セミナリー
3ニーファイ11:1-11:わたしはイエス・キリストである


「3ニーファイ11:1-11:わたしはイエス・キリストである」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「3ニーファイ11:1-11」『モルモン書 教師用手引き

3ニーファイ11:1-11

わたしはイエス・キリストである

バウンティフルの神殿で天から降りて来られるイエス・キリスト

ニーファイ人が神殿の周りに集まってイエス・キリストの死のしるしについて話しているとき,救い主は「降って来て群衆の中に立たれ」(3ニーファイ11:8)ました。主は御自分の使命と,彼らのためになさったことをすべて教えられました。この課では,イエス・キリストがどのような御方で,何を自分たちのためにしてくださったかを学ぶことで,イエス・キリストへの愛と感謝の気持ちを高めることができます。

すべての生徒を大切にする。様々な背景を持つ生徒が,愛され,受け入れられていると感じると,自分の意見や経験をクラスで分かち合いやすくなります。どの生徒も帰属感を感じられるよう,気を配ってください。生徒全員,特に苦労している生徒に対して,キリストのような深い愛を示すように努めてください。

生徒の準備:イエス・キリストが自分のためにしてくださったことへの理解を深めるのに役立つ聖句や教会指導者の言葉を,生徒に見つけてもらいます。

学習活動案

この課は,3ニーファイ11:1-11に記録されている出来事と教えに焦点を当てています。別の課では,3ニーファイ11:12-17に記録されている人々の救い主との経験に焦点を当てます。両方の課を別々に行う時間がない場合は,「3ニーファイ11:12-17」の課を参照し,この課に取り入れることができるアイデアを確認するとよいでしょう。

将来に目を向ける

自分が子供時代や10代の頃に,何かを大いに期待していた経験を分かち合うとよいでしょう。例としては,重要な文化的またはスポーツ的なイベントや,受け取ることを楽しみにしていたものなどが挙げられます。その瞬間に至るまでの時間をどのように感じたか,そしてついにそのことを経験したときの気持ちを,生徒が感じ取れるようにしてください。その後,生徒が何かを待ちわびたときのことを,クラスのほかの生徒と簡単に分かち合ってもらうとよいでしょう。

モルモン書によれば,ニーファイ人が何世代にもわたって待ち望んでいた出来事は,神の御子が地上に来られることでした。リーハイとサライアが子供たちをエルサレム郊外の荒れ野に連れて行ったときから,600年後に神が御子を「世の救い主」(1ニーファイ10:4)として遣わされることを知っていたのです。

次の文章を分かち合った後,数人の生徒に,順番に括弧内の聖句を音読してもらうとよいでしょう。

ニーファイ人はまた,イエス・キリストがいつの日か,約束の地でニーファイ人のもとへ来られることを理解していました(1ニーファイ12:62ニーファイ26:1アルマ45:9-10参照)。3ニーファイ11章では,待ち望まれていたこの降臨について読むことができます。

あらゆるニーファイ人とレーマン人が,イエス・キリストを正しく理解していたわけではありません。同様に,今日,人々はイエス・キリストについて誤解しており,イエスの存在さえも否定する人もいます。一部の人々は,イエスは偉大な指導者であったと信じていますが,神の御子であられたことを受け入れていません。

  • イエス・キリストがどのような御方であるかを正しく理解することは,わたしたちにとってなぜ大切だと思いますか。

  • イエス・キリストがどのような御方であり,わたしたちのために何をしてくださったのかをよりよく理解するのに役立つものは何でしょうか。

イエス・キリストがニーファイ人に御姿を現されたとき,イエス・キリストと天の御父は,御自分について重要な宣言をされました。今日研究しながら,天の御父とイエス・キリストがあなたに知ってほしいと望んでおられること,そして救い主があなたのためにしてくださったことに注意を払ってください。

以前のレッスンの第三ニーファイの学習で,イエス・キリストについて学んでいることのリストを作成し始めたかもしれません。リストをまだ作成していない場合は,学習帳でリストを作成し,レッスン中に追加していきます。

前の段落で述べたリストの詳細については,「 3ニーファイ8-10章」の課を参照してください。

ニーファイ人に御姿を現わされたイエス・キリスト

3ニーファイ11:1-11を読んで,バウンティフルの地の神殿に集まった人々にイエス・キリストが御姿を見せられた際の詳細を見つけてください。また,ビデオ「イエス・キリスト,古代アメリカ大陸を訪れられる|3ニーファイ8-11章」のタイムコード11:19-13:29を見るとよいでしょう。ビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。 

16:42
  • これらの聖句の研究で印象に残ったことは何ですか。

  • あなたがその場にいたとしたら,自分が考えたり感じたりしたことを表現するためにどのような言葉を使うと思いますか。それはなぜですか。

十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老は,イエス・キリストの出現と,主が民に告げられたことを,次のように述べています:

「この現れと宣言は,モルモン書の全歴史の中心を成す,最もすばらしい瞬間となりました。……

すべての人が主について語り,主について歌い,主を夢見,主が御姿を現されるよう祈ってきましたが,その主が今や実際においでになりました。最も待ち望んだ日が到来したのです!暗闇の夜をことごとく朝の光へと変える神がおいでになったのです。」(Jeffrey R. Holland, Christ and the New Covenant: The Messianic Message of the Book of Mormon [1997], 250–251)

イエス・キリストがニーファイ人に話した最初の言葉は,イエスがどのような御方であり,わたしたちのために何をしてくださったのかを理解するのに役立ちます。

イエス・キリストが御自身について述べておられる言葉と,わたしたちのためにしてくださったことに注意しながら,3ニーファイ11:10-11をもう一度読んでください。これらの真理を必ず自分の学習帳のリストに書き加えてください。

3ニーファイ11:10-11はマスター教義聖句です。マスター教義聖句には目立つ印を付けて,見つけやすくするとよいでしょう。次の課で,この聖句が教える教義を疑問や状況に対して応用する練習の機会があります。

  • イエス・キリストについて,どのような真理を学びましたか。

  • これらの真理の中で,特に重要だと思う真理はどれですか。それはなぜですか。

イエス・キリストは父の御心を行われた

これらの聖句から学ぶことができる真理の一つは,イエス・キリストは,御父の御心に従って,世の罪を負われた,ということです。

イエス・キリストが行ったことを説明する言葉をもっと注意深く見ることで,この真理をより深く理解できます。3ニーファイ11:11の次の語句を学習帳に書き写し,その横または下に書き込めるようスペースを空けておきます。

次の言葉と聖句のリストをホワイトボードに掲示します。生徒を少人数のグループに分け,リストされている聖句の場所を幾つか研究するよう,割り当てるとよいでしょう。生徒は学習帳に記録して,研究した聖句が3ニーファイ11:11の一つ以上のフレーズへの理解をどのように深めているかを話し合うとよいでしょう。

  • わたしは,父がわたしに下さったあの苦い杯から飲〔んだ〕。

  • 〔わたしは,〕世の罪を負うことによって父に栄光をささげた。

  • わたしは……初めから,すべてのことについて父の御心に従ってきた。

この学習活動で気がついた,各フレーズについての洞察を生徒に話し合ってもらいます。

この話し合いの後,以下の質問を表示し,そのうちの一つ以上に対する答えを,生徒に学習帳に記録してもらうとよいでしょう。

  • あなたが今日感じたことで,イエス・キリストについて人々に伝えたいことは何ですか。

  • イエス・キリストについて理解していることや,感じていることで,自分の人生でしたいことは何ですか。

  • 自分の生涯を通して,イエス・キリストに従うことに価値があるのはなぜでしょうか。

何人かの生徒に,これらの質問に対する答えを分かち合ってもらうとよいでしょう。今日話し合ったイエス・キリストについての真理について証します。