『わたしの福音を宣のべ伝えなさい』──会員と宣教師をつなぐ道具
宣教師と会員は,……一つとなって福音を宣べ伝える業に携わらなければなりません。
先日,二人の姉妹宣教師を我が家の昼食に招きました。食事の後で,霊的なメッセージを伝えてくれるように頼みました。よく準備のできていた彼女たちは,聖文を読んで印を付ける方法を紹介してくれました。二人は新しいモルモン書を1冊と色鉛筆を1箱持って来ていました。わたしたちは宣教師が勧めてくれたとおりに行うことにしました。以来,毎日家族でモルモン書を読む方法が変わりました。すべての章で,イエス・キリストに関する箇所を見つけては様々な色で印を付けるようになったのです。この方法で聖文を読む度に,あの宣教師たちを思い出します。
宣教師たちがこの活動を紹介してくれたとき,すぐにそれが『わたしの福音を宣べ伝えなさい』に提案されている聖文研究の方法であると気づきました。わたしたち家族は,このすばらしく,力強い伝道ツールに感謝しています。
これまでの3年間,世界中の宣教師が『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を活用してきました。これにより,伝道活動が飛躍的に変わりました。ヒンクレー大管長の偉大な展望が成就しつつあります。それは,宣教師が「レッスンの概念を完璧かんぺきにマスター」することであり,「聖なる御霊の導きの下に自分自身の言葉で概念を教える」ということです(「伝道活動」『世界指導者訓練集会』2003年1月11日,19参照)。
宣教師は,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を深く研究することにより,伝道という重要な務めをさらによく果たすうえで役立つ,大切な教義や原則を学び応用するようになります。とはいえ,宣教師には会員からの様々な助けと支えが必要です。宣教師と会員の力を合わせて初めて,わたしたちは「全世界に出て行って,すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ」という古代と現代の使徒に与えられた偉大な命令を果たすことができるのです(マルコ16:15)。
これらの努力が実を結ぶためには,会員と宣教師が一つになり,互いに理解し合う必要があります。皆さんは宣教師を常に理解しているでしょうか。わたしが言いたいのは言語のことではありません。彼らがどのように伝道しているかを理解しているかということです。宣教師が福音を聞くよう人々に勧める姿は,わたしたちにとって見慣れた光景です。彼らのする事をわたしたちは注意深く見ています。宣教師は福音の原則を教え,興味を抱いた人には,生活を変えてバプテスマを受け,教会の会員として確認の儀式を受けるように勧めています。
彼らを理解して助けたいと望むなら,わたしたち会員も宣教師が信仰を抱くように信仰を抱き,宣教師が考えるように考え,宣教師が感じるように感じなければなりません。どのようにすればよいでしょうか。
宣教師のそばで彼らのすることを見ることも,もちろん有効な方法です。しかし,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』をよく学び,伝道活動について知識を深めるという方法もあります。マッケイ大管長が「すべての会員は宣教師である」と述べて以来(Conference Report,1959年4月号,122),会員はより積極的に福音を人に伝えるように努めてきました。『わたしの福音を宣べ伝えなさい』は,この勧めを実践するうえでさらによい助けとなるすばらしいガイドです。『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を自ら進んで研究するなら,宣教師への理解と感謝を深められるだけでなく,自身の生活でも助けを受けられるでしょう。
我が家では,家族の全員が『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を持っています。この書物を研究することは,わたしたちが強い証をはぐくむのに大いに役立っています。根本的な福音の原則と,主に仕えたいという熱意を理解できるようになります。ここで,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』(iii)に載っている見出しを幾つか紹介しましょう。
このような見出しがあります。
御霊を認識し,理解するにはどうしたらよいでしょうか。
効果的に研究し,教える準備をするにはどうしたらよいでしょうか。
何を研究し,教えたらよいでしょうか。
モルモン書の役割は何でしょうか。
キリストのような特質を伸ばすにはどうしたらよいでしょうか。
これは皆,だれもが学びたい事柄ではないでしょうか。より良い会員宣教師となり,宣教師を手助けする方法を学びたい人にとって,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』には力強いアイデアや考え方が満載です。宣教師が教える人々を見つけるために会員には何ができるのか,また,どのように宣教師と力を合わせれば教会について学んでいる人々を助けることができるのかを知ることができます。そのほか,行動を起こすように力強く勧めることがイエス・キリストを信じる信仰を増すのに役立つのはなぜか,教会について学びながら,改心という,生活を変える偉大な過程を経験している友人を助けるにはどうすればよいのか,といったことが分かるようになります。
宣教師は毎日,聖文研究に加えて『わたしの福音を宣べ伝えなさい』も勉強しています。原則や技術を学び,日々の伝道で応用しています。また特に,伝道活動において御霊の導きを取り入れる方法を学んでいます。宣教師が学んでいるように学びたければ,わたしたち会員も『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を注意深く研究し,宣教師の日々の働きを観察しなければなりません。
『わたしの福音を宣べ伝えなさい』の「はじめに」にはこのようにあります。──「『わたしの福音を宣べ伝えなさい』は,教会の専任宣教師のために作成されています。しかしながら,ここで教えられている原則と教義は,主の王国を築くために働くワード宣教師と指導者にも当てはまるものです。本書をしばしば研究することにより,彼らも会員宣教師としての責任を果たし,専任宣教師との一致を深めることができるようになります。」(『わたしの福音を宣べ伝えなさい』xi)
リチャード・G・スコット長老は,すべての会員が『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を注意深く研究すべきだと教え,このように述べています。「『わたしの福音を宣べ伝えなさい』が導入されてから……非常に多くの事柄が成し遂げられてきました。しかしこの実にすばらしい伝道のツールにすべての人がさらに熟達するとき,このガイドによって収められる成功は,最高潮に達することでしょう。」(「『わたしの福音を宣べ伝えなさい』の持つ力」『リアホナ』2005年5月号,31)
『わたしの福音を宣べ伝えなさい』の研究に割ける時間は限られているように思えるかもしれません。そこで,役に立ちそうな事柄を提案します。
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伝道に出る準備をしている青少年は聖文研究をする際に,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』も注意深く研究するべきです。
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宣教師を家に招待してください。『わたしの福音を宣べ伝えなさい』の中から一つの原則か教義を教えるよう彼らに頼んでください。
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時々,家庭の夕べで『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を活用してください。10代の子供がいれば,宣教師になったつもりで教えてもらいましょう。我が家では,子供たちが目を見張るほどすばらしいレッスンをしてくれたことが何度かありました。子供たちが簡潔な原則を非常に上手に教えたことに驚きました。また,わたしたち家族は時々,そうしたレッスンに友人を招くこともあります。
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福音の教義クラスなどで教える教師は『わたしの福音を宣べ伝えなさい』にまとめられている,福音を教えるための原則を活用することができます。これらは,福音を分かりやすくかつ効果的に教えるうえで役に立つ原則であり,所定の学習コースの補助資料として用いることができます。
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『わたしの福音を宣べ伝えなさい』は教会員が話すほぼすべての言語に翻訳され出版されています。教会の歴史が浅く規模も小さい国々では,福音を学んだり教えたりするあらゆる場面で,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を聖典とあわせた情報源および基礎資料として用いることができます。
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スコット長老は地元の教会指導者に,「……会長会や神権役員会,ワード評議会で……」これらの資料を活用するよう勧告しています(『リアホナ』2005年5月号,31)
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しています(『リアホナ』2005年5月号,31)。『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を訓練,話,霊的なメッセージ,レッスン,ファイヤサイド,個人の研究の資料として活用してください。
伝道に関するこのガイドが神からの霊感によって作られていることを証します。わたしたちは,宣教師とその務めについてよりよく理解できるようにこのガイドをさらに注意深く研究しなければなりません。宣教師と会員は一つの言葉で話さなければなりません。一つとなって福音を宣べ伝える業に携わらなければなりません。そうすることにより,わたしたちはさらによく主の御手みてに使われる道具となることができるのです。主はこのように言われました。「同じように,わたしは地の四方からわたしの選民を,すなわち,わたしを信じてわたしの声に聞き従うすべての者を集めよう。」(教義と聖約33:6)
主の教会の会員として,わたしたちは栄光あるこの集合の過程に携わるよう期待されています。イエス・キリストの御名によってこの真理を証します。アーメン。