デジタル版のみ：ヤングアダルト

聖約に従う生活：帰還宣教師のためのガイド

サディー・テイラー・ジェンクス

どうすれば，帰還後家庭に順応することができるでしょうか。

宣教師ならだれでもこんな疑問を持ちます。「伝道後も強い証を維持するにはどうすればよいだろうか。」伝道中に毎日大切にして教えていた真理を帰還後に失いたいと思う人などいません。宣教師は小さなホワイトブックに載っているルールの範囲内で生活している間，感動的な経験をします。

しかし，伝道部のスケジュールは家庭生活のスケジュールとは似ても似つかないものです。

宣教師は，なつかしい家に帰ると，まったく違った世界に放り込まれたような気持になります。それでは，帰還宣教師は宣教師の生活スタイルをやめてからもイエス・キリストの福音に忠実に生きるために，どうすればよいのでしょうか。いやが応でも宣教師は毎日6時半に起床して四六時中同僚とともに行動し，道で出合うすべての人に証をしますが，宣教師の名札を外して実社会に戻ると，これはすべて過去のものとなります。

わたしはアメリカ合衆国アラスカ州で伝道しました。帰還する1か月ほど前に，伝道部会長からこう言われました。「あなたはもう永遠にフルタイムの宣教師になることはありません。実際，フルタイムの宣教師でいられるのは，人生の中で非常に短い間だけなのです。しかし，フルタイムで聖約を守るという責任は，永遠に続きます。」

この言葉でわたしは変わりました。先のことを考えると，家に帰る準備とは，宣教師の名札を外すための準備ではないことが分かりました。伝道で学んだこと，経験したことを生かして，自分の交わした聖約を守るということなのです。

これが分かってから，わたしは祈ってリストを作り始めました。紙に線を1本縦に引いて，左側に「伝道部の生活とルール」と書き，右側には「交わした聖約を守る」と書きました。関連のある事柄を同じ行に書いて，対称的な行動が左右に並ぶようにました。伝道の最後の日に，わたしはこの紙を手に取ると，縦半分に切りました。そして，伝道中ずっと自分のすべてをかけて守ってきたルールの部分をたたんで捨てたのです。聖約を書いた側の紙は取っておいて，家に帰ってから自分の部屋の壁に貼りました。

このリストは，伝道から帰ってからの生活に順応する際に，交わした聖約を毎日覚えておくのに役立ちました。これから紹介するリストには，わたしにとって役に立ったアイデアも含まれており，皆さんのお役にも立つかもしれません。

伝道部の生活とルール	交わした聖約を守るためのアイデア
毎朝６時30分に起床する。	自分の生活を神にささげる努力をする。早起きして，目的を持って一日を送れるようにする。
求道者やあまり教会に来ていない会員を毎日訪問する。	悲しむ者とともに悲しみ，慰めの要る人を慰めるよう努力する。自分の周りにいる人を知り，訪問し，愛する。
名札を付け，宣教師らしい服装をする。	わたしはエンダウメントを受けたおかげで，ガーメントを身に着けるという祝福にあずかっている。身に着けているガーメントを尊重する服装を心がけながら，普通のファッションに戻る喜びを味わう。
宣教師集会に毎週行く。	交わした聖約を新たにする機会があるのだから，準備して毎週聖餐を取る。
出合うすべての人に話しかけて証する。	わたしは救い主のような者になるよう努めるという聖約を交わしている。主を覚えて主の戒めを守るという約束を交わしているのだから，わたしには主の御霊がいつもともにある。わたしはどんな人にも神の子として接し，御霊に従って彼らを助け，彼らに奉仕する方法を知るようにする。
デート（およびその他のあらゆる恋愛関係）禁止。	わたしは神殿で結び固められるという目標に向かって努力し，同じ目標を持つ人とデートして，ほかの人たちと有意義な人間関係を築く。
ソーシャルメディア，テレビ，映画，友達とぶらぶら過ごすことなどは禁止。	メディアを賢く使って学び，ほかの人の成長を助け，人生を楽しむ。
聖文を1日2時間研究する。	わたしは聖文研究から得られる御霊と知識を愛している。わたしは毎日10分以上聖文を研究する。

わたしは伝道に出ることによって，聖約を守る備えが，想像できないような方法でできました。現在は，強い証を持ち続けるために必要なことを行っています。伝道はゴールでもなければ，帰還したら忘れてしまうものでもありません。伝道は，聖約を守り，生涯キリストの弟子として生きる人生に飛び込むための，踏切り板にすることができます。自分が交わした聖約をほんとうに理解しているか，それを大切にしているか，それに従った生活をしているかを，時間を取って考えてみてください。その聖約はわたしたちと天の御父とを結び，天の力を与え，日々の生活に非常に大きな光を与えてくれます。