総大会
行動し,より良い弟子となる信仰
2021年10月総大会


8:40

行動し,より良い弟子となる信仰

祈りと聖典学習,行動を通して天の鍵を開け,救い主イエス・キリストのより良い弟子となることができます。

中央幹部七十人に召されてから直ぐに,わずかな時間でしたが,ラッセル・M・ネルソン大管長と話をする機会がありました。カフェテリアでばったり会ったのですが,S・マーク・パーマー長老とわたしに,親切にも,昼食を一緒に取りませんか,と声をかけてくれました。

「預言者と一緒の昼食で,何を話せばいいんだろう。」そんな思いが浮かびました。わたしは召しを受けたばかりだったので,何か助言や指導はないかネルソン大管長に尋ねることにしました。大管長の答えはシンプルでストレートなものでした。わたしを見て,こう言いました。「シュマイル長老,あなたが召されたのは,あなたがなれる人物になるためですよ。」その経験以来,主がわたしにどのような者になってほしいと思われているか,深く考えました。その結果,わたしが気づいたことは,主はわたしがより良い夫,父親,息子,より良い僕になることを望んでおられるということでした。そして,救い主イエス・キリストのより良い弟子となる努力をしていけば,そのどれもが達成できるということが分かりました。

前回の総大会でネルソン大管長は言いました。「どんなことであれ良い結果を出すには,努力が必要です。イエス・キリストの真の弟子になることも,例外ではありません。」1ネルソン大管長は,イエス・キリストのより良い弟子になるために熱心に務めるよう,招いています。救い主のようになるには,求め,行動し,学び,そのほかのことを行って,信仰を強める必要があると語りました。

1.求める

大管長は「イエス・キリストの御名によって,天の御父に助けを求める」ようにと言いました。2祈りによって尋ね求めることは,イエス・キリストのまことの弟子となる方法を知るための,鍵の一つです。

アメリカ大陸のニーファイ人の間でのイエス・キリストの務めが終わりに近づいたころ,主は天に昇って行かれました。後に弟子たちは一つに集まって,「熱烈に祈り,断食をし〔ていまし〕た。そして,彼らがイエスの名によって御父に祈っていると,イエスが再び彼らに御自身を現され〔まし〕た。」3イエスはなぜ弟子たちに,再び御姿を現わされたのでしょうか。それは彼らが,祈ったからです。彼らは求めていました。

続けて主は,こう言われます。

「さて,わたしは父のみもとに行くが,まことに,あなたがたに言っておく。あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは何であろうと,あなたがたに与えられる。

だから,求めなさい。そうすれば与えられるであろう。たたきなさい。そうすれば開かれるであろう。求める者には与えられ,たたく者には開かれるからである。」4

主の御心を知るには信仰をもって求め,主がわたしたちにとってより良いものを御存じである,ということを受け入れる必要があります。

2.行動する

行動も,イエス・キリストのより良い弟子になるための欠かせない鍵です。行動するときに,主は導きと指示を与えてくださいます。ニーファイはラバンから真鍮の版を手に入れる方法を知りたいと,主に導きを求めていたはずです。それでも,ニーファイと兄たちは2度失敗しました。しかし,彼らは行動し,主はその中で彼らを導かれたのです。ついに,3度目にしてニーファイは成功しました。「わたしは,前もって自分のなすべきことを知らないまま,御霊に導かれて行った。」と述べています。5

わたしたちが努力し,たとえ何をすればいいのかはっきり分からなくても行動するときに,主はこのように働かれます。主はニーファイに何をするか,告げられました。行って,版を取ってくることです。しかし,どのように行うかは告げられませんでした。自分で考え,主の助けを求めるように,ニーファイに任されました。たいてい,これが主がわたしたちの生活の中で働かれる方法です。信仰を持って行動するとき,主は導き,指示を与えてくださいます。

3.学ぶ

第3ニーファイで弟子たちは救い主に,民の間に教会の名称について論争があることを告げました。それに対して救い主は大切な原則を教え,こう言われました。「彼らは……聖文を読んだことがないのか。」6学ぶことも,イエス・キリストのまことの弟子になるためのさらなる,欠かせない鍵です。祈りと聖文研究は密接に関係し,互いに影響し合い,わたしたちの益となる,主が定められたプロセスです。「キリストの言葉をよく味わうように〔しなさい〕。見よ,キリストの言葉はあなたがたがなすべきことをすべて告げるからである。」7

救い主はさらに,聖文を学ぶだけではなく,御自分がニーファイの民に行われたように,聖文から教える必要もあると教えられました。「さて,弟子たちが書き記してきたすべての聖文をまとめて説き明かした後,イエスは,御自分が説き明かした事柄を教えるように,彼らに命じられた。」8

これは,ニーファイが戻って,真鍮の版を手に入れることが重要であった理由の一つです。つまり,家族が聖典を必要としたのは,約束の地にたどり着くのに役立てるだけではなく,子孫を教えるためにも有益だったのです。わたしたちにも旅を続けるために聖典からの導きが必要であり,家庭で,また教会の召しで,聖典を用いて教える必要があります。

4.より良い弟子となるために,行動する

多くの場合,祈りの答えはすぐには与えられることはありません。それでも信仰を持ち,義にかなって行動し,ニーファイが真鍮の版を手に入れたときのように,根気よく続ける必要があります。主は少しずつ示されます。聖文を学ぶとき,主は答えを授けるか,またはもう一日,もう一週間を乗り越え,もう一度挑戦するのに必要な力を与えてくださいます。リチャード・G・スコット長老は,こう言いました。「時として,神は皆さんが答えを受けるまで長い間苦しむに任せられることがありますが,感謝してください。そのような経験を通じて,皆さんの信仰が増し,皆さんの人格が培われるからです。」9

祈りと聖典研究を通して,主はいつでもわたしに,行動し,もう一日,もう一週間堪え忍び,もう一度挑戦する力を授けてくださいました。多くの場合,答えはすぐには与えられず,今でもまだ答えられていない問いがありますが,求め,学び続けています。答えを待つ間も,主が引き続き行動する力を与えてくださることを嬉しく思っています。

リチャード・G・スコット長老は,こうも語っています。「たとえ確信がなくても最善の判断に従い信仰を働かせながら歩むとき,ほかの方法では得られない答えに導かれるでしょう。」10

救い主イエス・キリストのより良い弟子になることは,生涯続く旅です。そして人は皆異なった段階にあり,歩く速さもまちまちです。これは競争ではないことを,心に留めておく必要があります。わたしたちは互いに愛し合い,助け合うために,ここにいます。自分の生活の中で救い主がともに働いてくださるようにするには,行動する必要があります。

主はシドニー・リグドンにこう言われました。「わたしはあなたとあなたの行いを見てきた。わたしはあなたの祈りを聞き,一つのさらに大いなる業のためにあなたを備えてきた。」11わたしは証します。主はわたしたちの祈りを聞き,答えてくださいます。わたしたちを御存じで,一人一人のために大いなる業をお持ちです。祈りと聖典学習,行動を通して天の祝福の鍵を開け,救い主イエス・キリストのより良い弟子となることができます。

ダリン・H・オークス管長は,こう教えています。「最後の裁きとは,善悪の行為—つまりわたしたちが何を行ったか—を集計して評価するだけにとどまるのでなく,行いと思いがもたらす最終的な結果—つまりわたしたちがどのような人物になったか—を確認することであると結論することができます。」12

預言者,聖見者,啓示者に感謝しています。彼らは塔の上の見張り人であり,わたしたちに見えないものが見えます。彼らの言葉によって,救い主イエス・キリストのより良い弟子となり,自らの可能性を発揮できることを証します。イエス・キリストが生きておられ,わたしたち一人一人を個別に御存じであることを証します。これは主の教会です。イエス・キリストの聖なる御名により,アーメン。