「セッション2」永遠にわたる決断
「第2部」永遠にわたる決断
セッション2
学習の成果:このセッションは,自分の証と改心に責任を持つという望みと能力を,学習者が増すのに役立ちます。
学習活動案
セッション1の復習
以下のような画像を見せ,生徒がパートナーと向き合って,前回のセッションから思い起こすことを分かち合ってもらうとよいでしょう。時間を十分に取ってから,何人かの生徒にクラスで発表してもらいます。生徒がこの世界規模の放送の重要性を理解できているか確認するために,追加の質問をします。
生徒からの発言がない場合は,この説教が,ラッセル・M・ネルソン大管長が教会のすべてのヤングアダルトに同時に語りかけ,天の御父が彼らに知ってほしいと望んでおられることを教えた唯一の機会であることを理解しているか,確認してください。
前のセッションで紹介した次の3つの真理をもう一度提示します:
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自分が何者かという真理を知る。
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天の御父と御子が与えてくださっている真理について知る。
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自分の改心に関する真理を知る。
前回,最初の二つの真理について学んだことを生徒に思い出してもらいます。
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最初の二つの真理は,どのような有害な考え方からわたしたちを守ってくれるでしょうか。
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最初の二つの真理を知ることは,あなたの近い将来と永遠にどのような影響を与えるでしょうか。
今日のセッションでは,改心に関連する真理についてさらに学ぶことを説明します。
自分の改心に関する真理を知る
預言者の語る言葉を覚えて理解することがわたしたちにとって特に重要だと感じる場合,預言者は様々な場面でメッセージを繰り返すことがあると説明します。また,メッセージの重要性を強調するための言葉や表現を使うこともあります。
2022年5月に行われた「永遠にわたる決断」と,2022年10月の総大会におけるネルソン大管長の「世に打ち勝ちなさい。そうすれば休みが与えられるであろう」という説教の抜粋を並べて,生徒に提示するか配ります。または,「永遠にわたる決断」のタイムコード25:57-27:01を一緒に視聴し,続いて「世に打ち勝ちなさい。そうすれば休みが与えられるであろう」のタイムコード14:46-15:33を見るのもよいでしょう。生徒に,以下の二つの文章を比べてもらいます:
「永遠にわたる決断」(2022年5月12日) |
「世に打ち勝ちなさい。そうすれば,休みが与えられるであろう」(2022年10月) |
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どんな言葉や表現が印象に残りましたか。
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これらの文章を比べて,どのような考えや気持ちを抱きましたか。
生徒が望むなら,この二つの文章を自分の携帯機器でリンクしてもらうとよいでしょう。また,前者の「どうぞ,自分の証に責任を持ってください」という文章と,後者の文章にある「切にお願いします」という言葉に印をつけてもらってもよいでしょう。
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「自分の証に責任を持つ」ために,ネルソン大管長はどのような行動を提案していますか。(ホワイトボードに生徒の答えを書くとよいでしょう。)
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預言者が自分の証に責任を持つようわたしたちに「切にお願い」したのはなぜだと思いますか。
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わたしたちが証を最優先するとき,預言者は何を約束しているでしょうか。
ホワイトボードに「自分の証に責任を持つ」と書き,自分がどのように自分の証に責任を持っているかを生徒に深く考えてもらうとよいでしょう。
これは,生徒に自分の状況を評価してもらう良い機会かもしれません。自分自身を評価する際の指針として,ネルソン大管長の引用文を使うとよいでしょう。もう一度黙読してもらい,一文ごとに止まって,自分がよくできている点と,生活の中で調整できる点について深く考えてもらうとよいでしょう。
適切であれば,あなたが話し合いを主導して,自分の証に責任を持つのに役立ったことを生徒に分かち合ってもらってもよいでしょう。
ネルソン大管長の言葉の中から,自分の証にもっと責任を持つのに役立つと感じるポイントを一つか二つ選んでもらい,それらのポイントを自分の生活にどのように取り入れるかを計画するように勧めます。
真理で証を養う
セッションのこの部分では,証を養い育てるための基本的な部分として,生徒がモルモン書の研究に集中する助けとなることを目的としています。
次の画像を提示し,生徒に以下の質問をするとよいでしょう:
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あなた自身の経験から,証の栄養が不足している状態をどのように見分けることができますか。
生徒を少人数のグループに分け,各グループに書くために何かを渡します(ポスター,ホワイトボードなど)。ネルソン大管長の「真理という養いを与え〔る〕」という言葉を指し示し,各グループに,真理の証を養う方法を思いつくかぎりたくさん書き出してもらいます。
十分な時間を取った後,自分の書いたものがどのように証と改心を養ったかを生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう。
ネルソン大管長は,モルモン書の真理によってわたしたちの証を養うことによりもたらされる祝福を強調しています。次の文章を提示して,自分が経験した祝福を生徒に見つけてもらいます。
「モルモン書について考えると,力という言葉が思いうかびます。モルモン書の真理には人の心を癒し,慰め,回復し,救い,力づけ,元気づけ,喜びで満たす力があるのです。
愛する兄弟姉妹の皆さん,毎日祈りの気持ちでモルモン書を研究するならば,皆さんは毎日,さらによい決断を下すようになるでしょう。研究したことについて深く考えるならば,天の窓が開いて,自分自身の疑問の答えを授かり,自分自身の生活の中で導きを受けるようになります。毎日モルモン書をよく学び,味わうならば,疫病のようなポルノグラフィーのわなや,感覚をまひさせるその他の依存症など,今日の悪から守られることを約束します。」(「モルモン書—この書物なしの人生とは」『リアホナ』2017年11月号,62)
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いつ,これらの祝福を経験しましたか。
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あなたの証を強めるのに役立った聖句がモルモン書にありますか。(生徒たちが考える時間を取り,もしよければ分かち合ってもらいます。)
モルモン書が彼らの信仰と証を養い育てることのできるおもな理由は,モルモン書がイエス・キリストについて証しているからであるということを,生徒が認識することは大切です。ネルソン大管長の次の言葉を分かち合います:
「モルモン書はイエス・キリストを中心としています。主のメッセージの真髄が含まれています。モルモン書は,現代のわたしたちのために,またわたしたちの生活のために書かれたものです。それぞれのページで教えられている原則を研究し,深く考え,応用するとき,わたしたちはイエス・キリストを生活の中心に据え,主が現在と永遠にわたってわたしたちに約束しておられる喜びに満ちた祝福を享受するための強さを授かるでしょう。」
(ラッセル・M・ネルソン,Facebook,2021年12月17日,facebook.com/russell.m.nelson)
少し時間を取って,生徒に,イエス・キリストを生活の中心に据えるのに役立つ聖句をモルモン書から見つけてもらいます。隣や近くに座っている人と分かち合うよう勧めます。これは,互いに分かち合うことによって生徒が教化し合う機会となります。また,モルモン書があなたの証をどのように養ってきたかを分かち合う準備をしておくとよいでしょう。
モルモン書の真理で自分の証をどのように養っているか,また,これまでとは違う方法,またはより良い方法で行うよう霊感を受けたかについて,生徒に考えてもらいます。
疑問
ネルソン大管長は,真理によって証を養い,自分自身を成長させようと努めるときに直面するかもしれない幾つかの課題を認識しています。一つの課題は,答えの分からない疑問です。生徒を二人一組に分け,各生徒に次の記述の一つを割り当てて研究してもらいます。生徒に読んでもらい,印象に残った箇所に印をつけてもらいます。
ラッセル・M・ネルソン大管長は,次のように説明しています。
「疑問があれば,あることを望んでいますが,信じたいという強い望みをもって答えを求めてください。福音についてできるだけたくさん学んでください。真理のあふれる情報源に頼ることを忘れないでください。現在は,『何事も隠されることのない』(教義と聖約121:28)神権時代です。ですから,主はやがてすべての疑問に答えてくださいます。
一方,指先で手に入れることのできる,豊かな啓示の源に没頭してください。そうすることにより,たとえ疑問の一部がまだ答えられていなくても証が強められることを約束します。信仰をもって心から尋ねるなら, 常に信仰は強められ,知識は増すでしょう。」(「永遠にわたる選択」〔ヤングアダルトのためのワールドワイド衛星放送,2022年5月12日〕福音ライブラリー)
当時七十人定員会の会員だったローレンス・E・コーブリッジ長老は,次のように教えています:
「主要な疑問に答えることから始めましょう。主要な疑問と,二次的な疑問があります。最初に主要な疑問の答えを得てください。すべての疑問が等しいというわけではありませんし,すべての真理が等しいわけではありません。主要な疑問がいちばん大切です。その他のことはすべて,重要度において劣ります。主要な疑問は少ししかありません。そのうちの4つについてお話しします。
わたしたちの御父である神は存在するのか。
イエス・キリストは神の御子,世の救い主なのか。
ジョセフ・スミスは預言者だったのか。
末日聖徒イエス・キリスト教会は,地上における神の王国なのか。
これに比べて,二次的な疑問は数限りなくあります。これには,教会歴史や多妻結婚,アフリカ系の人々と神権,女性と神権,モルモン書の翻訳方法,『高価な真珠』,DNAとモルモン書,同性婚,最初の示現に関する異なる記述などに関する疑問があります。
主要な疑問に答えられれば,二次的な疑問にも答えられますし,答えられなくともあまり気にならなくなるでしょう。理解できることとできないこと,賛成できることとできないことをうまく処理することができるようになり,教会を離れることもなくなります。」(Lawrence E. Corbridge, “Stand Forever” [Brigham Young University devotional, Jan. 22, 2019], speeches.byu.edu)
生徒が研究した言葉から学んだことをパートナーと分かち合う時間を取ります。また,生徒の洞察についてクラス全体で話し合うのもよいでしょう。
生徒がネルソン大管長とコーブリッジ長老の教えをさらに理解できるように,次の事例研究を使うとよいでしょう。次のシナリオを見せるか,コピーを各組に渡します。シナリオに登場するヤングアダルトを助けるために,ネルソン大管長とコーブリッジ長老の教えを活用できるかを,生徒に確認してもらいます。
生徒が事例研究に取り組んでいる間は,サンドラを助ける方法についての話し合いに耳を傾け,支援できるようにしておきましょう。
ある人が多くの質問に対する答えが分からない中でどのように進んでいったかを示すさらなる例として,付録にあるロバート・S・ウッド長老の話を読むよう生徒に勧めるか,ウッド長老の経験を要約して生徒に伝えてもよいでしょう。ウッド長老が尋ねられた質問に対応するときに,モルモン書が果たした役割に留意してください。
友人や家族が教会を離れるとき
このセクションには,友人や家族が教会を離れる場合に生徒の助けとなる,小グループでの話し合いが含まれています。
生徒を少人数のグループに分け,次の文を渡すか,福音ライブラリーの「永遠にわたる決断」から探してもらいます。また,タイムコード28:00-29:10のクリップを見てもよいでしょう。生徒がクリップを読んだり視聴したりした後,自分のグループで質問について話し合ってもらいます。
小グループでの話し合いの後,その話し合いで印象に残ったことを生徒に発表してもらいます。クラスメートが分かち合ったことについて,ほかの生徒に,コメントしたり質問したりしてもらいます。
預言者の約束
「永遠にわたる決断」の最後の3段落を生徒に読んでもらい.主の祝福と約束を見つけてもらいます。最も心に響いた祝福と約束を,そしてその理由を,生徒に近くにいる人と分かち合ってもらうとよいでしょう。
また,何人かの生徒に,このワークショップから学んだことをどのように要約するかを発表してもらってもよいでしょう。
このワークショップを締めくくるに当たり,ワークショップから学んだことや感じたことによって,自分がやめようと思ったこと,続けたいこと,始めたいことを何でも書き留めるよう生徒に勧めるとよいでしょう。
主の僕であるラッセル・M・ネルソン大管長が語ったように,主の約束は「すべて果たされる」というあなたの証で終えるとよいでしょう(教義と聖約1:38参照)。