。

33.9.1.1

ユーザー名とパスワード

ステーク会長やビショップ,その他の指導者は,教会のユーザー名とパスワードを,顧問や書記,幹部書記,その他の人々と決して共有してはなりません。

33.9.1.3

データプライバシー

多くの国が,個人情報の処理を規制するデータ保護法を制定しています。個人情報には,会員記録に収められた情報や,その他の教会の記録で個人を特定できる情報も含まれます。地元の教会記録の管理に対するデータ保護法の適用について質問がある場合,指導者は教会のデータプライバシー事務局(DataPrivacyOfficer@ChurchofJesusChrist.org)に問い合わせることができます。

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