2ニーファイ6－10章

「おお，わたしたちの神の計画の何と偉大なことよ。」

教えるために準備するための良い方法は，初めに教師自身が2ニーファイ6－10章を読むことです。あなたが受ける霊的な印象を書き留めてください。また，この概要を使ってそのほかの考えと教えるためのアイデアを見つけてください。

印象を書き留める

分かち合うよう招く

ヤコブは民に，イザヤの教えを「あなたがたにたとえて差し支えない」と教えました（2ニーファイ6：5）。初めに，クラスの参加者に2ニーファイ6－10章のヤコブの教えの中で自分の生活にたとえられると思うものを発表してもらってもよいでしょう。その教えが意義深いと思う理由を説明してもらうことができます。

教義を教える

2ニーファイ6－8章

主は御自分の民に憐れみを示し，約束を成就される

2ニーファイ6－8章に書かれた教えの背景を示すため，クラスの参加者に2ニーファイ6：8－15の一連の出来事を簡単な年表にまとめてもらうと助けになるかもしれません。これらの出来事は主について，また主が御自分の民に抱いておられる思いについてどのようなことが分かるでしょうか。（ 2 ニーファイ7：1－3；8：3も参照）。教会員であるわたしたちは今日における神の聖約の民であり，この世を抜け出て福音のもとへと集められているということを説明してもよいでしょう。これらの章は今日のわたしたちにどんなメッセージを伝えているでしょうか。

2ニーファイ9章

イエス・キリストは贖罪によってすべての人を肉体と霊の死から解放された

イエス・キリストの贖罪への感謝を深める一つの方法は，贖罪がなければどうなっていたか考えることです。クラスの参加者たちは2ニーファイ9章を学習しながらこのことについて深く考えることができます。クラスの参加者に初めに，4－9節を学び，それからキリストの贖罪がなかったらどうなっていたかをホワイトボードに書き出してもらうことができます。10－14節によれば，救い主はどのような方法でわたしたちをこの宿命から救い出してくださったのでしょうか。「その他のリソース」のジェフリー・R・ホランド長老のメッセージは，イエス・キリストの贖罪の必要性をクラスの参加者が理解するのに役立ちます。また，ホランド長老のメッセージを基にしたビデオ「憐れみと愛の神の恵み」（ChurchofJesusChrist.org）を見せてもよいでしょう。ホランド長老のメッセージを読んで救い主に対して感じる思いや気持ちをクラスの参加者に発表してもらってもよいでしょう。
イエス・キリストの贖罪について知らない人や，贖罪がなぜ必要か分からない人にどのように説明するか，クラスの参加者に考えてもらいます。2ニーファイ9章に書かれている真理はそのような話し合いに備える助けとなるでしょう。4－12節を調べて，救い主の贖罪が肉体と霊の死にどのように打ち勝つか見つけてもらってもよいでしょう。これらの聖句を踏まえて，なぜ救い主の犠牲は「無限の贖罪」と呼ばれるのでしょうか。（2ニーファイ9：7）。
ヤコブは神の贖いの計画に驚嘆するあまり，計画について説明するときに「おお，何と偉大なことよ」と言わずにいられませんでした。救い主とその贖罪に対するこのような気持ちをクラスの参加者がよりよく理解できるように，2ニーファイ9章でヤコブの驚嘆を示す言葉を見つけるように勧めてもよいでしょう（ほとんどは8－20節にあります）。これらの聖句は神とその計画についてどのようなことを教えているでしょうか。わたしたちはどのような経験を通して，神がその子供たちのために用意された計画に対してヤコブと同じ気持ちを抱いたでしょうか。「わが主よ，わが神」（『賛美歌』44番）など，神の偉大さをたたえる歌を歌って，話し合いを補足してもよいでしょう。

2ニーファイ9：27－54

わたしたちはキリストのもとに来て，主の贖罪による栄えある祝福を受けることができる

これらの聖句に書かれているヤコブの教えについて話し合うに当たり，人に悔い改めてキリストのもとに来るよう招くときにどのような方法を取るかクラスの参加者に想像してもらってもよいでしょう。ヤコブはこれを2ニーファイ9：50－53でどのように行ったでしょうか。これらの勧めを受け入れる人の生活にどのような祝福があるとヤコブは話したでしょうか。
2ニーファイ9章で，ヤコブは二つの力強い，対照的な表現をしています。「大いなる創造主の憐れみに満ちた計画」と「悪しき者のあの狡猾な策謀よ」（2ニーファイ9：6，28）。クラスの参加者がこの対比から学ぶのを助けるために，ホワイトボードに道を描き，「天の御父の計画」と書きます。クラスの参加者に2ニーファイ9：27－52を調べて，天の御父の計画に従うのに役立つヤコブの勧めを見つけてもらいます。見つけた言葉を道の絵の横に書いてもらいます。サタンがわたしたちをそそのかして天の御父の計画から遠ざける方法についてヤコブは何と教えていますか。これらの聖句から，天の御父の計画によりどうなるか，そしてサタンに従うとどうなるかについて何が分かりますか。（2ニーファイ9：9，18参照）。これらの聖句を踏まえて考えると，天の御父の計画にさらに完全に従うために何ができるでしょうか。
2ニーファイ9：28－38で，ヤコブはわたしたちのための神の計画に従うのを妨げる態度やふるまいを幾つか挙げて警告しています。クラスの参加者にそれを見つけてもらってもよいでしょう。これらの態度やふるまいのうち，現代において特に広く見られるものはどれでしょうか。このようなふるまいはどのような点でそれほど危険なのでしょうか。これらの危険をどのように避けるかについて2ニーファイ9：50－53から何を学べるでしょうか。

家庭で学ぶよう励ます

2ニーファイ11－24章でニーファイが引用しているイザヤの記録をクラスの参加者が確信をもって読めるようにするため，ニーファイがこれらの記録を含めたのはイエス・キリストを信じる民の信仰を強めるためだったと説明してもよいでしょう。次週の読書課題を，主を信じる信仰を育む機会として見るよう，クラスの参加者に勧めます。

その他のリソース

救い主の必要性

ジェフリー・R・ホランド長老はあるロッククライマーの話をしました。その人は切り立つ絶壁から，落下と死を防ぐ術なく危険な状態でぶらさがっていました。崖をつかんでいた手が砂利で滑り始めたまさにそのとき，弟の両手が彼の手首をしっかりとつかみ，安全な場所へ引き上げてくれました。ホランド長老はそのロッククライマーの経験を，この堕落した現世での人の状態と比較しました。

「実際にアダムとエバが存在し……，そして二人が実際のエデンから堕落したことによってあらゆる結果が持ち込まれ〔ました〕。……それ以来，わたしたちはその堕落した世界に生まれたために，そして同じように神の律法に背いてしまったために，アダムとエバと同じ罰を宣告されたのでした。

何と痛ましいことでしょう。全人類は落ちるがままです。老若男女を問わずすべての人は肉体的に永遠の死に向かって転がり，霊的に永遠の苦悩に向かって進んでいます。それが人生の目的なのでしょうか。それが人生の最終結果なのでしょうか。わたしたちは皆，無慈悲な宇宙のどこかで，冷たい絶壁にぶら下がっているだけなのでしょうか。一人一人がつま先をかける場所を探し求め，つかめるものを探しても，砂が指の下を流れていくだけで，救ってくれるものも，つかむものも，しがみつくものもないのでしょうか。

そうした問いの答えは，明らかに，そして永遠に「否」です。……この贖罪は，肉体の死に完全な勝利をもたらすものであり，かつてこの世に生を受けた者，これからこの世に生を受ける者すべてに，無条件の復活をもたらすものです。また，慈悲深くも，悔い改めて神の戒めに従順であることを条件として，アダムからこの世の終わりに至るまで，あらゆる人の個人的な罪にも赦しがもたらされることになったのです。」（「憐れみと愛の神の恵み」『リアホナ』2015年5月号，105－106）

レッスンを改善する

度々証を述べる。　真理についてのあなたの簡潔な心からの証に，あなたが教えるクラスの参加者に力強い影響を及ぼすことができます。雄弁に，あるいは長々と証する必要はありません。2ニーファイ9章について話し合うときに，救い主についてのあなたの個人的な証を述べるとよいでしょう。