「神の幸福の計画とあなたの神聖な行く末」『For the Strength of Youth—青少年の強さのために』2022年1月号
神の幸福の計画とあなたの神聖な行く末
幸福の計画を理解し,それに従って生活することで,あなたの神聖な行く末に到達することができます。
行く末という言葉を聞いて,何を思い浮かべますか。あらかじめ定められていて避けられないものを思い浮かべますか。何をしても変えられないような恐ろしいもの,またはすばらしいものでしょうか。それとも,冒険の旅を見事に終えたり,世界を救ったり,王や女王になったりするよう運命づけられた,映画や本に登場するヒーローを思い浮かべますか。
辞書を読めばそのような解釈が当てはまるかもしれませんが,わたしたちが神聖な行く末と呼ぶものは,まったく別のものです。本で読んだり,映画で観たりするような運命とは異なり,あなたは神聖な行く末を実現することができます。それはあなたが神の子供であるからですが,しかし同時に,そのためには自分の選択の自由を用いることが求められます。
神は天においても地においても一切の権威をお持ちです。わたしたちが天の御父と交わす聖約によって,御父はわたしたちが人生の嵐の中を進むとき,わたしたちのパートナーとなってくださいます。わたしたちの神聖な行く末,すなわち神がパートナーでいてくださるときのわたしたちの可能性は,神の幸福の計画を通して実現することができます。
あなたの幸福のために天の御父が用意された計画を理解することによって,あなたは自分の持つ永遠の本質と目的を認識できるようになるでしょう。そして,神と聖約を交わして守ることを選ぶならば,その目的をきっと達成できることでしょう。
モーセ書には,「モーセが非常に高い山に連れて行かれたときに,……彼は顔と顔を合わせて神にまみえ,神と語〔った〕」(モーセ1:1-2)と書かれています。この個人的な訪れを通して,神はモーセの永遠の本質についてモーセに教えられました。モーセは死すべき状態であり,不完全でしたが,自分について大切なことを学びました。自分は確かに神の子供であると知ったのです(モーセ1:6参照)。
自分が何者であるかを忘れない
サタンはあなたが何者であるかを忘れさせようとします。サタンがモーセに働きかけ,主の用意された業を行うのを思いとどまらせようと試みたとき,モーセは勇敢にこうこたえました。「おまえはだれだ。見よ,わたしは……神の子だ。」(モーセ1:13;強調付加)続けてモーセはこう宣言しました。「サタンよ,退け。わたしを欺くな。」(モーセ1:16;強調付加)
つまり,モーセはこう言ったのです。「おまえにわたしを欺くことはできない。わたしは自分が何者かを知っているからだ。おまえには神の光も栄光もない。なぜわたしがおまえを拝んだり,おまえの偽りを信じたりしなければならないのか。」
神があなたを愛しておられて,あなたを助け,祝福したいと望んでおられることを決して忘れないでください。神は御自分の子供の一人であるあなたに,神として個人的に関心を寄せておられます。時間をかけて,神の子供であることの真の意味を学んでください。そして,日々その知識に従って生活できるように,目標を立て,正しい選択をしてください。
わたしはあなたに一つの業を用意している
あなたには差し迫った問題や心配事がたくさんあると思います。学校の勉強,友達関係,家庭での責任,それに仕事まであるかもしれません。言うまでもなく,あなたの課題は,人生のおもな目的を忘れることなく,これらすべての大切な役割のバランスを取ることです。神はあなたになすべき業を備えておられます(モーセ1:6参照)。それこそが,「なぜわたしはこの地上にいるのだろうか」という質問に対する答えです。
神の子供であるあなたは,肉体を得るために地上にやって来ました。体を用いて,あなたはイエス・キリストに忠実に従うことを選ぶことができます。神の戒めに従うこと,聖なる儀式を受けること,そして福音の聖約を交わし,聖約を守ることを選べるのです。これらを行うことで,あなたは神聖な行く末を実現するために備えることができます。
この目的をしっかり心に留めていれば,毎週聖餐を受けること,聖文を研究すること,毎日祈ること,価値ある目標を立てること,人々に奉仕することの重要性が理解できます。これらのことによって,自分はなぜここにいるのかを思い起こすことができます。また,幸せになり,聖約の道にとどまるために必要な,個人の啓示を受けるためにふさわしくなることができるでしょう。悔い改め,熱心に主に従うとき,生活のあらゆる側面において個人的な指示を受けることでしょう。
なるべき自分を目指して努力する
この世の関心事や心配事,またはあなた自身の不安な気持ちのために,神の偉大な救いの計画におけるあなたの重要な役割を見失うことがあるかもしれません。そのようなときは,キリストのもとに来てください(モロナイ10:32参照)。主がおられなければ神の永遠の計画において可能なことは何もなく,主がともにいてくだされば,すべての善いことに手が届くのです。
救い主に従おうと努力することこそ,福音の観点を持ち続ける最良の方法です。主への信仰と希望を持つなら,人生の困難に自信を持って立ち向かうことができます。また,何かを選択するとき,問題を解決するとき,義にかなった目標に向かって努力するとき,そして誘惑に直面するときに,物事がもっと明瞭に見えることでしょう。
あなたの決断は,永遠に影響を及ぼします。イエス・キリストと主の贖いの恵みを通して,あなたはこの世においても次の世においても喜びを得ることができます。主の持っておられるすべてを受け,主が送っておられるような生活,すなわち,「永遠の命〔という〕神のあらゆる賜物の中で最も大いなるもの」にあずかるという(教義と聖約14:7),あなたの神聖な行く末を実現することができるのです。