手引きと召し
27.生者のための神殿の儀式


「27.生者のための神殿の儀式」『総合手引き 抜粋』

「27.生者のための神殿の儀式」『総合手引き 抜粋』

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花嫁と花婿

27.

生者のための神殿の儀式

27.0

はじめに

神殿は主の宮です。わたしたちの心を救い主イエス・キリストに向かわせるものです。神殿内で,わたしたちは神聖な儀式に携わり,天の御父と聖約を交わし,御父と救い主に結びつきます。これらの聖約と儀式は,わたしたちが天の御父のみもとに戻り,家族として永遠に結び固められるための備えとなります。

神殿の聖約と儀式には,「神性の力が現れる」のです(教義と聖約84:20)。

神殿の聖約と儀式は神聖なものです。神殿の聖約に関連する象徴については,神殿外で話すべきではありません。また,口外しないと神殿で約束した神聖な情報についても,話すべきではありません。しかし,神殿の聖約と儀式の基本的な目的と教義や,神殿で感じた霊的な気持ちについては話すことができます。

ワードとステークの指導者は,本章にある情報について,エンダウメントや結び固めの儀式を受ける準備をしている会員と話し合います。

27.1

神殿の儀式を受ける

27.1.1

神殿の儀式を受けるために備える

会員は,神殿の儀式を受け,神殿の聖約を交わして守るために自分自身を霊的に備えるべきです。

親には,子供たちが神殿の儀式を受ける備えができるように助けるという主要な責任があります。ステークやワードの指導者,ミニスタリングブラザーやミニスタリングシスター,親族は,親がこの役割を果たすことができるように支援します。

会員が神殿の儀式を受ける備えをするのに役立つリソースは,temples.ChurchofJesusChrist.orgで入手できます。

自身のエンダウメントを受ける準備をしている会員や,配偶者との結び固めを受ける準備をしている会員は,神殿準備コースに参加するように勧められています(25.2.8参照)。

27.1.3

身体障害のある会員

身体障害のあるふさわしい会員は,すべての神殿の儀式を受けることができます。このような会員は,援助することのできる,エンダウメントを受けている同性の親族や友人とともに神殿に参入するように勧められています。会員が家族や友人と一緒に参入できない場合は,事前に神殿に電話をして,どのような手配が可能か確認することができます。

27.1.4

翻訳や通訳の支援

翻訳や通訳の支援が必要な会員は,事前に神殿に連絡して,翻訳や通訳が利用できるかどうか確認する必要があります。

27.1.5

神殿に参入するときの服装

神殿に参入する会員は,聖餐会でいつも着用しているような服装をするべきです。

神殿結婚や結び固めに着ていく服装について詳しくは,27.3.2.6を参照してください。

以下については38.5を参照してください。

  • エンドメントと結び固めの儀式の間に着用する衣服。

  • 儀式用神殿衣とガーメントの入手方法,着用の仕方,扱い方。

27.1.6

子供の世話

子供たちが神殿の敷地内にいる場合は,成人による監督が必要です。神殿ワーカーは,以下の場合に限り,子供たちの面倒を見ることができます。

  • 親子の結び固めを受ける場合

  • 生存している実のきょうだい,義理のきょうだい,または片親が異なるきょうだいの親子の結び固めに参列する場合

27.1.7

神殿の儀式を受けた会員との面談

会員は,神殿の儀式を受けた後に疑問を抱くことがよくあります。エンダウメントを受けている家族,ビショップ,その他のワードの指導者,ミニスタリングブラザーやミニスタリングシスターは,その会員と会って,神殿での経験について話し合うことができます。

質問に答えるのに役立つリソースは,temples.ChurchofJesusChrist.orgで入手できます。

27.2

エンダウメント

「エンダウメント」という言葉は,「贈り物」という意味です。神殿のエンダウメントは,文字どおり,神からの贈り物であり,神はそれによって神の子供たちに祝福を授けられます。会員が神殿のエンダウメントを通して受ける賜物には,以下が含まれます。

  • 主の目的と教えに関するさらに深い知識

  • 天の御父が御自分の子供たちに期待されていることすべてを行う力。

  • 主や家族やほかの人々に仕えるときに与えられる神の導き。

  • さらなる希望と慰め,平安。

これらの祝福の成就は,イエス・キリストの福音に対する忠実さにかかっています。

エンダウメントは二つの部分に分かれています。最初の部分では,イニシャトリーと呼ばれる,導入の儀式を受けます。イニシャトリーは,洗い,油注ぎ,着衣という3つの儀式から成っています(出エジプト29:4-9参照)。この儀式には,その人の神聖な受け継ぎと可能性に関する特別な祝福が含まれています。

イニシャトリーの中で,会員は神殿ガーメントを着用することを聖約します。このガーメントは,神との個人的な関係と,神殿で交わした聖約を守るという決意を表しています。会員が,自分の交わした聖約に忠実であり,生涯にわたってガーメントを正しく着用するならば,ガーメントは守りにもなります。ガーメントの着用と扱い方について詳しくは,38.5.5を参照してください。

エンダウメントの二番目の部分では,創造,アダムとエバの堕落,イエス・キリストの贖罪,背教,回復を含む,救いの計画について教えを受けます。会員は,主の御前に戻る方法についても教えを受けます。

エンダウメントで,会員は以下の神聖な聖約を交わすように招かれます。

  • 従順の律法に従って生活し,天の御父の戒めを守る努力をする。

  • 犠牲の律法に従う。これは,主の業を支援するために犠牲を払い,打ち砕かれた心と悔いる霊をもって悔い改めることを意味します。

  • イエス・キリストの福音の律法に従う。

  • 純潔の律法を守る。これは,神の律法に基づいて,男女間における合法的な結婚以外では性的な関係を持たないことを意味します。

  • 奉献の律法を守る。これは,地上にイエス・キリストの教会を築き上げるために,会員が主から授けられた時間や才能,その他すべてのものをささげることを意味します。

その見返りとして,天の御父は,神殿の聖約に忠実であり続ける人は,「高い所から力を授けられる」と約束しておられます(教義と聖約38:32,38ルカ24:49教義と聖約43:16も参照)。

27.2.1

エンダウメントを受けることのできる人

責任能力のある成人の教会員は皆,自身のエンダウメントのために備え,エンダウメントを受けるように勧められています。会員がエンダウメントを受けるには,事前に必要な儀式がすべて行われ,記録されなければなりません(26.3.1参照)。

27.2.1.1

最近バプテスマを受けた会員

ふさわしい成人の新会員は,確認を受けた日から少なくとも1年たてば,エンダウメントを受けられます。

27.2.1.2

配偶者がエンダウメントを受けていない会員

配偶者がエンダウメントを受けていないふさわしい会員は,以下の条件を満たしている場合に,自身のエンダウメントを受けることができます。

  • エンダウメントを受けていない配偶者から同意を得ている。

  • 会員自身,ならびにビショップとステーク会長が,神殿の聖約に伴う責任が結婚生活の妨げになることはないと確信している。

これらの条件は,配偶者が教会員であるか否かにかかわらず適用されます。

27.2.1.3

知的障害のある会員

知的障害のある会員は,以下の場合に,自身のエンダウメントを受けることができます。

  • 事前に必要な儀式をすべて受けている(26.3.1参照)。

  • 儀式に伴う聖約を理解し,交わし,守ることのできる知的能力を備えている。

ビショップは会員本人と,そして適切な場合には,本人の親と相談します。また,御霊の導きを求めます。ステーク会長に相談することもできます。

27.2.2

エンダウメントを受ける時期の決定

エンダウメントを受けるという決断は個人的なものであり,祈りをもって行うべきです。エンダウメントは,受ける備えをしているすべての人に授けられる力と啓示の祝福です。会員が,以下の条件をすべて満たしている場合,自身のエンダウメントを受ける選択をすることができます。

  • 18歳以上である。

  • 中学や高校またはそれに相当する学校を卒業しているかかつて在学していた。

  • 確認を受けてから丸1年経っている。

  • 神聖な神殿の聖約を受け,生涯を通じて守りたいという望みを抱いている。

伝道の召しを受けた会員や,現在神殿で結び固めを受ける準備をしている会員は,エンダウメントを受けるべきです。

ビショップとステーク会長は,エンダウメントを受ける会員に神殿推薦状を発行する前に,その会員が神聖な神殿の聖約を理解して守る備えができていると感じる必要があります。このような資格の判断は,一人一人個別に行います。

27.2.3

エンダウメントの計画と予約

27.2.3.1

生者のための儀式用推薦状を受ける

会員が神殿に参入してエンダウメントを受けるには,生者のための儀式用推薦状を受けなければなりません。これらの推薦状について詳しくは,26.5.1を参照してください。

27.2.3.2

神殿に連絡する

自身のエンダウメントを予定している会員は,事前に神殿に連絡して,儀式の予約をするべきです。

27.2.3.3

エンダウメントを受ける会員の付添人

自身のエンダウメントを受ける会員は,同性のエンダウメントを受けている会員に依頼して,エンダウメントのセッション中に付添人として,助けてもらうことができます。付添人は,有効な神殿推薦状を持っていなければなりません。必要に応じて,神殿が付添人を準備することもできます。

27.3

夫婦の結び固め

神殿の結び固めは,夫と妻をこの世においても永遠にわたっても結び合わせます。神殿で交わす聖約に忠実であるならば,これらの祝福を受けることができるのです。この儀式を通して,夫婦の子供たちも永遠の家族の一員になることができます。

教会指導者は,神殿で結婚して結び固めを受ける準備をするように会員に勧めます。神殿での結婚が法的な効力を持たない地域では,神殿の結び固めの前に民事結婚を執り行うことができます(38.3参照)。神殿結婚を行うことにより,神殿の儀式に出席できない親や近親者が疎外感を覚えるような場合も,この手順に従うことができます。

27.3.1

神殿で結び固めを受けることのできる人

責任能力のある未婚の教会員は皆,神殿の結び固めのために備えるように勧められています。すでに民事結婚をしている人は,準備ができたらすぐに,神殿でこの世と永遠にわたる結び固めを受けるように勧められています。会員は,結び固めを受ける前にエンダウメントを受けなければなりません(27.2参照)。

神殿で結び固めを受ける男女は,(1)結び固めを受ける前に民事結婚をしているか,(2)同一の神殿儀式で結婚して結び固めを受けるかのいずれかでなければなりません。27.3.2を参照してください。

27.3.1.2

知的障害のある会員

知的障害のある会員は,以下の場合に,配偶者や婚約者との結び固めを受けることができます。

  • エンダウメントを含め,事前に必要な儀式をすべて受けている(27.2.1.3参照)。

  • 儀式に伴う聖約を理解し,交わし,守ることのできる知的能力を備えている。

ビショップは,会員本人およびその会員の配偶者や婚約者と話し合います。また,御霊の導きを求めます。ステーク会長に相談することもできます。

27.3.2

神殿結婚や結び固めの計画と予約の作成

27.3.2.1

生者のための儀式用推薦状を受ける

夫婦の結び固めを受ける会員は,生者のための儀式用推薦状を受けなければなりません。これらの推薦状について詳しくは,26.3を参照してください。

27.3.2.2

神殿に連絡する

結婚や夫婦の結び固めを予定している会員は,事前に神殿に連絡して,儀式の予約をするべきです。

27.3.2.3

結婚許可証を取得する

結婚する男女は,結婚する前に,結婚が執り行われる地域で法的に有効な結婚許可証を取得しなければなりません。結婚する男女が,同じ儀式で結婚と結び固めの両方を予定している場合,有効な結婚許可証を神殿に持参しなければなりません。

民事結婚後の結び固めを受ける夫婦は,神殿に結婚許可証を持参する必要はありません。その代わり,記録確認の一環として,民事結婚の日付と場所を証する書面を提示します。

27.3.2.4

花嫁と花婿の付添人

エンダウメントを受けた姉妹は,更衣室で手伝うために花嫁に付き添うことができます。エンダウメントを受けた兄弟も,花婿のために同様のことができます。付添人は,有効な神殿推薦状を持っていなければなりません。必要に応じて,神殿が付添人を準備することもできます。

27.3.2.5

神殿結婚や結び固めの執行者

神殿結婚や結び固めは通常,男女が結婚や結び固めを行う神殿で奉仕する割り当てを受けている結び固め執行者が執行します。家族や知人の中に,結び固めを行う権能を持ち,夫婦が結婚や結び固めを行う神殿に割り当てられている人がいる場合,その人に結び固めの執行を依頼することができます。

27.3.2.6

神殿結婚や結び固めに適切な服装

花嫁のドレス。神殿で着用する花嫁のドレスは,白色で,控えめなデザインと生地であり,過度の装飾のないものにするべきです。ドレスは,神殿ガーメントを覆うもので,薄手の生地には裏地をつけるべきです。

花嫁のドレスは,神殿で着用されるほかのドレスと同様に,長袖か七分袖にするべきです。ドレスは,結び固めの儀式の際にピンで留められるものや取り外しのできるものを除き,トレーン(引き裾)がついていないものにするべきです。

必要な場合や要望があれば,神殿がドレスを用意できることもあります。

花婿の服装。花婿は,結婚や結び固めの儀式の間,通常の神殿衣を着用します(38.5.1および38.5.2参照)。

招待客の服装。結婚や結び固めの儀式に出席する人は,聖餐会で着用しているのと同様の服装をするべきです。エンダウメントのセッションから直接結び固めに参列する会員は,儀式用神殿衣を着用することができます。

花。結婚する男女や招待客は,結婚式や結び固めの儀式の間,花を身に着けるべきではありません。

27.3.2.7

神殿結婚や結び固め後の指輪の交換

指輪の交換は,神殿の結び固めの儀式の一部ではありません。ただし,結婚する男女は儀式の後,結び固めの部屋で指輪を交換することができます。神殿内や神殿の敷地内において,それ以外の時間やそれ以外の場所で,指輪を交換するべきではありません。

結婚と結び固めの儀式を同時に行った夫婦は,神殿結婚に出席できない家族のために,後日指輪の交換を行うことができます。また指輪の交換では,神殿結婚や結び固めの儀式のどの部分も再現するべきではありません。夫婦は,神殿で結婚や結び固めを行った後に,誓いを交わすべきではありません。

神殿の結び固めを受ける前に民事結婚をした夫婦は,民事結婚式か神殿の結び固めの儀式のどちらか,あるいは両方で指輪の交換を行うことができます。

27.3.4

神殿結婚や結び固めに参列できる人

結婚する男女は,近親者と親しい友人のみを神殿結婚や結び固めに招くべきです。責任能力のある会員が参列するには,エンダウメントを受けており,有効な神殿推薦状を持っていなければなりません。

ステーク会長は,知的障害のためにバプテスマやエンダウメントを受けていない人に,生存しているきょうだいの神殿結婚や結び固めに参列する許可を与えることができます。本人は以下の要件を満たしていなければなりません。

  • 18歳以上である。

  • 儀式の間,敬虔な態度を保つことができる。

ステーク会長は,結び固めに参列することが許可されていることを伝える手紙を書きます。この手紙は神殿で提示します。

27.4

生存している子供の親子の結び固め

母親が神殿で夫に結び固められた後に生まれた子供は,その結び固めの聖約の下に生まれた子供です。聖約の子は,親子の結び固めを受ける必要はありません。

聖約の下に生まれていない子供は,実の親や養父母に結び固められることによって,永遠の家族の一員となることができます。このような子供には,聖約の下に生まれた子供と同じ祝福を受ける権利があります。

27.4.2

神殿に連絡する

自分の子供との親子の結び固めを希望する夫婦や,亡くなった親との親子の結び固めを希望する子供は,事前に神殿に連絡して,儀式の予約をするべきです。

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