モロナイ10章

「キリストのもとに来て，キリストによって完全になりなさい」

クラスの参加者の中には，今年モルモン書を読んで意義深い経験をした人がいるかもしれません。これらの経験を生かして，クラスの全員が聖文を研究するよう励ましてください。

印象を書き留める

分かち合うよう招く

クラスの参加者に，モロナイが今クラスを訪問していると想像してもらうとよいでしょう。クラスの参加者は，モロナイがモロナイ10章で書いたことについて，本人に何を言いたいでしょうか。自分にとって特に意義深い節がありますか。これらの節にまつわる経験を分かち合ってもらってもよいでしょう。

教義を教える

モロナイ10：3－7

聖霊の力によって真理を知ることができる

モロナイ10：3－5を注意深く研究すると，クラスの参加者は新たな洞察を得るかもしれません。そうなるために，これらの節の重要な言葉を別々の紙に書いて，クラスの参加者全員，あるいは幾つかのグループにその紙を一枚ずつ渡すとよいでしょう。どうすればそれを自分の生活に取り入れられるかも含め，その言葉の意味について深く考えたり話し合ったりするように招いてください。それから，モロナイ10：3－5を一緒に読み，今研究した言葉が書かれているところが来たら一度止まって，クラスの参加者に意見を分かち合ってもらうとよいでしょう。
クラスの参加者が，これらの節にあるモロナイの勧めを実行したときの経験を分かち合えるように，自分の友人や家族がモルモン書の証を得られるように励まそうとしていると想像してもらってください。どのようにモロナイ10：3－7を活用しますか。どのような経験を分かち合うことができますか。どうすれば，何かを「聖霊の力によって」知るという意味を，ほかの人が理解するのを助けられますか（モロナイ10：5）。

モロナイ10：8－25

「〔神の〕賜物を否定しない」

「〔神の〕賜物を否定しない」ようにという勧告が，この末日に特に大切なのはなぜでしょうか（モロナイ10：8）。クラスの参加者に，モロナイ10：8－18を黙読しながらこの質問について深く考えるよう励まします。クラスの参加者が，霊的な賜物に対する信仰を強められるように，モロナイ10：9－16に挙げられているそれぞれの賜物を使っている人の例を分かち合ってもらうとよいでしょう。それらの例は，聖典や教会歴史から，あるいは自分自身の人生から見つけられるでしょう。（モルモン書からの例は，「その他のリソース」に挙げられています。）また，これらの節に書かれている賜物の幾つかが，モルモン書が世に出されたときにどのように現わされたかについて話し合ってもよいでしょう。霊的な賜物を信じるのが，モルモン書の証を求めている人にとって大切なのは，なぜでしょうか。わたしたちは時々，生活の中でどのようなことをすることによって，これらの賜物を「否定」してしまうのでしょうか。これらの賜物は，どのようにわたしたちが「キリストのもとに来て，キリストによって完全にな〔る〕」助けとなりますか（モロナイ10：30－33）。
これらの節に書かれている霊的な賜物を研究する別の方法は，ホワイトボードに次のような質問を書くことです。「霊的な賜物とは何ですか。」「だれに与えられますか。」「なぜ与えられますか。」「どのように賜物を受けますか。」それからクラスの参加者に，モロナイ10：8－25を調べ，答えを見つけてもらいます。（「その他のリソース」にあるブリガム・ヤング大管長とダリン・H・オークス管長の言葉も助けになるでしょう。）9－16節に書かれている霊的な賜物に加えて，ほかにどのような「神の賜物」を受けたことがありますか。あるいは，それによってどう祝福されましたか（モロナイ10：8）。次のブルース・R・マッコンキー長老の教えを分かち合ってもよいでしょう。「霊的な賜物はその数も種類も無数にあります。聖文に述べられている賜物は，神を愛し仕える者に，恵み深い神が与えてくださる神聖な恵みの豊かな表れの一部に過ぎないのです。」（A New Witness for the Articles of Faith [1985], 371）

モロナイ10：30－33

イエス・キリストの恵みによって，完全になることができる

クラスの参加者が「キリストのもとに来て，キリストによって完全になりなさい」というモロナイの招きを受け入れられるには，何が助けになると思いますか（モロナイ10：32）。「われに来よ」（『賛美歌』66番）など，このテーマに関する賛美歌から始めることで，話し合いに御霊を招き入れ，賛美歌とモロナイ10：30－33にある真理との関係についてクラスの参加者が理解したことを分かち合うことができるでしょう。これらの節とこの賛美歌から，キリストのもとに来ることの意味について何を学べますか。「キリストによって完全になる」とは，どういう意味ですか（教義と聖約76：50－53，69も参照）。「イエスを通じて完全な者とされ〔る〕」ことの意味について，あなたが感じていることを分かち合ってください（教義と聖約76：69）。またクラスの参加者にも分かち合うように励ましてください。
これが今年度のクラスでのモルモン書についての最後の話し合いになるので，クラスの参加者に，モルモン書を研究して感じたことや学んだことを分かち合ってもらってもよいでしょう。そうするために，モロナイ10：32－33を一緒に読み，モルモン書がどうやってキリストのもとに来る助けとなったかについて，クラスの参加者に数分間深く考えてもらうとよいでしょう。それから次のように質問します：モルモン書はどのようにしてわたしたちが神に対してより大いなる愛を持つ助けとなったでしょうか。モルモン書はどのようにわたしたちがさらにキリストの恵みに頼る助けとなったでしょうか。モルモン書はどのようにわたしたちが救い主の力を「否定しない」助けとなったでしょうか。クラスの参加者に，モルモン書についての自らの証と，モルモン書がイエス・キリストを証していることを分かち合うよう招きます。

家庭で学ぶよう励ます

クラスの参加者が，来年度教義と聖約を研究するのを待ち望めるように，モロナイ10：9－16を復習して，これらの賜物が今日の教会にすべて現れていることを説明するとよいでしょう。教義と聖約を読むとき，末日における主の業を行うために，神の力と賜物が使われてきたことを理解することでしょう。

その他のリソース

モルモン書における霊的な賜物の現れ

御霊によって教える：ニーファイとリーハイ（ヒラマン5：17－19）
非常に深い信仰：アルマ，アミュレク，アンモンほか（エテル12：13－22）
癒し：アルマ（アルマ15：5－11）
大きな奇跡：3人の弟子たち（3ニーファイ28：19－22）
預言：リーハイ（2ニーファイ1：6－7）
天使を見る：アミュレク（アルマ10：7－10）
言語の解釈：モーサヤ（モーサヤ28：11－16）

ブリガム・ヤング大管長の霊的な賜物の証。

「信仰。あなたが福音の原則を信じて，神の賜物である信仰を得るとき，神は信仰に信仰を加えることによって，信仰をさらに増し加えてくださいます。……

癒しの賜物。わたしはここで，数百人の男女子供が按手を通して，神の力によって癒されたことを証します。わたしは死の門口から立ち上がり，永遠の淵から戻され，また何人かの霊は実際に肉体を離れた後に戻って来たのを目にしました。わたしは，救い主の約束に基づいて病人が按手によって癒されたのを目撃したことを証します。……

預言，啓示，知識。あらゆる男女は啓示者になることができ，イエスの証すなわち預言の霊を持ち，自分に関する神の思いと御心を予見し，邪悪を追い出し，善を選ぶことができます。」（『歴代大管長の教え—ブリガム・ヤング』277－278）

「あらゆる善い賜物を得る」

ダリン・H・オークス管長は，霊的な賜物を求めることで母親がどのように祝福されたかを次のように説明しています。「夫を失い，一人で子供を育てることになったわたしの母は不完全でした。母は3人の幼い子供を育てる責任を果たすために必要な事柄をどれほど祈り求めたことでしょうか。母は求め続け，ふさわしい生活をしていました。そして祝福されました。母の祈りは霊的な賜物を受けることをはじめとして様々な方法でこたえられました。母は多くの賜物を受けましたが，わたしの記憶にいちばん残っているのは信仰と証と知恵の賜物です。」(“Spiritual Gifts,” Ensign, Sept. 1986, 72)

レッスンを改善する

クラスの参加者たちが分かち合う時間を取る。　「生徒たちが自分の学んでいることを分かち合うとき，彼らは御霊を感じて自らの証を強めているだけではなく，クラスのほかの生徒たちが自ら真理を見いだせるよう励ましているのです。」（『救い主の方法で教える』29）