2021
わたしたちは相違点があっても分裂する必要はない
2021年9月号


デジタル版のみ:ヤングアダルト

わたしたちは相違点があっても分裂する必要はない

わたしは信条の異なるある友人との関係を築いていくのに苦労していました。神の愛がどうすればよいのか示してくれました。

抱き合う二人の女性

人との関係を築いていくことに関して言えば,わたしたちに与えられたその最良の答えは,救い主の形をとってやって来ました。「神はそのひとり子を賜わったほどに,この世を愛して下さった。」(ヨハネ3:6;強調付加)

解決できないように思える疑問や,気まずい対立などの間にいることに気づいたときはいつでも,イエス・キリストに心を向けます。すると主からあふれ出る平安と愛によって慰められます。主の愛はわたしのむなしさを埋めてくださいます。

親友から教会を去ることを告げられたとき,わたしが受けた答えはイエス・キリストの愛でした。この決断を下す前に,親友は心からの疑問をわたしに話してくれて,わたしの意見を求め,彼女が感じていた心の痛みについて打ち明けてくれました。親友の痛みは現実のもので,彼女の疑問は心からのものでした。わたしは彼女に耳を貸すことができて光栄に思いました。けれども,わたしが伝えた考えは,しばしば彼女に伝わらなかったように思われました。

どのように彼女を支えたらよいのか分からないまま,会話を終えました。特にある会話の中で,自分でもよく分かっていないと感じていたことについて彼女から真剣に尋ねられ,どう答えてよいか困っていると,心の内を見抜かれてしまいました。彼女がこう言ったのを覚えています。「エミリー,あなたはほんとうはそんなこと信じていないでしょ。信じていないって分かってるわ。」

彼女の言うとおりでした。

そのやり取りの後,わたしは親友との友情関係から身を引いているような気がしました。わたしは彼女と霊的な事柄について話し合うことに気まずさを感じ,二人の考えの違いと,完全な答えがない自分にいら立ちを感じました。わたしは絶望していました。答えがないことを恐れて,わたしは次第に彼女の福音の疑問について尋ねなくなり,友達でいるには違いすぎると思い始めました。

親友の(そしてわたしの)質問に対する答えを見つけるうえで,最も大切な答えを忘れていました。それは,神はこの世を愛してくださったということです。そして神はわたしの友人も愛してくださっているのです。そのことに気づくまでに数か月かかりました。

2020年10月の総大会の説教の中で,大管長会第一顧問のダリン・H・オークス管長は次のことを再認識させてくれました。「〔互いに〕愛し〔合い〕なさいという救い主の教えは,すべての人が神の愛する子供であるという現実を基にしています。」オークス管長は,話の結びで,この知識によって得られる次の視点を再認識させてくれました。「すべての人が神の子供であると知ることによって,わたしたちは,ほかのすべての人の価値……に関して,神聖なビジョンが得られます。」1

この言葉にわたしは心を打たれました。もちろん,この教えは基本的な真理です。しかし,わたしは教会から離れていく友人とのやり取りの中で,この真理を無視していたことに気がつきました。

信条の違いがあったとしても,わたしの友人が神の愛する子供であると知ることによって,すべてが変わりました。

友人からとても遠く離れていると感じながら何か月かたちましたが,わたしはその真理に気づくとすぐに彼女に電話し,神の愛を彼女に伝えました。そして彼女から距離を置いていた理由を説明することができました。わたしは,自分にとってとても大切なものが敬意をもって扱われなかったように感じることがなぜつらいのかをはっきりと伝えました。幸い,友人は理解を示してくれて,わたしたちは互いに謝りました。わたしたちは二人の友情が大切であることと,わたしたちの類似点は相違点よりも強いということについて話しました。わたしは友人に,自分の標準と信仰を維持しながらも彼女に会いたいと望んでいること,また,互いに支え続けていくことができるように望んでいることを伝えました。彼女が同意してくれたとき,わたしは心から感謝しました。

ゾーラムがニーファイの「真の友」(2ニーファイ1:30)であったように,わたしもわたしたちの違いにかかわらず,彼女の親友でありたいと望んでいます。

わたしは神の愛に感謝しています。神の愛はとても純粋で,力強く,至るところにあるので,難しい会話の中にあってもわたしたちとともにいてくださることに感謝しています。すべての人が神の愛を感じることができることに感謝しています。神の愛によってわたしたちが完全に互いに愛し合うことができることに感謝しています。何と神聖で,筆舌に尽くし難い愛でしょう。

  1. ダリン・H・オークス「愛と律法」『リアホナ』2020年11月号,28-29