3ニーファイ1－7章

「頭を上げて，元気を出しなさい」

ニーファイ人は奇跡的なしるしを目にしましたが，時がたつにつれて自分たちの経験したことを忘れていきました（3ニーファイ2：1）。印象を書き留めることは，3ニーファイ1－7章を研究する際の霊的な経験を覚えておく助けとなります。

印象を書き留める

幾つかの点で，この経験は，イエス・キリストを信じる者になるための胸躍る時でした。預言は成就されつつあり，人々に示された偉大なしるしや奇跡は，救い主がもうすぐお生まれになることを示していました。その一方で，これは信者たちにとって不安にさいなまれる時でもありました。あらゆる奇跡にもかかわらず，不信仰な者たちは救い主が生まれる「時は過ぎ去った」と主張したからです（3ニーファイ1：5）。こうした人々は「国中にひどい騒動を」起こし（3ニーファイ1：7），レーマン人サムエルが預言した暗闇のない夜というしるしが現れなかったならば，すべての信者を殺す日付を決めてさえいたのです。

こうした困難な状況にあって，預言者ニーファイは「自分の民のために，……熱烈に神に叫び求め」ました（3ニーファイ1：11）。それに対する主の答えは，迫害や疑いに直面しており，光が闇に打ち勝つことを知る必要のある，あらゆる人の霊を鼓舞するものです。「頭を上げて，元気を出しなさい。……わたしは，聖なる預言者たちの口を通して語ってきたすべてのことを成就する……。」（3ニーファイ1：13）

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個人の聖文研究のためのアイデア

3ニーファイ1：4－21；5：1－3

主は御自分の言葉をすべて成就される。

もし自分が3ニーファイ1－7章で述べられている時代の信者の一人だったとしたら，どのように感じていたと思いますか。例えば，救い主の誕生を知らせる暗闇のない夜を，それが起こらなかったら殺されると知りながら待つとしたら，どう感じたでしょうか。3ニーファイ1：4－21および5：1－3を読みながら，こうした困難な時にあって，ニーファイをはじめとする信者たちが，その信仰を保つためにしたことを見つけてください。主はどのように彼らを祝福されたでしょうか。あなた自身が主から約束された祝福を待つときに助けになると思われる，どのようなことを学べますか。

3ニーファイ1：22；2：1－3

霊的な経験を忘れると，サタンの誘惑を受けやすくなる。

あなたは暗闇のない夜といった非常に奇跡的な出来事を目にすれば，長く記憶にとどまり，自分の証の錨となると考えるかもしれません。しかし，ニーファイ人が目にしたしるしや不思議に関する記憶は，時とともに次第に薄れていったと思われます。彼らが忘れてしまった原因は何だったでしょうか。そして，忘れたことでどのような結果がもたらされたでしょうか（3ニーファイ1：22；2：1－3参照）。

霊的な真理に対する証を覚え，新たにするために，あなたは何をしていますか。例えば，霊的な経験を記録することは，どのような助けになり得るか考えてみてください。あなたの最も身近な人が信仰を持てるよう助けるために，どのようにしてあなたの証を分かち合いますか。

アルマ5：6；ヘンリー・B・アイリング「記憶にとどめ，覚えておきなさい」『リアホナ』2007年11月号，66－69；ニール・L・アンダーセン「信仰は偶然ではなく，選びによって与えられる」『リアホナ』2015年11月号，65－68も参照してください。

3ニーファイ2：11－12；3：1－26；5：24－26

主は霊的な危険に対して聖徒たちを強められる。

現代では，強盗団によって強制的に家を追い出され，一つの場所に集まるよう強いられるようなことは通常ありません。しかし，わたしたちは霊的な危険に遭遇しています。ニーファイ人の経験には，わたしたちの助けとなり得る教訓が含まれているかもしれません。3ニーファイ2：11－12と3：1－26を読みながら，そのような教訓を見つけてください。

3ニーファイ5：24－26には，末日における主の民の集合について書かれています。これらの節は，主が今日どのように御自分の民を集めておられるかについて何を教えていますか。

「青少年対象のワールドワイド・ディボーショナル：ラッセル・M・ネルソン大管長とウェンディー・W・ネルソン姉妹からのメッセージ」2018年6月3日，ChurchofJesusChrist.org；「イスラエル—イスラエルの集合」『聖句ガイド』scriptures.ChurchofJesusChrist.orgも参照してください。

3ニーファイ5：12－26；7：15－26

わたしはイエス・キリストの弟子である。

イエス・キリストの弟子になるとはどのような意味だと思いますか（教義と聖約41：5参照）。3ニーファイ5：12－26において，モルモンはニーファイ人の記録の要約を一旦中断し，自分はイエス・キリストの弟子であると宣言しました。その後，3ニーファイ7：15－26で，もう一人の弟子である預言者ニーファイの務めについて記しています。これらの二つの聖句から，キリストの弟子であるとはどういう意味かを理解する助けとなる，どのような事柄が見つかりますか。

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家族の聖文研究と家庭の夕べのためのアイデア

家族とともに聖文を読むとき，家族の必要を満たすためにどのような原則を強調して話し合えばよいかを，御霊の助けによって知ることができます。幾つかのアイデアを紹介します。

3ニーファイ3：13－14，25－26

ニーファイ人は遭遇した敵から自分たちを守るために，何を行ったでしょうか。家庭を世の悪から守る安全な場所とするために，わたしたちは何を行っているでしょうか。

3ニーファイ2：1－3；6：15－17

サタンがわたしたちをどのように欺くかを家族が知るよう助けるために，体の絵を描き，家族に3ニーファイ2：1－3および6：15－17を読んでもらう間に，言及されている体の各部位に印を付けましょう。これらの節によると，サタンがわたしたちに，神を忘れ，罪に向かうよう仕向ける方法には，どのようなものがありますか。

3ニーファイ4：7－12，30－33

ガデアントンの強盗団が向かって来るのを見たとき，ニーファイ人は何を行いましたか。困難な状況に直面したとき，わたしたちの家族はニーファイ人から何を学ぶことができますか。主はニーファイ人が困難のさなかにあるとき，彼らを助けられました。その後の彼らの言葉から，わたしたちは何を学ぶことができますか。

3ニーファイ5：13；教義と聖約41：5

3ニーファイ5：13および教義と聖約41：5を読み，キリストの弟子になるとはどういう意味かについて話し合ってください。できれば家族が互いに，弟子になったと気づいたときのことについて話し合うとよいでしょう。幼い子供がいる場合，「わたしはイエス・キリストの弟子です」と書いたバッジを作り，彼らが救い主に従っていると気づいたときにそのバッジを付けるようにさせるのもよいでしょう。

子供を教えるためのそのほかのアイデアについては，『わたしに従ってきなさい—初等協会用』の，今週の概要を参照してください。

教え方を改善する

聖文を自身に当てはめることができるように家族を助ける。 ニーファイは，「すべての聖文を自分たちに当てはめて，それが自分たちの利益となり，知識となるようにするためであった」と述べています（1ニーファイ19：23）。家族が聖文を自分に当てはめられるよう助けるために，彼らに，もし自分が3ニーファイ1：4－9で述べられている信者の一人だったとしたらどうしていたかを考えてもらうとよいでしょう（『救い主の方法で教える』21参照）。