依存症という疫病を克服する
依存症を理解することは，それを克服するための重要なステップです。しかし，主に頼り，主はわたしたちを癒すことがおできになると信じることも必要です。
イラスト／Getty Images，アイコン／アウグスト・ザンボナト
だれかが依存症に苦しむとき，希望があるということを知ることが重要です。世界中には日々，自分を捕らえて放さない物質や行動に打ち勝ち，自由を手に入れる人がいます。本人の集中的な努力が必要ですし，依存症のサイクルに捕らわれている人それぞれの要因を理解することも必要です。また，自由に至る道において神が霊感を与えてくださると信じることも重要です。
38年間，人々が依存症を克服するのを助ける中で，わたしは依存症に対する理解と対処方法が改善されるのを目にしてきました。この進化は今後も続くものと予想しています。依存症を解明する科学の分野に身を置く人々は難題に直面していますが，前進を続けています。ここで提示する情報は，今日わたしたちが知っていることを基にしたものです。今後，さらなる光と知識が引き続きもたらされると確信しています。
依存症を理解する
依存症との闘いは，胸を締め付けるような奮闘ですが，最初の一歩は，自分自身が依存症を理解することです。以下に，このテーマへの理解を深めるための重要なアイデアを幾つか挙げます。
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の始まりはただの接触ですが，やがて依存状態へと至ります。連続したつながりのどこにいようとも，選択の自由を行使し，常習行為を断つ道を見いだすことができます。
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人に依存者のレッテルを貼ることは，その人の長期的な進歩を阻害しかねません。常習化の初期においては，特にそうです。「立ち直ろうとしている」と呼ぶ方が役立つでしょう。それは「永遠に罪の中にとどまる」のではなく「救い主とその贖罪に頼ってさらに救い主のようになることを選んでいる」状態を意味します。
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すべての依存症には，幾つかの構成要素があります。生物学的（遺伝，脳内科学物質など），心理的（自尊心，人格特性，外傷後ストレスなど），社会的（両親，友人，文化など），霊的（個人や家族の宗教的慣習など）な要素です。これらの構成要素の組み合わせは，それらに関連する長所や強みも含め，十人十色です。良くない行為から解放するには，その人を全体として捉え，それぞれの構成要素について，具体的かつ個別に目を向ける必要があるかもしれません。
生物学的
心理的
社会的
霊的
依存症に至る道にいることを示すしるし
以下は，習慣から衝動へ，そして依存へと至る道にいるかもしれないことを示す指標です。
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執着—有害な物質や行動が徐々に支配するようになるにつれ，健全な活動への関心が薄れていく。
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欲求が強まる—徐々に，より多くを求めるようになる。
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秘密主義—自分の決意や行動をほかの人に知られたくないと思うようになる。
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否定—依存性が増していることについて自分を偽り，自分自身のうそを信じる。
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離脱症状—有害な物質を手に入れたり有害な行為をしたりできなくなると，健康状態や精神状態が悪化する。
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依存の状態に戻る—生活に悪影響を及ぼしていることを認識しているにもかかわらず，その物質や行動に戻る。
さらに，通常，常習行為がいったん始まると，当人は自分が依存症の連続したつながりのどこにいるかを正確に見極められなくなります。愛する人が依存症の道にいるかどうか考えている人向けに，地域社会にもインターネットにも役立つリソースがたくさんあります。
治療法を見つける
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変わるための責任は，それぞれ個人が負わなければなりません。家族や友人は応援することはできますが，ほかの人の選択の自由に介入することはできません。変わりたいという望みが本人にないならば，いかなる形の治療も成功には至らないでしょう。
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立ち直りに至る道筋は，人により異なります。前述したように，4つの固有の構成要素に関連する強みや弱さがあるので，だれにでも有効な一つの対処法というものは存在しません。個人の学習や，専門家との相談，解決法が見つかるまで辛抱するという決意こそが，やがて成功へとつながります。
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依存症が解決されない間，その人の生活は荒廃しますが，愛する人々もまた負の影響を受けます。このような愛に満ちた支援者にも，支援と配慮が必要です。
影響を受けた人が望むならば，神はこの試練を彼らから取り除く力をお持ちですが，神は無限の知恵により，彼らが神と共同で解決に向かうときに学ぶべきことを備えられています。依存症から抜け出したすべての人は，悪習に対する勝利を通して学んだことが何かを証できます。