セミナリー
マスター教義:アルマ41:10-「悪事は決して幸福を生じたことがない」


「マスター教義:アルマ41:10-『悪事は決して幸福を生じたことがない』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「マスター教義:アルマ41:10」『モルモン書 教師用手引き

マスター教義:アルマ41:10

「悪事は決して幸福を生じたことがない」

悲しんでいる若い男性の絵

アルマ41:10では,「悪事は決して幸福を生じたことがない」ことを学びました。この課では,アルマ41:10のマスター教義聖句と重要語句を暗記し,教義を説明し,霊的な知識を得るための原則を実生活の状況に応用することができるようになります。

学習者が積極的に参加できるようサポートする。生徒は,心から福音学習に取り組むとき,積極的に参加してくれています。積極的な参加を促す方法としては,生徒が福音の真理との関連性を見いだせるよう助ける,質問をしたり答えを求めたりするように促す,自身の洞察や経験,感情を分かち合い,聖文研究の技術を練習し,熟考と祈りの時間を取るように促す,などがあります。

生徒の準備:アルマ41:10を暗記してもらいます。

学習活動案

このマスター教義聖句の課は,「アルマ41章」の課を学んだ後で学習するようになっています。その課は,マスター教義聖句「アルマ34:9-10」の背景を学ぶためのものだからです。このマスター教義聖句の課を別の週に移動する必要がある場合は,その週のうちに背景の課も教えるようにしてください。

暗記し,説明する

マスター教義聖句をできるだけ多く暗記するよう,生徒に勧めるとよいでしょう。

生徒がアルマ41:10の場所と重要語句を暗記し,この聖句で教えられている教義を説明できるようになる助けとして,以下の活動を行うか,別の効果的な方法を用いてください。

マスター教義聖句と聖句の場所を短い文節に区切り,生徒に二人一組になってもらいます。最初の生徒に,「悪事は」という最初の文節の言葉を声に出して言ってもらいます。2番目の生徒に,最初の言葉と2番目の言葉を声に出し,「悪事は決して」と言ってもらいます。毎回文節を追加し続け,最終的には聖句の場所を追加し,最後の生徒は「悪事は決して幸福を生じたことがない(アルマ41:10)」という言葉全体と聖句の場所を言うようにします。

最初に始める担当を交代しながら,このプロセスを生徒に何回か繰り返してもらいます。

アルマ41:10で教えられている教義を知っていることが役に立つ状況を考えてください。次に,その状況でこの教義がどのように役立つかを説明してください。

自分が考えた状況をクラスメートに分かち合い,生徒同士で話し合ってもらうとよいでしょう。状況を分かち合ってもらった後で,アルマ41:10の真理がどのように役立つかを生徒に説明してもらいます。

実践練習

クラスを3人ずつのグループに分けます。それぞれの生徒に,霊的な知識を得るための原則から異なるものを選んでもらい,『マスター教義に関する基本文書』(2022年)から自分が選んだ原則に対応する段落を読んでもらいます。読み終わったら,生徒に選んだ原則をグループ内で説明してもらいます。以下の組み合わせ問題は,生徒が学んだことを思い出すのに役立ちます。組み合わせ問題の解答は,(1)BとF,(2)CとE,(3)AとDです。

『マスター教義に関する基本文書』(2022年)にある,次の3つの霊的な知識を得るための原則をそれぞれ復習してください。それから,A-Fの記述を適切な原則と組み合わせてください。各原則には,関連する記述が二つあります。

  1. 信仰をもって行動する

  2. 永遠の視点から概念や疑問について調べる

  3. 神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

  1. 「今日の地上における主の預言者である大管長会と十二使徒定員会は,重要な真理の源です。」

  2. 「理解を深め,懸念していることを解決しようと努めるときに,イエス・キリストに対して自分がすでに持っている証に頼ることは重要です。」

  3. 「〔疑問を〕救いの計画や救い主の教えに照らし合わせて考えます。」

  4. 「信頼の置けない情報源を認識し,それを避けることを学ぶことで,誤った情報や信仰を損なおうとする者たちから身を守ることができます。」

  5. 「主が御覧になっているように物事を見ることができるよう,聖霊の助けを求めます。」

  6. 「答えを求め続けるときに,わたしたちは信仰により生活しなければなりません。わたしたちが求めている答えをいずれ受けると信じるのです。」

霊的な知識を得るための原則を復習するに当たり,生徒がグループに分かれた場合は,そのままのグループを維持するとよいでしょう。

次のシナリオを掲示して,生徒が一緒に取り組むときに参照できるようにしてください。

教会の会員である俊樹は,神の戒めを守ることの重要性を理解するのに苦労しています。あなたは先日,俊樹にこう言われました。「ぼくは,戒めを守っていなくても,すばらしい人生を送っているように見える人をたくさん知っているよ。幸福になるために戒めを守る必要がほんとうにあるのかな。」あなたは,俊樹は誠実な問いかけをしていると分かりましたが,彼の疑問に答えるには自分の考えをまとめるのに時間が必要だと感じています。二人は,翌日,俊樹の疑問についてもっと話をすることにしました。

アルマ41:10と,霊的な知識を得るための原則を研究中に学んだことや感じたことを使って,俊樹の疑問について話し合う準備をしてください。

神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

  1. 聖文は神が定められた情報源であり,疑問に答える際に役立ちます。アルマ41:10を読み,答えを出すのに役立つほかのマスター教義聖句を少なくとも一つ見つけてください。

    俊樹に役立つであろうマスター教義聖句を見つけ,話し合う際,生徒はグループで取り組んでもかまいません。役に立つ聖句には,2ニーファイ2:25,27モーサヤ2:41などがあります。

  2. 俊樹に紹介し,追加の情報を確認してもらいたい情報源を幾つか考えてください。霊的な事柄に関して,どのような情報源が信頼できるのかを説明してもよいでしょう。

永遠の視点から概念や疑問について調べる

グループに分かれた生徒は,以下の質問からそれぞれ異なるものを選び,グループ内で答えを分かち合うことができます。

俊樹が持っているかもしれない思い込みを生徒が見つけられるように助けます。生徒が助けを必要とする場合,以下の中から一つまたは複数を分かち合うとよいでしょう:俊樹は,戒めが厳しい,または戒めが自分の選択の自由を制限していると考えているかもしれませんし,幸福はこの世的な快楽の中に見いだせると誤って考えているかもしれません。

俊樹の思い込みを特定するには,以下の質問が役立つでしょう:

  • 戒めや幸福について,俊樹はどのような思い込みをしているでしょうか。

  • 福音の中のどの教えが,俊樹の疑問に関連しているでしょうか。または,答えを提供しているでしょうか。

  • 天の御父について,天の御父の計画について,天の御父が御自分の子供たちをどのように扱われるかについて,俊樹は何を知る必要があると思いますか。

信仰をもって行動する

グループの生徒には,戒めを選び,考える作業に単独で取り組んでもらい,その後グループ内で集まってそれぞれの例を分かち合ってもらうとよいでしょう。その後,俊樹がより深く理解するために,あるいは戒めを守るための計画を立てるために,どのように信仰をもって行動することができるかを一緒に考えて提案することができます。

俊樹は,天の御父の戒めをよりよく理解しようとすることによって,信仰をもって行動することができます。戒めの重要性についてよりよく理解しようとするとき,戒めを守ろうとすることは,信仰をもって行動することにもなります。少なくとも二つの戒めを選び,それらの戒めを守ることがどのように俊樹が幸せを経験する助けになるか,また戒めを破ることがどのように不幸につながるかを考えてください。これらの戒めを守ることがどのように自分自身に幸福をもたらしたかを分かち合うこともできます。

生徒が用意したことを分かち合ってもらいます。時間があれば,生徒に,俊樹がどのように反応するかをいろいろと考えてもらうとよいでしょう。その後,生徒に,各自のグループに戻って計画に調整を加えてもらいます。生徒は,クラスの前またはグループでロールプレーをすることができます。また,ロールプレーとして,メールなどでメッセージをお互いに送り合うこともできます。

マスター教義の復習

以下の復習は,今後のレッスンで行うことができます。生徒に,アルマ41:10の重要語句を覚えているか尋ねてください。必要に応じて,この課で行った暗記活動について思い出してもらいます。そして生徒が暗記できるまで,聖句の場所と重要語句を繰り返してもらいます。