「第20課 クラス用準備資料—父親の神聖な責任」『永遠の家族 教師用資料』
「第20課 クラス用準備資料」『永遠の家族 教師用資料』
第20課 クラス用準備資料
父親の神聖な責任
天の御父は御自分の息子たちに「愛と義をもって自分の家族を管理し……生活必需品を提供し,家族を守るという」責任を与えておられます(「家族—世界への宣言」,ChurchofJesusChrist.org)。本課を研究する際,これまでこの神聖な責任を果たそうと努めてきた父親やそのほかの男性たちによって,あなたがどのように祝福を受けてきたかを考えてください。
注:本課では,守る責任に焦点を当てます。管理することと生活必需品を提供するというテーマについては前の課で採り上げています。
セクション1
男性が父親としての努力を御父やイエス・キリストに倣って行うには,どうすればよいでしょうか。
中央扶助協会会長会で奉仕していたとき,リンダ・K・バートン会長は男性が直面する幾つかの困難について述べています:
当然ながら,男性の神聖な役割や責任を軽視するだけでなく,「真の男性像」について偽りのメッセージを広める世に住むことは,聖約の男性にとって困難なことです。偽りのメッセージには,「自分が一番大事」という考えの他に,夫や父親はもう必要ないという,男性の価値を低くしたり軽視したりするメッセージがあります。皆さんにお願いします。 サタンの偽りに決して耳を傾けないでください。サタンは夫や父親になる神聖な特権を捨てており,自分が絶対に手にできない神聖な役割を持つ人々をねたんでいるので,「すべての人〔を〕自分のように惨めに」〔2ニーファイ2:27〕することに余念がありません。(「ともに高め合いましょう」『リアホナ』2015年5月号,30)
わたしたちは天の御父を義にかなった父親の完全な模範として仰ぎ見ることにより,父親の務めに関する偽りのメッセージに対抗することができます。十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は,次のように教えています:
父親を完全かつ神聖な言葉で表現すると,天の御父です。御父の特質また属性として豊かな慈しみと完全な愛があります。御父の御業と栄光は御自分の子供たちに成長と幸福,永遠の命をもたらすことです〔モーセ1:39参照〕。この堕落した世における父親たちは,高い所におられる威光の御方とは比較になりませんが,最善の状態で御父のようになろうと努め,実に御業に携わっているのです。彼らは大いなる心からの信頼という栄誉を受けています。(「父親」『リアホナ』2016年5月号,94)
また,わたしたちはイエス・キリストの模範からも義にかなった父親についての原則を学びます。わたしたちが霊的に再び生まれるとき,イエス・キリストはわたしたちの新しい命の父親となられます(モーサヤ5:7;エテル3:14;教義と聖約25:1参照)。
セクション2
愛情深くあることとよく耳を傾けることは,父親が家族を守るうえでどのように助けとなるでしょうか。
十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は,家族を守るという父親の責任には物理的な守りと霊的な守りの両方が含まれることを教えています:
神と預言者は父親に対して,家族に必需品を供給するだけでなく,家族を守るよう求められています。わたしたちが暮らす世界には,ありとあらゆる危険が存在しています。天災からも人災からも家族を守ることが必要です。徳的に有害なものも至る所にあります。子供たちは幼いころからそのようなものにさらされています。父親はそのような罠から子供を守る大切な役割を担っています。(「親の神聖な責任」『リアホナ』2006年3月号,14)
父親が子供を守ることのできる方法に加えて,ハワード・W・ハンター大管長は次のように教えています。
義にかなう父親は子供たちの社交活動,教育,霊的な活動や責任のために時間を取り,一緒にいて彼らを守ります。子供に心からの愛と関心を示すのは,母親ばかりでなく父親の責任でもあります。どうか子供たちに皆さんの愛を伝えてください。(「義にかなう夫,父親」『聖徒の道』1995年1月号,59)
愛情が深く,よく耳を傾ける父親になるには,意識的に,一貫した努力を行う必要があります。ラッセル・M・ネルソン大管長の次の模範からどのようなことを学ぶことができるか考えてください:
わたしの仕事は妻と子供たちを支えることです。その逆ではありません。……帰宅したら,家のことに集中するのです。その日にあった出来事について考えるのは止めます。家にいるときは,家族のことに100パーセント心を向けます。自分に次のように言い聞かせたものです。「ラッセル,子供と妻を祝福できる状態になるまでは,その家に足を踏み入れてはならない。」(In Vivian S. Lee, “Elder Russell M. Nelson, M.D., ’47,” Good Notes (blog), University of Utah Health, Sept. 12, 2014, uofuhealth.utah.edu/notes)
子供に対する父親の前向きな影響力は,子供の成長に著しい効果を及ぼします。例えば,調査によれば,愛情深い,家族に関心を示す父親は以下のことを可能にします:
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息子や娘の自尊心,自制心,ストレスへの耐性,性別に対する感覚(ここでは生物学的な性別のことを指します)が育まれる。
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子供が情緒的に安定し,自信を持ち,ほかの人々と良好な関係を築く可能性が高まる。
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子供の貧困や犯罪,薬物の乱用の発生率が低下する。(ジェームズ・E・ファウスト「父親,母親,結婚」『リアホナ』2004年8月号,2-7。この記事で引用されている参照箇所も参照。)
だれかを守るという父親の影響力は,養い育てるという母親の不可欠な影響力を強力に補完します。夫婦関係における対等のパートナーとして,妻と夫は家族を守るという責任を共有します。夫と妻はこの神聖な義務を果たすうえで,ともに働き,ともに協議することができます。
父親としての役割と,守るという神聖な責任は,神から与えられている永遠の性質と行く末のために,天の御父のすべての息子たちに当てはまります。男性はこの責任を,自分の身近な家族の中で最も果たしますが,そのほかの場面でもこの責任を果たすこともできます。エテロと義理の息子のモーセの関係(出エジプト18章参照)やヒラマンと二千人の若い兵士の関係(アルマ56-57章参照)の例を考えてください。ほかにどのような聖文の例が思い浮かびますか。
セクション3
神からの啓示と神権の力は,父親が家族を守るうえでどのように助けとなるでしょうか。
ナザレのヨセフの経験から,わたしたちは家族を守る方法について重要な原則を学ぶことができます。
同じように現代においても,啓示は父親が家族を守り祝福するうえで助けとなります。バラード会長は次のように勧告しています。「父親は聖霊の導きを常に求めなければなりません。すべきこと,語るべきことを知る必要があるからです。またすべきでないこと,語るべきでないことも知る必要があるからです。」(「親の神聖な責任」14)
聖約を守り,イエス・キリストに従っている男性には,家族を守るためにもう一つの神聖な賜物を利用することができます。男性に向けて,十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長はこの賜物について次のように教えています:
あなたには,家庭を守るために主から直接与えられた神権の力があります。サタンが加える攻撃から盾となって家族を守るものが神権の力以外になくなる時がやって来ることでしょう。(「神権の力」『リアホナ』2010年5月号,9)
ネルソン大管長は,家族を守るために神権の力をどのように増し加えられるかを男性に教えています:
日々悔い改めに取り組んで生活に欠かせない一部とすることにより,これまで以上に大きな力をもって神権を行使できるようにしてください。これが,これからやって来る厳しい時代に皆さんと家族を霊的に守る唯一の方法なのです。(「行いを改善し,より良くなれます」『リアホナ』2019年5月号,69)