インスティテュート
第6章-コンピューターと家族歴史の探求


第6章

コンピューターと家族歴史の探求

はじめに

十二使徒定員会のラッセル・M・ネルソン長老は,家族歴史活動を行うという務めは新しい科学技術により容易になったと説明しています。「預言者ジョセフ・スミスはこのように語りました。『わたしたちがこの世で神から受けている最も大きな責任は,死者を捜し求めることです。」〔『歴代大管長の教え-ジョセフ・スミス』475〕新しい科学技術によって,この責任は果たしやすくなりました。」(「先祖と愛によって結ばれる」『リアホナ』2010年5月号,92)

このレッスンでは,家族歴史の探求を行ううえで生徒の役に立つコンピューターというリソースに焦点を当てます。生徒はすでにFamilySearch.orgについて紹介され,オンラインで登録するよう勧められているはずです。このレッスンを教えるまでに,このサイトを少なくとも少しは利用していることが理想です。

このコースでは今後,生徒はファミリーサーチを上手に使えるようになり,亡くなった先祖を捜し出し,彼らのために神殿で救いの儀式を行えるようになっていくはずです。毎回クラスの始めに,生徒に進捗状況を報告してもらう時間を取るとよいでしょう。

教義と原則,福音の真理

  • 主の御霊は,家族歴史などの主の業を推し進めるために技術革新に影響を与えた。

  • 教会の家族歴史部は家族歴史探求のためのコンピューター関連リソースの開発と維持に努めている。

  • 家族歴史探求を進めるうえで役立つものがほかにもある。

教えるための提案

教師のための注釈-このレッスンの長さと内容量のため,このレッスンは2回に分けて教えるよう勧められています。

主の御霊は,家族歴史などの主の業を推し進めるために技術革新に影響を与えた

生徒に質問する。

  • 現在地上に天の御父の子供はおよそどのくらいいますか。(現在の世界人口は70億人強と推定されています。)

以下のように,この人口を表す数直線をホワイトボードに描きます。

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数直線
  • この黒い部分が現在地上に生きている天の御父の子供の合計数だとすると,末日聖徒である天の御父の子供の数を表しているのは線のどの部分でしょうか。

以下のように,現在の教会員数(1,400万-1,500万)を表します。

画像
A line chart indicating the world population with smaller divisions and arrows added

生徒に質問する。

  • これほど少ない人数の教会員でこれほど多くの天の御父の子供に福音の祝福をもたらすにはどうすればよいでしょうか。天の御父の子供には,現在生きている人と,過去に生きていた人が含まれています。

注-学者によれば,これまでに地上に生きた人の合計はおよそ750億人と推定されています。また,生徒用資料の「現代の発明のおかげで,家族歴史活動の速度が速まっている」(6.1.1)に含まれているブリガム・ヤング大管長(1801-1877年)の言葉を読むと生徒の役に立つかもしれません。

教師のための注釈-コンピューターと地上の神殿の数の増加により家族歴史活動が加速したことに加え,次のことを指摘するとよいでしょう。「福千年の間の最大の事業は,ふさわしい死者のために神殿の儀式を行うことである。」(ジョセフ・フィールディング・スミス Doctrines of Salvationブルース・R・マッコンキー編,全3巻〔1954-1956〕,第2巻,121)福千年の間,死者はより自由に自分の記録を探し当てる手伝いができるようになります。

「福千年のときに探求がもっと簡単にできるようになるなら,福千年まで待てばいいのではないか」と尋ねる生徒がいるかもしれません。このような質問に答える方法は幾つかあります。以下の情報が役立つでしょう。

家族歴史と神殿の業により生者は多くの恵みを受けます。そのため,死者の助けにまったくなれなかったとしても,家族歴史と神殿の業は生者にとって計り知れない価値があのです。家族歴史の業は,わたしたちが継続的に主の業に焦点を当てられるよう導いてくれます。神殿に繰り返し参入することにより,エンダウメントと結び固めの神聖な言葉の記憶が薄れないようにすることができます。死者のために神殿に行く度に,天の御父が自分に望んでおられることを復習することになります。系図探求と神殿儀式は,聖霊からさらなる導きを受ける機会を与えてくれます。

生徒が答えたら,ヨエル2:28-29を読むように言います。

  • ヨエルは何が起こると預言しましたか。(主はその御霊を「注〔がれる〕。」)

ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)は,主がすべての肉なる者にその御霊を注がれるというこの聖句は一部成就していると語ったことを生徒に伝えます。生徒用資料の「古代の預言が今成就しつつある」(6.1.3)のヒンクレー大管長の言葉を一人の生徒に読んでもらう間,ヒンクレー大管長が指摘したことに注意しながら聞くように言います。

  • ヒンクレー大管長は,ヨエルの預言の成就の一部として何を指摘していますか。(現代の技術革新。)

  • あなたの生涯の中で,どのような発明や技術革新が起こりましたか。

  • あなたの祖父母があなたの年齢だったとき以降,技術革新はどのような速度で進んでいますか。

  • 技術革新は,主の業にどのような良い影響をもたらしましたか。

注-家族歴史活動についてだれも言及しない場合は,次のように尋ねてください。「技術革新は,家族歴史の業にどのような良い影響をもたらしましたか。」

生徒用資料の「ヨエルの預言が現在成就しつつある」(6.1.4)のラッセル・M・ネルソン長老の言葉を読みます。

2011年10月の総大会で,十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老が特に教会の青少年たちに向けて語ったことを生徒に伝えます。一人の生徒に,生徒用資料の「青少年には貢献できる技能がある」(6.1.5)のベドナー長老の話を読んでもらいます。

  • 教会の青少年はどのような理由で家族歴史の業にもっと携わることができるとベドナー長老は語っていますか。

  • どのような点でそうだと言えますか。

主が,霊感された現代の技術を通して,ふさわしい末日聖徒が死者を贖う手助けをする力と能力を高めてくださったことを証します。

教会の家族歴史部は家族歴史探求のためのコンピューター関連リソースの開発と維持に努めている

インターネットを使ったデモンストレーションを行う設備が教室にある場合や,生徒が利用できるコンピューターが教室にある場合(例えば家族歴史センターなど),ファミリーサーチウェブサイト(FamilySearch.org)の演習を幾つか実演して見せたり,生徒が演習をする中で助言を与えたりするとよいでしょう。

教師のための注釈-これには時間がかかります。1コマまたは2コマのレッスンを要するでしょう。

コンピューター設備が教室にない場合,ファミリーサーチウェブサイトでできることについて説明できるよう最善を尽くしてください(または家族歴史相談員に説明してもらいます)。また,自宅で練習するよう宿題を出してください(生徒はこれまでのレッスンで出された宿題により,すでに登録を済ませ,ファミリーサーチウェブサイトに親しんでいるはずです)。

ファミリーサーチの様々な画面を見せる際,ヘルプやチュートリアルを使います。

家族歴史探求を進めるうえで役立つものがほかにもある

ここで,地元の家族歴史相談員にレッスンに出席してもらい,簡単に自己紹介をし,家族歴史相談員の目的と召しについて説明してもらうとよいでしょう。(S&I〔セミナリー・インスティテュート〕指導者および相談員のビショップから訪問の許可を必ず取ってください。)

教会から提供されているリソースがどのように役立ったか,またはワードや支部の家族歴史相談員が自分の家族歴史作業をどのように手伝ってくれたかを話してくれる生徒がいるか尋ねます。

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