セミナリー
はじめに 教義と聖約 セミナリー教師用手引きについて 


「はじめに 『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』について」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025)

「はじめに」『教義と聖約 教師用手引き』

はじめに 『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』について

クラスの前に立つ青少年

宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的は,「青少年とヤングアダルトが,イエス・キリストと主の回復された福音への改心を深め,神殿の祝福を受ける資格を得,天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備えることができるよう助けることです。」(「宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的ChurchofJesusChrist.org

この目的を達成できるようにこの手引きでは,教義と聖約のレッスンと「人生の備え」レッスンという2種類のレッスンを通して,生徒に様々な学習経験を提供しています。教義と聖約のレッスンは,その週,『わたしに従ってきなさい―家庭と教会用:教義と聖約 2025』で強調されている聖句ブロックに対応しています。「人生の備え」レッスンは,生徒がイエス・キリストから力を引き寄せ,主の教えを応用して人生の試練に備えることを学ぶ助けとなります。

これら2種類のレッスンから教えるための提案を活用し,御霊の指示に従うことによって,生徒が霊的,社会的,知的,身体的など,生活の様々な面でイエス・キリストの力に頼るよう助けることができます。また,彼らが天の御父とイエス・キリストを信じる信仰をもって将来に備えるのを助けます。

この教師用手引きは,ChurchofJesusChrist.orgの福音ライブラリーからオンラインで利用可能であり,手引きのPDFをダウンロードすることもできます。また,「福音ライブラリー」アプリからも利用可能です。印刷版を使用したい場合は,地元のコーディネーターまたはプログラム管理者に要請してください。

教えるための準備に役立つツール

どちらの種類のレッスンを教える際にも,準備に役立つツールが幾つかあります。

聖文

『わたしに従ってきなさい』の聖文記事と合わせて学習することは,生徒に教えるための大切な準備となります。この手引きに記載されているレッスンを行うには,定期的に聖文を研究し,聖霊の交わりを求める,霊感を受けた教師が必要です。聖文を定期的に研究する中で,天の御父は御霊を通してあなたに霊感を与え,生徒の必要を満たすために,教材を合わせられるようにしてくださると確信を持つことができます。

概要

概要は,教義と聖約の各週のレッスンの始めと,「人生の備え」レッスンの各カテゴリーの始めに示されています。概要には以下の事柄を含む,教える備えの助けとなる,レッスン特有の情報が載っています。

  • レッスンの目的

  • 生徒の準備に関するアイデア

  • 実物を用いたレッスン,配付資料,画像,ビデオ,その他事前に準備する必要のある資料のリスト

該当するレッスンを教える前に概要を確認することは,事前にどの教材を準備するかを決めるのに役立ちます。

あなたが担当する,翌週のレッスンの週の概要を探してみてください。

  • ここで,事前に知っておくと役立つ情報は何でしょうか。

  • 教える準備をするに当たって,その情報をどのように使用しますか。

教えるためのヒント

教義と聖約のレッスンの前にある各概要では教えるためのヒントとして,『救い主の方法で教える—家庭と教会で教えるすべての人のために』から,推奨される練習方法や原則を説明しています。これらのヒントは,次のアイコンで示されています:訓練アイコン。準備ができたと感じたら,教えるときにこれらの練習と原則を実践してみてください。これらの提案を取り入れることは,教える能力を向上させるのに役立ちます。

各概要にある教えるためのヒントは,推奨される練習や原則のモデルとなるレッスンを示しています。そのレッスンでトレーニングアイコン訓練アイコンを探して,モデルとなっているヒントの例を見つけてください。また,強調されている教え方や原則についてさらに学ぶのに役立つ,「教師養成スキル」も紹介していることがあります。時間と能力が許す限り,レッスン準備の一環としてこれらの訓練を利用することを考えてください。

次週に教える内容については,概要の中の「教えるためのヒント」を確認してください。どのような形でその提案を次週のレッスンに取り入れますか。

学習進度の提案

「人生の備え」の各レッスンの概要には,学習進度の提案が含まれています。提案には,これらのレッスンを学習進度ガイドのどこに組み込むことができるかのアイデアが記載されています。コーディネーターとプログラム管理者は,学習進度ガイドを作成する際にこれらの提案を活用することができます。

生徒の準備

各概要には,生徒が各レッスンに向けて思いと心を備えるのに役立つ提案も含まれています。週の初めにこれらのアイデアを確認して,どのアイデアが生徒にとっていちばん役に立つか,祈りながら決めるとよいでしょう。「生徒の準備」の提案をすべて使用する必要はありません。アレンジを加えたり,独自のアイデアを出してもかまいません。これらの提案の多くは,学習体験の前日か数日前に生徒に知らせることが想定されています。

次週のレッスンの概要にある「生徒の準備」のアイデアを確認します。どのアイデアを活用するか,応用するか,あるいは使わないかを考えてください。生徒に準備をしてもらうことにした場合,その準備のアイデアをどうやって生徒に伝えますか。前のクラスの最後に,口頭で伝えても見せてもよいでしょう。または,必要に応じて,電子メールまたはメッセージアプリで送信します。

指導に関する指示

各レッスンでは,四角い枠内に教師への指示が書かれています。指導に関する指示は,教える準備をするのに役立つよう考えられています。レッスンで提案されている学習活動の使い方を知る助けにもなります。また,レッスンの活動の目的を説明したり,生徒の必要によりよく対応するためにレッスン内容を変更する方法を提案したりもします。これらの提案には,必要に応じて内容や活動を変更するための代替案,質問,活動などが含まれています。

近日中に教える予定のレッスンについて,「指導に関する指示」を確認してください。確認した指導に関する指示を下に,どのような工夫をすることができるでしょうか。

学習活動案

各レッスンには,学習体験にアプローチする方法のアイデアが含まれています。レッスンで提案された学習活動をすべて使用する必要はありません。

生徒ができるだけ最高の経験ができるように,この項の内容は,台本としてではなく,あくまでもガイドとして使用してください。セミナリー教師に召されたばかりの場合は,提案されている学習活動に忠実に従うことから始めるとよいかもしれません。経験を積むにつれ,この手引きの内容を生徒の必要に合わせて最適化する能力が磨かれることでしょう。

提案されている学習活動の多くは,学習帳に完了させるよう生徒に勧めています。生徒が使用できる学習帳のPDFは,ChurchofJesusChrist.org/si/seminary/manualsで入手できます。希望する場合は,コーディネーターまたはプログラム管理者に連絡して,この学習帳の印刷版を入手してもらってください。

訓練アイコン提案された学習活動を取り入れることと,生徒の必要にさらによく合うよう教科課程資料を調整することのバランスを取る方法については,『セミナリー教科課程の訓練』の「セミナリー教科課程を取り入れ,調整する訓練」を参照してください。この訓練は,年度の最初の2,3週間のうちに完了するのが最も効果的でしょう。

その他のリソース

ほとんどのレッスンには,最後に「その他のリソース」の項があります。この項には,学習を深めるための情報が記載されています。生徒からの質問として想定されるものに対して考えられる回答や,レッスンに取り入れたいと思う可能性がある,教会指導者の言葉などが見つかります。この項は,福音ライブラリーアプリまたはChurchofJesusChrist.orgの「福音ライブラリー」からオンラインで教師用手引きにアクセスしている場合のみ利用できます。「その他のリソース」の項は,教師用手引きのPDF版には含まれていません。

次回のレッスンに「その他のリソース」が含まれているか確認してください。生徒に紹介するとよいかもしれない質問,回答,または教会指導者の言葉はありますか。

補足学習活動

この項は,レッスンの最後にも掲載されており,学習体験にアプローチするための追加アイデアが記載されています。これらの学習活動には,レッスンの現在の活動を応用する方法や,レッスンに含まれていない教材を教える方法が含まれます。補足学習活動は,「福音ライブラリー」アプリまたはChurchofJesusChrist.orgの「福音ライブラリー」からオンラインでアクセスしている場合のみ,教師用手引きに掲載されています。この項は,教師用手引きのPDF版には掲載されていません。

今後のレッスンに「補足学習活動」の項が掲載されている場合は,それらの活動を確認してください。レッスンの主要部分に含まれている学習活動と一緒に,またはその代わりとして生徒に用いると効果的だと思うものはありますか。

教義と聖約のレッスンと「人生の備え」レッスン

生徒は年間を通じて,教義と聖約のレッスンと「人生の備え」レッスンの両方を受けるべきです。一般的に,週3回は教義と聖約のレッスンで,残りの2回は「人生の備え」レッスンです。週によっては,このペースを調整する必要があるかもしれません。

以下の情報は,両方の種類のレッスンの目的と実施方法を理解するのに役立ちます。

教義と聖約のレッスン

教義と聖約のレッスンは,『わたしに従ってきなさい』でその週に強調されている聖句ブロックに対応しています。これらのレッスンは,教義と聖約にある救い主の教えを深く研究する経験を生徒に提供するものです。教義と聖約のレッスンには,マスター教義の実践のレッスンと「学習評価」のレッスンも含まれています。

マスター教義

教師であるあなたの大切な優先事項の一つは,マスター教義の成果を生徒が達成できるようにすることです。これらの成果には,生徒が以下のことをできるよう助けることが含まれます。

  • 霊的な知識を得るために神の原則を学び,応用する。

  • マスター教義聖句とマスター教義聖句が教えているイエス・キリストの福音の教義に精通する。

指定の聖句と,それらの聖句が教えるイエス・キリストの福音の教義に精通すると,生徒は以下のことに習熟したことになります。

  • マスター教義聖句の中で教えられている教義を知り,理解する。

  • 関連するマスター教義聖句を使って,教義を明確に説明する。

  • イエス・キリストの福音の教義と霊的な知識を得るための原則を,日々の選択において,また教義的,個人的,社会的,歴史的な問題や疑問に対処するときに応用する。

  • マスター教義聖句の場所を覚え,重要語句を暗記する。

マスター教義アプリは,生徒がマスター教義の成果の一部を達成するのに役立ちます。このアプリは,生徒がそれぞれのマスター教義聖句の場所と重要語句を暗記できるよう練習するためのものです。このアプリをクラスで使用し,可能であれば生徒に自分のデバイスにダウンロードしてもらうとよいでしょう。iOSおよびAndroidデバイスで利用できます。

マスター教義の目的について詳しくは,ChurchofJesusChrist.orgにある「マスター教義とは何でしょうか」(3:56)を視聴してください。

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マスター教義の実践レッスン

マスター教義の実践レッスンは,生徒がマスター教義の成果を達成できるように助けることを目的としています。

訓練アイコンマスター教義の成果を生徒が達成できるように支援する方法の詳細については,『セミナリー教科課程の訓練』にある「マスター教義の訓練」を参照してください。「セミナリーの教科課程を取り入れ,調整する」の訓練を終了した後,数週間以内にこの訓練を修了するのが最も効果的でしょう。

「学習を評価する」の課

評価は,学習における重要な要素です。立ち止まって学習を振り返る機会は,生徒にとって前向きな経験となり,もっと天の御父やイエス・キリストのようになることを目指して継続的に成長し,前進する動機付けとなるでしょう。学習を評価することで,生徒は学習プロセスに積極的に参加するようになり,自分の学習に対してより責任を持つようになります。

これらの「学習を評価する」の課は,教義と聖約の重要な教義を説明し自分の態度や願望を振り返りイエス・キリストの弟子としてより献身的になるための行動を身につけるための進捗状況を共有する機会となります。これらのレッスンで,生徒は,自分の成長を実感し,将来的にさらに成長できる分野を見極めることで,喜びを感じることができます。コースの単位を取得するには,生徒はコースの半期ごとに少なくとも一つの「学習を評価する」レッスンに参加する必要があります。

コースの半期でそれらのレッスンのいずれにも参加しなかった生徒は,コースの単位を取得するためには,半期ごとの「学習評価」レッスンを完了する必要があります。この手引きの付録には,二つの「学習を評価する」レッスンが含まれています。「学習を評価する,第1部」は,コースの前半で評価のレッスンに参加できなかったのを補うために使うことができます。「学習を評価する,第2部」は,コースの後半で評価のレッスンに参加できなかったのを補うために使うことができます。この理解度調査を生徒に渡し,ほかのクラスメートや家族と一緒に行ってもらうとよいでしょう。終わったら,その経験から学んだことをあなたと分かち合うよう勧めます。そうすることで,生徒にミニスタリングを行い,彼らの霊的な成長をともに喜ぶ機会を得ることができます。この「学習を評価する」のレッスンを完了したら,コース半分の評価に対し単位を与えます。

訓練アイコン「学習を評価する」レッスンの実施方法について詳しくは,『セミナリー教科課程の訓練』の「理解度調査の訓練」を参照してください。この訓練は,「マスター教義の訓練」を終えてから数週間以内に完了するのが最も効果的でしょう。

「人生の備え」レッスン

「人生の備え」レッスンは,生徒が救い主の教えを以下の事柄に応用する機会を提供します。

  • 難しい質問や人生における困難な状況に対処する

  • イエス・キリストと主の預言者の教えを用いて,霊感に基づいた選択をする

  • 自分や家族を養うために自立を育む

  • 心身ともにさらに健康になる

  • 学校で成功を収めるためのスキルを伸ばす

  • 将来の教育や就職に備えるための計画を立てる

  • 伝道や教会での奉仕に備える

  • 神殿で聖約を交わし,守る備えをする

毎週,「人生の備え」レッスンを2回教えるようにしてください。それより多い回数を教える週もあれば,少なく教える週もあると思いますが,可能な限り,平均して週に2回教えるようにしてください。これにより,生徒は年度内に各レッスンを教わる機会を得ることができます。通常,これらのレッスンを特定の順序で教える必要はありませんが,前のレッスンで学んだ概念を用いるレッスンが幾つかあります。

「人生の備え」レッスンの各カテゴリーの概要は,特定の「人生の備え」レッスンをいつ教えるかを決める際に貴重なリソースとなります。これらの概要は,様々な「人生の備え」レッスンの目的と,それらを教える時期に関する提案を,手早く確認するのに役立ちます。

コーディネーターまたはプログラム管理者から提供された学習進度ガイドを必ず入手してください。

訓練アイコンまた,生徒の必要に合わせて学習進度ガイドを調整するために,『セミナリー教科課程の訓練』にある「学習進度ガイド作成の訓練」を参照するとよいでしょう。