セミナリー
ヒラマン13章,第2部:「悔い改めて救われる」


「ヒラマン13章,第2部:『悔い改めて救われる』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ヒラマン13章,第2部」『モルモン書 教師用手引き』

ヒラマン13章,第2部

「悔い改めて救われる」

ひざまずき祈る若い男性

多くの人々は,悔い改めを神からの賜物と考えるか,罰と考えるか,どちらだと思いますか。それはなぜですか。レーマン人サムエルは,邪悪なニーファイ人さえも愛し,それゆえに命の危険を冒してまで,悔い改めはイエス・キリストからの賜物であり,幸福と救いにつながることをレーマン人に教えました。この課は,悔い改めへの障害を克服できるようにすることを目的としています。

預言者の言葉を使って,教義と原則を強調する。現代の預言者や使徒たちは,聖文で教えられている教義と原則を教え,説明し,詳しく述べています。預言の言葉を使うことで,生徒がイエス・キリストの福音をよりよく理解し,福音に従って生活する助けとなります。

生徒の準備:生徒に,悔い改めを表す言葉として,次のうちどれを使うか,またその理由を深く考えてもらいます:罰,希望,祝福,変化,進歩,不幸。

学習活動案

正しい道

生徒が悔い改める際に直面する可能性のある障害を探ることから,レッスンを始めるとよいでしょう。以下は,悔い改めの大切さを象徴的に示しています。

生徒が次のようなことを想像する際は,この湖の写真を表示するとよいでしょう:

山の湖の写真

何人かの友人が,話に聞いたことはあるものの,一度も訪れたことがない高い山にある湖を見つけようとしていると想像してください。友人たちが荒れ野を旅すると,何年もその地域に住んでいたと言う男性に出会います。男性は,今進んでいる道は湖に通じておらず,危険な場所もあると警告します。そして,引き返して,湖まで安全にたどり着ける別の道へ向かうよう助言します。

  • 友人たちが男性の言うことに耳を傾けない理由には,どのようなものがあるでしょうか。

この物語の男性のように,時には,預言者たちは,幸福や進歩,天の御父のもとに帰ることにつながらないような選択をしていると,わたしたちに警告することがあります。悔い改め,生活を変えるよう促すこともあるかもしれません。

以下の質問に対する生徒の答えをホワイトボードに書いてください:

  • 悔い改めない理由には,どのようなものがありますか。

この課の学習内容を自分の状況に関連付けられるよう,時間を取り,生徒に次のことを行ってもらいます:

前の課でのレーマン人サムエルによるニーファイ人への教えを通して,あなたは主が人々に罪の結果を憐れみ深く戒め,悔い改める者を赦されることを学んだことでしょう。しかし,わたしたちはこの真理を理解したとしても,必ずしも悔い改めるわけではありません。この課を研究しながら,悔い改めへの障害を克服する方法を知るために,主の助けを求めてください。

罪の結果

効果的だと思われる場合は,「前の課で,悔い改めの必要性について何を学びましたか」と尋ねるとよいでしょう。生徒の答えに注意深く耳を傾け,有益であれば次の資料を利用してください。

ヒラマン13:21-23を読み,サムエルが悔い改める必要があると言った人々の態度と行動を見つけてください。のろいとは「物や個人,民に対して裁きとその結果が及ぶこと……である。その第1の原因は不義である」ことを知っておくと役立つでしょう(『聖句ガイド』「のろい」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org)。

生徒に,見つけたことを分かち合ってもらいます。

  • 富のほかに,わたしたちが主よりも「執着」し,「心にかけ」たくなるものにはどのようなものがあるでしょうか。

このような警告を人々が聞き入れず,悔い改めない理由をほかにも思いついたかどうか生徒に尋ねてみるとよいでしょう。

24-30節で,サムエルはまた,人々が預言者を拒絶することについても戒めました。

ヒラマン13:31-38を読み,自分自身の言葉で次の原則を完成させてください:悔い改めるようにとの預言者の勧めを拒否し続けると,……

生徒に,ホワイトボードで原則を完成させてもらいます。生徒は,わたしたちは破滅に直面し,後悔と悲しみを感じる,などと続けて,原則を完成させるでしょう。生徒が理解を深められるよう,追加の質問をするとよいでしょう。例えば,次のような質問を使うとよいでしょう:なぜ,わたしたちが悔い改めない罪が,最終的に後悔につながるのでしょうか。この原則を理解することは,悔い改めたいというわたしたちの願いにどのような影響を与えるでしょうか。

神からの賜物

サムエルがニーファイ人に証したように,「悔い改めて,……主イエス・キリストを信じる以外に,何事も〔わたしたち〕を救うことはでき」(ヒラマン13:6)ません。救い主がわたしたちのためになさった贖罪のおかげで,「もし〔わたしたち〕が悔い改めて,主なる〔わたしたち〕の神に立ち返るならば,〔主〕は怒りを解」(ヒラマン13:11)いてくださいます。

ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を読む際は,ネルソン大管長が教えた悔い改めへの障害を克服するのに役立つ真理を見つけてください。

生徒を3人ずつのグループに分け,各生徒に次の言葉を記した紙を配るとよいでしょう。それぞれの生徒に,最初の段落の中から,悔い改めへの障害を克服するのに役立ちそうなことに下線を引いてもらい,段落の横にどのように役立つと思うかを書いてもらいます。

その後,別の生徒にその紙を渡してもらい,2番目の段落で同じ手順を繰り返した後,3番目の段落でも同じことを繰り返してもらいます。

最後に,ほかの生徒が下線を引き,書いたものをすべて読んでもらいます。

「悔い改めを罰と捉え,非常に深刻な状況でないかぎり避けるべきだと考える人があまりに多すぎます。しかし,この罰せられるという思いは,サタンから来るものです。サタンは,わたしたちがイエス・キリストに頼るのを妨げようとします。しかし主は両腕を広げて立ち,喜んでわたしたちを癒し,赦し,汚れを取り,強め,清め,聖くしたいと望んでおられます。……

日々欠かさず悔い改めに取り組むことほど,霊を自由にし,気高くするもの,言い換えればわたしたち個人の進歩に不可欠なものはありません。悔い改めは一つの出来事ではなく,一連の過程であって,幸福と心の平安を得る鍵です。信仰と相まって,悔い改めはイエス・キリストの贖いの力に手を伸ばせるようにしてくれます。……

悔い改めを選ぶとき,わたしたちは変わることを選びます。自らを救い主に委ねて,最高の自分に変えていただくのです。わたしたちは霊的に成長し,喜びを受けることを選びます。それは主による贖いの喜びです。悔い改めを選ぶとき,もっとイエス・キリストのようになることを選んでいるのです。」(ラッセル・M・ネルソン「行いを改善し,より良くなれます『リアホナ』2019年5月号,67)

生徒に,自分の研究やほかの人の研究から学んだことを発表してもらいます。役立つようであれば,次の質問の幾つかを尋ねるとよいでしょう。

  • ネルソン大管長の言葉は,悔い改めへの障害を克服する人にとってどのように役立ちますか。

  • ネルソン大管長が述べた悔い改めの結果の中で,あなたが最も望むものはどれですか。それはなぜですか。

  • ネルソン大管長が救い主について教えていることで,悔い改めをためらっている人の助けとなりそうなことは何ですか。

悔い改め

悔い改めには,ネルソン大管長が触れなかったその他の障害があるかもしれませんし,わたしたちにはさらなる助けや答えが必要かもしれません。少し時間を取って,悔い改めの賜物を研究し,疑問に思っていることへの答えや,悔い改めの際に直面する障害を克服するのに役立つ真理を見つけてください。役立つかもしれないリソースには,『聖句ガイド』の「悔い改め」の項,『青少年の強さのために―選択の指針』(小冊子)の「イエス・キリストが助けてくださる」などがあります。

  • あなたにとって助けとなる,どのようなことを学びましたか。

  • 悔い改めの過程を通して,救い主はどのように助けてくださるでしょうか。

分かったことを生徒に発表してもらいます。生徒からの質問がまだある場合は,クラスに呼びかけて,研究した聖文や教えを使ったり,適切な経験を分かち合ったりすることで,生徒が質問に答えられるよう助けてもらいます。あなたの洞察も分かち合ってください。

ネルソン大管長の次の勧めを読んでください:

「皆さんの悔い改めの道に立ちふさがるものが何かを理解できるように,祈りの気持ちで求めてください。悔い改めを阻むものを特定し,それから変わってください!悔い改めてください!わたしたちは皆,かつてないほど行いを改善し,より良い人になれるのです。」(ラッセル・M・ネルソン「行いを改善し,より良くなれます」68)

しばらく時間を取って深く考えて祈り,悔い改めるために,天の御父があなたに何をするように望んでおられると思うか書いてください。

救い主からの悔い改めの招きを受け入れる人々に与えられる祝福について証してください。