「午前6時の宣教師」『For the Strength of Youth—青少年の強さのために』2021年6月号,6-7
わたしに従ってきなさい教義と聖約60章と62章
午前6時の宣教師
なぜ今夜自分が携帯電話でのメッセージのやり取りをもうやめなければならないのか,その理由をまさに友達に伝えようとしたとき,御霊が少し後押しをしてくださいました。
子供のころから,わたしはずっと会員宣教師になりたいと思っていました。自分たちと同じ信仰を持たない人々と福音を分かち合うことがいかに大切かを,わたしは知っていました。そうした機会が訪れるよう祈ってさえいました。けれども,わたしの知り合いの中には,末日聖徒イエス・キリスト教会に興味を持っている人は一人もいませんでした。大きな変化が訪れたのは,高校に入学してロビーに出会ったときのことです。*
わたしとロビーは,市民劇場のミュージカルに出演したことがきっかけで友達になりました。公演が終わった後も,わたしたちは連絡を取り合い,時々一緒に遊んでいました。
ある夜,わたしたちは携帯電話でメッセージのやり取りをしていました。翌朝は早朝セミナリーがあったので,わたしはもうやめてベッドに入る必要がありました。
「チャットをしてくれてありがとうね。でも明日早起きしなくちゃいけないの!」わたしはそうメッセージを送りました。
「どのくらい早いの?」ロビーが聞きました。
「朝の5時半。」わたしは返信しました。理由を説明した方がいいのかどうか迷いましたが,分かち合いなさいと,御霊が少し後押しをしてくださるのを感じました。
「早朝セミナリーが午前6時からあって」とわたしは伝えました。「わたしが通っている教会のクラスなんだけど,学校に行く前に,聖文を研究したり,神様について学んだりしてるんだよ。クラスの後は,いつもすごくいい気分になるの。」
そのとき,わたしはまた少し後押しされるのを感じました。「今度一緒に行こうよ。」わたしはそう書いて送りました。
わたしがセミナリーについて説明すると,ロビーは張り切ってこう言ってきました。「それいいね!そこなら自転車で行けるよ。明日行ってみようかな。」
わたしは最初,ロビーはふざけているのだろうと思っていました。けれども翌朝,午前6時少し前に父とわたしが車で駐車場に入ると,そこには自転車を支えて教会の外で待つロビーがいたのです。わたしはびっくりしました。
その日,クラスでは旧約聖書を研究しながら,神殿について学びました。ロビーはレッスンの間ずっと夢中になって聞いていました。ロビーはどの写真もとても気に入り,神殿がわたしたちを神や家族とどのように結びつけてくれるかについて生徒たちみんなから学び,とても楽しんでいました。
教師やほかの生徒たちは,事前に何も聞いていなかったにもかかわらず,ロビーを歓迎してくれました。ロビーはその学年の終わりまで出席を続けました。青少年の活動にも何度か参加しました。わたしのワードやステークのほかの青少年とも友達になりました。その年度の終わりには,年度末のセミナリーのファイヤサイドに,わたしたちと一緒に出席しました。
夏になって,わたしたちの家族は別のワードに移りましたが,学校がまた始まると,ロビーはセミナリーへの出席を継続し,クラス中がまたロビーを歓迎しました。
ロビーは教会員にはなりませんでしたが,それ以降,顔を合わせたときには,いつでもわたしとの良い経験について話してくれます。
ロビーをセミナリーに誘った経験から,福音を分かち合うことは,友達に宣教師と会うよう勧めることだけを意味するのではないということを学びました。実際,誘った相手が教会に入ることはないかもしれません。教会員としてのあなたの生活でどんなことが起こっているのかを伝えるという,ちょっとした行いでもよいのです。そして,もしそれが相手の興味を引くようであれば,自分で確かめてみるよう招くことができます。
あなたがもし福音を分かち合う機会を探しているなら,今いる場所で,あなたがすでに行っていることから始めてみてください。キリストに近づくために行っていることを紹介することを通じて,あなたの信じていることや証を伝える簡単な方法はたくさんあります。御霊を信頼するなら,御霊はきっとあなたを導いてくださるでしょう。