1 わたしモロナイは,この北の地の面で主の手によって滅ぼされた,昔のあの民について話をすることにする。
2 わたしは,リムハイの民が発見した二十四枚の版から取ってわたしの記録とする。その版はエテル書と呼ばれている。
3 その版の記録の最初の部分には,世界の創造とアダムが造られたこと,そのときから大塔に至るまでの話,それに大塔のときまでに人の子らの中に起こったことが載っているが,この部分はユダヤ人も持っていると思うので,
4 わたしは,アダムの時代から大塔のときまでに起こったそれらの事柄については書き記さない。それらの事柄はその版に載っているので,その版を見つける者は,すべての内容を手に入れる力を持つであろう。
5 しかし見よ,わたしが記すのはすべての話ではない。塔のときから彼らが滅びるときまで,話の一部のみを記す。
6 わたしが記す話は次のとおりである。この記録を書き記したのはエテルであって,コリアントルの子孫であった。
7 コリアントルはモロンの息子であり,
8 モロンはイーサムの息子であり,
9 イーサムはエーハの息子であり,
10 エーハはセツの息子であり,
11 セツはシブロンの息子であり,
12 シブロンはコムの息子であり,
13 コムはコリアンタムの息子であり,
14 コリアンタムはアムニガダの息子であり,
15 アムニガダはアロンの息子であり,
16 アロンはヘテの子孫であり,ヘテはヒアルサムの息子であり,
17 ヒアルサムはリブの息子であり,
18 リブはキシの息子であり,
19 キシはコロムの息子であり,
20 コロムはレビの息子であり,
21 レビはキムの息子であり,
22 キムはモリアントンの息子であり,
23 モリアントンはリプレーキシの子孫であり,
24 リプレーキシはシェズの息子であり,
25 シェズはヘテの息子であり,
26 ヘテはコムの息子であり,
27 コムはコリアンタムの息子であり,
28 コリアンタムはイーマーの息子であり,
29 イーマーはオメルの息子であり,
30 オメルはシュールの息子であり,
31 シュールはキブの息子であり,
32 キブはオライハの息子であり,オライハはヤレドの息子であった。
33 ヤレドは彼の一人の兄弟と彼らの家族,および何人かのほかの人々と彼らの家族と一緒に,大塔のある所から出て来た。それは,主が民の言語を乱し,また激しく怒って民を地の全面に散らすと誓われたときのことである。そして,主の言葉のとおりに民は散らされた。
34 ヤレドの兄弟は体の大きな強い人であり,主から大いに恵みを受けていた人であったので,彼の兄弟ヤレドは彼に言った。「主がわたしたちの言語を乱して,わたしたちが自分たちの言葉を理解できなくなることのないように,主に祈り願ってほしい。」
35 そこで,ヤレドの兄弟が主に叫び求めたところ,主はヤレドを哀れんで,ヤレドの言語を乱されなかった。そのため,ヤレドと彼の兄弟には言語の混乱はなかった。
36 その後,ヤレドは彼の兄弟に言った。「もう一度主に叫び求めてほしい。そうすれば,主はわたしたちの友である人々から怒りを解いて,彼らの言語を乱されないかもしれない。」
37 そこでヤレドの兄弟が主に叫び求めたところ,主は彼らの友人たちとその家族も哀れんで,彼らの言語も乱されなかった。
38 そして,ヤレドは再び彼の兄弟に言った。「主がわたしたちをこの地から追い出すおつもりかどうか,行って主に尋ねてほしい。そして,もし主がわたしたちをこの地から追い出すおつもりであれば,わたしたちはどこに行くのか,主に祈って尋ねてもらいたい。主は,全地の中でえり抜きの地に,わたしたちを連れ出してくださるかもしれない。もしそうであれば,わたしたちはそこを受け継ぎとして頂けるように,主に忠実であろうではないか。」
39 そこでヤレドの兄弟は,ヤレドの口を通して述べられたとおりに主に叫び求めた。
40 そこで主は,ヤレドの兄弟の祈りを聞き,彼を哀れんで言われた。
41 「行って,あなたの家畜の群れを全種類雄も雌も集め,また地の種も全種類にわたって集めなさい。また,あなたの家族と,あなたの兄弟ヤレドと彼の家族,あなたの友人たちと彼らの家族,ヤレドの友人たちと彼らの家族を集めなさい。
42 そして,あなたはこれを終えたら,彼らを率いて北方にある谷に下って行きなさい。そこでわたしはあなたに会おう。そして,わたしはあなたの前を行き,地のあらゆる土地に勝ったえり抜きの土地へとあなたを導こう。
43 そしてわたしは,あなたとあなたの子孫をそこで祝福し,またあなたの子孫と,あなたの兄弟の子孫と,あなたがたとともに行く者たちの子孫から,わたしのために一つの大いなる国民を起こそう。わたしがあなたがたの子孫からわたしのために起こす国民よりも大いなる国民は,地の全面に一つもないであろう。わたしがあなたにこのように行うのは,あなたがこのように長い間わたしに叫び求めてきたからである。」