2020
ポルノグラフィーの使用を克服するための7つのヒント
2020年10月


ヤングアダルト

ポルノグラフィーの使用を克服するための7つのヒント

筆者はアメリカ合衆国ユタ州在住です。

やめたくてもやめられないポルノグラフィーの使用を克服しようとしているヤングシングルアダルトたちと一緒に取り組む中で,皆さんにも役立つであろう幾つかのヒントを見つけました。

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棒人間のイラスト/Getty Images

ヤングシングルアダルトワードの新たなビショップに任命されたとき,ビショップ室のドアの外には,わたしとの面接を待つヤングシングルアダルトたちが列を作りました。最初の面接の内容は何だったと思いますか。

ポルノグラフィーです。

そしてそれからの3年間,ヤングアダルトたちがやめたくてもやめられない習慣を克服するのを助けることが,わたしの召しの重要な側面となったため,わたしはできるかぎり多くのことを学ぶ必要があると感じました。わたしは断食し,祈り,神殿に参入し,ほかの指導者たちと相談し,利用可能なリソースをすべて見直し,依存症立ち直りのクラスに出席し,立ち直るために努力している人たちから学びました。わたしが学んできたことに関して,あなたに希望を持ってもらえる内容を幾つか分かち合いたいと思います。

1.自分が天の両親の子供であり,天の両親に愛されていることを知る

もしあなたがやめたくてもやめられないポルノグラフィーの使用を克服しようと努力している最中であれば,それを解決するまで自分は愛や助けを受けるに値しないと考え,天の御父から遠ざかりたいと感じているかもしれません。これはまさにサタンが望んでいることです。ポルノグラフィーは自分の力で克服することができ,そうして初めて愛に値する人間になれるという考えを植え付けて,あなたを愛する人たちから引き離そうとしているのです。

あなたは神の子供としての性質を持っているのですから,ポルノグラフィーを克服するうえで,いつでも天の御父から希望と霊感と個人の啓示を,そしてイエス・キリストの癒しの力を受けるに値します。1天の御父やイエス・キリスト,またはあなたを愛する人たちから離れないでください。

2.恥を取り除く

わたしは,ポルノグラフィーを克服するためには恥を取り除くことが非常に重要であると学びました。恥とは,自分が壊れた人間,損傷を負った人間,悪い人間だと感じることです。そうした自分自身に対する有害な考えを信じることは,あなたを依存症のサイクルに閉じ込めてしまいかねません。過去の行いを深く後悔することは悔い改めの過程の一部であり,行動を変える助けとなります。しかし,恥を感じている人は,自分の性質全体に問題があり,とうてい救い主の助けは受けられないという気持ちを抱いてしまいます。2

天の御父はあなたに,イエス・キリストとその贖いの祝福に完全な希望を持つよう望んでおられます。恥は過去を振り返る感情であり,あなたをうそと自己嫌悪の渦にとどめます。どうか恥の道から離れてください。

3.「依存症」というレッテルを安易に使わない

多くの人が,自分はポルノグラフィーに「依存」しているという言葉を使います。気をつけたいのは,依存症というレッテルを誤った認識で自分に貼らないことです。ポルノグラフィーと闘っている若者の大半は,実際には依存症ではありません3また,このレッテルを誤って使うと,ポルノグラフィーの使用をやめることがより困難になる可能性があります。依存症という言葉に恥を感じ,希望を失い,自己嫌悪に陥るからです。

4.「個人の防止プラン」を書き出す

個人の防止プランとは,ポルノグラフィーを克服するうえで助けとなる,3つのパートから成る計画書です。

パート1:誘因を挙げる。誘因になるものに遭遇することが,ポルノグラフィーを見ることにつながるサイクルの最初のステップです。

誘因には幾つかの種類があります:

  • 状況的なもの:過去の思考や行為きっかけとなる環境(同じ部屋にいる,あるいは特定の時刻になる,など)。

  • ストレス/不安/孤独/トラウマとなる出来事:感情的な苦しさや難しい状況にあるとき,それから逃れたり,それに対処したりする手段として,ポルノグラフィーに向かうきっかけとなるもの。

  • 視覚的なもの:ソーシャルメディア,映画,写真などを通じて,ポルノグラフィーではないが誘因となるものを何気なく目にしてしまうこと。

パート2:誘因を減らす方法についてプランを立てる。

例えば,深夜に不安定な気持ちになるなどの状況的な誘因を抱えているなら,寝る30分前にスマートフォンの電源を切ったり,自室にスマートフォンを持ち込まないで寝たりするとよいでしょう。あなたにとってポルノグラフィーが感情的な苦しさに対処するための手段であるなら,そうした感情に対処するもっと良い方法を見つけましょう。運動や瞑想は,ストレスや不安の軽減に役立つでしょうか。友人と出かけることや,インスティテュートのクラスに登録することで,孤独感が和らぐかもしれません。自分を悩ませているものは何か,どんな選択肢が自分に役立つかを考えてみてください。

また,霊的な手段を過小評価しないようにしましょう。祈り,聖文研究,奉仕,教会への出席や神殿参入は,誘因になるものを減らし,気持ちを強く保つうえで欠かせない強力な手段です。

パート3:誘因になるものに遭遇したときの対処プランを立てる。それぞれの誘因に対して,幾つかのステップから成る対処プランを書き出してください。

例えば,誘因になるものに遭遇したときには,すぐにスマートフォンの電源を切る,だれかにメールを送るか電話をかける,散歩に行くか運動をする,モルモン書を読む,そのほか何でも,自分の思考をほかのものに向けるのに役立つことをするのもよいでしょう。

自分にとって効果があるステップを書き出しましょう。時には,防止プランのすべてのステップを実行しないうちに誘因が過ぎ去ることもあります。それでも,あなたが決めたステップは,その瞬間から抜け出すうえで助けとなります。誘因が過ぎ去ったら,何が効果的だったか,次回により効果を挙げるにはどう改善すればよいかを考えて,防止プランを更新しましょう。それを,毎日目にする場所に置いてください。

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5.ラプス(一時的/一度限りの過失)とリラプス(再発)の違いを理解する

ラプスとは,失敗はしたもののすぐに立ち直り,それを学習経験として防止プランを改善するために用いる場合を指します。リラプスとは,諦め,歯止めが効かなくなり,それを気にもかけなくなる場合のことです。

ラプスは防止プランを改善する一環であることを知ってください。すべて台無しだとか,それまでの努力はすべて無意味だなどと思い込まないでください。なぜなら,それはほんとうではないからです。ポジティブな姿勢で前を向き,自分が立ち直りに一日近づいたことを知ってください。

ラプスが生じた際には,次のように自問してください。

  • 何が起こっただろうか。

  • この誘因はどのような点が違ったのだろうか。

  • 最近,ひどくストレスを感じていただろうか。情緒的にはどんな状態だっただろうか。

  • しばらく聖文研究をしなかったことで心が弱まったのだろうか。

  • 最近,運動が足りていなかっただろうか。

  • 防止プランの中に,何か効果的でないものがあるだろうか。

  • 次は,どんな点を変えられるだろうか。

自分が学んでいることを書き留めて,前に進みましょう!

6.救い主の癒しの力を信じる

イエス・キリストは,悔い改めという成長の過程であなたを助けてくださり,ポルノグラフィーを克服しようと努力するあなたに能力を授ける力を持っておられます。主はあなたの気持ちを理解し,その重荷をあなたから取り除くのを待っておられます。主に頼ることを,主の重荷を増やすことだとは思わないでください。主はすでにあなたのために代価を払っておられます。あなたのなすべきことは,最善を尽くし,救い主に近づき,癒しを受けられるよう助けてくださるように,あなたの望みを変えてくださるように,前進するためにもっと力を与えてくださるように,主に願い求めることです。

十二使徒定員会のウリセス・ソアレス長老はこう教えています。「試練に打ち勝とうと努力を続けるなら,神は癒される信仰という賜物と,奇跡の働きという賜物を恵んでくださるでしょう。自分自身ではできないことを,主は行ってくださるのです。」4

7.一人で行おうとしない

人とのつながりや友情もまた,あなたに力を与え,成功に導いてくれます。あなたがいつでも自らの行動に責任を負えるよう助け,また最高の日も最悪の日もあなたを見守ってくれる人が,あなたには必要です。その人たちは,あなたを裁くことなくサポートしてくれるはずです。そしてあなたも,彼らに同じようなサポートを提供することができます。教会指導者や家族に助言を求めてください。そしてもし必要であれば,セラピストや専門のメンタルヘルスカウンセラーも,あなたがポルノグラフィーに苦しんでいる根本的な理由を見つける手助けをしてくれます。

自分が未来の親であり,指導者であることを忘れない

皆さんは24時間365日ポルノグラフィーにアクセスできる最初の世代です。この問題で最も苦労するのは皆さんの世代だと,わたしは思います。なぜなら,皆さんがいつか親や指導者になったときにはきっと,人々をこのわなから遠ざけたり,そこから抜け出させたりするためのより良いツールや知恵があるからです。「天の御父がわたしたちを地上に置かれたのは,失敗させるためでなく,輝かしい成功を収めさせるためです。」5

ここで紹介したヒントはポルノグラフィーを克服しようと努力するうえで役立ちますが,ほかのリソースにも恐れず目を向けてください。立ち直りへの道のりは人それぞれです。自分に役立つものを見つけましょう。諦めないでください。まずは今日一日を大切に生きましょう。あなたならできます。ほんとうにできます(ピリピ4:13参照)。そしてあなたは,本来のあなたになるのです。

  1. ジョイ・D・ジョーンズ姉妹は,「計り知れない価値」『リアホナ』2017年11月号,14で,価値とふさわしさの違いについて説明しています。

  2. ウェンディー・ウルリヒ「弱さは罪ではない」『リアホナ』2015年4月号,23参照。See “Shame versus Guilt: Help for Discerning God’s Voice from Satan’s Lies” (digital-only article), Ensign, Jan. 2020

  3. ダリン・H・オークス「ポルノグラフィーのわなから抜け出す」『リアホナ』2015年10月号,52参照。オークス管長は,ポルノグラフィーとのかかわりに応じた4つのレベルの違いについて説明しています。「(1)偶然見る,(2)不定期に見る,(3)かなり見る,(4)見ないではいられない(依存症)。」ポルノグラフィーを使用する人が全員「依存症」というわけではないと認識することは大切です。あなたのかかわりがどのレベルであろうと,ポルノグラフィーを克服する希望はあります。

  4. ウリセス・ソアレス「自分の十字架を負う」『リアホナ』2019年11月号,114

  5. リチャード・G・スコット「祈りの答えを知る」『聖徒の道』1990年1月号,30参照