1 さて,モーサヤ王はすべての人を集めさせた。
2 当時ニーファイの子ら,すなわちニーファイの子孫であった人々は,ミュレクと,また彼とともに荒れ野へ出た人々の子孫である,ゼラヘムラの民ほど多くはなかった。
3 また,ニーファイの民とゼラヘムラの民を合わせても,レーマン人ほど多くはなかった。まことに,彼らはその半分にも満たなかった。
4 さて,ニーファイの民は皆集まり,ゼラヘムラの民も皆集まった。彼らは集まって二つの集団を作った。
5 そして,モーサヤ王は民にゼニフの記録を自ら読んで聞かせ,また人にも読ませた。まことに,彼は,ゼニフの民がゼラヘムラの地を立ち去ったときから再び帰って来るまでの,彼らの記録を読んで聞かせた。
6 彼はまた,アルマと彼の同胞の話と,また彼らがゼラヘムラの地を立ち去ったときから再び帰って来るときまでに受けた,あらゆる苦難の話を読んで聞かせた。
7 さて,モーサヤ王がこれらの記録を読み終えると,その地にとどまっていた彼の民は,不思議な思いと驚きに打たれた。
8 彼らには思いも及ばなかったからである。奴隷の状態から救い出された人々を見たときに,彼らは非常に大きな喜びに満たされたからである。
9 また彼らは,レーマン人に殺された自分たちの同胞のことを思っては,悲しみでいっぱいになり,悲哀の涙を流した。
10 さらに彼らは,アルマと彼の同胞をレーマン人の手と奴隷の状態から救い出してくださった神の直接の慈しみと神の力のことを思っては,声を上げ,神に感謝をささげた。
11 また彼らは,罪深く汚れた状態にある自分たちの同胞のレーマン人のことを思っては,彼らの幸いを案じて苦痛と苦悩にさいなまれた。
12 さて,レーマン人の娘たちを妻としたアミュロンと彼の仲間の子供たちは,自分の父たちの行為を快く思っていなかった。そして,彼らはもはや父たちの名で呼ばれることを望まなかったので,ニーファイの名を受けた。それは,ニーファイの子らと呼ばれ,ニーファイ人と呼ばれる人々の中に数えられるようにするためであった。
13 今やゼラヘムラの民はすべて,ニーファイ人とともに数えられた。それは,ニーファイの子孫である人々のほかに,だれにも王位が授けられなかったからである。
14 さて,モーサヤ王は民に語り終え,読み終えると,アルマにも民に語ってもらいたいと思った。
15 そこでアルマは,民が幾つもの大きな集団を成して集まっているときに,彼らに語った。彼は一つの集団から次の集団へと巡って,悔い改めと主を信じる信仰を民に宣べ伝えた。
16 また彼は,リムハイと彼の同胞から成る民,すなわち奴隷の状態から救い出されたすべての人に,彼らを救い出してくださったのが主であることを覚えておくように勧めた。
17 さて,アルマが民に多くのことを教え,彼らに語り終えると,リムハイ王はバプテスマを受けたいと願った。また,彼の民も皆,バプテスマを受けたいと願った。
18 そこでアルマは水の中に入って行き,彼らにバプテスマを施した。まことに,彼はモルモンの泉で同胞に授けた方法で,彼らにバプテスマを施した。そして,彼がバプテスマを施した人々は皆,神の教会に属した。それは彼らがアルマの言葉を信じたからである。
19 さて,モーサヤ王はゼラヘムラの全地に教会を設立することをアルマに許し,またそれぞれの教会をつかさどる祭司と教師を聖任する力を彼に授けた。
20 さて,このように行われたのは,人々の数が非常に多く,一人の教師ですべての人をつかさどることができなかったからであり,また一つの集会ですべての人に神の言葉を聞かせることもできなかったからである。
21 それで彼らは,教会と呼ばれた別々の集団に集まった。それぞれの教会に祭司と教師がいて,祭司は皆,アルマの口により伝えられたとおりの言葉を宣べ伝えた。
22 このように,多くの教会があったにもかかわらず,それらはすべて一つの教会,すなわち神の教会であった。どの教会でも,悔い改めと神を信じる信仰以外に,どのようなことも説かれなかったからである。
23 さて,ゼラヘムラの地には七つの教会があった。そして,キリストすなわち神の名を受けることを望んだ者はだれでも皆,神の教会に加わった。
24 そして,彼らは神の民と呼ばれた。主は彼らに主の御霊を注がれ,彼らは祝福され,その地で栄えた。