霊的な知識を得る-第1部
信仰をもって行動する
マスター教義の目的の一つは,霊的な知識を得る原則を学び,実践して,イエス・キリストのようになれるようあなたを助けることです。この課の目的は,難しい問題や疑問にぶつかったときにイエス・キリストを信じる信仰に基づいて行動する具体的な原則を理解し,実践できるようになってもらうことです。
難しい問題や疑問が生じたとき
この死すべき世でわたしたちは皆,簡単には解決できない難しい問題や疑問に直面します。自分や知り合いが体験した同じような経験を考えながら,次のシナリオを読んでください。
ある若い男性は,教会の方針に疑問がたくさんあり,教会がほんとうに正しいのか疑問に思い始めています。
ある若い女性は,教会の教義に疑問を投げかけるソーシャルメディアの投稿を目にし,自分自身も教義に疑問を抱き始めています。
ある若い女性は,兄弟が不治の病に冒されたとき,彼のために祈りや祝福をささげたにもかかわらず亡くなってしまったので,祈ればほんとうにこたえてもらえるのだろうかと疑問を感じています。
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このように難しい問題や疑問に直面したときには様々な対応の仕方があります。その選択肢を幾つか挙げてください。
少し時間を取って,難しい問題や疑問に直面したときのことを思い出してください。次の質問について考えることが役に立つかもしれません:答えがうまく見つかりましたか。平安を見いだすために助けになったこと,助けにならなかったことは何ですか。
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あなた(や知り合い)が直面する問題や疑問で,簡単に解決できないのはどのようなものですか。
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天の御父がいつも答えを与えてくださるのではなく,わたしたちが答えの分からない疑問を持つことをお許しになるのはなぜだと思いますか。
疑問が生じたときには,疑問について尋ねて答えを求めるよう主がわたしたちに強く勧めておられることを思い出すことが大切です(マタイ7:7-8;ヤコブの手紙1:5-6;教義と聖約42:61参照)。質問し,答えを探し求めることは,真実を学ぶうえで欠かせません。そこで学んだことを応用し実践しながら,わたしたちはさらに救い主や天の御父に似た者になっていくのです。
次の3つの原則は,わたしたちが疑問や問題を解決しようと努め,永遠の真理の理解を深めようとする際に指針となるでしょう:
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信仰をもって行動する。
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永遠の視点から概念や疑問について調べる。
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神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。
この3つの原則はいずれも,簡単に解決できない疑問や問題に直面したときや試練に遭ったときに実行することが大切になります。
信仰をもって行動する
この課の目的は,次の原則を理解してもらうことです:信仰をもって行動していれば,疑問や問題の答えを探し求めている間も,主は平安と強さを与えてくださる。
以下の学習活動を行い,信仰をもって行動するということの意味について理解を深めてください。だれかと一緒に学べば,学んだことを説明する練習になり,ほかの人から学べるので,助けになるでしょう。
信仰をもって行動するとはどういうことか
『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」にある第1-2段落と第5-7段落,そして十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老の次の言葉を読んでください。学びながら,信仰をもって行動するということの意味と,疑問を抱いたときにこの原則を応用するのに役立つことを見つけてください。
「信仰は偶然に舞い降りて来るものでも,生得権として備わるものでもありません。……イエス・キリストを信じる信仰は,天からの賜物であり,わたしたちが信じることを選び,それを求め,それにしっかりとつかまるときに与えられます。……将来どれほどの信仰を抱くかは,偶然ではなく,選びによるのです。……
信仰は決して,すべての疑問への答えを求めたりはしません。しかし信仰は時折,『すべてのことを知っているわけではないが,主の弟子としての道を歩み続けるのには十分な知識が確かにある』ことを認識しつつ前進するための確信と勇気を求めます。
絶えず疑いを持ち,信仰の弱い人々や不信者からの答えによって疑いを育てていくと,イエス・キリストや回復を信じる信仰が弱められます。『生れながらの人は,神の御霊の賜物を受けいれない。それは彼には愚かなものだからである。』〔1コリント2:14〕……
皆さんの信仰の炎が初めは小さなものであっても,義にかなった選びによって,神へのさらに大きな信頼がもたらされ,皆さんの信仰は成長します。」
(ニール・L・アンダーセン「信仰は偶然ではなく,選びによって与えられる」『リアホナ』2015年11月号,65-67)
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疑問や問題があるときに信仰をもって行動することが大切なのはなぜだと思いますか。
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これらを読んで,信仰をもって行動することの意味について何を学びましたか。
自分が直面している難しい疑問や問題を思い出すか,あるいはレッスンの前半で紹介したシナリオを見返してください。そのいずれか一つを念頭に置き,次の質問にできるだけ詳しく答えることで,信仰をもって行動することについて学んだことを応用する練習をしましょう。
さらに学びを深める(任意)
福音に疑問を抱いてはいけないのだろうか
大管長会のディーター・F・ウークトドルフ管長は,率直な疑問を持つことの価値について次のように教えています:
「疑問を持つのは自然なことです。 率直な疑問という種は発芽して,理解という大木に育つことがしばしばあります。重大な疑問や慎重に扱うべき疑問について真剣に考えたことのない教会員がまれにいます。教会の目的の一つは,時にはそれが猜疑心や疑念という荒れ地にまかれた種であるとしても,信仰の種を養い育てることです。信仰とはまだ見ていない真実のことを待ち望むことです。
ですから,愛する兄弟姉妹,愛する友人の皆さん,自分の信仰について疑いを持つ前に,その疑いを疑ってみるよう心からお願いします。疑念のとりこになって,神の愛や平安,主イエス・キリストの信仰のもたらす賜物を遠ざけてしまうことのないようにしなければなりません。」
(ディーター・F・ウークトドルフ「ともに集いましょう」『リアホナ』2013年11月号,23)
信仰をもって行動する能力を伸ばす方法
ラッセル・M・ネルソン大管長は,信仰を強くするために行うことのできる方法について,次のように教えています:
「主を信じる信仰を働かせる度に,信仰は強くなります。これが,信仰によって学ぶということです。
例えば,世間でもてはやされる意見と対立するときでさえ,信仰をもって神の律法に従う度に,または,聖約を破る行動を称える娯楽や思想を退ける度に,わたしたちは信仰を働かせています。そうする度に信仰が強くなるのです。」
(ラッセル・M・ネルソン「信仰をもって将来を待ち望む」『リアホナ』2020年11月号,75)
信仰をもって行動する人の実生活のシナリオ
次のビデオの片方または両方を見て,難しい疑問や問題を抱えているときに信仰をもって行動するために,この人たちから学べることを見つけましょう。