「グループの進行役を務める」『グループの進行役を務める—自立に向けて』（2018年）

「グループの進行役を務める」

グループの進行役を務める

はじめに（10分以内）

進行役

進行役の訓練集会は，下記の手順で始めます。

祈りで開会する（賛美歌を歌ってもよい）
自立支援スペシャリストもしくは自立支援委員会の一員が，導入と証を述べてもよい（3－5分）
各自，簡潔に自己紹介をしてもらう（30秒以内）
グループ全員にテキストを開いてもらい，テキストに従って進める

歓迎

読む

本訓練および各グループで使用するテキストには，それぞれのセクション，話し合い，活動に関する推奨時間が載っています。時間を管理し，テキストを網羅するうえで役立つものです。各グループ集会では必ずタイムキーパーを割り当て，集会が計画に沿って進むようにしましょう。

進行役

残りの訓練の間，希望者にタイムキーパーを務めてもらいます。

自立するとはどのような意味でしょうか

読む

「自立とは，自分自身と家族の生活における霊的・物質的な必要を満たす能力であり，決意であり，努力である」とあります（『手引き　第2部：教会の管理運営』6.1.1）。自立するとは，自分の望むままに行い，欲しいものを何でも手に入れられるようになることではありません。イエス・キリストの恵みと力，またわたしたちの信仰により，自分自身と家族の生活における霊的・物質的な必要のために働くことができる，それが自立するということです。自立グループの目的は，わたしたちが生活を変え，物質的・霊的にさらに自立するうえで主と手を取り合うことができるよう助けることです。

これから，グループの参加者と指導者たちが，自立グループの経験について語るビデオを視聴します。ビデオを見る中で，人々が自立グループを通して物質的・霊的にどのような影響を受けたかという点に注目してください。

視聴する

「Self-Reliance: Tools to Become Better」ldschurch.jp/srs（動画を視聴することができない場合は先へ進む）

話し合う（2分）

霊的なものと物質的なものが密接に関連していると知るうえで助けになった経験はありますか。

自立グループはどのように機能しますか

読む

自立グループは，グループの参加者一人一人の成長を助けることに焦点を当てた，小さな評議会です。4つの自立グループから選択できるようになっています。

人々は自分自身で，ディボーショナルの場で，もしくは直接誘われて，各グループの存在を知るでしょう。各自，参加したいと思うグループを選びます。

グループは通常，11人以下の少人数で構成されます。グループは12週間にわたり，毎週2時間ほどの集会を持ちます。

すべての自立グループは，わたしたち進行役によって導かれます。自立グループを進行する際，教師による指導は行いません。わたしたちは進行役として，各テーマを熟知している必要はありません。そうではなく，わたしたちはグループでテキストの記載に従い，各自が参加できるように助けるのです。

各グループ集会は，テキスト内の章に沿って行われます。各章は5つのセクションに分かれており，それぞれ推奨時間が載っています。この5つのセクションは，自立グループ集会の中心となるものです。グループ集会を進行するに当たっては，テキストに従い，推奨時間を守り，各セクションを省略せずに行ってください。

進行役を交代する

読む

各集会の終わりに，グループの参加者がアクションパートナーを選べるように助けましょう。週の間，助け合い，サポートし合う相手です。アクションパートナーは，毎週変更して構いません。通常，家族以外の同性と組むようにします。

霊的な原則，実践的なスキル，グループの持つ力が合わせられることで生まれる特別な学びの場は，一人一人が生活を向上させるうえで助けとなります。これから視聴するビデオからも分かるように，わたしたちは自立グループにおいて，テキスト，参加者，御霊という3つの源から学びを得ます。

視聴する

「グループの力」ldschurch.jp/srs（動画を視聴することができない場合は先へ進む）

話し合う（2分）

自立グループは，これまで参加してきたクラスやワークショップとどのような点で異なると思いますか。また，類似点はありますか。

進行役を交代する

最高の進行役となるために，何ができるでしょうか

読む

進行役を務めることは，すばらしい経験となるでしょう。効果的な進行役は，重要なポイント，以下の3点を実践しています。

教えず，進行役に徹する
その他の責任を果たす
グループの羊飼いとして仕える

教えず，進行役に徹する

読む

自立グループを進行する際，教師による指導は行いません。意図的にそのような構成になっています。進行役は，レッスンを準備することも，グループに向けて講義を行うこともありません。また，グループの参加者以上に発言することのないようにします。各コースのテキストに従い，グループの各参加者が等しく参加できるように助けます。進行役は，御霊がグループを教えられるような環境作りをサポートするのです。

次のビデオでは，ある進行役が教えることをやめて進行することを学び，それがグループにもたらした影響を垣間見ることができます。

視聴する

「進行役を務めるには」ldschurch.jp/srs（動画を視聴することができない場合は先へ進む）

話し合う（2分）

進行することと，教えることの違いは何でしょうか。

進行役を交代する

読む

わたしたちは進行役として，互いを尊重しながら，前向きに楽しんで学べる環境を生み出す責任があります。グループの参加者が互いを気にかけ，愛し，サポートできるように助けましょう。

進行役を交代する

読む

進行役として，わたしたちは模範となります。前向きで，互いへの思いやりある学習環境となるようにグループの参加者を助けることができます。常にうまくいくとはかぎりませんし，時には，自分の行動がグループにどのような影響を与えているか，そのような行動をどう改めることができるか，グループの参加者が理解できるよう助ける必要が生じるかもしれません。これについては，次の活動で詳しく取り上げます。

活動（10分）

ステップ1（5分）：隣の人と二人一組になり，下記の事例から一つを選んでください。自分ならどのように対処するかを話し合います。

ステップ2（5分）：グループに戻り，話し合った内容を分かち合いましょう。

事例

グループ参加者の一人もしくは二人が，残りの参加者に比べてよく発言している。そのために，ほかの参加者たちが控えめな態度を取り，各自のアイデアや考えを分かち合えていない。
グループ参加者の一人が，話し合いやグループの活動に参加していない。
グループ参加者の一人が，いつも話題に関連性のない発言をしている。そうした発言により，テキストに沿って学び，時間内に内容を網羅することが難しくなっている。
なかなか声に出して読まないグループの参加者がいる。気が進まないのか，恥をかきたくないのか，理由が分からない。
グループ参加者の数人が時間どおりに来ないため，続けて開始時間が遅れてしまっているが，彼らを待たずに始めるのは気が進まない。

進行役

進行役の責任に関する次の話し合いでは，本訓練の最初の進行役が進行を務めるとよいでしょう。

その他の責任を果たす

読む

わたしたちは進行役として，グループ集会以外の場で果たすべき責任が幾つかあります。次の活動では，それらの責任について話し合うことができます。

活動（10分）

以下の質問リストは，わたしたち進行役が果たすべきその他の責任について話し合ううえで指針となるものです。自立支援スペシャリストまたは地元の指導者の一人がこの話し合いを進行し，各項目について具体的な説明を行うとよいでしょう。進行中，自由に質問して構いません。

わたしを担当する自立支援スペシャリストはだれでしょうか。彼らの責任は何ですか。

連絡先情報：

ディボーショナルはいつ開かれますか。ディボーショナルでのわたしの役割は何でしょうか。

日時：
場所：
進行役の役割：

わたしが進行役を務めるグループは，どのようにして作られるのでしょうか。担当するグループはどのように決まりますか。

いつ，どのように担当のグループを登録し，その進捗状況について報告すればよいでしょうか。

方法：
いつ：

最初の集会に向けて，どのように備えたらよいですか。

集会の開催日時／場所：
開催場所へのアクセス：
テキストの入手方法：
ビデオの再生方法：
部屋のセッティング方法：

そのほかの質問がありますか。

進行役を交代する

グループの羊飼いとして仕える

読む

これまで，進行役を務める方法を一通り学び，その他の責任についても幾つか説明しました。ここからは，効果的な進行をするうえで鍵となる事柄をお伝えしたいと思います。最高の進行役は，グループの参加者を愛し，心にかけています。群れを世話する羊飼いのように，グループの人々に仕えるのです。キリストが羊飼いの例を用いられたのは，羊飼いが一匹一匹の羊の名前や個性，必要を知っているためです。最高の進行役は，グループの参加者について知り，彼らが達成することを心にかけ，彼らが積極的に参加し，成功できるよう助けます。グループに一体感が生まれるまでには数週間ほどかかるかもしれませんが，ほとんどの自立グループ修了者は，グループの人々と非常に親しくなり，互いを心から気にかけるようになったと話しています。進行役として，わたしたちはそのような環境を築けるように手助けすることができます。

グループの羊飼いとなるうえで役立つ，下記の提案リストを交代で読んでください。

グループの羊飼いとなる

グループの参加者に電話をかける，またはメールを送り，集会の日時や場所に関する連絡，確認を行う。
参加者が到着する際に温かく迎え，交流を図る。
グループ参加者の進歩を認め，喜ぶ。
内密情報を守ることについて，グループの参加者に再確認する。
次の集会までの期間，苦労しているグループの参加者を励ます。彼らに連絡を取り，サポートするようアクションパートナーにも働きかける。
グループの他の参加者とともに，集会を欠席したと思われるグループの参加者に働きかける。
名前を挙げてグループの参加者のために祈る。
祈りの気持ちで，次回のグループ集会で扱う資料に目を通す。
御霊に近くあり，浮かんだアイデアや霊感を実行に移す。

話し合う（2分）

上記のような事柄を実践することは，自分が担当する自立グループの羊飼いとなるうえでどのように役立つでしょうか。

進行役を交代する

活動（10分）

ステップ1（5分）：隣の人と二人一組になり，下記の事例から一つを選んでください。自分ならどのように対処するかを話し合います。

ステップ2（5分）：グループに戻り，話し合った内容を分かち合いましょう。

事例

2回目のグループ集会において，前回の決意事項すべてを守れなかったために，報告に少し気が進まない様子の参加者たちに気づいた。報告をパスしたいという参加者もいる。
4回目の集会中，グループ参加者の一人がいないことに気づいた。アクションパートナーによると，一週間を通して連絡が取れなかったという。
グループに，異なる宗教を持つ参加者が二人いる。グループの参加者たちが彼らの見解に快く耳を傾け，配慮できるようにしたい。
あるグループ参加者の家族に非常事態が起こり，その週の集会に参加できなかった。その参加者は，一度集会を欠席してしまったために，グループへの参加をやめようかと考えている。
グループ参加者の一人が悩んでいる。他のグループ参加者に比べて同じような成果が得られず，落ち込んでいる様子。

進行役を交代する

終わりに

読む

自立とは何か，自立グループはどのように機能するのか，また最高の進行役となるために何ができるか，この訓練を通して少しでもご理解いただけたでしょうか。自立グループへの参加は，わたしたち，またグループの参加者たちにとって，これまでとは違う，新たな経験となることでしょう。集会の進行や人々とのかかわりを心地良く感じるまでには，多少時間がかかるかもしれません。本テキストをしばしば参照し，「付録」に載っている情報，特に評価に関する箇所を確認してください。またldschurch.jp/srsにアクセスし，その他の情報や役立つビデオをご活用ください。時とともに，また主への信頼により，わたしたちはすばらしい経験をすることができるでしょう。

視聴する

「Self-Reliance Facilitators: Bringing About Change」ldschurch.jp/srs（動画を視聴することができない場合は先へ進む）

話し合う（3分）

この訓練から学んだ，最も大切な事柄は何ですか。

深く考える（3分）

今日の訓練から学んだこと，主があなたに行うよう望んでおられる事柄について深く考えます。あなたの答えを以下に書いてください。

今日学んだことから，わたしは以下を行います：

祈り

だれかに閉会の祈りを依頼します。