セミナリー
ヒラマン13-16章:主の預言者を理解する


「ヒラマン13-16章:主の預言者を理解する」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ヒラマン13-16章」『モルモン書 教師用手引き』

ヒラマン13-16章

主の預言者を理解する

城壁の上のレーマン人サムエル

人から預言者に対する懸念や批判を聞いたとき,どのように感じましたか。レーマン人サムエルが城壁の上に立って,人々に悔い改めるよう叫んだとき,人々はサムエルの言葉に対して様々な反応を示しました。現代でも,人々は預言者たちに対して同様の反応をしています。この課を学ぶと,預言者の役割と,預言者がわたしたちをどのように助けるかを理解することができます。

生徒が信仰の立場から質問に答えられるよう助ける。生徒が教会の教義や信条についての自分やほかの人の疑問を考える際には,御霊の影響を受けるように努力するよう勧めてください。すでに知っていることを思い出し,理解を深めるために聖文を調べるよう生徒を促しましょう。生徒が異なる意見を持つ人に向けて何を言うかを練習できるよう,時間を取りましょう。

生徒の準備:生徒には,主が古代の預言者たちとともにおられたこと,今は現代の預言者たちとともにおられることをどのように知っているかを分かち合う準備をしてきてもらいます。

学習活動案

主の預言者を信頼する

預言者について考える準備をするために,次の図をホワイトボードに描き,クラス全体で答えをブレインストーミングするか,生徒の学習帳にその図を書いてもらい,個別または少人数のグループで完成してもらうとよいでしょう。

「預言者を信じて従う人」という見出しの下にいる人物と,「預言者を信じず批判さえする人」という見出しの下にいる人物を示す図

各グループを表す人物の周りに,預言者を信じて従う理由や,預言者を信じず批判さえする理由を幾つか箇条書きにしてください。

生徒が少人数のグループまたは個人でこの活動を行った場合,意見を分かち合ってもらいます。

少し時間を取り,預言者についてすでに学んだことや知っていることの中で,預言者が神から召されたと,自分やほかの人が信じるのに役立つことについて深く考えてください。例えば,ヒラマン7-10章でニーファイについて研究したときに,預言者に関する真理のリストを作ったと思います。

ヒラマン13章では,主はもう一人の預言者,レーマン人サムエルを遣わされました。この課はサムエルの教えの概要です(ヒラマン13-16章参照)。研究しながら,預言者に関する真理のリストに追加してもよいでしょう。信じるのに苦労している人に役立ちそうな洞察を探してください。

生徒の必要性と御霊の促しに基づいて,次の活動をどのように行うかを決めてください。一つか二つだけをクラス全体で行い,ほかの活動は要約してもよいでしょう。生徒をグループに分け,各グループに3つのうちから一つの活動を行ってもらい,クラスのほかの生徒に報告してもらってもよいでしょう。各活動を紙に書いて部屋のあちこちに置き,生徒に各場所を回ってもらい,3つの活動すべてを研究してもらってもよいでしょう。

活動A:ニーファイ人に宣教するサムエル

ヒラマン13:1-714:9を読み,サムエルについて印象に残ることを見つけてください。

  • サムエルの例から,預言者についてどのようなことを学びましたか。(見つけた真理をリストに加えるとよいでしょう。)

あなたが見つけたであろう真理の一つは,預言者のメッセージは預言者自身のものではなく,主からのものである,ということです。この真理の裏付けとなるヒラマン13:5,714:9の語句に印をつけるとよいでしょう。また,ヒラマン7:29教義と聖約1:3821:4-5を相互参照として読み,ヒラマン13章の聖句に結びつけるとよいでしょう。

  • この真理を理解することは,預言者に耳を傾ける方法にどのような影響を与えるでしょうか。

  • 預言者を疑いたくなったり批判したくなったりしたときに,この真理はどのように役立つでしょうか。

次の活動のために,『リアホナ』の最新の総大会号を数部,生徒に配るとよいでしょう。

2,3分かけて,預言者による最近の総大会の説教の一部を復習してください。主についてと,主があなたに対して抱いておられる懸念について考えてください。その説教が,主からのメッセージであると思って読むようにしてください。以下のうち一つを用意してください:

  • 主から霊感を受けたと思われる具体的な言葉や教えを見つけてください。そう思う理由を分かち合ってください。

  • 預言者からのメッセージは主からのものであるという個人的な証を受けるために,できることを説明してください。

活動B:ニーファイ人の預言者への対応

ヒラマン13:24-2914:10を読み,預言者に対するニーファイ人の態度を見つけてください。

  • これらの聖句の中に,預言者についてどのような真理を見つけることができますか。

あなたは,次のような真理を見いだしたかもしれません:主の預言者は悪人には好まれない。この真理を,これらの聖句の近くに記録しておくとよいでしょう。

  • 現代においては,この真理をどのような形で見ることができるでしょうか。

  • 預言者を批判し抵抗する人々は,どのような意味で「愚かな盲目の導き手たち」(ヒラマン13:29)なのでしょうか。

  • 悔い改めて改善するために救い主のもとに来ないのであれば,どのような意味でそれは「光よりも闇」(ヒラマン13:29)を選ぶようなものなのでしょうか。

スペンサー・W・キンボール大管長(1895-1985年)は,次のように教えています:

「預言者たちは,……人の気に入られようとするよりもむしろ主の御心をはっきりと告げようとするのである。思いやりがあるがゆえに,無情とも思えることを言えるのである。わたしは,預言者たちが声望を求めなかったことを心から感謝している。」(スペンサー・W・キンボール「予言者の声を聴け『聖徒の道』1978年10月号,123)

「〔自分の〕心が望むことを何でも行〔う〕」(ヒラマン13:27)ことができるはずだと信じている人がいると想像してください。そのように信じているため,預言者たちに悔い改めるよう勧められると,その人は怒ります。学んだことに基づいて,このような懸念や批判に答える準備をしてください。

生徒に,答えの一部をクラスで発表してもらうとよいでしょう。その後,その答えに追加することができる生徒がいるか尋ねます。懸念を解決することができたとクラス全体が思えるまで続けます。

活動C:主がサムエルを守られる

この課の冒頭にある,城壁から話すレーマン人サムエルの絵を見せてもよいでしょう。

この課の冒頭の絵をよく見てください。それはサムエルの説教の最後に起こったことを描いています。

ヒラマン16:1-8を読み,神の力は預言者たちとともにあるという真理の証拠を見つけ,印をつけてください。(この真理をリストに加えるとよいでしょう。)

  • どのような証拠から,神がサムエルとともにおられると分かりましたか。

すべての預言者がこのような方法で守られるわけではありませんが,神は預言者たちがその働きを終えるまで預言者を守られます(モーサヤ13:1-4教義と聖約122:9参照)。

クラス全体でこの活動を行う場合は,以下の画像を表示するとよいでしょう。必要であれば,関連する物語を簡単に説明します。

聖典や教会歴史から一人の預言者を選んでください。神がその預言者とともにおられたことを示す証拠を挙げてください。以下に挙げられている,ノア,モーセ,ペテロ,ジョセフ・スミスの例を参照してもよいでしょう。

ノアと動物を乗せた箱舟

創世7:7,10-13,17,23参照)

紅海を分けるモーセ

出エジプト14:21-30参照)

ペテロを獄から解放する主の使い

使徒12:4-11参照)

神権の鍵を回復するエリヤ

ジョセフ・スミス-歴史1:15-25参照)

今度は,神が現代の預言者たちとともにおられるという証拠を挙げてください。例えば,現代の預言者の教えや招きが,現代の困難を乗り越えるのにどのように役立ったかを挙げることができます。

必要であれば,以下の例の中から一つ,あるいは幾つかを分かち合うとよいでしょう:

  • 家族の宣言は,多くの人が必要性を認識する前に出されたものです。

  • ラッセル・M・ネルソン大管長は,2018年10月に教科課程『わたしに従ってきなさい』を導入し,家庭中心で教会がサポートする形の聖文研究モデルを取り入れましたが,それは新型コロナウイルスの世界的大流行により,多くの人が長期間にわたって自宅で礼拝することを強いられる前のことでした。

  • これらの証拠を覚えておくことが,なぜ役立つのでしょうか。

ニーファイの民のように,わたしたちには,預言者の教えに対して,その教えを受け入れるか,批判と怒りで反応するかを選択する力があります。学習帳に,預言者について学んだことと,預言者についてどのように感じたかを記録してください。今週,レーマン人サムエルが教えたことを続けて研究する際,霊感されたサムエルの教えを学び,実践できるよう祈りの気持ちで求めてください。

主と主の預言者たちについて証してください。証したい生徒がいれば,その生徒にも証してもらうとよいでしょう。