2017
教義と聖約から学ぶ御父と御子に関する洞察
2017年1月


教義と聖約から学ぶ御父と御子に関する洞察

この啓示の書は,神会に関する失われた真理や,救い主や天の御父とともに再び暮らせるようになる方法を明らかにしています。

First Vision

「最初の示現」ウォルター・レーン画

福音が回復されたことにより,神会の特質とその目的に関する非常に多くの知識が世の人々に与えられました。この知識があるおかげで,この御三方を信じるわたしたちの信仰が育まれ,その戒めを守ろうとする意欲が高まっています。

具体的に言うと,教義と聖約がイエス・キリストについて学ぶのに役立つのは,それが「イエス・キリストの神性,尊厳,完全,愛,贖いの力」に関する力強い真理を教えているからです(教義と聖約の序文)。現代の啓示が記されたこの書物には,「わたしに学び,わたしの言葉を聴きなさい」という主の勧めが記されています(教義と聖約19:23)。この書物を読むと主に対する理解が深まり,主と自分はどのような関係にあるのか,主は自分を贖うために何をしてくださったのか,自分に何を望んでおられるのかがさらに深く理解できるようになります。

教義と聖約の中で,わたしたちはイエス・キリストの声を聞くことができる

Joseph Smith

ジョセフ・スミスは救い主から多くの啓示を受けた。

「啓示を受けるジョセフ・スミス」ダニエル・A・ルイス画

教義と聖約は古代の聖典ではありません。ジョセフ・スミスと,現代におけるその後継者に与えられた啓示が記載されているのです。イエス・キリストが御父の代わりに語られる神聖な声が聞こえてきます。1教義と聖約には,主イエス・キリストが一人称で語られる声が,新約聖書やモルモン書,高価な真珠を全て合わせたよりも多く含まれています。2

  • 教義と聖約18:33-35「わたし,すなわち,あなたがたの主でありあなたがたの神である,イエス・キリストがこれを語った。これらの言葉は人々から……出ているのではなく,わたしから出ているのである。……これらの言葉をあなたがたに語っているのは,わたしの声である。」

教義と聖約には,神にまみえた人々の話が記載されている

Joseph and Oliver

ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリは,カートランド神殿でイエス・キリストにまみえた。

「カートランド神殿に御姿を現される主」デル・パーソン画

1820年に最初の示現を受けて,少年ジョセフ・スミスは,御父と御子が実在の御方であられることをその目で見て知りました。教義と聖約にはその他にも,預言者ジョセフやその他の人々が示現や個人的な現れによって御父と御子にまみえた例が記録されています。このような記述は,御父と御子が生きておられ,福音の回復を指示されたことを現代のわたしたちに証するものとなっているのです。

教義と聖約は,父なる神について学ぶ助けとなる

Stephen being stoned

ステパノは石で打ち殺されながら,御父と御子とを見た。

「人の子が神の右に立っておいでになるのが見える」の一部。ウォルター・レーン画

預言者ジョセフ・スミスは次のように教えています。「神の性質を理解し,神のもとに行く方法を知るとき,神はわたしたちに天の事柄を明らかにし……てくださいます。わたしたちが神のもとに行く用意ができたとき,神はいつでもわたしたちのもとに来てくださるのです。」3教義と聖約は天の御父の特質や属性,目的について教えており,わたしたちが御父にさらに近づく助けになります。

教義と聖約は,イエス・キリストについて学ぶ助けとなる

Moses sees Jehovah

エホバ(イエス・キリスト)は,顔と顔を合わせてモーセと語られた。

「エホバにまみえるモーセ」の一部。ジョセフ・ブリッキー画

イエス・キリストは,天の御父の全ての霊の子供たちの長子であられました。イエスは前世で全ての知識と力を得られ,世界の創造主として,御父を代表しておられました。主イエス・キリストは,御自身の内にある神の力により,御自身が造られた全てのものにとって光と命の源であられます。教義と聖約は,御父の計画における主の役割の多くを明らかにしています。

教義と聖約は,御父と御子がわたしたちに何を望んでおられるかを知る助けとなる

Family reading scriptures

わたしたちは現代の啓示を通して,さらに御父と御子のような者になる方法を学ぶことができる。

教義と聖約は,永遠の命とは何か,御父と御子のもとに戻ってともに住み,御父の持てるものを全て受けて,御二方のような者になるにはどうしたらよいかを,他のどの聖典よりも分かりやすく説明しています。また,イエス・キリストが贖罪を通してどのようにしてこれを可能にするのか,イエスの定められた条件を満たすためにわたしたちは何をする必要があるのかを教えてくれます。それに加えて,わたしたちは,イエス・キリストの模範に従うとはどういうことかを教義と聖約で学びます。というのは,わたしたちと同じように,イエス・キリストも最初から完全を受けたのではなく,恵みに恵みを加えられてついに全ての力と栄光を持つようになられたからです。

教義と聖約は,霊的な知識を得るためのパターンを教えている

Women praying

研究と祈りによって,霊的な知識の扉を開くことができる。

教義と聖約は御父と御子について教え,証するだけでなく,聖霊の助けによって神会の御三方に関する霊的な知識を得るためのパターンも与えています。それは,主の言葉を研究し,理解力を天の御父に求め,主の戒めを守ることによってイエス・キリストを信じる信仰を働かせるというパターンです。

光と真理は,主の全ての言葉に従って生きる人々に約束されています。神会の特質とその目的について詳しく学ぶのは大切なことです。この知識があると,霊的な事柄を理解し真理を確信することを熱心に求めるようになります。この知識があると,天の御父とイエス・キリストがわたしたちを個人的に御存じで,わたしたちを愛し,わたしたちに永遠の命を与えようとしておられることが確信できるようになるのです。

結論

Joseph Smith preaching

ジョセフ・スミスは,御父と御子の特質と目的を明らかにした。

「教えを説くジョセフ・スミス」の一部。サム・ラウロー画

教義と聖約は,天の御父とその独り子イエス・キリストに近づくための助けになります。それはこの書物が御二方の特質と目的を明らかにしているからです。預言者ジョセフ・スミスは,神を信じて神に頼らなければならない理由を次のように簡潔に述べています。「わたしたちの神の目的は大いなるものであり,その愛は果てしなく,その知恵は無限であり,その力には限界がありません。ですから聖徒たちには,喜び,うれしく思うべき理由があるのです。『これこそ神であり,世々かぎりなくわれらの神であって,とこしえにわれらを導かれる』ことを知っているのですから(詩篇48:14)。」4

  1. ジョセフ・フィールデイング・スミス大管長(1876-1972年)は次のように説明している。「堕落以後に与えられた啓示は全て旧約聖書のエホバであるイエス・キリストを通して与えられたものである。聖典全体を通して神という言葉が使われている箇所,および神が御姿を現された箇所は,どれもエホバを指している。……御父は堕落以降,直接人と接することは一度もなかったし,御子を紹介し御子について証するとき以外は御姿を現されたことはなかった。」(Doctrines of Salvation,ブルース・R・マッコンキー編,全3巻〔1954-1956年〕,第1巻,27)

  2. ゴードン・B・ホルブルック,“The Voice of Jesus Christ in the Doctrine and Covenants,” Ensign, 2013年9月号,40,45(note 2)参照

  3. 『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』40-41参照

  4. 『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』39