金版に記すモルモン

「版の要約を作るモルモン」Tom Lovell画

10月26日－11月1日

モルモン1－6章

「わたしは……すべての人に，悔い改め……るように説き勧めることができればと願っている」

モルモン1－6章を読みながら，あなたのクラスの参加者が悪事が蔓延する時代であってもモルモンのように忠実な生活を続けるのに助けとなる真理を探してください。

印象を書き留める

「分かち合う」アイコン

分かち合うよう招く

クラスの参加者は，自分の考えをまとめる時間がなかったために，時折自分の思いを分かち合うのをためらうことがあります。このような人への助けとして，少し時間を与えて，家庭でモルモン1－6章を研究したことから得た理解を書き留めてもらい，その後，それを分かち合ってもらいます。

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教義を教える

モルモン1－6章

悪に取り巻かれていても義にかなった生活をすることができる

• クラスの参加者の多くは，邪悪な世にあって義にかなった生活をするように努めることでモルモンの経験を理解することができます。モルモンの模範から学べることについて分かち合ってもらうとよいでしょう。この話し合いを促す助けとして，クラスの参加者に，モルモンの特質が分かる節を見つけて，ホワイトボードにその特質を書き出してもらうとよいでしょう（例として，モルモン1：2－3，15－16；2：1，23－24；3：1－3，12，17－22参照）。これらの特質は，モルモンが霊的な強さを保つのに，どのように助けとなったでしょうか。わたしたちがさらにモルモンのようになるために，どのように助けとなるでしょうか。

  ニーファイ人とレーマン人との戦い

  「戦い」Jorge Cocco画

• モルモンはしばしば直接現代の人々に向けて書きました。モルモン3：17－22と5：10－24に書かれている，わたしたちにあてたモルモンの言葉から，何を学べるでしょうか。クラスの参加者の各人に，「わたしたちへのモルモンの勧告」という表題を書いた紙を渡し，これらの節に述べられているわたしたちの時代に関するメッセージを見つけてもらいます。今日の世で霊的な強さを保つ助けとして，モルモンの勧告をどのように自分にあてはめることができるでしょうか。

• 青少年を教えている場合，若いときに義にかなった指導者になれることを彼らが理解する助けとして，モルモンの模範を用いるとよいでしょう。成人を教えている場合，モルモンの模範を用いて，良い指導者になれるように青少年を助ける機会について話し合いを促すとよいでしょう。話し合いを始めるに当たって，クラスの参加者の何人かにモルモン1章を，またほかの参加者にモルモン2章を復習し，モルモンが若くして民を導くために与えられた機会を書き出してもらいます。モルモンはどのような特質によって偉大な指導者になりましたか。クラスの参加者に，これまでに見た，義にかなった子供や青少年の力強い影響の模範について分かち合ってもらいます。また，クラスの参加者や彼らが知っている若い人々が，モルモンが持っていたような特質を持つ指導者となるために得られる機会についても話し合うとよいでしょう。

モルモン2：10－15

悔い改めには打ち砕かれた心と悔いる霊が必要である

• 悔い改めに至る悲しみとそうでない悲しみの違いについて学ぶために，モルモン2：10－15を一緒に読み，次のような質問について話し合うとよいでしょう。「悲しむこと」は悔い改めにどのように役立つでしょうか。「悔い改めに至る……悲しみ」と「罰の定めを受ける者の悲しみ」の違いは何でしょうか。「打ち砕かれた心と悔いる霊」を持つために，どのような態度と行動が助けになるでしょうか。

モルモン3：12

たとえほかの人の選択に同意できなくても，その人を愛することはできる

• モルモンと同じように，クラスの参加者の多くは，信条を異にしている人々と親しく交流しています。相違点があってもほかの人々を愛することをクラスの参加者に教えるために，モルモンの模範をどのように用いることができるでしょうか。モルモン3：12を一緒に読み，モルモンのメッセージを拒んで神に故意に背いた人々にモルモンが愛を示した時のことについて話し合うとよいでしょう（例として，モルモン1：16－17；2：12参照）。クラスの参加者は，自分の信条や価値観を異にする人々を愛する自分自身の生活から，どのような経験を分かち合うことができるでしょうか。「その他のリソース」にあるダリン・H・オークス管長の言葉から，追加の勧告を得られます。

モルモン6：17

イエス・キリストは両腕を広げて立ってわたしたちを受け入れてくださる

• 救い主は「両腕を広げて立ってあなたがたを受け入れようとしておられ〔る〕」というモルモンの言葉は，自分の罪を赦していただけるという希望を持っていなかった人々に安心感を与えます。モルモン6：17を一緒に読み，両腕を広げているイエス・キリストの絵（『福音の視覚資料集』66など）を見せるとよいでしょう。この節は，わたしたちを助けたいという救い主の切なる思いについて何を教えているでしょうか。また，「主に来たれ」（『賛美歌』67番）など，同様のメッセージを伝える賛美歌を一緒に歌ってもよいでしょう。「その他のリソース」にあるラッセル・M・ネルソン大管長の経験を紹介し，クラスの参加者に，悔い改めが可能であることをほかの人々が理解するのを助けることができる方法について話し合ってもよいでしょう。

「学ぶ」アイコン

家庭で学ぶよう励ます

クラスの参加者に，将来の人々にあてた手紙に書きたい事柄について考えてもらうとよいでしょう。モルモン7－9章は，何世紀も前にモルモンとモロナイがわたしたちの時代の人々にあてて書いたものです。

「リソース」アイコン

その他のリソース

信仰を異にする人々を愛する

ダリン・H・オークス管長は次のように述べています。

「隣人を愛し，争いを避けるという福音の教えにわたしたち皆が従うべきです。キリストに従う人々は，礼節の模範となるべきです。わたしたちはすべての人々を愛し，良い聞き手となり，相手の誠実な信念に関心を示すべきです。賛成はできなくても，攻撃的になってはなりません。意見の分かれるテーマについては，争いを引き起こすような態度を執ったり，発言をしたりするべきではありません。わたしたちは，知恵を使って，教会員としての立場を説明，追求し，影響力を行使しなくてはなりません。その際，わたしたちの真心からの宗教的信条や宗教の自由な実践が人を不快にさせないようにと願っています。わたしたち全員が救い主の黄金律を実践するように，すなわち『何事でも人々からしてほしいと望むことは，人々にもそのとおりに〔する〕』ようにお勧めします（マタイ7：12）。

わたしたちの立場が優勢でないときも，望ましくない結果を丁重に受け入れ，敵対者に対して礼儀正しく振る舞うべきです。」（「違いがあっても周りの人を愛し，受け入れる」『リアホナ』2014年11月号，27）

悔い改めは可能である

ラッセル・M・ネルソン大管長は次のような経験を紹介しています。

「昨年，デビッド・S・バクスター長老とわたしは車でステーク大会へ向かう途中，あるレストランに立ち寄りました。食事をして車へ戻ろうとしたとき，一人の女性に呼び止められました。……彼女はわたしたちに教会の長老かどうか尋ねてきました。そうですと答えました。すると彼女は，自分の罪の満ちた悲劇的な人生について事細かに語り出しました。28歳という若さで，彼女は悲惨な状態に陥っていました。人生に何の希望も，生きる価値も見いだせずにいたのです。話している間に，彼女の魂の優しさがにじみ出てきました。彼女は涙ながらに，自分にも絶望から抜け出す望みがあるかと聞きました。

わたしたちは答えました。『もちろん，希望はあります。希望は悔い改めと結びついています。変わることができますよ。あなたも「キリストのもとに来て，キリストによって完全にな」ることができるのです。』〔モロナイ10：32〕わたしたちは彼女に悔い改めを引き延ばさないように強く勧めました〔アルマ13：27；34：33参照〕。彼女はへりくだってむせび泣き，心から感謝してくれました。

車で移動を続けながら，バクスター長老とわたしはその経験について思い巡らしていました。そしてアロンが打ちひしがれた人物に与えた勧告を思い出しました。アロンはこう言っています。『あなたの罪をすべて悔い改め，神の御前にひれ伏して，……神の御名を呼ぶならば，そのときあなたは，今願っているものを得るでしょう。』〔アルマ22：16〕……

……罪のぬかるみにはまった28歳の女性と，わたしたち一人一人に対して宣言します。悔い改めの清らかな祝福を受けることは可能です。主と主の神聖な業に完全に帰依することによってそれを受けることができるのです。」

さらにネルソン大管長はこう述べています。「モルモンが導いた罪深い民のことも思い出される。モルモンは彼らのことで心を痛めこう語った。『わたしは主の裁きが彼らに下ることを知っていたので，望みを持っていなかった。彼らが自分たちの罪悪を悔い改めず，自分たちを造られた御方に請い願うことなく，ただ自分たちの命のために戦っていたからである。』（モルモン5：2）」（「悔い改めと改心」『リアホナ』2007年5月号，102，104）

レッスンを改善する

霊的な成長は家庭で起こる。あなたのクラスの参加者は，毎週教会外で165時間過ごします。その間に，福音について学ぶ自分自身の霊的な経験をします。1週間の間に学んだ事柄や家族とともに学んだ事柄を分かち合うよう促す質問をしてください（『救い主の方法で教える』18参照）。