2010–2019
教会のための啓示,わたしたちの人生のための啓示
2018年4月


20:27

教会のための啓示,わたしたちの人生のための啓示

導き,指示し,慰める,変わることのない聖霊の影響力がなければ,これから先,霊的に生き残ることはできなくなるでしょう。

この総大会の日曜日に皆さんとともに復活祭を祝えるのは何と栄えある特権でしょう。この地上で起こった最も重要な出来事を記念するために,地上に生を受けた中で最も偉大な御方を礼拝することほど,ふさわしいことはありません。わたしたちは末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として,ゲツセマネの園で無限の贖罪の業を始められた御方を礼拝します。主はわたしたち一人一人の罪と弱さのために,「あらゆる毛穴から血を流〔す〕」ほどの苦しみを進んでお受けになりました。主はカルバリの十字架につけられ,3日目によみがえり,天の御父の子供の中で最初に復活した者となられました。わたしは主を愛しています。そして主が生きておられることを証します。この主の教会を導いておられるのは主御自身です。

贖い主の無限の贖罪がなければ,天の御父のみもとに帰る望みを持てる人は一人もいないでしょう。救い主の復活がなければ,死をもって終わります。救い主の贖罪のおかげで,すべての人に対して永遠の命への可能性が開かれ,不死不滅が現実のものになったのです。

2018年1月2日の夜遅く,トーマス・S・モンソン大管長が幕のかなたに旅立ったという電話を受けて目覚めたとき,主のたぐいない使命と,御自身に従う者に主がお与えになる平安のおかげで,妻のウェンディーとわたしは慰めを得ました。

ラッセル・M・ネルソン大管長とトーマス・S・モンソン大管長

わたしたちはモンソン大管長がいなくて実に寂しい思いをしています。大管長の生涯と業績をたたえます。霊の巨人であるモンソン大管長は,彼を知るすべての人と,彼が愛した教会に,色あせることのない印象を残しました。

2018年1月14日日曜日に,ソルトレーク神殿の階上の部屋で,主によって定められた簡潔ながらも神聖な方式で,大管長会が再組織されました。その後,昨日午前中の聖会で,全世界の教会員が手を挙げて,使徒たちによって先になされた決断を正式に確認しました。支えてくださるという皆さんの支持にへりくだり感謝いたします。

また,これまでにこの職にあった方々に感謝します。わたしは34年にわたって十二使徒定員会で奉仕し,これまでの16人の大管長のうち10人を直接知るという特権にあずかり,その一人一人から多くのことを学びました。

先祖からも大きな恩を受けています。わたしの曾祖父母は8人全員がヨーロッパで改宗し,信念の固いその一人一人がシオンに来るためにすべてを犠牲にしました。しかし,それに続く世代の中で,すべての先祖が同じように忠実であったわけではありません。その結果,わたしは,福音を中心とした家庭では育ちませんでした。

ネルソン大管長の両親
若いころのネルソン大管長の家族

わたしは両親をこよなく愛していました。二人はわたしにとってかけがえのない人で,非常に大切な教訓を与えてくれました。二人がわたしたちきょうだいのために築いてくれた幸せな家庭生活については,いくら感謝しても足りません。しかし,幼いながらも,わたしは何かが欠けていると知っていました。ある日,路面電車に飛び乗ると,この教会に関する本を探しに,LDSブックストアに行きました。わたしは福音について学ぶのが大好きでした。

知恵の言葉を理解するにつれて,両親にもその律法に従ってほしいと思うようになりました。まだ幼かったある日のこと,わたしは自宅の地下室に行き,お酒の瓶を1本残らずコンクリートの床に投げつけて割ってしまいました。罰を受けるだろうと思いましたが,父は一言も言いませんでした。

わたしは成長し,天の御父の計画の壮大さが分かり始めると,よく次のような独り言を言いました。「もうクリスマスプレゼントは要らない。ただ両親に結び固められたい。」その切なる願いは,両親が80歳を超えるまでかないませんでしたが,でも実現しました。その日感じた喜びを十分に表現することはできません。両親が互いに結び固められ,わたしが二人に結び固められた喜びを,わたしは毎日感じています。

ラッセル・ネルソンとダンツェル・ネルソン

1945年,医科大学に通っていたとき,ソルトレーク神殿でダンツェル・ホワイトと結婚しました。すばらしい9人の娘とかけがえのない一人息子に恵まれました。今,家族はますます増え,人生最大の喜びの一つとなっています。

ネルソン大管長夫妻と娘たち
ネルソン大管長と息子

2005年,結婚して60年近くが過ぎた後,愛するダンツェルが思いがけず神のみもとに召されました。しばらくの間,わたしは悲しみの淵に沈みましたが,復活祭のメッセージと復活の約束が支えてくれました。

ウェンディー・ネルソンとラッセル・M・ネルソン

その後,主はウェンディー・ワトソンをわたしの傍らに連れて来てくださり,わたしたちは2006年4月6日,ソルトレーク神殿で結び固められました。ウェンディーを心から愛しています。卓越した女性であり,わたしや家族,そして教会全体にとって大きな祝福となっています。

これら一つ一つの祝福がもたらされたのは,聖霊の促しを求め,それに聞き従った結果です。ロレンゾ・スノー大管長はこう言いました。「これは,すべての末日聖徒にとってこの上ない特権です。日々の暮らしの中で御霊の現れを受けること〔は〕わたしたちの権利〔です。〕」

教会の大管長という新しい召しを受けて以来,御霊が繰り返し心に刻みつけてくださったことの一つは,主が御自分の思いと御心をいかに喜んで明らかにしたいと願っておられるかということです。啓示を受けるという特権は,神が御自分の子供たちにお与えになる最も偉大な賜物の一つです。

わたしたちのあらゆる義にかなった求めにおいて,主は聖霊の示しを通して助けてくださいます。手術室で横たわる患者の傍らに立ち,前例のない処置をどう行うべきか確信がなかったとき,聖霊がその方法をわたしの心に図解してくださるという経験をしたことを覚えています。

ウェンディーにプロポーズしたとき,足もとを固めるために,「わたしは啓示が何か知っているし,受け方も分かっているよ」と言いました。すばらしいことに,また実に彼女らしいことだと分かってきましたが,ウェンディーはすでに自分で啓示を求めて受けていたので,「はい」と言う勇気を得ていました。

十二使徒定員会会員として,わたしは日々啓示を求めて祈り,主が心と思いに語りかけてくださる度に主に感謝しました。

それがどれほどの奇跡かを想像してみてください。教会の召しが何であれ,わたしたちは天の御父に祈り,導きと指示を受けることができます。危険や心を迷わせるものに対する警告を受けることができ,自分の力だけでは成し得なかったことを達成できるようになるのです。実際に聖霊を受けて,主の促しを見分け理解するようになると,大きなことについても小さなことについても導かれます。

先だってわたしは2人の顧問を選ぶという圧倒されるような課題に直面し,愛し尊敬する12人の中からどうやって2人だけを選べるだろうかと思いました。

良い霊感は良い情報に基づくと知っているので,祈りを込めて一人一人の使徒と個別に話をしました。その後,一人で神殿の個室にこもり,主の御心を求めました。主がわたしに,大管長会顧問として,ダリン・H・オークス管長とヘンリー・B・アイリング管長を選ぶように指示してくださったことを証します。

同様に,主の使徒として聖任されるよう,ゲレット・W・ゴング長老とウリセス・ソアレス長老の召しを,主が霊感によって示してくださったことを証します。わたしは,そしてわたしたちは,お二人をこの特有の奉仕に携わる兄弟の輪に歓迎いたします。

大管長会と十二使徒定員会から成る評議会として話し合うとき,その部屋は啓示の部屋となります。明らかに御霊がそこにあります。複雑な問題に取り組みながら,一人一人の使徒が自分の考えと見解を自由に述べる中で,心躍るプロセスが繰り広げられます。最初の見解は異なったとしても,互いに対する愛は一貫しています。一致することで,教会に対する主の御心を識別することができます。

わたしたちの集会では,採決は決して多数決では行われません。よく祈りながら互いの言葉に耳を傾け,一つになるまで話し合います。そして完全な調和に達するとき,背筋がぞくぞくするような,わたしたちを一つにする聖霊の影響力を感じます。預言者ジョセフ・スミスが「気持ちを一つにすることによって神の力を得るのです」と教えたとおりのことを経験します。大管長会と十二使徒定員会の会員で,主の教会に関する決断を自分の最善の判断だけで下す者は一人もいません。

兄弟姉妹の皆さん,わたしたちはどうしたら,主が必要としておられるような人物,キリストのように仕える者となれるでしょうか。わたしたちを当惑させる疑問への答えを,どうすれば見いだせるでしょうか。聖なる森でのジョセフ・スミスの並外れた経験から学べることは,天は開かれており,神は御自分の子供たちに語りかけてくださるということです。

預言者ジョセフ・スミスは規範を示してくれました。わたしたちはその規範に倣って疑問を解消することができます。知恵に不足しているなら神に願い求めることができるというヤコブの約束に心を引かれた少年ジョセフは,疑問を天の御父に直接尋ねました。ジョセフは個人の啓示を求めました。そして求めたことで,この最後の神権時代が開かれました。

同様に,皆さんが求めることで,何が開かれるでしょうか。皆さんはどんな知恵に不足していますか。どんなことを知り,理解することが,差し迫って必要であると感じていますか。預言者ジョセフの模範に従ってください。繰り返し行くことのできる静かな場所を見つけてください。神の御前にへりくだってください。天の御父に心を注ぎ出してください。御父に頼って答えと慰めを求めてください。

心配事や恐れ,弱さについて,イエス・キリストの御名によって祈ってください。そうです,心の切なる思いについて祈ってください。その後で耳を傾けてください。心に浮かんだ考えを書き留めてください。感じたことを記録し,それに従って,促しを受けたとおりに行動してください。来る日も来る日も,年月を重ねて,このプロセスを繰り返すときに,「啓示の原則が身に付いて」くるでしょう。

神はほんとうに皆さんに語りかけたいと思っておられるでしょうか。そのとおりです。「全能者が末日聖徒の頭に天から知識を注ぐのを人が妨げようとするのは,人がそのか弱い腕を伸べて,定められた水路を流れるミズーリ川をとどめようとするようなもの」です。

何が真実かと迷う必要はありません間違いなく信頼できるのはだれかと迷う必要もありません。個人の啓示を通して,モルモン書が神の御言葉であること,ジョセフ・スミスが預言者であること,この教会が主の教会であることについて,自分自身の証を得ることができます。だれが何を言い,何をするとしても,皆さんの心と思いに何が真実かを告げた証を取り去ることは,だれにもできません。

個人の啓示を受ける皆さんの現在の霊的な能力をさらに伸ばすように,強くお勧めします。なぜなら,主はこう約束しておられるからです。「あなたは求めれば,啓示の上に啓示を,知識の上に知識を受けて,数々の奥義と平和をもたらす事柄,すなわち喜びをもたらし永遠の命をもたらすものを知ることができるようになるであろう。」

天の御父が皆さんに知ってほしいと望んでおられることは,はるかにたくさんあるのです。ニール・A・マックスウェル長老はこのように教えました。「見る目と聞く耳を持つ人に,御父と御子が宇宙の奥義を明かしておられることは明白です。」

天を開くために何よりも強力な組み合わせは,清さを増すこと,完全に従順であること,熱心に求めること,モルモン書に記されたキリストの御言葉を日々味わうこと,そして神殿・家族歴史活動に一定の時間を割くことです。

確かに,天が閉じていると感じるときもあるでしょう。しかし,わたしは約束します。皆さんが引き続き従順であり,主が授けてくださるすべての祝福に感謝を表し,主がよしとされる時を忍耐をもって尊ぶときに,皆さんの求める知識と理解を与えられるでしょう。主が皆さんのために用意しておられるすべての祝福が,奇跡でさえも,やがてもたらされるでしょう。個人の啓示によって皆さんにそれが起こります。

わたしは将来を楽観的に見ています。将来はチャンスに満ちていて,わたしたち一人一人が進歩し,貢献し,地の四隅に福音を携えて行く機会が豊かにあるでしょう。しかし,これから訪れる時代に甘い考えを持っているわけではありません。わたしたちは複雑で争いの激化する世に住んでいます。ソーシャルメディアに常にさらされ,24時間やむことのないニュースの嵐が容赦なく襲いかかります。真理を攻撃する無数の声や人の哲学をふるいにかけたいと思うなら,啓示を受けられるようにならなければなりません。

救い主,贖い主イエス・キリストは,今から再びおいでになる時までの間に,最も力強い業を幾つかなされるでしょう。わたしたちは,父なる神と御子イエス・キリストが尊厳と栄光のうちにこの教会を管理されることを示す奇跡的なしるしを見るでしょう。しかし,導き,指示し,慰める,変わることのない聖霊の影響力がなければ,これから先,霊的に生き残ることはできなくなるでしょう。

愛する兄弟姉妹の皆さん,啓示を受ける霊的な能力を伸ばすように,切にお願いします。この復活祭の日曜日が,皆さんの人生を動かす決定的な時となりますように。聖霊の賜物を享受するために,そしてもっと頻繁に,もっとはっきりと御霊の声を聞くために求められる霊的な業を行うことを選んでください。

この復活祭の安息日に,モロナイと声を合わせ,「キリストのもとに来て,あらゆる善い賜物を得るように」皆さんに勧めます。まず,聖霊の賜物から始めてください。この賜物は皆さんの人生を変えることができますし,実際に変えるでしょう。

わたしたちはイエス・キリストに従う者です。聖霊が皆さんに常に証される最も重要な真理は,イエスが生ける神の御子キリストであられるということです。イエスは生きておられます。主は御父に対するわたしたちの弁護者であり,模範であり,贖い主です。この復活祭の日曜日に,わたしたちは主の贖いの犠牲と,文字どおりの復活と,神聖な使命を記念します。

この教会は,預言者ジョセフ・スミスを通して回復された,主の教会です。このことを証し,皆さん一人一人への愛をお伝えします。イエス・キリストの聖なる御名により,アーメン。