「8月4-10日:あなたがたは聖なる場所に立ちなさい:教義と聖約85-87章」『わたしに従ってきなさい—家庭と教会用:教義と聖約 2025年』
「教義と聖約85-87章」『わたしに従ってきなさい—家庭と教会用:2025年』
8月4-10日:あなたがたは聖なる場所に立ちなさい
教義と聖約85-87章
クリスマスの日は通常,「地には平和があるように」といったメッセージについて深く考える機会です(ルカ2:14参照)。しかし,1832年の12月25日,ジョセフ・スミスの思いは戦争の脅威でいっぱいでした。アメリカ合衆国のサウスカロライナ州が政府に背き,武力衝突の準備をしていたのです。そして主は,これは始まりに過ぎないとして,次のことを明らかにされました。「戦争がこの地で始まって,すべての国々のうえに押し寄せる時が来る。」(教義と聖約87:2)この預言は,今にでも成就するかのように思えました。
しかし,そうはなりませんでした。数週間のうちに,サウスカロライナと合衆国政府は妥協点に達し,戦争は回避されたのです。ですが,預言は必ずしもわたしたちが予想した時に,予想したような形で成就するとはかぎりません。およそ30年後,ジョセフ・スミスが殉教して長い時がたってから,サウスカロライナは反抗し,南北戦争が起こったのです。今日,世界中で起こっている戦争によって,「地に住む者は嘆き悲しむ」(教義と聖約87:6)状況が続いています。この啓示は,いつ悲惨な出来事が起こるかを予告することよりも,それが起こったときにどうすればよいかを教えていることの方に大きな価値があります。1831年にも,1861年にも,そして2025年にも,「あなたがたは聖なる場所に立ち,動かされないようにしなさい」(8節)という同じ勧告が与えられています。
家庭と教会で学ぶためのアイデア
主はわたしに歴史を記録するよう望んでおられる
教義と聖約85:1-2で述べられている「歴史」に入れるよう主が望んでおられた事柄に注目してください。主が聖徒たちに歴史を記録することを望んでおられるのはなぜだと思いますか。あなたと将来の世代にとって祝福となるように,あなたの「生活の様子や,〔あなた〕の信仰や,行いについて」どんなことが記録できるでしょうか。個人の歴史を記録すると,それは,あなたがキリストのもとに来るうえでどのような助けになるでしょうか。
「日記—『黄金よりもはるかに価値のあるもの』」『歴代大管長の教え—ウィルフォード・ウッドラフ』125-133;も参照してください。
御霊は静かな細い声で語る
ジョセフ・スミスが教義と聖約85:6で御霊について述べるために使っている言葉について深く考えてください。御霊の声は,どのような意味で「静か」で「細い」のでしょうか。ジョセフ・スミスを通して与えられている以下の説明についても考えてください:教義と聖約6:22-24;8:2-3;9:7-9;11:12-13;128:1。御霊はどのようにしてあなたに語りかけますか。
ルカ24:32;モーサヤ5:2;アルマ32:28;ヒラマン5:30;教義と聖約6:22-23;11:12-13も参照してください。
義人は終わりの時にキリストのもとに集められる
教義と聖約86章には,マタイ13:24-30,37-43にある小麦と毒麦のたとえの解き明かしが出てきます。このたとえの意味について学ぶとき,次のような表を埋めるとよいでしょう:
象徴 |
考えられる意味 |
考えるための質問 |
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象徴 種まき | 考えられる意味 預言者と使徒 | 考えるための質問 預言者と使徒はどのような「種」を植えるか。 |
象徴 敵 | 考えられる意味 サタン | 考えるための質問 敵はどのようにして主の業を止めようとするか。 |
象徴 | 考えられる意味 | 考えるための質問 |
象徴 | 考えられる意味 | 考えるための質問 |
以下の質問についても考えてみましょう:
平安は聖なる場所にある
87章に出てくる預言は,終わりの時における戦争に関連する物理的な危険について警告しています。しかし,この啓示の勧告はまた,霊的な危険にも当てはまります。次のような質問について深く考えてください:
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預言とは,神から預言者に与えられた啓示であり,しばしば将来に関するものです。昔や現代の預言者が与えてきた預言には,例えばどのようなものがあるでしょうか(ヨハネ3:14;モーサヤ3:5;ヒラマン14:2-6参照)。それらはどのような形で成就したでしょうか(ルカ23:33;マタイ15:30-31;3ニーファイ1:15-21参照)。
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神の預言者の預言を受け入れるとどのような祝福があるでしょうか。
それらの考えを念頭に置いて,87章を読んでください。(歴史的背景については,この概要の序文も読むとよいでしょう。)この啓示とその成就から,預言についてどんなことが学べますか。すぐに成就していないからという理由で預言を疑っている人がいたら,あなたはその人にどのようなことを言いますか。
8節で,主はどのような勧告を与えておられますか。あなたにとって平安や安全を見いだせる「聖なる場所」はどこですか。どうすれば,ある場所を聖なる場所にすることができるでしょうか。物理的な場所に加えて,平安をもたらしてくれる聖なる時間や聖なる行い,聖なる思いなどもあるかもしれません。例えば,神の預言者の言葉はあなたにとってどのように聖なる場所となり得るでしょうか。そのような場所に「立ち」,「動かされないようにする」とはどういう意味でしょうか。
「愛あるところ」『子供の歌集』76-77;『聖徒たち』第1巻,158-159;「平和と戦争」『啓示の背景』158-164も参照してください。
子供を教えるためのアイデア
御霊は静かな細い声で語る
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聖霊が語りかけておられるのがどのようなことから分かるのかとだれかに尋ねられたら,子供たちは何と答えるでしょうか。ジョセフ・スミスが教義と聖約85:6で述べている御霊の声の一つの聞こえ方を子供たちに読んでもらいます。その後,小さな声に耳を傾けたり,小さな声で話したりする練習をしてもらうとよいでしょう。御霊があなたに静かな細い声で語りかけたときのことを話してもよいかもしれません。
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子供たちが「静かな細い声」という言葉を理解できるように,「せいれい」(『子供の歌集』56)などの子供の歌を静かに流すとよいでしょう。一人の子供にそれが何の歌かを当ててもらいますが,その間,ほかの子供たちには音を立てて妨害してもらいます。次に,音を立てずにその歌をもう一度聞きます。御霊をもっと頻繁に感じるために,どのような雑音を生活の中から取り除くことができるでしょうか。
わたしは神の民を集めるのを助けることができる
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86章で述べられているたとえを子供たちに理解してもらうために,小麦の小さな写真か絵を幾つか用意して,部屋のあちこちに隠すとよいでしょう。小麦と毒麦のたとえを子供たちに説明し(マタイ13:24-30参照),教義と聖約86:1-7にある主の解説を一緒に読みます。その後子供たちに,隠してある小麦の絵を集めて,自分たちがイエス・キリストのもとに「集める」ことができる人の名前をそこに書いてもらいます。イエス・キリストのもとに人を集めるとは,どういう意味でしょうか。そのためにわたしたちにはどのようなことができるでしょうか。
わたしはほかの人たちの光になることができる
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教義と聖約86:11について話し合うときに,子供たちに次のような質問をすることができます。光はどのよう祝福を与えてくれますか。光がないと,どうなるでしょうか。どうすればわたしたちはほかの人の光になることができるでしょうか。「〔イエス〕の慈しみの中にとどま〔り〕」,それをほかの人々と分かち合う方法を,子供たちに考えてもらいます。