永遠の結婚に向かって進歩し続ける
ヤングアダルト対象のワールドワイド・ディボーショナル・2019年5月5日・ソルトレーク・シティー・タバナクル
〔カール・B・クック長老〕
皆さんとともに集えることをうれしく思います。この放送は，99か国に39の言語で届けられています。生放送を視聴している人も大勢いますし，中には時差のために，再放送を見る方々もいるでしょう。どこにいようと，このディボーショナルに参加してくださる皆さんを心から歓迎します。
特に，高校を卒業したばかりで，この世界規模の集会に初めて参加している皆さんを歓迎します。皆さんがインスティテュートをはじめとする宗教クラスを受け，霊的な学習の機会を活用してくださるよう願っています。クラスや活動に参加することは，皆さんが人生のこの時期を上手に乗り越えるうえで大切な命綱です。
〔リネット・H・クック姉妹〕
皆さんと集えることに感謝します。皆さんはわたしたちの霊を高め，信仰を増してくれます。皆さんは預言者と使徒の言葉に見事に応じています。家族歴史や伝道，また儀式執行者としての奉仕を含む神殿活動を行う皆さんの信仰深い姿に鼓舞されます。皆さんへの感謝と愛をお伝えします。
〔クック長老〕
まずはじめに，ケニア，ナイロビのヤングシングルアダルトについて経験したことをお話しします。あるディボーショナルで結婚について率直に話し合っていたとき，永遠の伴侶に何を求めるかと彼らに尋ねました。
何人かが発言した後，結婚相手として大学の学位や車，快適な家を求められていると感じる若い男性たちがいると分かりました。一方，若い男性がそういったものに向けて懸命に取り組んでいるならば，喜んで待つ気持ちがあると発言する女性もいました。力を合わせればよいのです。
今晩それを試してみましょう。結婚適齢期の独身の兄弟にお尋ねします。自分は勤勉で性格がよく，強い証と高い霊性がありながら，結婚して女性を幸せにできるだけの物質的な備えができていないと思う人は手を挙げてください。高く！
では，独身の姉妹にお尋ねします。勤勉で性格がよく，証も霊性も確かな，愛する男性のそばで学び，成長するためであれば，結婚生活の中で物質的な祝福については喜んで待てるという人はいますか？手を挙げてください。高くです！
部屋を見渡して，手を挙げているだれかに興味が湧いたでしょうか。
ナイロビでわたしは，『手引き 第2部』の一節を引用しました。「男女の霊は互いを補完する性質を持っている。男性と女性は昇栄に向かって一緒に進歩するよう計画されている。」1
ある若い男性が立ち上がって言いました。「いいですね！『結婚してください』と言う代わりに，『一緒に進歩しませんか』と聞くことにします！」
とても知恵のある言葉だと思いました。アフリカには，「速く行きたければ，独りで行きなさい。遠くまで行きたいなら，一緒に行きなさい」ということわざがありますが，こう付け加えたいと思います。「ぜひ一緒に行ってください。主の助けにより，二人で進歩し，補い合うことができます。」
数学だと，1足す1は2ですが，二人が一致すれば，1足す1は2よりも大きくなります。そこに主が加われば，その合計は無限かつ永遠のものになるのです！
皆さんのご想像どおり，今晩は結婚について話しますが，少しひねりを加えたいと思います。永遠の結婚に向かって進歩することについてお話しします。わたしたちを含め，皆に関係のある話です。既婚未婚，年齢を問わず，だれもが現在の状態から進歩できます。
永遠の結婚はイエス・キリストの福音における最高の儀式です。男女は神殿で，約束の聖なる御霊により結婚の結び固めを受けます。この神権の儀式を受け，聖約を守ることによってのみ，わたしたちは死後も引き続き夫と妻，永遠の伴侶でいられるという祝福を受けるのです。2
わたしたちは永続する関係を切望しています。ネルソン大管長はこう述べています。「人が心に抱く最も崇高な望みは，死後も持続する結婚です。」3
永遠の結婚はだれにとっても可能です。天の御父の子供たちは現世で困難に直面しますが，永遠の結婚は永遠の計画において可能なものです。「御父が子供たちのために準備しておられるすべてのうちの一部にしかあずかれない運命にある人はだれ一人としていないのです。」4わたしたちは忠実であれば，天の両親の持つすべてを受け継ぐと約束されています。永遠の結婚もその一つです。ここにいる皆さんの中で，この祝福からもれる人はいません。
「男女の間の結婚は，神の永遠の計画に不可欠なもの」であるため，サタンたちはそれを攻撃しており，すさまじい戦いが続いています。5サタンが永遠の結婚を経験することはなく，聖典にあるように「すべての人が自分のように惨めになることを求めてい〔ます〕」。6「神に背〔いた〕年を経た蛇……は神の聖徒たちに戦いを挑〔んでいる〕」のです。7
永遠の結婚に対するサタンの戦いとは，どのようなものでしょうか。神の聖約の子供であるわたしたちが愛を探し求めるときに，サタンは情欲を助長します。わたしたちが徳を得ようとすると，サタンは清さをあざけります。わたしたちが神聖さを求めると，サタンは暗闇に誘います。わたしたちが罪を犯すと，サタンは悔い改めではなく落胆を差し出すのです。
サタンは，破壊的な影響をもたらす，地球を飲み込むような津波を作り出しました。例えば，ポルノグラフィー，不貞，「大きく広々とした建物」8にいる人々からのあざけり，破綻した結婚生活などです。この世の影響力を避けられたとしても，快適な状態はわたしたちを現状への自己満足に陥れ，永遠の結婚への進歩を妨げます。
それでも神を信頼し，信仰を働かせ，さらなる高みへ上るならば，テクノロジーやこの世的な娯楽，ソーシャルメディア，あるいは家族や友人が痛ましい状況に置かれるのを見て生じる，後ろ向きな波のうねりも届かないような高台にいることができます。
何年も前のこと，ある忠実な男性が，自分には幸せな結婚の可能性が薄いと言って落胆していました。両親だけでなく，両家のおじもおばも皆，離婚したというのです。身近で幸せな結婚を目にしたことがありませんでした。しかし，主の助けを得て，彼は恐れを乗り越え，神殿で結婚しました。この夫婦は結婚生活に喜びを見いだし，5人のかわいい子供がいます。
神の聖約の子であるわたしたちは，頭を上げ，信仰と確信をもって将来を待ち望むことができます。救い主イエス・キリストは世に打ち勝ち，わたしたちの罪のために苦しみ，わたしたちの繁栄と進歩のために道を備えてくださいました。
こうして目の当たりにしているとおり，天は開かれ，預言者と使徒を通して啓示が注がれ，わたしたちはサタンへの対抗手段を手にしています。この世が腐敗しても，主は御自分の軍勢，すなわち主の聖約の子らを，永遠の結婚と家族を築くことのできる安全な環境に集めておられます。
では，サタンの影響に対抗するため，個人として何ができるでしょうか。結婚を取り巻く否定的な潮の流れをどう食い止められるでしょうか。生活におけるサタンの力を抑え，幸せな永遠の結婚と家族に向かって絶えず進歩するにはどうすればよいでしょうか。答えはシンプルです。イエス・キリストの福音に従って生活してください。贖いの力を受け，主の再臨に備え，ほかの人もそうできるよう助けてください。
結婚している方々は先頭に立って，福音を中心とした家庭を築き，聖約の道を歩む独身の兄弟姉妹と，結婚について肯定的な話をしてください。
良い知らせ
クック姉妹とともに，結婚に関する良い知らせをお伝えしたいと思います。たくさんあります！
まず，わたしたちの率直な思いと心からの証をお伝えしたいと思います。幸せで実りある結婚生活と家族は，不完全な人でも築くことができます。そのためには，天の御父とイエス・キリストとその贖いに対する信仰を土台とする必要があります。祈りと悔い改め，赦し，愛，正直，貞節，一致，神殿の聖約という福音の土台の上に築くのです。9
ネルソン大管長はこのように述べています。「どの結婚生活も二つの欠点を抱えてスタートします。欠点のある二人が夫婦となるからです。幸福は二人の熱心な努力によってのみ得られます。」10永遠の結婚は偶然に，自動的に手に入るものではありません。夫と妻は生涯を通じて，謙遜さと勤勉さ，意識的な努力を求められます。
最良の知らせは，救い主イエス・キリストと贖罪のおかげで，継続的な進歩が可能だということです。主の御腕はわたしたちに向けて伸べられています。主への信仰を働かせ，祈り，努力するときに，奇跡が起こります。善意は行動を呼び，悔い改めは赦しに至り，弱さは強さへと変わり，悪は徳に取って代わられるのです。個人としても，夫婦としても，わたしたちがイエス・キリストの贖罪を通じて強さと能力を増すときに，幸せな結婚に対する希望と夢は一歩ずつ現実のものとなっていきます。
では，クック姉妹に替わります。信頼する妻に感謝します。妻は主を愛し，主に献身していますし，わたしにもそうしてくれます。最高の親友であり，大切な永遠の伴侶です。
〔クック姉妹〕
わたしの永遠の伴侶に感謝します。夫は親切で忍耐強く，一緒にいて楽しい人です。夫とともに人生を過ごし，進歩できることに感謝します。
状況や不完全さにかかわらず，すべての人は永遠の結婚に向かって進歩できるという，皆さんの信仰を高めるお手伝いができるよう願っています。ある二組の夫婦について紹介したいと思います。どちらも神殿で結び固められた夫婦です。聖約を交わし，主の戒めを守り，結婚生活において福音の原則を実践すると約束しました。互いに，また神に対して，愛と一致を増し加えようと努力しています。
この話をするに当たり，彼らが永遠の結婚に欠くことのできない，キリストのような特質を育む努力をしていることに，特に注意を払ってください。
ダウィーとエリサ
数年前，南アフリカでダウィーとエリサに会いました。11二人は，夫婦が一つとなるときにもたらされる喜びの模範を示しています。
家族を強めることをテーマにしたあるディボーショナルで，クック長老が結婚生活を強めるために何をしているか尋ねたところ，ダウィーが経験を分かち合ってくれました。彼らはある日曜の朝，夫婦で朝食を取りました。集会所から遠くに住んでいたため，2時間かけて教会に行き，3時間集会に参加し，また2時間かけて家に帰りました。疲れと空腹に襲われるも，食料が底をついていたためそのまま寝ました。
真夜中になると，おなかが鳴る音で二人とも目覚めます。ダウィーはエリサに食べさせることができないことを心苦しく感じ，彼女にどう思われているだろうかと不安になりました。ところがエリサは悲しむことも怒ることもせず，ダウィーのおなかの音をからかったのです。二人は笑い合い，また眠りに落ちました。
ダウィーはエリサの思いやりと支え，愛情に感謝を述べていました。「妻が出て行ってもおかしくありませんでした。彼女を養うのはわたしの責任ですが，わたしたちは一つです。」
この経験について聞かれたエリサは，こう言いました。「夫はいちばんの親友です。たくさんのことをしてくれます。職場の人間関係で困っていると，助言や元気をくれるんです。」
ダウィーとエリサは人生の困難に一緒に向き合っていました。ダウィーの言葉によると，二人は「一つ」なのです。食べ物がないのは「彼の」問題ではなく，「彼らの」問題でした。食べ物の不足を結婚生活の危機とは見なさず，一緒に切り抜けられる一時的な問題として捉え，ユーモアで和らげました。翌日には状況を改善できると期待しながら眠りに就くことで，信仰を示しました。
ダウィーとエリサは互いに対して，また神に対して献身しました。二人は，主の戒めを守るならば，困難を乗り越えられるよう主が助けてくださるという信仰を抱いており，夫婦で人生の旅路を楽しんでいます。困難な状況のために，二人が物理的，情緒的，霊的に離れることはありません。12
最近ダウィーとエリサから，主からたくさんの祝福を受けていると聞きました。今では自分たちの分だけでなく，困っている人と分け合えるほどの食べ物があるそうです。13二人は一緒に進歩しています。
ネルソン大管長は，夫婦として進歩する方法を教えています。14
ネイトとレクシー（イエス・キリストとその贖罪を信じる信仰）
次に，ネイトとレクシーについてお話しします。15二人は，夫婦がイエス・キリストとその贖罪を信じる信仰を働かせるとき，結婚生活に力がもたらされることを示す模範です。
ネイトとレクシーは結婚後，子供を待ち望んでいました。何か月も待った後，ついに妊娠しました。待望の知らせに喜びましたが，少しして，レクシーは流産し，二人は悲しみに沈みました。
数か月後，再び妊娠が分かり，この度は順調に経過していきました。出産予定日の少し前，わたしはレクシーと一緒にパーティーに参加しました。彼女も皆も，子供の誕生を楽しみにしていました。
その後間もなく，赤ん坊が亡くなったと聞きました。レクシーは，母親と新生児でいっぱいの病院の分娩室で，死産の赤ん坊を産みました。悲しい知らせでした。わたしは夫とともにネイトとレクシーの家を訪問しましたが，二人は悲嘆に暮れているだろうと思っていました。
家に入ると，わたしたちはおだやかな雰囲気を感じました。ネイトとレクシーは温かく迎え入れてくれました。二人はぴったりと互いに寄り添って座り，娘を亡くしたときのことを詳しく話してくれました。二人は，主が彼らを憐れみ，重荷を和らげてくださったと言いました。また，ホープと名付けたかわいい赤ん坊への感謝を伝えてくれました。レクシーは，ホープを妊娠し，出産できたことに感謝していたのです。
二人の信仰に高められ，慰められました。この困難にこれほどよく対処しているのは奇跡だとわたしが言うと，二人とも，イエス・キリストとその贖罪により高められ，強められたことを証してくれました。二人が重荷を負えるよう，主は助けてくださっていたのです。主は二人を思いやられ，ネイトとレクシーも互いを思いやっていました。二人は神と，そして互いに一つとなっていました。
主の助けがあれば，困難によりわたしたちは一つとなることができます。D・トッド・クリストファーソン長老は言いました。「神なしには，……暗い経験は，落胆や失望，そして苦しみさえもたらします。神の助けがあれば，慰めは苦痛に，平安は混乱に，希望は悲しみに取って代わります。」16
これらの話が，結婚に対する皆さんの信仰を強めてくれるよう願っています。人生は困難に満ちていますが，福音の原則を実践するときに，永遠の結婚に向かって進歩することができます。
〔クック長老〕
ここで採り上げた夫婦以外にも，幸せで進歩に向かう結婚生活を楽しんでいる夫婦は大勢います。どこへ行ってもそのような夫婦に会います。年齢や経歴は様々です。自分の知り合いにそのような夫婦がいないか探してみるようお勧めします。彼らを観察し，彼らと話し，質問してください。完全ではないかもしれませんが，彼らから多くを学べます。彼らは永遠の結婚に対する皆さんの信仰を強め，伴侶に永遠の祝福をもたらすキリストのような特質を育みたいと思わせてくれるでしょう。
障害
堕落した世の中に暮らすわたしたちは，夫婦関係を含め，様々な障害に対処しなければなりません。永遠の結婚に向かって進歩しようと前進するときに直面するであろう障害を紹介します。
現実的な期待
よくある結婚の障害は，結婚相手に非現実的な期待を抱くことです。高すぎる，あるいは低すぎる期待を抱かないようにしましょう。誠心誠意祈り，天の御父と率直に話し合うときに，導きを受けることができます。
自己満足
自己満足は，永遠の結婚の障害となることがよくあります。より利己的であまり責任を負う必要のない，現世の安穏とした生活に陥りがちです。自分の生活に満足し，成長する緊急性を感じないのです。この気持ちは，天の御父の計画に反しています。現世の経験の目的は，御父のようになることです。能力を尽くし，変わり，進歩しようとしなければ，実現できません。現状に満足している人は，祈りと信仰をもってその状態から抜け出て，永遠の結婚に向かって進歩しましょう。天の御父は，それぞれの状況において進歩するうえで何ができるかを教え，祝福してくださいます。
テクノロジーとメディア
最後に，現代における最大の障害の一つは，テクノロジーとメディアの不適切な，あるいは過度の使用です。個人を苦しめ，また交際中でも結婚後でも，二人の関係を妨げるものとなります。オンラインでの投稿や動画再生，投稿チェックやゲーム，SNSやアプリに時間を使うよりも，生身の人と一対一で話し，笑い，分かち合い，助け，歩み，尋ね，学び，思いやり，与える機会が少ないならば，テクノロジーとメディアは，皆さんが永遠の結婚がもたらす真の喜びに向かって進歩するのを阻んでいます。インターネットでの交流は，生身の人間同士の交わりに取って代わるべきものではありません。
ネルソン大管長は，携帯電話の電源を切って脇に置くことの大切さを強調しました。こう言っています。「質の高い時間を一緒に過ごすことがとても重要なのです。夫婦は二人の関係を育むために，ともに時間を過ごす必要があります。互いから学ぶために聴くことを学ぶ必要があります。そのような時間を前もって計画しておくことです。幸せな結婚が最も重要であるとしたら，最高の時を過ごそうと努めるだけの価値があるのです。」17独身時代のテクノロジーの習慣は，結婚しても続きます。
あなたはできる
兄弟姉妹の皆さん，主の助けがあれば，どのような障害でも克服できます。永遠の結婚に至る聖約の道のどこにいようとも，主の助けを得て進歩し，愛する人と道を歩むことができるでしょう。独身で有望な相手がいなくとも，夫婦関係に問題があっても，離婚した一人親であっても，依存症の克服に取り組んでいても，健康の問題があっても，落胆していても，主は癒しをもって皆さんを修復し，強めてくださいます。信仰を込めて主に心を向け，罪を悔い改め，進歩できるよう主の力を求めるときに，奇跡が起きます。
モルモン書に出てくる例は信仰を強めてくれます。ニーファイが船を造るよう命じられた話が好きです。ニーファイは船を造ったことがなく，そのうえ荒れ野にいました。ニーファイの状況を，時に荒れ野のように思える現世で永遠の結婚を築き上げるという務めと比較するとよいでしょう。
ニーファイは自分の経験についてこう語っています。「もし人の子らが神の戒めを守るならば，神は彼らを養い，強くし，また御自分が命じられたことを成し遂げる手段を与えられる。」18
ニーファイは信仰を働かせ，勤勉に行動すると，主から船を造る能力を授かりました。その船で，ニーファイと妻と家族は海を渡って約束の地へ向かったのです。19
ニーファイが主の助けを得て船を造れるなら，わたしたちも主の助けを得て永遠の結婚を築き上げることができます。実のところ，結婚生活を築くことは船を造るよりも難しいのですが，可能です！そうですよね，クック姉妹。
結婚相手
独身の皆さん，だれと結婚しますか？ふさわしい結婚相手についての助言には事欠きません。若いころ，わたしが父から受けた助言はこうでした。「結婚は金だ。愛は後からついてくる。」母は，「結婚は愛よ。お金は後からついてくるわ」と言いました。伝道部会長の助言はこうでした。「永遠のために結婚しなさい。」20
永遠の結婚には神との協力が必要であり，結婚相手について神に勧告を求めることは欠かせません。お金では伴侶を選びませんし，愛だけでも選びません。永遠の結婚を目標とするのです。
伝道部会長の教えに感謝します。帰還する際にくれた助言にも感謝します。永遠の目標に向けて進歩し続けるべきだと言ってくれたのです。結婚に備え，機会がやって来たら決して遅らせないようにと勧めてくれました。
紹介
誠心誠意取り組んでも，永遠の伴侶を見つけるのは簡単でないこともあります。一致した取り組みが求められるのです。帰還したその年に，学校やインスティテュート，職場，教会で女性たちと出会いました。何回かデートをしても，友達関係以上に発展することはありませんでした。助けが必要だったので，信頼していた伝道中の同僚，マークに連絡しました。町の反対側に住んでいた彼に，デートの相手を紹介してほしいと頼んだのです。
わたしのことをよく知っていたマークは，知り合いの女性たちについて検討したうえで，リネット・ハンセンという名前を教えてくれました。お互い一緒にいて楽しい，お似合いの二人だと思ったそうです。わたしはリネットに連絡しました。マークの思ったとおり，リネットは金のリフェローであり，やがてダイヤのリフェローになりました。マークは霊感を受けていたのです。
独身の皆さん，永遠の伴侶を探す方法はたくさんありますが，優れた方法が幾つかあります。永遠の伴侶を見つけやすい場所で探してください。永遠の伴侶という点を強調します。
よく知っていて，信頼できる人に紹介してもらうとよいでしょう。伝道中の同僚や誠実なクラスメート，前のワードで仲の良かった友達などはいますか。あなたのことをよく知っている人に紹介してもらってはどうでしょうか。
紹介してもらったら，信仰を働かせて，その人に連絡し，確かめてみましょう。うまくいかないこともありますが，霊感を受けた紹介によって人生が変わることもあり得るのです。信仰を働かせ，希望を抱き，天の御父に頼るなら，良いことが起きるでしょう。
ともに進歩する
リネットとデートを始めたころ，わたしたちは楽しい時を過ごしました。デートを重ねるうちに，友情が深まっていきました。異なる点もありましたが，重要な点では一致していました。恋に落ちた二人は，やがて，決断する必要があると感じました。結婚して一緒に進歩するのか，別々の道を行くのかです。
わたしたちは結婚の現実的側面について評価しました。どこに住むのか。親から離れて，経済的にやっていけるのか。このタイミングでいいのか。懸念していることについてともに祈ったところ，二人とも，結婚したら御父は喜ばれると感じました。障害を乗り越えるのを助けてくださると感じたのです。
これはほぼ1学期の間の出来事です。リネットは優秀な学生で，勉強のためによく図書館に行っていました。わたしは彼女に会うために通いました。わたしの成績は上がり，彼女の成績は下がりました。ほんとうのことです！それでも，最高の学期だったと二人とも思っています。なぜだか分かりますか。一緒にいるときに幸せを感じただけでなく，共通の目標に向かって進歩していたからです。互いに，そして神と一致していると感じました。二人の信仰は増し，主の助けがあれば，何でも克服できると思うようになりました。喜びでいっぱいでした。
わたしたちは，ユタ州オグデン神殿で結び固められました。40年ほど前のことです。結婚は，どんな人間関係にも増して幸福をもたらす可能性が高いことに気づきました。21なぜなら，結婚は主の計画だからです。
今晩，たくさんのことを話しました。これまで話してきた教義が皆さんの心にしみ込み，聖約の道にあって永遠の結婚に向かって進歩できますように。幸せな結婚生活の例が皆さんの信仰を増し，進歩するために行える事柄について御霊がささやいてくださったことを願います。もしかすると，御霊はだれと進歩できるかを教えてくださったかもしれません。
既婚，未婚にかかわらず，永遠の結婚に向けてなすべきことをしているのに進歩が見られないと感じている人は，楽観的であり続け，最善を尽くし，主の業に貢献し，喜びをもって生活できるよう祈ります。ネルソン大管長はこう述べています。「主はわたしたちの行いだけでなく，わたしたちの望みに応じても一人一人を裁かれます。また昇栄の祝福はふさわしいすべての人に与えられます。」22忠実であり，前進してください。主の時にかなってすべての祝福を授かることでしょう。それは真実です。
主の助けを得ながら，日の栄えの結婚と永遠の家族を作り，強め，進歩し続けることはすばらしい機会です。イエス・キリストがわたしたちの救い主，贖い主であられることを証します。主を通してわたしたちは強められ，天の御父の勧めをすべて果たすことができます。主の祝福が皆さんのうえにありますように。イエス・キリストの御名により，アーメン。
© 2019 Intellectual Reserve, Inc.All rights reserved.バージョン：2019年2月。原題： “Continually Progressing Toward Eternal Marriage.”JapanesePD60008283 300