セミナリー
第207課―家族歴史と神殿奉仕:わたしたちは主の宮で亡くなった先祖のための儀式を行うことができる


「第207課-家族歴史と神殿奉仕:わたしたちは亡くなった先祖のために主の宮で儀式を行うことができる」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「家族歴史と神殿奉仕」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第207課:神殿への備え

家族歴史と神殿奉仕

わたしたちは亡くなった先祖のために主の宮で儀式を行うことができる

画像
神殿儀式カードを持つ青少年

天の御父の憐れみ深い計画において,イエス・キリストの福音の救いの儀式を受けることなく亡くなった人も,永遠に失われることはありません。わたしたちは家族歴史と神殿奉仕を行うことによって,亡くなった先祖が必要としている助けを提供することができます。この課は,生徒が亡くなった先祖の名前を見つけ,主の神殿で先祖のために儀式を行う準備をする助けとなります。

学習活動案

家族歴史と神殿奉仕の祝福

家族歴史と神殿活動を通して得られる祝福について,生徒が深く考えられるよう助けます。生徒が個人的に経験している場合,目にしたことのある祝福を分かち合うよう招くこともできるでしょう。

必要であれば,「Improve Your Temple Experience; Change Your Life」”(ChurchofJesusChrist.orgにあります)のタイムコード1:42-3:22を見てもよいでしょう。

あるいは,次の証を分かち合うのもよいでしょう。

フランスに住む17歳のピエール・オルバンは,神殿を訪れたときの経験について次のような証を分かち合っています。

「スイス・ベルン神殿に初めて行ったときには,家族や友人と一緒でした。この経験はぼくにとって大きな喜びでした。皆,御霊を感じました。自分が行っているのは善いことであり,神がぼくたちの業を誇りに思ってくださっていることが分かりました。ぼくは神殿が多くの祝福をもたらしてくれることを知っています。時間を作って先祖のために神殿の業を行うとき,天の御父は祝福してくださいます。ぼくたちが神の宮で神の子供たちのために行ってきたことを,天の御父は喜んでくださるでしょう。」(ピエール・オルバン・C『青少年の強さのために』2022年4月号,表紙裏)

  • 家族歴史と神殿奉仕を通して,どのような祝福が得られる知っていますか。

  • 神殿・家族歴史活動に参加したいけれどもどのように始めればよいか分からない人を,あなたはどのように助けることができますか。

亡くなった人のために儀式を行う

教会歴史から,死者のためのバプテスマがこの神権時代に初めて教えられたとき,それを学んだ人々の経験を幾つか分かち合うとよいでしょう。生徒に『聖徒たち』第1巻「真理の旗」から抜粋した次の箇所を読み,学んだことを二人一組で話し合うよう招いてもよいでしょう。

「聖徒たちは1840年10月の総大会のためにノーブーに集まりました。ジョセフは死者のためのバプテスマについてさらに教えを説き,死者の霊は,生存している親族が自分の身代わりに救いの儀式を受けるのを待っていると説明します。

総大会の部会と部会の間,聖徒たちはミシシッピ川へと急ぎました。そこには数人の長老が腰まで水に浸かった状態で立っており,亡くなった祖父母や父,母,きょうだい,子供のためにバプテスマを受けるよう手招きしています。間もなく,ハイラムは兄アルビンのためにバプテスマを受けました。

バイレート・キンボールは川に立つ長老を眺めながら,10年以上前に亡くなった母のためにバプテスマを受けたいと切に願いました。ヒーバーに,イギリスから帰って儀式を執行してほしいと思いましたが,ジョセフは聖徒たちに,できるだけ早く死者を贖うよう強く勧めていたため,母親のためにすぐさまバプテスマを受けることにしました。

エマ・スミスもまた,家族に思いをはせていました。父のアイザック・ヘイルは,1839年1月に亡くなっています。……

……父を愛していたエマは,川で父のためにバプテスマを受けました。父が回復された福音をこの世で受け入れることはありませんでしたが,永遠にそのままではいないだろうという望みを,エマは抱いていたのです。」(『聖徒たち』第1巻,402ー403

  • これらの経験から,あなたが意義深いと感じたものは何ですか。

生徒が述べたことに加えて,これらのバプテスマは神殿ではなくミシシッピ川で行われたことも指摘するとよいでしょう。当時,ノーブーには神殿もバプテスマフォントもありませんでした。また,生徒は,エマ・スミスが父親のためにバプテスマを受けたことにも気づくかもしれません。後に主は,女性は女性のために,男性は男性のために儀式を行うという規範を明らかにされたことを説明するとよいでしょう(『聖徒たち』第1巻,547-548参照)。

教義と聖約124:29-36を読み,ノーブーの聖徒たちが死者のために行っていたバプテスマについて,主がジョセフ・スミスに明らかにされたことを見つけましょう。

  • 主はどのようなことを明らかにされましたか。

  • これらの聖句はまた,主についてどのようなことを教えていますか。

    生徒は恐らく,主が神殿を重要視しておられる様々な真理を見いだすでしょう。一つの例は,亡くなった先祖のために,主の聖なる神殿でわたしたちが行う儀式を主は受け入れてくださるということです。

    生徒は,主の特質についての真理も述べるかもしれません。生徒は,イエス・キリストが聖徒たちに神殿を建てるための「十分な時間」(3133節)を約束されたので,忍耐強く公平な御方であることを見つけるかもしれません。この課の残りの部分では,特に先祖のために神殿で儀式を行うことに焦点を当てますが,生徒が希望する場合は,イエス・キリストの特質について話し合うために時間を使ってもかまいません。

  • 主は「あなたがたの死者のためのバプテスマ」という言葉を用いられたことから,わたしたちはどのようなことを学ぶことができるでしょうか(教義と聖約124:32-33127:5参照)。

十二使徒定員会のクエンティン・L・クック長老は,先祖について次のように述べています。

画像
クエンティン・L・クック長老

「啓示を通して言われた最初の教えの中で主は,『あなたがたの死者のためのバプテスマ』と言われました〔教義と聖約127:5;強調付加〕。わたしたちは自分自身の先祖に対して教義上の義務を負っているのです。なぜなら,天の日の栄えの組織は家族に基づいているからです。」(クエンティン・L・クック「根と枝『リアホナ』2014年5月号,45)

  • 先祖について知ることは,あなたにどのような影響を与えてきましたか。それはあなたにどのような影響を与える可能性があるでしょうか。

  • 亡くなった先祖のために神殿の儀式を行うことは,あなたと天の御父との関係にどのような影響を与えると思いますか。

主の救いの業においてあなたが果たせる役割

生徒に,以下の言葉が自分にどの程度当てはまるかを考えながら,家族歴史と神殿活動の経験について考えるよう招くとよいでしょう。

1から5の段階で(1=当てはまらない,5=非常に当てはまる),これらの記述が自分にどの程度当てはまるかを評価してください。

わたしは先祖の名前を見つける方法を知っています。

わたしは先祖の名前を神殿に提出する方法を知っています。

先祖の名前を見つけて,神殿で彼らのために儀式を行いたいです。

亡くなった親族のための業を行うことの大切さを感じています。

神殿・家族歴史活動に関する理解や経験を分かち合うよう生徒を招いてください。何を学びたいのか,またどのような助けを必要としているのかを尋ねましょう。神殿・家族歴史活動がもたらす祝福について話し合うことで,学び合い,聖霊からも学ぶよう勧めてください。

必要に応じて,次のビデオから一つ選んで見せるとよいでしょう。

神殿を中心にする」(7:18;タイムコード3:50-4:36を視聴)

霊的なダイナマイト」(2:40)

神の家族の集合」(4:18)

取るべきステップ

生徒が家族歴史と神殿活動に携われるようになる以下のステップを表示します。すでにこれらのステップが済んでいる生徒には,できるかぎりほかの生徒を助けるよう勧めましょう。

  • ステップ1.教会アカウントを作成する。

  • ステップ2.小冊子『わたしの家族―わたしたちを一つにする思い出』,ファミリーサーチ,またはファミリーツリーアプリを調べる。

  • ステップ3.「準備ができている儀式」機能を使う。

  • ステップ4.予約を取って神殿参入する。

一人の生徒に,「準備ができている儀式」機能の使い方を実演してもらいましょう。ファミリーツリーアプリをダウンロードして,使い方を学ぶよう勧めてください。アプリでは,神殿アイコンと「準備ができている儀式」リンクをクリックして,儀式を行える家族の名前を見つけることができます。儀式を要請し,神殿に持参するネームカードを印刷する方法を生徒が学べるよう助けます。生徒が何人かの先祖の名前を見つけたら,それらの先祖がどのような関係にあるか,またそれらの先祖について入手できる個人的な情報について学ぶように勧めましょう。神殿推薦状を持っている生徒に,神殿に参入する予約をするよう勧めます。

必要であれば,以下の情報がさらなる指針を与えてくれます。

生徒が助け合いながら神殿に提出する名前を見つけたら,気づいたことや学んだ教訓を分かち合うよう招きましょう。救い主と,わたしたちが先祖を助けることを主が望んでおられることについて考えるよう勧めてください。以下のような質問をするとよいでしょう。

  • 今,神殿・家族歴史活動に参加することは,神殿で神と聖約を交わして守るための備えをするうえで,どのような助けになると思いますか。

  • 家族歴史と神殿奉仕を行うことで,救い主への愛はどのように深まるでしょうか。

印刷