教義と聖約 2021年
回復の宣言


イエス・キリストの完全な福音の回復

200周年の世界への宣言

わたしたちは厳粛に宣言します。神は世界のすべての国にいる御自分の子供たちを愛しておられます。父なる神は,愛する御子イエス・キリストの降誕と,その比類ない生涯と無限の贖いの犠牲を,わたしたちのために備えてくださいました。御父の力によって,イエスはよみがえり,死に対して勝利を得られました。イエスはわたしたちの救い主であり,模範であり,贖い主です。

200年前,1820年の美しい春の朝に,少年ジョセフ・スミスは,どの教会に加わるべきか知りたいと思い,アメリカ合衆国ニューヨーク州北部の自宅近くの森へ行き,祈りました。自分の魂の救いについて尋ねたいことがあり,神が導いてくださると信じていたのです。

わたしたちは,父なる神とその御子イエス・キリストが,ジョセフ・スミスの祈りにこたえて彼に御姿を現し,聖書で予告されているように「万物更新」を開始されたことをへりくだり宣言します(使徒行伝3章21節)。この示現によって,ジョセフは,新約聖書の時代にあったキリストの教会が最初の使徒たちの死後に地上から失われたことを知りました。ジョセフは,その回復に貢献する者となるのです。

御父と御子の指示の下,天の使者がジョセフを訪れ,イエス・キリストの教会を再び設立するために指示を与えたことを,わたしたちは断言します。復活したバプテスマのヨハネが,罪の赦しのために水に沈めるバプテスマを施す権能を回復しました。さらに,最初の12人の使徒のうちの3人,ペテロ,ヤコブ,ヨハネが,使徒職と神権の権能の鍵を回復しました。そのほかに訪れた使者の中には,死を超えて永続する関係を持てるよう家族を一つにつなぐ権能を回復したエリヤもいました。

さらにわたしたちは,古代の記録である『モルモン書—イエス・キリストについてのもう一つの証』を翻訳するために,ジョセフ・スミスに神の賜物と力が与えられたことを証します。この神聖な書物には,復活後間もないイエス・キリストが西半球の民の間で親しく務めを果たされたことについても記されています。またこの聖典は,人生の目的を教え,その目的の中核を成すキリストの教義を説明しています。聖書と対を成す聖典として,モルモン書は,すべての人が愛にあふれた天の御父の息子や娘であること,御父がわたしたちの人生について神聖な計画をお持ちであること,そして御子イエス・キリストが昔と同様に今日も語りかけておられることを証しています。

わたしたちは宣言します。1830年4月6日に組織された末日聖徒イエス・キリスト教会は,新約聖書の時代にあったキリストの教会が回復されたものです。この教会は,隅のかしら石であるイエス・キリストの完全な生涯と,主の無限の贖罪と文字どおりの復活をその基盤としています。イエス・キリストは再び使徒たちを召して,神権の権能を与えられました。そして,御自分のもとに来て,御自分の教会を訪れ,聖霊と救いの儀式を受け,永続する喜びを得るよう,わたしたち全員を招いておられます。

父なる神と愛する御子イエス・キリストによってこの回復が始まってから,現在200年が経過しました。世界中で何百万もの人が,これらの預言されていた出来事を知り,受け入れてきました。

わたしたちは喜んで宣言します。約束された回復は,絶えざる啓示によって進められていきます。神が「ことごとく,キリストにあって一つに帰せしめ」られるので(エペソ人への手紙1章10節),地は決して再び前の状態に戻ることはありません。

敬虔の念と感謝をもって,わたしたちは主の使徒として,天が開かれていることを—わたしたちと同じように—知ってくださるよう,すべての人にお勧めします。わたしたちは,神が御自分の愛する息子たちや娘たちに対する御心を明らかにしておられると断言します。祈りをもって回復のメッセージを研究し,信仰により行動する人には,回復が神の御心であり,その目的がわたしたちの救い主である主イエス・キリストの約束された再臨のために世を備えることにあるとの確信が授けられることを証します。

この宣言は,2020年4月5日,ユタ州ソルトレーク・シティーで開催された第190回年次総大会において,ラッセル・M・ネルソン大管長により,メッセージの一部として読み上げられたものです。