神殿への備え
レッスン1:神殿は偉大な救いの計画を教えてくれる


レッスン1

神殿は偉大な救いの計画を教えてくれる

目的

神殿で救いの計画が教えられることを生徒が理解できるように助ける。

準備

  1. クラスの前に,救いの計画を表す未完成の図を,黒板かポスターに描いておく(3ページ参照)。(同じような未完成の図の紙を全員に配布し,話し合いを通じて各自で完成してもらってもよい。)

  2. 各生徒が聖典を持っていることを確認する。小冊子『聖なる神殿に参入する備え』を全員に配る。これはセミナー用の教材の一部として事前に注文しておく。

  3. レッスンの後半部分を手伝ってくれる人を数人,前もって割り当てておくとよい。救いの計画の各部分(前世,堕落など)に提示されている参照聖句を割り当て,各聖句から救いの計画について分かることを要約してくるように言う。

  4. 『教会ビデオ基礎編』(53779 300)が入手できるようであれば,そこに記録されている13分の短編「幸福の探求」を見せてもよい。

レッスンの提示

神殿は霊的な学校である

開会のお祈りをしてもらう。

レッスン中に聖典を用いることを説明する。毎回クラスに聖典を持参するように勧める。

『聖なる神殿に参入する備え』の小冊子を全員に配り,このコースの生徒用副読本であることを説明する。毎回レッスンでこの小冊子の内容を話し合う。コースの開催期間中に一人一人がこの小冊子を読み通さなければならない。

レッスンを始めるに当たって,神殿が霊的な学校であり,人生の目的や救いの計画に対する理解を深めるのに役立つことを説明する。

次の引用文を読んでもらう。これは神殿で学ぶ内容の一部に言及している。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長は神殿についてこう述べている。「この神聖な建物は,神にかかわる崇高で神聖なことを学習する学びやともなります。ここでは愛に満ちた御父が,時代を問わずその息子娘のために定めてくださった計画について,その概略を学びます。また,前世からこの世の生涯を経て次の世に至る,人の永遠の旅路について,その壮大な行程が示されます。根底となる偉大な基本的真理が,それを聞くだれにでも理解できるよう,明確にまた簡潔に教えます。」(「ソルトレーク神殿」『聖徒の道』1993年11月号,6)

ブリガム・ヤング大管長は,エンダウメントと呼ばれる神殿の儀式が,永遠の命を得るために必要な指示を与えてくれると教えている。「エンダウメントとは,主の宮で必要なすべての儀式を受けることであり,あなたがたがこの世を去った後,御父のもとに帰れるようにするものである。」(Discourses of Brigham Young,ジョン・ A・ウイッツオー選〔1954年〕,416)

生徒にヨハネ17:3を読んでもらう。

  • 人が得られる最も重要な種類の知識について,この聖句は何を教えているでしょうか?

神殿では天の御父とイエス・キリストについて知識を深め,御二方にもっと近づけるようになることを説明する。わたしたちは天の御父とキリストが人のために用意された計画について学ぶ。この計画は,聖文の中ではあがないの計画や救いの計画など,様々な名称で呼ばれている。

  • 今までの皆さんの人生で,どのようなことが救いの計画を学ぶうえで役立ったでしょうか。

  • 救いの計画を理解することで,皆さんの生活はどのような祝福を受けてきましたか。

神殿では救いの計画が教えられる

神殿のエンダウメントの一部として,救いの計画が教えられることを説明する。ここでは,これらの神殿の教えが理解できるように生徒たちを備えることになる。

黒板に描かれた未完成の図に注目してもらい,概念の理解を助けるために聖文を用いて,次の事柄を復習する。参照聖句について話し合いながら,図の適当な線の上に書き込む,(5ページの完成図を参照)。生徒に図を配付してある場合は,その図に各自で参照聖句を書き込んでもらう。

生徒に教師の援助を割り当てていれば,ここで救いの計画について知っていることを話してもらう。この話し合いでは,以下の質問に焦点を当てることを説明する。わたしたちはどこから来て,なぜこの地上にいるのか,この世を去るときはどこへ行くのか。

plan of salvation outline

前世

  1. わたしたちは,天の御父である神の霊の子供であり,地上に来るまで御父とともに住んでいた(ローマ8:16-17参照)。

  2. 天の御父は天上で大会議を召集された(アブラハム3:22-23参照)。この会議において,御父はわたしたちの永遠の進歩と幸福のための計画を明らかにされた。それは救いの計画と呼ばれた。わたしたちは,この計画に従うことを選んだ。

  3. この計画に従い,天の御父の長子であるイエス・キリストは,救い主になることを申し出られた(モーセ4:2アブラハム3:27参照)。

  4. 天の御父のもう一人の息子であるルシフェルは,御父の計画に背き,人の選択の自由を破壊しようとした。ルシフェルとルシフェルに従う霊は天から投げて落とされ,肉体を受け死すべき状態を経験する特権が与えられなかった。それからというもの,現在サタンとも呼ばれているルシフェルは,人類を悪に誘惑することによって自分と同じ惨めな境遇に陥れる試みを続けている(モーセ4:1,3-42ニーファイ2:17-18参照)。

堕落

  1. アダムとエバは,地上に来る天の御父の最初の子供として選ばれ,エデンの園に住まわせられた。そのときの二人の体は,死すべき体ではなかった(モーセ3:7-8,21-23参照)。

  2. アダムとエバは,神に禁じられた木の実を口にすることを選んだ。その結果,二人は神のみもとから断ち切られた。この別離を霊の死と呼ぶ。二人は死すべき状態となった。すなわち,いずれ肉体が死を迎えるのである。また,これによって彼らは子供をもうけることもできるようになった。死すべき状態への変化を堕落と呼ぶ(2ニーファイ2:19-25教義と聖約29:40-41参照)。

現世

  1. 前世で天の御父の計画に従うことを選んだ霊は,皆この地上に生まれて来ることによって肉体を得る。この死すべき状態の間に,わたしたちは御父が物理的に近くにおられなくても,信仰によって生き,御父の戒めを守ることができるかどうか試されるのである(アルマ34:32アブラハム3:24-26参照)。

  2. 死すべき状態では,人は誰でも神に従うかサタンに従うかを選ぶ自由がある(2ニーファイ2:27参照)。

死と復活

  1. 死ぬと,わたしたちの霊は霊界に行き,肉体は地上にとどまる。霊と肉体が分離したこの状態は,復活の時まで続く。義人の霊は,パラダイスと呼ばれる平安と幸福の状態に入る。悪人の霊は霊の獄と呼ばれる暗黒の状態に置かれる(アルマ40:9-14参照。1ペテロ3:19参照)。

  2. イエス・キリストのあがないと復活は,全人類が復活により肉体の死に打ち勝ち,復活できる道を与えてくれる。復活とは,霊と完全になった肉体が再び永遠に結びつくことである(1コリント15:222ニーファイ9:10-13アルマ11:42-44参照)。

  3. またイエス・キリストのあがないは,わたしたちがゆるされ,罪から清められて,神のもとに住む道を備えてくれた。救い主は,ゲツセマネの園と十字架上で,全人類の罪のために苦しまれた。このように主がわたしたちの罪を贖ってくださったからこそ,わたしたちは自らの罪を悔い改め,赦しを受けることができる。わたしたちは福音に従った生活を送ることにより,永遠の命というたまものを受けるふさわしさを身に付け,主のようになることができる(モーサヤ3:5-12

栄光の王国

人は,復活したときに,栄光の王国のいずれかに振り分けられる。義人は,神の戒めに従わなかった人たちよりも大きな喜びと祝福を受ける(1コリント15:35,40-42参照)。

  1. 星の栄えは,イエス・キリストの福音も,イエスのあかしも,神の預言者も受け入れずに,罪深い生活を送る人々のためにある(教義と聖約76:81-88,98-103参照)。

  2. 月の栄えは,地上では高潔ではあったがだまされた人々,イエス・キリストのあかしに雄々しくない人々のためにある(教義と聖約76:71-79参照)。

  3. 日の栄えは,戒めを守って,儀式を受け,イエス・キリストへの信仰によりすべてに打ち勝って,心が清くされた人々のために取っておかれる(教義と聖約76:50-70参照)。

次の質問に答えてもらう。

  • 救いの計画について,前には知らなかったことを何か学べたでしょうか。

  • この偉大な計画におけるイエス・キリストの役割を考えるとき,どのような気持ちがしますか。

  • この計画へのわたしたちの感謝の気持ちを,どのように天の御父とイエス・キリストに伝えることができるでしょうか。

救いの計画の中で救い主のあがないがどれほど重要かを強調するために,例にならって,完成した図の下に信仰箇条1:3を書く。

まとめ

神殿がこの計画に関するわたしたちの知識を増し,その知識がわたしたちの生活に大きな祝福をもたらすことを強調する。救いの計画を知り福音の原則に従っていたために受けた祝福について,自分のあかしを述べる。

「幸福の探求」(訳注-『教会ビデオ基礎編』VHS〔53779 300〕に収録されている)のビデオを見せて終了してもよい。

閉会の祈りをしてもらう。

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