ここがその場所です
シメオン・ンナー
(ナイジェリア,アバ
父は敬虔なクリスチャンで,イエス・キリストを信じる信仰を持つようわたしに教えてくれました。わたしはその信仰を支えに,軍に所属していた1960年代後半,3年に及ぶナイジェリアの内戦を生き延びることができました。ただ,その後わたしは混乱し,教会に行かなくなりました。
教育を受けるために1981年に渡米したとき,人生に神が必要だと感じました。2年間,マサチューセッツ州ボストンで幾つかの教会に通いましたが,そのどれにも魅力を感じられませんでした。御霊を感じられず,探すのをやめてしまいました。
1984年には妻のメーベルがナイジェリアから渡米して来ました。それからしばらくしてわたしはまた神に近づきたい,教会に属したいと強く願うようになりました。ナイジェリアから訪問していた友人はわたしが教会を探していることを知りませんでしたが,モルモン書という本がある教会のことを教えてくれました。
その後もわたしは教会を探し続けました。そして末日聖徒イエス・キリスト教会と呼ばれる教会を見つけたのです。「聖徒」という言葉に興味を引かれました。会員を聖徒と呼ぶ教会があることを知りませんでした。日曜日に行ってみることにしました。
聖餐会では,集まった会員たちが賛美歌を恭しく歌い,祭司たちがパンと水を祝福し,礼拝は秩序と敬虔さをもって執り行われました。終わった後,ロビーに向かいながら聖餐会について考えていると,自分の名前が聞こえてきました。
御霊の声が告げました。「シメオン,ここがその場所です。」
そのとき,二人の宣教師が近づいて来て自己紹介し,モルモン書について語りました。わたしは彼らを見詰めると,こう伝えました。「モルモン書については何も知らないけれど,聖書なら知っています。準備はできています。」
彼らは救いの計画を教えてくれました。1か月もしないうちに,わたしはバプテスマを受けました。妻も程なく教会に入りました。数年後,ワシントンD.C.神殿で夫婦の結び固めを受け,5人の子供とも結び固められました。
神殿では多くのことを示されましたが,教会に初めて行った日に聞いた,「ここがその場所です」というあの言葉は間違いではなかったと,神殿で受けた啓示を通して何度も確認することができました。聖霊のあの言葉から受けた衝撃は,わたしと妻,そして子供たちの人生までも永遠に変えたのです。