静まって,わたしこそ神であることを知れ
ヤングアダルト対象のCESディボーショナル・2014年5月4日・カリフォルニア州サンディエゴ
愛する若い兄弟姉妹の皆さん,カリフォルニア州サンディエゴにいます。今夜ここからCESディボーショナルでお話しできることをうれしく思います。大切な高校生の皆さんを含め,全てのヤングアダルトをこの集会に歓迎します。高校生の皆さんが来てくれたことをうれしく思います。また,帰還宣教師の皆さんも歓迎します。主は皆さん一人一人の奉仕に感謝しておられます。教会も感謝しています。
最後に,将来の宣教師の皆さんを歓迎します。主はイスラエルを集め,この世を主の再臨に備えるために働く,義にかなった若人を必要としておられます。
主は皆さんを愛し,信頼しておられます。大管長会と十二使徒定員会は皆さんを信じ,頻繁に皆さんのために祈っています。皆さんは教会の未来を担う人たちであり,主は皆さんの人生に数々のすばらしい祝福を用意しておられます。
この点についてもう一度強調したいと思います。皆さんはあと20年から30年ほどで教会を導くことになるでしょう。ビショップやステーク会長,伝道部会長,初等協会や若い女性,扶助協会の会長,神殿会長やメイトロンになる人もいるでしょう。そうです,今夜わたしの話を聞いている皆さんは,地域社会や世界の国々の指導者になる可能性が最も高い人たちです。中央の女性組織の会長会,さらには中央幹部である七十人,あるいはきっと十二使徒定員会会員になる人もいるでしょう。
どんなにすばらしい将来が待っているか,皆さんにはまだ分からないでしょう。
教会指導者
教会指導者が世間から隔離された世界で生きていると思っている人がいるそうです。そのような人は,わたしたちが様々な場所に住み文化の異なる大勢の人と交わりながら経験を積んできたことを知らないようです。現在の割り当てによりわたしたちは文字どおり世界中を飛び回り,世界各地の政治,宗教,ビジネス,人道支援の指導者たちと会っています。ワシントンD.C.のホワイトハウスや世界各国の指導者を訪れることもありますが,もっともつましい家庭を訪れ貧しい人々と会い,仕えることもあります。
わたしたちの生活や務めについて思慮深く考えるなら,わたしたちほど世界中を見て回り経験を積んでいる人はそう多くないことが分かるはずです。たいていの人よりも現実を知っていることに気づくでしょう。
わたしたちは年を取りすぎているという人もいます。確かに使徒のうち9人は80歳以上で,わたしも85歳です。
しかし,幹部の兄弟たちの知恵には慰めを与える特別な力があります。わたしたちは,様々な法律や政策の結果を味わってきましたし,落胆,悲劇,家族の死など,あらゆることを経験してきました。皆さんの生活についてまったく知らないというわけではないのです。
また,十二使徒のうち引っ込み思案な人は一人としていません。誰もが強い個性を持っています。ですから,ある決定についてわたしたちが一致したときには,よく評議し,祈り,思慮深く話し合った後に決定に至ったということなのです。
孫たちはわたしのことを「超かっこいい」と思っているようです。ヤングシングルアダルトに「いけてる」と言われたこともあります。それが褒め言葉だといいのですが。
わたしたちの心は若者です。そして,主はわたしたちが驚くべき方法で御業を進められるよう助けてくださいます。今晩,3つの大切なテーマについてお話ししたいと思います。第1に,テクノロジーの使用について,第2にポルノグラフィーとの戦いについて,第3に,結婚の教義についてです。この3つは今日わたしたちが直面している重要な問題です。
1.テクノロジーの使用
まず,テクノロジーの使用についてお話します。2007年と2008年に,わたしはBYUハワイ校とアイダホ校の卒業式でこのように話しました。「批評家やその他の人々が勝手に教会の教えを定義しようとするのを見過ごしてはなりません。」1わたしは卒業生に,教会について国境を越えて話し合っている場に,テクノロジーを介して加わるように勧めました。ブログに意見を掲載するようにと勧めたのです。そのときわたしは,最新の知識に精通している方だと思っていました。以来,フェイスブックやツイッター,ピンタレスト,ユーチューブ,グーグルプラス,インスタグラムが現れました。そして,わたしの秘書はわたしがここへ向かおうとしていたときに,スナップチャットについて教えてくれました。テクノロジーの世界は数分たりとも停滞していないようです。
この携帯,すばらしいんです。スマートフォンはほんとうに賢いですね。情報を入手したり,道案内してもらったり,写真やメッセージを共有したり,時には誰かと話したり,すばらしい機会をたくさん提供してくれます。
わたしたちが暮らす現代は,よくも悪くも,これまでにも増して変化の時代です。
過去と現在の違い
アダムとエバの時代からジョセフ・スミスとエマ・スミスの時代に至るまで,世界が変わる速度は比較的ゆっくりでした。
昔の人々は,天から注がれる自然光をたくさん浴び,心地よい暗闇を楽しんでいました。今日世界中の都市に見られるような街灯やヘッドライト,光の公害はありませんでした。現代の都市では,アブラハムやモーセ,ルツ,エリサベツ,イエス,そして初期の末日聖徒が見たような夜空が見えることはほとんどありません。
昔の人は,自然の静けさを楽しみました。夜はもちろん,昼でさえ人間が出す音に邪魔されることはほとんどありませんでした。現代は車や飛行機の騒音,そして音楽と呼ぶのがはばかられるようなものの音によって,自然界の音はかき消されてしまいます。(わたしの世代から見ると,皆さんが音楽と考えているものは,わたしが音楽と考えているものはかけ離れているということを分かってください。)BGMの流れていないレストランはもはやないでしょう。辺境の森でさえ,空を飛ぶジェット機に静寂を破られることがしばしばあります。
昔の人々は独りきりの時間を楽しんでいました。人口が過密した,あわただしい現代には想像もできないことです。今は独りになっても,携帯機器やノートパソコン,テレビを使って絶えず娯楽や他のことに意識を集中しています。
では,使徒として皆さんに一つ質問をします。独りきりの静かな時間がありますか。昔の人々は今のわたしたちよりも,生活の中で聖霊の存在を見たり感じたり経験したりする機会が多かったのではないかと思います。
世界が明るく,騒々しく,忙しくなるほど,聖霊を感じることは難しくなるようです。静かな時間のない生活をしている人は,今晩から時間を見つけて始めてくださいますか。
預言者の勧告
静まって聖霊に聞き従うことは大切です。わたしたちの周りには,世界の歴史上かつてなかったほど注意をそらせるものがあふれています。
誰にも瞑想し深く考える時間が必要です。世の救い主でさえ,地上での務めの間,瞑想の時間を見つけられました。「そして群衆を解散させてから,祈るためひそかに山へ登られた。夕方になっても,ただひとりそこにおられた。」2
自分自身と定期的に面接する時間は誰にも必要です。わたしたちはあまりにも忙しく,この世はあまりに騒々しいために,「静まって,わたしこそ神であることを知れ」3という天の言葉を聞くことは容易ではありません。
スマートフォンなどの携帯機器は祝福ですが,「静かな細い声」を聞く妨げにもなります。それらはわたしたちの僕であり,あるじではりません。例えば,今晩このディボーショナルで得た,人を高めるメッセージをソーシャルメディアで伝えるなら,スマートフォンは僕です。しかし,ネットサーフィンをするなら,スマートフォンがあるじになります。
エリヤの教訓を覚えておきましょう。「主は風の中におられなかった。……地震の中にも主はおられなかった。……火の中にも主はおられなかった。」主は「静かな細い声」で語られたのです。4
テクノロジーの使い方
もう一つの質問です。正直に答えてください。学校や教会のこと以外で,携帯電話やタブレットに一日に何時間費やしていますか。
テクノロジーを使うことは適切ですし,祝福です。しかし,友人や家族,そしてもっと重要なことは神との関係に支障を来すようになるなら,状況を変える必要があります。小さな調整で済む人もいれば,大きな調整が必要な人もいることでしょう。
わたしはまた,過度のメール,フェイスブック,ツイート,インストグラムの使用が会話に取って代わりつつあることについても懸念しています。人と直接話したり,祈りで天父と話したり,最も大切な事柄について考えることが減っていないでしょうか。
家族や友人と同じ部屋にいながら,そこにいない人とのやりとりで忙しく,そばにいる人と話す機会を失うことがあまりにも多すぎます。そのようなときには,部屋を出て行き,メールを送って彼らの注意を引くしかないかもしれません。
わたしにとって,人生の中で最もよく学ぶことができたのは,経験豊かな人生の先輩から話を聞いたときでした。知る必要のある大切なことをたくさん学びました。両親やおば,おじ,祖父母がそばにいるうちに彼らと話すことから得られる恩恵を受けてください。
また,回復された末日聖徒イエス・キリスト教会の最も重要な集会である神聖な聖餐会の最中に,電子メールやフェイスブック,ツイッター,インスタグラムのアカウントを確認し,メッセージを送る人がいることについても懸念しています。この重要な集会の間は,マルチメディア機器に夢中になるのではなく,祈り,賛美歌を歌い,主の肉と血の記念を頂くことによって,主に心を向けるべきです。スマートフォンやタブレットを見たりメッセージを送ったりしていては,聖餐を受けながら御霊と交わることはできません。この交わりにはキリストの光が必要です。それは,燃える愛と献身とともに,あなたの思いから出て行き,心の中に落ち着くのです。
聖典や教会のその他の資料を携帯電話やタブレットに入れている人もいるでしょう。この最新のテクノロジーについて懸念する両親や教会指導者がいるそうですが,わたしは心配していません。
教会はこれまで常に主の業を前進させる助けとして新しい技術を取り入れてきました。1830年代に帆船で宣教師を送り始めましたが,1860年代になると汽船を使うようになりました。そして,1960年代には宣教師を世界中の任地に送る最善の手段として飛行機を用いることを始めました。
歴史は非常に面白い具合に繰り返します。その昔,イスラエル人は預言者の言葉を巻物に収めていました。初期のクリスチャンはいつからか今で言う本の前身である綴本(とじほん)を使うようになりました。
2000年たった今,若い皆さんはスマートフォンやタブレットで聖文を読んでいます。ちょうど,イエスがナザレでイザヤ書の巻物(訳注―英語ではscroll)を手渡されて読んだのと同じです。皆さんも聖文を電子機器の画面をスクロールする(訳注―英語ではscroll)5べきですが,聖餐が執り行われている最中にではありません。この数分間は救い主の贖いに心を向け,翌週主の御霊から祝福を受けられるよう求めるのです。日曜日の定例集会の間は,スマートフォンやタブレットを機内モードにしておくとよいでしょう。聖文や総大会の話,賛美歌,手引きなどは見られる状態のまま,送られてくる電子メールやプッシュ通知に邪魔されずにすみます。
嵐からの避け所
深く考え瞑想する時間を見つけるのに加え,教義と聖約にもあるように「防御……,また嵐……の避け所」となる場所も見つける必要があります。6
電子機器のプラグを抜いてそれらを断ち切り,神の御霊とつながることのできる特別な避け所が必要です。
御霊とつながる最適な場所の一つは神殿,すなわち主の宮です。もちろん,奉献された教会の他の建物についても同じことが言えます。それにはセミナリーやインスティテュートの教室も含まれます。また,様々な物を遮断し,静まって神に関することを学ぶことを選ぶならば,自分の家やアパートの中にも避け所を見いだすことができます。
アダムとエバ,アブラハムとサラ,ヨセフとマリアが神を見いだした世界を見つけるために,また今日主の声を感じ,聞くことのできる場所を見つけるために,神殿に参入するようにお勧めします。できるだけ頻繁に参入してください。そして,神殿の敷地に入る前にスマートフォンをしまってください。
主の宮で執り行われる全ての儀式の中で,美しい表現や言葉を聞き,主が子供たちに与えられる約束を耳にします。神殿は,その霊感あふれる美しい言葉を聞くことができる唯一の場所です。
神殿推薦状を受ける資格が今はないとしても,神殿の敷地を訪れてください。聞いたことのない方のために,大切なことをお伝えします。神殿の敷地を訪れることを拒まれる人は誰もいないのです。主は皆さんに,できるだけ早く神殿推薦状にふさわしくなり,神殿に来るように望んでおられます。敷地を散歩すれば,推薦状を受けて定期的に神殿に参入したいという望みが心に植え付けられるでしょう。
一方,サタンは皆さんが神殿に参入することはもちろん,神殿に近くに行くことさえ嫌います。サタンは皆さんに神殿に近寄ることさえやめさせたいのです。神殿が主の宮だからです。
神殿に参入したり神殿の敷地を訪れるとき,古代の族長やその妻と同じように,皆さんも確かに聖なる地を歩いているのです。彼らは永遠の旅路と人生における最も大切な事柄に心を向けていました。彼らと同じように,皆さんも,天の力とその影響を感じることに心を集中させることができます。
皆さんがそのように選択するなら,神殿やその聖なる敷地の中で,店やレストラン,公共の場では決して聞くことができない方法で,御霊の静かな細い声を聞くことができます。神殿は祈りの答えを受けるのに最も適した場所だと気づくでしょう。
最近,モンソン大管長はアリゾナ州ギルバート神殿を奉献し,奉献の祈りの中でこう主に求めました。「あなたの聖なる御霊がここに宿り,この壁の中に入る全ての人がその影響力を感じられますように。……このあなたの宮が静穏な聖所となり,人生の嵐や世の喧騒からの避け所となりますように。永遠の命やあなたがわたしたちのために備えてくださった神聖な計画について静かに熟考する宮となりますように。」7
主に奉献された神殿は全て「静穏な聖所,……人生の嵐や世の喧騒からの避け所,……静かに熟考する宮」なのです
敵対する力
わたしたちが暮らすこの世の法律と文化は,イエス・キリストの教えから急速に遠ざかっています。その結果,サタンは神の息子娘を惑わし,選民でさえも務めを果たさず,主の祝福を余すとこなく受けられないようにしようと,夜昼を問わず攻撃しています。
サタンは,あなたが家庭やセミナリー,インスティテュート,伝道中に身につけたよい習慣をやめるように望んでいます。例えば,毎日の聖典研究,祈り,毎週ふさわしい状態で聖餐を取ること,心から真の奉仕をすることなどです。また,今日の重要な戦いに参加せず,ただ傍観するよう望んでいます。
覚えておいてください。愛する若人の皆さん。わたしたちは戦っているのです。この戦いは,銃による戦いではありませんが,現実のものであり,無数の犠牲者が出ています。実に,前世で始まって以来ずっと続いている戦いなのです。
パウロは「神の武具で身を固めなさい」と勧め,「わたしたちの戦いは,血肉に対するものではなく,もろもろの支配と,権威と,やみの世の主権者,また天上にいる悪の霊に対する戦いである」と述べています。8
主イエス・キリストの使徒として,わたしの声を聞いている皆さん一人一人に,わたしたちが今生きているこの広い世界の中で,「神の武具で身を固め」,昔のヒラマンの息子たちのように今日の戦いに加わるよう勧めます。結婚するまで,生涯の仕事に就くまで,もっと年を取るまで待ってはなりません。教会は今若者を必要としています。主は今皆さんを必要としておられるのです。
2000人の若い兵士が「ニーファイ人の自由のために戦うという……誓いを立てた」ことを覚えているでしょう。9教会は「いつでも,どのようなことについても,どのような所にいても,死に至るまでも神の証人になる」という聖約を交わした現代の若い兵士を必要としています。10
モルモン書にはこの若い兵士について次のような記述があります。
「彼らは皆,青年であって,非常に勇敢であり,体力と活力がみなぎっていた。しかも見よ,それだけではなく,彼らは託されたことは何であろうと,いつでも誠実に果たす者たちであった。
まことに彼らは神の戒めを守り,神の前をまっすぐに歩むように教えられていたので,誠実でまじめな者たちであった。」11
若い男女の皆さんは現代におけるヒラマンの娘,息子たちです。皆さんも彼らと同様,「この度も大いなる助け手となった」と言われるようになりますように。12
2.ポルノグラフィーとの戦い
皆さんにお話ししたい2番目の事柄は,わたしたちは皆さんにポルノグラフィーに対する戦いに参戦してもらう必要があるということです。これは世に蔓延している恐ろしい疫病です。これから主の知恵の一つの例を紹介しますので,よく耳を傾けて聞いてください。
180年以上前に,主は健康の律法を明らかにされました。その中には,たばこの使用に関する警告も含まれていました。13何万もの人々が主に従いましたが,さらに多くの人は従いませんでした。喫煙の長期的な影響について,当時は,いえ,わたしが今の皆さんくらいのときでさえ,誰も知りませんでした。何十年にも及ぶ科学的な研究の結果,今では喫煙が肺がんやその他の致命的な病気を引き起こすことが知られています。主の知恵の言葉はわたしたちを守る祝福の律法だったのです。
同様に,主は今日ポルノグラフィーの及ぼす影響について警告しておられます。何万もの人が主の勧告に忠実に従っていますが,数えきれない人々がまだ従っていません。わたしの愛する友人の皆さん,ポルノグラフィーの及ぼす壊滅的な影響について判明するまで180年,いえ10年たりとも待つ必要はありません。最新の科学研究によりポルノグラフィーがヤングアダルトを損ない,愛に満ちた安定した婚姻関係を結ぶ機会に悪影響を与えることが分かっているからです。
また調査から,ポルノグラフィーを頻繁に見ると妄想に取りつかれるようになり,脳が変化して依存症になることも分かっています。
さらに,ポルノグラフィーは非現実的な期待を抱かせ,健全な人間の親密さについて危険で誤った情報を与えることも分かっています。
最も危険なことは,ポルノグラフィーを見ていると,人を物と見なし,情緒的にも肉体的にも軽視するようになることです。
もう一つ,ポルノグラフィーを見ることは,通常「秘密」の行為です。恋人や伴侶,その他の人からその行いを隠すか,少なくとも,ほんの少ししか見ていないように見せかけます。このようにやましいことを行い,家族や友人にそのことを隠し続けると,人間関係が害され,孤独感にさいなまれ,ひいては,うつや不安,自尊心の低下などに陥りやすくなることが調査から明らかになっています。秘密は信頼を損ないます。
まず,きわめて有害なポルノグラフィーを避ける必要があります。それは,偽りのない,傷つきやすい人間関係を破壊します。夫婦と家族の関係を破壊します。有害な毒が肉体と精神を損なうのと同じように,ポルノグラフィーを見る人の霊を損ないます。
愛する若い兄弟姉妹の皆さん,だまされないでください。伝道に行ったり結婚したりすればこの中毒性のある行為をやめられるとは思わないでください。今見ている人,この行為のとりこになっている人は,今すぐ霊的な助けを得てください。救い主の助けにより克服できます。直ちにポルノグラフィーから離れてください。ポルノグラフィーの闇を拒絶するためのリソースがLDS.orgにたくさんあります。
今は困難な時代です。しかし,ヒラマンとその若い兵士たちが家族と教会を守るために立ち上がった時代よりも困難というわけではありません。今こそ,皆さんが一歩前進して義にかなった他の献身的な若い男女とともにポルノグラフィーと戦うときです。これは克服しなければならない問題です。
3.結婚の教義
では3つ目のテーマについて話したいと思います。皆さんにわたしと同じように適切に理解していただきたいのは,愛に満ちた天の御父が聖典や「家族―世界への宣言」を通して与えられた結婚に関するこの教会の立場です。この霊感あふれる文書にはこのようにあります。「家族は神によって定められたものです。男女の間の結婚は,神の永遠の計画に不可欠なものです。子供たちは結婚のきずなの中で生を受け,結婚の誓いを完全な誠意をもって尊ぶ父親と母親によって育てられる権利を有しています。」14
使徒は,台の上の見張り番となりキリストの教義を教える責任を負っています。皆さんは,結婚の伝統的な定義が今日脅かされているのを知っているでしょう。一部の人は,人権という観点からこの定義についての議論を展開します。大管長会と十二使徒定員会は神の目的と計画に関する教会の立場と教義を説明しました。その計画とは,永遠の命を得るために,神の霊の子供たちに地上の生活を経験させるというものです。
今年の初めに発表された声明を読んだことがない人が多いと思います。一部を引用しますので,注意深く聞いてください。
「民法の変更により,神が定められた道徳に関する律法が変わることはありませんし,まったく変えることはできません。神は,たとえ社会の意見や潮流と異なるとしても,神の戒めを守り続けるよう,わたしたちに期待しておられます。神の純潔の律法は明白です。すなわち,性的な関係を持つことは,夫と妻として正式に法律にのっとって結婚した男女間でのみ適切だということです。わたしたちは『家族―世界への宣言』に記された教義を見直し,教会員に教えるよう切にお願いします。」
この声明はさらにこう続きます。
「同性結婚を推進する人が丁寧な扱いを受ける権利を有するのと同様に,同性結婚に反対する人にも同様の権利があります。……
教会員であるわたしたちは,イエス・キリストの福音を教える責任と,神の戒めを心に留めることにより注がれる大いなる祝福と同時に,戒めを顧みないときの必然の結果についても明らかにする責任を負っています。わたしたちは皆さんに切にお願いします。あらゆる地の人々の心が福音の真理に対して和らげられるよう,また,社会の未来にとってきわめて重要な問題について決定を下すよう求められる人々に知恵が授けられるように祈ってください。」15
皆さんの多くは主を愛し,支え,主の預言者を支持しています。しかし,神の子供たちために啓示された計画を教会が支持する決定に含まれる意味について混乱している人も中にはいます。
また,若い人の中には,家族や結婚に関する教義を意見の異なる人に説明する際に,思いやりをもって,穏やかに,愛を込めて行うにはどうすればよいか悩んでいる人もいます。了見の狭い不寛容な人間だと思われることを心配している人もいるでしょう。
知り合いに,同性に引かれる性質で悩んでいる人や同性婚を選んだ人がいるかもしれません。主の永遠の幸福の計画を擁護しつつその人を愛し,支えようとするときに,神の息子娘であるその人を愛するがゆえに,心に葛藤が生じることがあるかもしれません。
では今,はっきり言いましょう。末日聖徒イエス・キリスト教会はこのように信じています。「同性に引かれるという経験は,多くの人にとって複雑な出来事です。引かれること自体は罪ではありませんが,行いに移すことは罪です。そのような性質は選ぶことができませんが,それにどう応じるかは選ぶことができます。教会は愛と理解をもって,〔同性に引かれる性質を持つ人〕を含め,あらゆる神の子に手を差し伸べています。」16
教会は,クリスチャンらしくない疎外などの行為を推奨しません。わたしたちは神の戒めを無視したり軽視したりするべきではないことを人々が理解できるよう,愛をもって助けなければなりません。
証と警告
最後に,「家族―世界への宣言」の中で,大管長会と十二使徒定員会はこう述べています。「わたしたちは警告します。貞節の律法を犯す人々,伴侶や子供を虐待する人々,家族の責任を果たさない人々は,いつの日か,神の御前に立って報告することになります。またわたしたちは警告します。家庭の崩壊は,個人や地域社会,国家に,古今の預言者たちが預言した災いをもたらすことでしょう。」17
わたしはこの警告を発した者の一人です。塔の上の見張り番の一人として,わたしは「ラッパを吹き,民を戒める」責任を負っています。18今晩,わたしは大胆に警告の声を上げました。なぜなら,皆さんを愛しており,主の戒めを守るべきことと,いつか主の前に立つことを皆さんに理解してほしいからです。これがわたしの務めです。
よい知らせ
主の警告には,主の元に来るようにとの招きが伴っています。天の御父は,堕落した世での生活が招く結果を御存じだったため,救い主,すなわち「世の初めから」「ほふられた小羊」を与えてくださいました。19ヨハネの福音書には,こうあります。「神はそのひとり子を賜わったほどに,この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで,永遠の命を得るためである。」20
覚えておいてください。福音はよい知らせ,希望のメッセージです。今問題を抱えている人は助けを求めてください。主は憐れみ深く,赦したいと望んでおられます。
使徒パウロはこのように教えました。
「だれが,キリストの愛からわたしたちを離れさせるのか。患難か,苦悩か,迫害か,飢えか,裸か,危難か,剣か。……
しかし,わたしたちを愛して下さったかたによって,わたしたちは,これら全ての事において勝ち得て余りがある。
わたしは確信する。死も生も,天使も支配者も,現在のものも将来のものも,力あるものも,
高いものも深いものも,その他どんな被造物も,わたしたちの主キリスト・イエスにおける神の愛から,わたしたちを引き離すことはできないのである。」21
イエス・キリストのおかげで罪悪感は平安に変わります。健全な関係を回復し,依存症を克服することができます。
家族や友人にこの真理を知らせる必要があります。すなわち,神は愛であり,「御自分のもとに来て主の慈しみにあずかるように,すべての人を招かれ……主のもとに来る者を決して拒まれない」のです。22
伝道の前も,その間も,その後も,救いの業に携わるようお願いします。
テクノロジーを活用して祝福を分かち合う
主は皆さんに,好きなソーシャルメディアを使って福音を伝え,この末日の大いなる戦いにあって現代のヒラマンの息子娘となるよう勧めておられます。主は皆さんに現代の若い兵士となって,確固として立ち,一致して真理を守るよう望んでおられます。主は皆さんに,攻めてくる敵に勇敢に立ち向かうよう望んでおられます。わたしたちが知っているように,最後には主が勝利を収め,サタンは打ち負かされるのです。
皆さんは,様々なソーシャルメディアを通して家族や友人と福音について語り合うことができます。帰還宣教師の皆さんは以前の求道者や新会員とも話すことができます。皆さんは真理の証人として王国を守ることができるのです。
王国を守る
皆さんの中には,天の御父と主イエス・キリストと教会を擁護することにより,誤解や嘲笑,さらには嫌がらせを受けるのではないかと思っている人もいるでしょう。その不安は分かります。
わたしは第二次世界大戦の後にイギリス伝道部で宣教師として奉仕しました。当時モルモンは「軽蔑の的となり,笑いぐさとな〔って〕」いて,宣教師は嘲笑されました。23物を投げられること,つばを吐きかけられることもありました。しかし,わたしたちは引き下がらず,証を述べ,福音を伝えました。アビナダイやパウロ,そして救い主と同じように,身を引くことはありませんでした。当時は自分たちの働きの成果を想像することはできませんでした。14の地方部があるだけで,ステークはありませんでした。今日,イギリス諸島には46のシオンのステークがあります。
愛する若い友人の皆さん,大きく広々とした建物の中にいる人々のことを気にしないでください。ニーファイは,「その木の所までやって来てその実を食べている人々を指さ〔して,あざ笑う〕」人々を見ました。24「その実を味わった後にあの人々にあざけり笑われたので恥ずかしく思い,禁じられた道に踏み込んで姿が見えなく」なった人のようにならないでください。25
皆さんはすばらしい,重要な世代であり,今は大いなる時代です。明るい未来が待っています。「わたしは証を述べ,神が末日に明らかにされた真理を教えることにより,主を助けます」と,今夜自分に言い聞かせてください。
さて,皆さんはあらゆるソーシャルメディアを賢明に活用して,今晩学んだことや感じたことさえ伝えることができます。ソーシャルメディアを使うべき時と場所があることを覚えておいてください。学んだことや感じたことについて考えや証を述べるのは,ふさわしい使い方です。
証
主が皆さんの年齢以上の知恵を祝福してくださり,わたしたちが今戦っていることや,老いも若きもともに立ち上がらなければならないことを皆さんが理解できますように。天の御父が皆さんを見守り祝福してくださるようお祈りします。わたしたちは皆さんをどれほど愛しているでしょうか。主の平安が皆さんの心にあって,イエス・キリストが生きておられ,神の御子であり,この教会が御子の教会であることを確信できるように,世界のどこにいるかにかかわらず,このディボ-ショナルを聞いている皆さん一人一人を祝福します。その平安と力が皆さんとともにありますように。御父が皆さんを見守ってくださいますように。わたしが生きておられると証する御方であるイエス・キリストが,「それで十分である」と言われ,地上に戻り,救い主として,主の主,王の王,世の贖い主として治められる日のために世界を備えているこの旅の途中にある今,皆さん一人一人が大切な存在であることを常に覚えていることができますように。今夜は主にとって大切な事柄について話してきました。主に対する愛に満たされて,主に仕えたいという望みをもって,今晩この会場を去ることができますように,へりくだり,主イエス・キリストの聖なる,愛する御名によりお祈りします,アーメン。
© 2014 Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved. 英語版承認3/14 翻訳承認3/14 原題:Be Still, and Know That I Am God. Japanese PD50053655 300